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拝啓
私は地方で内科勤務医をしている者です。8月20日の「福島県立大野病院事件」に関する貴社の報道に大変憤りを感じましたので抗議したいと思います。
私は毎朝出勤前の身支度の時間には貴社の「おはよう日本」を流しております。
8月20日朝、アナウンサーが大野病院の刑事裁判について触れたので、身支度をやめ画面に注視しました。そして、その偏った報道に大変驚きました。その報道のほとんどはご遺族の方へのインタビューで構成されていました。
失礼ですが、大野病院事件について、何が問題になっているのかご存じないのでしょうか?なぜまだ判決が確定しない段階で遺族の感情のみを重点的に取り上げるのでしょうか?
これは産科医に過失があったかどうかを裁く裁判です。ご遺族の悲しみの感情は、過失の有無とは全く関係がありません。
貴社の報道は、遺族がかわいそうだから医師が厳重に罰せられなければならないという印象を視聴者に与えます。このような報道をされれば、産科医がますますいなくなるということまで考えは及ばないのでしょうか。
多くの報道関係者が大きな勘違いをしているようですが、この事件に関しては、医療界の「隠ぺい」とか「かばいあい」とかが問題になっているのではありません。問題は「医療の限界」なのです。
ご遺族の方が「このような事故が二度と起きないようにしてほしい」と話す姿を放映されていましたが、まず、これは「事故」ではありません。癒着胎盤という珍しい病気です。医師は懸命に救おうとしたけれど、救えなかったのです。
ご遺族の方がなんと仰ろうと、分娩時の妊婦死亡はゼロにはなりません。出産は昔も今も命がけです。ご遺族が「(娘さんの出産に際して)何の心配もしていなかった」と話しておられましたが、何も心配しないくらいに日本の周産期死亡率が減少したのは、産科医らの築いてきた努力の賜物なのです。
医療がなければ、妊婦さんともども赤ちゃんの命もなくなっていました。今、その時の赤ちゃんが3歳になってご遺族が胸に抱くことができるのは、被告となっている医師のおかげです。
この刑事事件に医療界が注目しているのは、通常の医療を行った医師が結果だけで逮捕されたという異例な事件だからです。これがきっかけで産科のみならず、外科、救急などのリスクの高い診療科に従事する医師の減少に拍車がかかったのは事実です。そのことに関して正しい認識は持っておられるのでしょうか?この報道を見る限り、そのような認識を持っているとは思えません。
これは故意に行った殺人事件とは違うのです。遺族だけの一方的な恨みの感情をお茶の間に放映することはやめていただきたかったです。
もうひとつ、飯野奈津子解説委員の時論公論、http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/10921.html#more
これはネットで知ったのですが、ひどいものです。もっと勉強してください。一々指摘はしませんが、何がひどいのか解らないようであれば、もう解説委員はおやめになった方がよろしいと思います。
とにかく「皆様の受信料で作られているNHK」がこのような偏った報道をされていることには本当にがっかりしました。今後は社会に及ぼす影響を配慮し、公平中立な立場で報道をしていただきたいと心から願います。
敬具
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コメント
コメント一覧
実は私も、先日同NHKのある福祉系の番組を見て、憤りを覚えました。
具体的な番組名は伏せますが、その番組を見る限り、NHKは障害者をバカにしてるとしか思えませんでした。
早速、番組HPに抗議文を送りましたが・・・・。
NHKの方に私の気持ちが届いたか不安です。
マスコミとかテレビの関係者は、ただ、面白ければ、単に安っぽい感動さえ与えられたと『満足』出来たらそれでいいのか?とさえ、最近は思うようになりました。
飯野奈津子論説委員の発言も読みましたが、ひどいものでした。あれを、加藤先生が見たらどれだけ辛い気持ちになるかと思うとやりきれませんでした。
NHKは、受信料を支払う価値のない放送局に成り下がったのか、、、と、残念で仕方ありません。
まったくもってそのとおりだと思います。
実は私もNHKに意見文を書面で送りました。
時論公論はまったくもってひどいものでした。
NHKが報道するからこそ、さらに大きな問題だと思います。
マスコミには医療崩壊を防ぐためにどうしたらよいのかと考える頭は持ち合わせていないのかと悲しくなります。
現場の第一線で働いている(あるいは、その経験のある)医療職ならば、実感として大野病院事件の背景を理解できます。
ネットなどで紹介されている医療安全の考えたかたやシステムを勉強すれば、また背景を理解しようと努力すれば医療職はもちろんのこと、一般の方でも、この事件へのまっとうなな解釈が可能です。
大手マスメディアの記事は記者の多くは、勉強不足、また背景を理解しようとする努力の不足が根本にあり、書かれている内容が浅すぎます。
テレビは更に質が落ちます。
もともと医療システムや医療安全を理解する能力不足が、記者の側にあるかもしれません。
大手メディアの浅い内容の記事や放送が出て、一般人は、それを真に受けるかもしれませんが、ネットの発達で、大手メディアの記事の間違いが専門家から指摘されるようになり、大手メディアへの信頼性が薄れてきています。
間違った解釈ならば、その都度、厳しく指摘していく必要があります。
インターネットの発達があって、今までなら書きっぱなし、言いぱなしであった大手メディアの上っ面だけのいい加減な記事や発言は、専門家や専門知識のある一般人から、厳しく糾弾されるぞ、ということを大手メディアは心に銘記すべきです。
(北朝鮮の放送局に比べたら益しだと思わなくては)
ちなみにテレビは無いので受信料は払っていませんが。
NHK、ご指摘の解説委員が偉そうに報道を通して情報を垂れ流すことに日本の医療の危うさを感じます。
抗議してもマスコミは変わらないかも知れませんが、やはり黙って見過ごすわけにはいきません。
>ラス子さん、初めまして。コメントありがとうございます。私もこの文章を印刷してFAXと郵送の両方で送りました。偏向報道にはどしどし抗議しましょう!
>ぺがさす先生
はい。その折には・・・。でも返事なんて来ないでしょうね。たぶん。
>鶴亀松五郎先生
いつも充実したコメントありがとうございます。この解説委員の報道はとにかく酷いです。マスコミの言いっぱなし、書きっぱなしはもはや許されません。無責任で社会に有害な報道はみなさんの手で糾弾しましょう。
>kampapa先生、コメントありがとうございます。
http://www.med.or.jp/nichinews/n180905n.html
これのことですね。「安心して医療が受けられる体制を再構築するために,マスコミが果たすべき役割は大きい.そのことを自覚して,報道を続けていきたいと思う.」と言っているのに、あらら、方向性が違っちゃってます。「再構築するために」、ということは一度完全に破壊してしまおうという魂胆なのでしょうか。そのために故意に偏向報道をしているとしたら、許せませんね。
>たぬくまぞうさん
まあ確かに、北朝鮮や中国のテレビに比べたらマシでしょうね。ものは考えようです。
>筑紫の里先生
お久しぶりです。先生も見てらっしゃいましたか。判決の朝にこれはないだろう!と私も思いました。みんなで投書しましょう。
小生も20日からマスコミの記事や放送を凝視していましたが
NHKの時論公論にはがっかりしました。先生のおっしゃる通り感情移入が多すぎて冷静な判断ができなくなってしまった他のマスコミと同列の放送でしたね!
同じ新聞社の記事でも的を得た冷静な記事も見受けられましたが、残念なことにほとんどの記事が、【裁判所は医師の過失を認めなかった、遺族の思いは何処へ】といった内容であり、医療現場に対するあまりの理解のなさに残念な気持ちを隠せません。
一般の方に医療の不確実さを大きく訴えることが医療に対する信頼感をも考えた場合に、果たして本当に正しいことなのかは議論を要するところではありますが、今回のマスコミの記事に関しては、そのほとんどがあまりにも情報発信者としては不適格と思えるものがほとんどであり非常に残念に思います。本来ならばマスコミには、我々が言いにくい・医療の不確実性・などを一般の方にオブラートに包んだ形で広めてもらうことを望んでいましたが、彼らにそれを期待したことは全くの無駄であることがわかりました。一審はとりあえず無罪となりましたが、このまま日本の医療崩壊が進んでしまうことはほとんど確実な状態であることは疑いのない事実と考えざるを得ません。残念です!!!!!
コメントありがとうございました。
先生のおっしゃる通りです。大野病院事件の報道を見る限り、マスコミのほとんどが「情報発信者として不適格」と思います。情報を発信するのが仕事なんだから、もっと勉強して公正な報道をするべきです。
>志村建世さん、おほめにあずかり光栄です。おことば、どうもありがとうございました。
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