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2008.06.07 06:31 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 9

国公立病院の医師は守られない

前々回の記事、

医療裁判と「公務員バリア」に関して

日本をダメにした10の裁判 [日経プレミアシリーズ] (日経プレミアシリーズ 4)

の著者さまから、メールをいただきました!著者さま、ありがとうございます!!

ご本人の承諾を得られたので、メールを引用いたします。(配色はブログ主によります)

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まずは言い訳から入ります。一般向け書籍ということで、しかも各テーマについてスペースが限られており、「これだけは」というエッセンスを大づかみに伝えることを最重視しました。その結果、それなりに重要なポイントであっても、書くとかえって紛らわしくなる、書くと長々しい説明をつけざるをえない、といった理由で触れなかったものが、いくつもあります。

「公務員バリア」は、国家賠償法1条によるものですが、そこでは、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が・・・」と、国家賠償法の適用対象になる場合が限定されています(本で言うと90頁に条文が出ています)。この点もそれなりに重要なポイントなのですが、本では特に取り上げていません。

と前置きが長くなりました。何が言いたいかというと、実は、公立病院の医師が通常の医療行為をする場合には、「公権力の行使」には該当しない、よって、国家賠償法ではなく、民法が適用される、と一般に解されております。民間病院で行う医療行為と業務の性質が同じだからです。裁判では、定期健康診断でレントゲン写真の誤読影をした保健所勤務の医師について、「公権力の行使」に該当せず、とした例があります。このような場合には、国の責任は、国家賠償法1条ではなく、民法715条で、医師個人の責任は民法709条で、それぞれ問えることになります。

では、公立病院の医師がする医療行為はすべて「公権力の行使」不該当か、というとそうでもなく、ここがややこしいところです。裁判例では、予防接種法に基づく予防接種、刑務所での医療行為、措置入院患者に対する治療などは、「公権力の行使」に該当するとされています。このような場合は、医師個人への民法709条による請求はできず、「公務員バリア」に守られることになります。

今一度、この「公務員バリア」の章を読み直してみましたが、医師の方が読まれた場合には、医療行為について、ブログに書かれたような読み替えをされるのは、全く無理ないことです。くどくない程度に「公権力の行使」について説明すべきだったと反省していますし、そのことに気づかせて頂き、あらためて感謝したいと思います。

戻って、「公権力の行使」による区別ですが、これの有無で医師の個人責任の有無が変わってくることに合理性があるとは思えません。

むしろ、ご指摘になっているように、「公立病院か、民間病院か」とか「公権力の行使か、そうでないか」といった基準で区別するのではなく、医療の特性に照らして、他の業務とは違う基準で判断されるべきだろうと思います。ではどんな基準で?と言われると、たいへん難しい問題で、軽々しく意見できません。

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なあんだ

なあんだ

なあんだ

 

通常の医療では、公立病院の医師はやはり守られないんだ。。。

 

遊佐奈子先生からトラックバックいただいています。相変わらず鋭い切れ味!

  • 救命救急で死んだら4400万円勝ち取れます(裁判) (女医^^遊佐奈子の政治と医療・裁判員制度と冤罪)
  • 以下共感する部分を抜粋引用

    医療ミスが全くなく
    後遺症が残っても救命できたら奇跡、というような症例ですら、

    訴えれば、何の落ち度もなくとも巨額の賠償金で和解に持ち込めるんだと。

    どうせ、、、支払う賠償金の出どころは税金。
    病院がこれでつぶれる訳でなければ。自分の退職金が減るわけでもないお役所仕事?。

     

     

    こんな症例で和解する市民病院や国立病院はとても多い気がする。。。

     

    助かる見込みがないなら、救急で駆け込むなら国公立系病院へ!
    たんまりとお金が儲かりますよ。。。
    (引用ここまで)

     

    いや、全く同感です。

    国や公共団体を相手取った医療裁判、とても多いですよね。

    多額の賠償金を得やすいからだと思います。

    出所が税金なわけで、誰の懐も痛まない。面倒くさい裁判からさっさと逃れたいから、徹底的に戦うこともせず、過失もないのに病院側は和解に応じます。

    それでも、医師個人の責任は問われないという「公務員バリア」で守られるのなら。。。と淡い期待を抱いたのが前々回の記事でした。

     

    甘かったです。

    国公立病院の医師は国や公共団体から守られません。

     

    簡単に訴えられ、守られない公立病院勤務医。

    院長から、医師の過失がなくても「医療ミスがあった」と簡単に言われ、「トカゲの尻尾切り」をされます。

     

    あなたはそれでも国公立病院で働きますか?

     

    (ちなみに夫は国立病院外科系医師です)

     

    なかのひと

     

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