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2008.07.06 23:30 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  天国へのビザ  |  春野ことり  | 推薦数 : 2

未来の病院

 よっしい先生のブログhttp://blog.m3.com/yosshi/20080621/1で、

拙著 天国へのビザ とともに

 

 

2018年 菊花病院  

2018年 地中海病院

という小説が紹介されていました。

(著者さまより、菊花病院→地中海病院の順に読んで欲しいとのことです)

 

舞台は10年後の日本、国民皆保険制度が破綻しているという設定です。

菊花病院は公立病院で、治療費用が安い代わりに最低限の治療しか受けられません。

地中海病院は民間病院。こちらでは最先端の医療が受けられる代わりに、治療費は大変高額という設定です。

 

さて、主人公の母親が突然倒れました。菊花病院へ運ばれた場合と地中海病院へ運ばれた場合の、二通りの物語が描かれています。

細かいところまでよく描けていて、大変考えさせられるお話です。

 

拙著 「天国へのビザ」では、現在を舞台にした第1話と、未来を舞台にした第2話の2部構成です。未来を舞台としたお話では、老人になるほど医療費の自己負担が高くなるという設定にしました。死を間近にした母親の医療をめぐって葛藤する娘の姿が、上の二つの小説とよく似ています。

 

お金がなければ医療が思うように受けられないというこれらの小説の世界は、近いうちに現実世界のものになるかも知れません。

そうなっても、お金さえあれば最高の医療が受けられてハッピーかというと、そうでもありません。

結局は「死を受け入れる」ということができなければ、残された家族は前に進むことはできないのだと思います。医療制度がいかなるものでも、それは同じではないか、菊花病院と地中海病院を読んで、あらためてそう思いました。

実際、身内の死を受け入れられない人々が増えていることは、臨床現場にいると肌で感じます。そのことは、私が小説「天国へのビザ」を描くきっかけにもなりました。ほとんどの人が病院で亡くなる現在、まるで「死」は社会から隔離されているかのようです。日頃、多くの人たちは「死」について考えることなく生活しているでしょう。そして、自分がどのように「死」を迎えたいか、延命治療を希望するのか、しないのか、そういったことを家族と話し合うことのないまま年老いていく人々が大多数です。

自分が死ぬときのことなんて考えたくないかも知れません。しかし、「死」はいつか必ず訪れます。だから、元気なうちに考えて、ご家族と話し合っておいて欲しいのです。

 

菊花病院と地中海病院、ぜひ多くの方に読んでいただきたい物語です。

天国へのビザ も、よろしくお願いします。こちらはネットでは読めないので、申し訳ありませんm(_ _)m

(最寄の図書館に申請していただくと、時間はかかりますが無料で読めます)

 

なかのひと

 

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