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以前、 終末期医療:延命治療の有無、「生前意思」に診療報酬 についての記事を書きました。
1ヶ月でもう廃止になりそうです。
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2008051202010539.html
2008年5月12日 中日新聞 朝刊
政府は11日、75歳以上が加入する後期高齢者(長寿)医療制度の診療報酬体系の一つである「後期高齢者終末期相談支援料」について、廃止を含めて見直す方向で検討を始めた。患者団体などが「延命治療の中止を迫られ、治療を受けられなくなる」と強く反発したことに加え、同支援料が制度全体への批判の一因となっているとして、見直しが避けられないと判断した。
同支援料は、医師や看護師らが、回復の見込みが薄いと判断した患者と、▽現在の病状と予想される病状の変化▽介護などの生活支援▽病状急変時の治療の希望内容▽救急搬送の希望の有無-などについて話し合い、医師らがその内容を文書や映像などにまとめた場合、診療報酬2000円を支払う制度。
厚生労働省は患者団体などの批判を受け、4月28日付で都道府県などに、病状急変時の治療方針などについて患者の希望が「不明」「未定」でも診療報酬の算定を認めると通知し、延命治療に関する意思決定を強要することはないと強調していた。
しかし、野党に加え、与党内からも「医療費抑制のために支援料を導入したと思われている。お年寄りに早く死ねと言うことにつながる」との懸念が強まったため、廃止も含めて見直すことにした。
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患者団体の反発は想定内でしたが、4月1日から制定され、もう廃止とは、早いです。
週刊ポストはこの制度に関して、こんな見出しの記事を載せていました。
後期高齢者の終末医療「延命やめたら医師に〈お手当〉2千円」 団塊世代はやがて47万人が斬り捨てられる
新聞広告で見ただけなのですが、まるで医師が2千円欲しさに延命をやめるかのような誤解を与える、ひどい見出しだと思いました。よほど抗議をしようかと思いましたが、抗議をするためには週刊誌を買って内容を読まなくてはいけないので、あほらしいので止めました。
それにしてもこの制度の「算定要件」は以下の通り
しかも、医事課によくよく聞いてみると、外来患者さんの場合、死亡時にしか算定できない、入院患者さんの場合は退院時か死亡時のみ算定できる、というものだそうです。
1時間以上かけて話し合い、それを文書にまとめるとさらに時間がかかります。その報酬がたったの2千円というのはふざけています。しかも、すぐに算定できるわけではなく、いつ算定できるかもわからない。こんな手間のかかることを誰が好き好んでやるでしょうか?
はじめから現実味のない制度なので、廃止になろうがなかろうが、ほとんど何の影響もなさそうです。
ところで、後期高齢者医療制度に関して、マスコミの論調は
「年寄りは早く死ねということか!」の一点張りです。
政府もあわてて、長寿医療制度なんて、名前を変えたりしていますね。
ところでこんな話を思いつきました。
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沈没しかかっている船がありました。
船には、赤ちゃんから老人まで乗っていました。
沈没を防ぐためには、重量を減らさなければなりません。
船頭さんは苦渋の末、意を決してこう言いました。
「お年寄りからこの船を下りてもらおう!」
老人から反発の声が上がりました。
「年寄りは死ねっていうことか!ひどいじゃないか!」
「人殺し!」
船頭さんは黙り込んでしまいました。
若者や子供たちも何も言えませんでした。
そして、船は沈没しました。
子供も若者も老人も、みな命は平等です。
だから、みんな一緒に海の底に沈みました。
おしまい
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欧州の消化器外科医先生から、このお話の変更バージョンのコメントいただいていますので、ぜひ、コメント欄もご覧ください。秀逸です。
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コメント
コメント一覧
先生の沈みかけた船のお話し,わかりやすいですね.それに心にスッと入ってくるたとえ話なのがとてもいいです.
私などがブログで書くと,理念では理解できても,感情的反発を呼ぶことがままあります.
トラックバック,うまく送って頂けたようで何よりでした.こちらからもトラックバックさせて頂きました.
田舎の一般外科医
~田舎の一般外科医先生、コメント、TBありがとうございました。おほめ頂き、強縮です。こういうことを書くと、反発は避けられないと思いますので、実は内心ビクビクです。思いのほか、推薦数が得られているので、ちょっとほっとしています。
春野ことり
このたとえを読んで、ある学校での倫理の授業を思い出しました。書かせてくださいね。
テーマは「偽善」とは何か。
このたとえ話とそっくりな状況です。あなたがその船にいたらどうする?という質問で「自分なら他の人の命を助けるために船を下りる」という答え、それは偽善ではないか?
・・・という授業でした。
slummy
~slummy先生、コメントありがとうございました。
沈没しかかっている船という実感は、多くの人にはないのだと思います。
「偽善」ですか。自分も実際その場になってみないとどういう行動に出るか、わかりません。
春野ことり
逆の話なのですが、沈みそうな船に、両親と子ども3人の親子が乗っていました。その親子には、救命ボートが2つ渡されましたが、1つのボートには2人しか乗ることができません。
母性性は、『なんとかしてみんなをボートに乗せることを考える』に対し、
父性性は『2つのボートには4人しか乗れないのだから、1人を切り捨てるのは仕方ない、と考える』。無理に1つのボートに3人乗せて、3人ともおぼれてしまったら意味が無いから。
全員、同じ命だから皆平等に海に沈む・・・という考えは、母性性かな、と考えました。どれも等しく大事な命だから、どれかを選び、どれかを切り捨てるなんて、母性性では考えられないからです。
azuki
~azukiさん、コメントありがとうございます。
『母性性と父性性』ですか。なるほど。今の日本の社会は母性性ですね。
私は、タイタニックの映画を思い出しながらこの話を書きました。沈没のとき、救命ボートに乗る順は、子供と女性が優先でした。未来のある子供と、それを育てる母親、またはこの先子供を産むであろう女性の命が優先されていました。
たしか、YMOのメンバーだった細野晴臣のお祖父さんは、タイタニック号から生還した一人で、のちに「卑劣な日本人」というレッテルを貼られたとのことです。お祖父さんが生還しなかったら自分の存在はなかったと思うと、複雑な心境だということを細野晴臣が語っている番組をもうかなり前に見た覚えがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E9%87%8E%E6%99%B4%E8%87%A3
春野ことり
老人から反発の声が上がりました。「年寄りは死ねっていうことか!ひどいじゃないか!」「人殺し!」船頭さんは黙り込んでしまいました。若者や子供たちも何も言えませんでした。しかし、いよいよ沈み始めた時に乗員で争いが始まりました。若者は「これまで十分生きたじゃないか、頼むから死んでくれ」老人は「なにを、ばちあたりな。誰のおかげでここまでこれた?」「メタボから先に下りろ」そして殺し合いが始まりました。船頭は傍観していました。ちょうど適度に殺し合いがすんだ頃合いに、船頭は「ああ、沈まなくて良かった。でも、残った乗員の消耗がひどくて、船が進まなくなったなぁ。安くて良く働く、外人でもいれるか」そして、残った乗員と外人とでまたしても争いが果てしなく続きました。そのうち、誰が本当に悪いのかに乗員は気づきました。乗員と外人の怒りは船頭に向き、船は漂流していくのでした。
これが、なんとなく、今の流れかな。
私の希望をつなぐ話しはこれ。
・・・老人から反発の声が上がりました。「年寄りは死ねっていうことか!ひどいじゃないか!」「人殺し!」船頭さんは黙り込んでしまいました。でも、若者や子供たちはどうにかしようと考えました。老人達といっしょに知恵をしぼりました。まず、船に不必要な物を捨て始めました。不要な箱ものを捨てました。そして、船頭達が実はお宝や利権を隠し持っていたことをつきとめました。それを元手に船を大きく改築し、沈みにくくしました。さらに、船頭達の不要な大量の持ち物も捨てました。そして、二度と不正蓄財、利権集中ができぬように船内の規則を作り替えました。船頭もみんなの幸せを考えられる人を選びました。そして、老いも若きも力を合わせるようになった船は再び力強く進むこととなりました。
理想と夢をあきらめてはいけないと思います。
本当に、後半のお話のようになって欲しいです!
次のエントリーで紹介させていただきました。
沈没しかかっている船の近くには豪華客船がありました。
救命ボートを投げれば全員助かりそうです。でも、救命ボートは自分たちの乗っている船の乗客用に用意したものだから別の船の乗客のために使えないといって投げようとしません。
沈没するような貧弱な船に乗る料金しか持てなかったあなたたちの自己責任、と。
ako
~akoさん、コメントありがとうございます。
これは、アメリカ式市場原理型バージョンですね。
なかなか、考えさせられます。
春野ことり
船底に亀裂が入り、船はまさに沈没寸前です。慈愛あふれる屈強な男たちは海へ飛び込み、船の周りを泳ぎだします。一人、また一人と波間に消えました。
「それでも男かっ!」と老人たちに責められ、ひ弱な男たちも渋々泳ぎ出し、波にのまれていきました。
赤ん坊がインフルエンザっぽい症状を出し、子供たちが海に捨てられます。ある母親が赤ん坊を追って波に飛び込みます。
「母性はないのかっ」の叱責に、今度は母親たちが海へ消えました。船上に残った中年女性は、老人たちのゲートボールで慣らした素晴らしいチームプレイで、簡単に船から突き落とされてしまいました。
こうして老人たちは、無事、天国へのビザを手に入れたのでした。。。
しかしながら、、、海に消えた人たちの中には、無人島に泳ぎ着いた者もいました。彼らは島で生活を始め、やがて集落を作り…。ある日、他島に流れ着いた同朋たちと交流すべく、一艘の船で宴会を始めました。が、船が沈没しかかって…。
「ふふん、昔が懐かしいけど、俺たちゃ昔とは違う。経験豊富なサバイバーじゃ~」。バージョンアップして、第二ラウンドの始まりです。。。これなら20巻ぐらい書けそうです(笑)。
christmas
~christmasさん、これは傑作をありがとうございます。超過激ですネ。めざせ!夢の印税生活!
早速記事本文で紹介させていただきます。
春野ことり
欧州の消化器科医
~欧州の消化器科医先生、こちらこそ、たびたび有難うございます。
子供達に明るい未来が訪れるように私も心から願っています。
春野ことり
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