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2008.05.04 01:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 15

妊婦死亡はすべて医療事故か?

 こんなニュースがありました。

 

病院 「急変予測できず」妊婦・胎児死亡 遺族は提訴検討
読売新聞 2008年5月3日

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20080502-OYT8T00771.htm
 静岡厚生病院(静岡市葵区北番町、265床)は2日、同病院で4月27日に手術を受けた静岡市駿河区の妊婦(24)と10か月の胎児が死亡する医療事故があったと発表した。玉内登志雄院長は「典型症状ではなく、急激な悪化を予測できなかった」と述べ、想定外の事態だったことを強調したが、遺族は病院の対応に不信感を募らせている。同病院によると、妊婦は初めての妊娠で、昨年9月から同病院に通院。妊婦は、死亡する約14時間前の27日未明、陣痛が出たため同病院に電話したが、応対した看護師や助産師が「痛みは強くない」と判断、いったん自宅待機となった。

 同日早朝、再び陣痛が強くなり入院。胎児の心音が確認できず、呼び出された産婦人科医が、分娩前に胎盤が子宮内ではがれる「胎盤早期剥離(はくり)」と診断、帝王切開したが、胎児は死亡していた。手術後、妊婦も血圧が急激に低下し、大量出血を起こして死亡した。
 胎盤早期剥離は妊婦の1%程度にみられ、胎児に酸素が供給されないため、胎児死亡率は30~50%と極めて高い。妊婦も出血を起こすことが多いが、死亡率は一般に10%未満で、妊婦、胎児とも死亡するのは「妊娠5000~1万例中に1例」(玉内院長)とまれだという。玉内院長は「胎盤早期剥離は予防できず、早期発見するしかない」と言うが、「死亡2日前の診察では異常は見られなかった」ともしている。

 妊婦の父親(55)は読売新聞の取材に、「事故当日、病院は『出血はさほどなく、(死亡の)理由はわからない』と言っていたのに。今の時代に、母子ともに死亡するなんて信じられない。提訴も検討したい」と話した。

 -------------

 

まずは、亡くなられた妊婦さんと赤ちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

しかし、これは、「医療事故」でしょうか?

「胎盤早期剥離」は病気です。

「医療事故死」ではなく、「病死」だと思います

 

詳しくはこちら産科医の先生方のブログをお読みください↓

http://obgy.typepad.jp/blog/2008/05/post-1341-1.http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/01/post_754a.html

 

 

前回、「医師アタマ」についての記事を書きました。医師の常識と患者の常識は違うというものです。

その記事のコメント欄で、「医師アタマ」があるなら「患者アタマ」がある、という話題が出ました。

 

まさしく、

 

今の時代に、母子ともに死亡するなんて信じられない

 

これこそ、おそろしい「患者アタマ」ではないでしょうか。

 

 

 

常位胎盤早期剥離は母子ともに死亡に至る可能性があるというのは医師の中では常識です。

 

 

 

「医師アタマ」と「患者アタマ」、この大きな隔たりを縮めるにはどうしたらいいのでしょう。

このニュースを読む限り医師がいくら「患者アタマ」を理解して歩み寄ろうとしても無理です。

 

「患者アタマ」が明らかに間違った認識を持っている場合、「患者アタマ」の側から「医師アタマ」に近づいていただくしかないでしょう。

つまり、一般の方々に医療の正しい知識を持っていただくことが必要です。

 

そのためには

 

 まずは、メディアが個人の感情を垂れ流しにせず、社会に正しい情報を流すこと

 

それが第一歩ではないでしょうか。

 

でも、もう遅すぎるかも知れません。

 

産科医療はどうなっていくのか

 

心配でたまりません。

 

産科医がいなくなって、皆が自宅出産をするようになって

 

周産期死亡率が発展途上国並に上昇してみて

 

はじめて今の医療のありがたみがわかるのでしょう

 

 

 

本当に悲しいです。こういうニュース。

産科医たちの心はボキボキに折れているのではないでしょうか・・・

 

なかのひと

 

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