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2008.06.09 23:55 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 7

とーちゃん、医療ミス?

 

日曜日、私の家庭で、ある予定があったのだが

朝、夫の患者が亡くなったため夫は病院に呼ばれ、そのまま病理解剖が行われることになったそうで

夫は夕方まで帰って来れず、予定は取りやめになった。

ま、そんなことはいつものことなので、家族もみな気にしていないのだ、が・・・

それを聞いた小学生の息子の発言にびっくりした。

「とーちゃん、医療ミスしたの??」

 

患者が亡くなって解剖することになったと聞いた息子は、夫が「医療ミス」をしたのかと思ったらしい。

 

「大丈夫だよ。ミスなんかじゃないから」

 

と笑い飛ばしたものの(注:患者さんが亡くなったことを笑い飛ばしたわけではありません。念のため)

 

 

小学生の子どもまでそんなことを心配するなんて~うう、泣ける。。。

 

「とーちゃんはネ、自分や家庭を犠牲にして、患者さんのために毎日夜遅くまで一生懸命働いているんだけどね、オペに失敗したら『ミス』、『ミス』と報道され、実名が出て、あなたも学校でいじめられるかも知れないよ。訴えられて、賠償金請求されて、最近は逮捕されることもあるんだよ」

 

なんて、子どもにはとても言えない。。。

 

 

 

 

 

ところで、こんな記事がありました。

書類送検で実名報道です。

 

5月13日、信濃毎日新聞の記事

くも膜下出血見逃し女性死亡 XX病院医師を書類送検

県厚生連××総合病院で2004年10月、頭痛を訴え受診した○×市○△田、主婦XX○△さん=当時(55)=がくも膜下出血で死亡し、夫の□□さん(59)夫が医療ミスがあったとして告訴していた問題で、△△署は13日、診察した同病院の○○○○医師(29)=△□市○○=を業務上過失致死の疑いで地検XX支部に書類送検した。

 調べによると、○○医師はくも膜下出血の初期段階を疑い、適切な検査と治療をしなければならなかったのに怠った過失により、05年1月12日、同病院でXXさんを死亡させた疑い。同日、告訴状を受理し、捜査をしていた。○○医師は過失を認めているという。

 同署などによると、XXさんは04年10月23日、後頭部に急激な痛みを感じ、同病院の救急外来を受診。「肩凝りによる頭痛」と診断され帰宅したが、数時間後に意識不明になって同病院の集中治療室(ICU)に入院し、意識が戻らないまま死亡した。受診時にXXさんはくも膜下出血の恐れを伝えたが、○○医師はCT(コンピューター断層撮影)検査などをしなかったという。○○医師は研修2年目で、当日は土曜日だった。

 同病院の□△院長は「結果的には判断ミスだった。今後の経過を見守りたい」としている。

 夫の□□さんは「医師はくも膜下出血の症状をよく知らなかったようで憤りを感じる。病院側は示談を申し込んできたが断った。起訴されるか経過を見守りたい」と話した。

 

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まずは亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

 しかし、これで実名報道はひどいです。

 くも膜下出血の警告出血だったと思いますが、これを診断することの難しさは拙ブログでも過去に取り上げました。


 「医師はくも膜下出血の症状をよく知らなかったようで憤りを感じる。

うーん。。。

ご遺族の方もぜひ、

日々是よろずER診療) の くも膜下出血の項目を読んで診断の難しさについて理解されることをお勧めします。http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20080515

 

 (これを患者中傷とか誹謗とか言わないでくださいね。念のため)

 

院長は「ミス」を認めているし、

当事者の研修医も「ミスを認めておけ」って言われたんでしょうね。。お気の毒に

 

実名報道に対し、長野県医師会は声明文を出しています。

 

 

医師実名公表・報道は遺憾 医師会が声明文

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2008年5月30日】

長野県医師会(大西雄太郎(おおにし・ゆうたろう)会長)は29日、医療事故をめぐり長野県警が業務上過失致死の疑いで書類送検した医師の実名を発表し、一部の報道機関が実名で報道したことについて「遺憾の意を表明するとともに慎重な対応を求める」との声明文を出した。

 声明文を県警に提出した後に記者会見した大西会長は「医師不足の原因の一つに医療紛争の増加への懸念がある。起訴や逮捕でなく書類送検での実名公表は、医療現場が萎縮(いしゅく)し、医師が危ない現場を避ける傾向が強まる」と述べた。

 その上で、大西会長は、報道機関には報道の自由があるため実名報道しないように強制できないとする一方、県警に対しては今後、書類送検で氏名を公表しないよう求めるとしている。

 この問題は、△△署が今月13日、同県△△市のXX総合病院に勤務していた2年目の研修医が2004年10月、激しい頭痛を訴えて来院した女性=当時(55)=に適切な検査や治療をしなかったため、女性が死亡したとして業務上過失致死の疑いで書類送検したことを医師の実名入りで発表した。

 翌14日付の朝刊では、長野県警記者クラブに加盟する主要な新聞社のうち3社が医師の実名入りで報道、3社が匿名で報道した。

 長野県警広報課は「公益性と事案の軽重を総合的に判断して発表しており、引き続き総合的に判断し、適切な発表に努めたい」としている。

 

「公益性と事案の軽重を総合的に判断しており」ってねえ。。

こういう発表は、医療崩壊を後押するだけで社会にとって有害だって言ってるんですが。

頑張れ!長野県医師会!!

XX病院も、もっと頑張ろうよ。。。

 

 

なかのひと

 

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