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お久しぶりです
リアルの世界が忙しくて、10日もブログを放置してしまいました。その間に、医療事故調第三次試案が公表されました。
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/04/post-1341-4.html
多くの医師が反対の表明をしています。こちら、僻地の産科医先生が第3次試案に関するブログを集めていらっしゃいます。
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/04/post-1341-13.html
もちろん、私も反対です。
この枠組みの中では、刑法上の業務上過失はそのままであり、遺族からの訴えがあれば警察は捜査をする義務があるということは、これまでの試案と何ら変わりません。つまり、医療事故調査委員会ができても、第2、第3の福島大野事件(結果だけに基づく医師の不当逮捕)は起こり得ます。http://blog.m3.com/Visa/20080325/1
Yosyan先生が事故調の問題点と対案をまとめていらっしゃいます。
2008-04-11 事故調対案を考える(新小児科医のつぶやき)より以下、引用
最終試案との情報もある三次試案ですが一次試案の頃からの課題である、
1.診療関連死の定義
2.医療訴訟抑制対策
3.現実的運用の可能性
これらについてなんの回答もありません。具体的にわかるのは事故調報告を利用した厚労省の行政処分権限の拡大だけです。それも医師が大動員されて行政処分対象者を自分の手で量産する構図です。それだけが確実に施行されるだけで、その他については医師側にメリットを見つけ出すのが非常に困難なものです。
(中略)
事故調に対して医師が求めているものは訴訟抑制効果です。本音で言ってそれしか期待していません。
(中略)
医師が問題にしている訴訟は言うまでもなくトンデモ訴訟です。医師に明らかに責任のある訴訟に関しては興味の外です。医師が抑制したい訴訟はあくまでもトンデモ訴訟です。トンデモ訴訟の問題は起こされるだけでも大迷惑ですが、信じられない事に医師側がしばしば負けてしまうことです。さらにトンデモ訴訟の敗北はこれを判例として引用され、類似のトンデモ訴訟の敗北にまで波及し、さらなるトンデモ訴訟量産の呼び水になります。
この悪循環を断つにはトンデモ訴訟は必ず勝つことが必要です。トンデモ訴訟では勝てないことが分かれば訴訟は相当抑制できます。もっとも残念ながら完全には無くなりません。世の中は弁護士乱造時代に入っており、食うために小銭を稼ぐ弁護士は今後ドンドン増えていきます。食うための弁護士は依頼人の勝ち負けは念頭に無く、訴訟と言う仕事を確保するために行動しますからどうしようもありません。
以下、要約します。
トンデモ訴訟の陰にトンデモ鑑定書あり
ということで、「真っ当な鑑定医を選定できるシステムを構築するべき」なのだが、現実として日々の臨床に超多忙な医師がホイホイと出れるわけも無く「正論だが実現困難」である。
そこで事故調の出番
事故調の必要人員を試算すると、解剖医 1002人、臨床医 2505~3006人
もちろん、こんな医師の数の動員などできません。しかし1000人くらいを鑑定医として、鑑定書とそれを書いた鑑定医を公開するようにすれば、トンデモ鑑定書の発生を防止でき、間接的にトンデモ訴訟を抑制できるのでは
と述べていらっしゃいます。
本当に、トンデモ訴訟なくなって欲しいです。判例を見るたびに士気が失せます。
そして、こちらは小松秀樹先生の第三次試案に対する意見↓
http://mric.tanaka.md/2008/04/10/_vol_42_1.html
http://mric.tanaka.md/2008/04/11/_vol_43.html
*
ところで、今日は、日比谷公会堂で「医療現場の危機打開と再建をめざすシンポジウム」
というものが開かれました。
多くのネット医師が参加していると思うのですが・・・シクシク 出たかったよ~。ついでにオフ会も・・ 内科学会の点数も欲しかったのですが・・・えーん
しばらくネットを離れると情勢についてゆけない。。
こういう時は、目標設定を思い切り低くして、小学生と未就学児の子供抱えて病院の常勤医しているだけでもエライ、エライ、と自分を慰めたりしてみる。
あーん、でも、「勤務医不足のまっただ中で勤務医してます」って言っても、平等主義の世間ではPTAの役員は免除してもらえないからな~・・・ああ、この季節は憂鬱
ぶつぶつ
(最後の方は単なるつぶやきです。無視してね^^;)
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コメント
コメント一覧
これを防ぐためには国会議員との連携を密にして国民に理解できるように説明して国民の理解を得ていくしかないんでしょうね。マスコミが第3次で納得しろというのは無謀なことを言うな!と思いますが、冷静に考えると【どこか、何次試案で決着をつけるか?】これは心して置かないと、棚上げで結局事態に変化はなかった、、、、
これだけは避けねばなりません。
どこかで妥協案を作る、これは肝にして議論に参加したいと思います。
今日は日比谷公会堂に行きたかったです。
>目標設定を思い切り低くして、小学生と未就学児の子供抱えて病院の常勤医しているだけでもエライ、エライ、と自分を慰めたりしてみる。<
エライ、エライよ。と、妻にも言ってみます。
Taichan
~Taichanコメントありがとうございます。そうですね。今のまま何も変わらずというのは最悪です。
奥様をぜひ褒めてあげてくださいw
春野ことり
なな先生のブログ(試案反対)に書き込んだことと重複しますが。
世界保健機関(WHO)が2005年に出した医療安全委員会のガイドラインをそっくり対案にしましょう。
WHOのガイドラインのキーポイント7項目をそっくり取り入れるだけのことで済みます。
*WHOのガイドライン
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf
6.CHARACTERISTICS OF SUCCESSFUL REPORTING SYSTEMS から7項目を訳します。
1.刑事罰を行わないー診療関連死の報告者は、報告をしたことにより刑罰から免責されなければならない。
2.秘匿ー診療関連死の患者名、報告者(医療従事者)、医療機関は決して第三者に明かされてはならない。裁判の資料に引用してはならない。
3.独立性ー報告システム(医療安全委員会)は、報告者や医療機関を罰する権限を持つ当局から独立していなければならない。厚生省とは独立した組織でなければならない。
4.専門家の分析ー診療関連死の報告は診療関連死が起きた状況を理解でき、かつ問題となっているシステムを把握できるようにきちんと訓練を受けた専門家によって評価されなければならない。委員会への一般人や患者家族代表の参加は不要。
5.時宜を得るー報告は、特に重大な状況であると判った時は、即座に分析され、いち早く情報を必要とする人々(医療従事者)に広く周知されねばならない。
医療従事者が情報を共有できるシステムを構築する。
6.システムそのものの問題の勧告ー診療関連死の当事者である医療従事者の個人の能力に目を向けるのではなく、システム、過程、結果の変化に焦点を当てることが望ましい。
個人や医療機関を責めない。
7.反応ー報告を受けた部局は、勧告を周知させることができる。関係する機関は可能な限りいつでも、勧告を実行に移さねばならない。そのための財政的措置と人員の確保を保障する。
こんなに素晴らしいお手本があるのに、なぜ日本では真似しないのでしょうね。とくに1の刑事罰を行わないというところ、日本では「医者だけが免責なのはおかしい」という意見が邪魔します。業務上過失罪について医療分野だけではない幅広い議論が必要なのでしょうね。でも医療崩壊はすでに始まっていますから、悠長なことは言っていられません。
ブログ更新、お待ちしていました(笑)
事故調の問題点を、大変わかりやすくお書きになっていますね。
素晴らしいです。
>小学生と未就学児の子供抱えて病院の常勤医している
新米主婦の私から見たら、もう、女神様です!!
なな
~なな先生、恐縮です。
先生が事故調について声を上げていらっしゃるのを見て、私も書かなきゃ!と思い、遅ればせながら記事にしました。あとでトラバさせていただきます。
小学生と未就学児抱えて・・・と言い訳がましく書いてみましたが、威張れるようなことではありません(汗)。
なな先生こそ崩壊しかけの産科医に光をもたらす女神様!!と思っています。
春野ことり
医療事故調査委員会に関しては、現段階では、設立そのものに反対の姿勢を取っています。何故なら今、委員会を設立、機能すれば、「何でも訴える」の風潮に拍車をかけるだけのような気がするのです。
どんなに素晴らしい法案でも、執行・実行は、全て人の手にゆだねられます。つまり、どんないい道具であっても、使い方を間違えれば、本来の道具の良さを引き出すことはできません。
今の政治家に(あるいは、国民に)、この「法案」を委ねられるか?と考えたら、答えはすぐにわかると思います。
もしも、この法案を通すとすれば、最低限、『医師の医療行為に対する権利を守る方向性』が、しっかり明文化されている必要がありますね。
医療事故調査委員会関連記事をまとめました。
↓
http://azukinattou1009.blog114.fc2.com/blog-category-18.html
azuki
~azukiさん、コメントありがとうございます。
医療関連記事、素晴らしいですね。専業主婦のazukiさんがここまで医療のことを考えブログで訴えてくださるのは、本当に凄いと頭が下がります。医療者でも事故調って何?って言う人が少なからずいるのに・・・(涙)。国民の多くがazukiさんのような考え方を持ってくれたら、医療崩壊なんて起こらないのに・・
春野ことり
そもそも業務上過失致死傷という罪の形が、現代に合わなくなっているという観点で幅広く反対運動を起こした方が、共感を得やすいような気がしますね。
山口(産婦人科)
~山口先生、コメントありがとうございます。
航空管制官の判決、私も記事にしようかと思っていたところです。業務上過失致死傷罪自体が問題ですよね。これでは管制官もなり手がなくなってしまいます。
医療分野に限らない幅広い反対運動を起こす必要があるのだと思います。が・・・時間がないです。医療分野だけでも急がないと、どんどん崩壊が進んでしまう・・。
春野ことり
事故調にかける予算は国民の税金のはずです。個人的な恨みつらみをはらすのに証拠を集める機関であってはならないと思います。医療事故に遭われた方には別の制度で救済を考えるのが妥当だと思います。
事故調は「将来の事故を少なくする」ことだけを目的とするべきです。なぜ事故がおきたか、どうすればよかったかなど、次に生かすために専門家チームが検討、検証することで、多くの国民の利益になりますので、そういった調査委員会なら賛成ですが。
・・でも、それでは、現在、遺族となっている人たちや支援している団体など、納得しなさそうですね・・。
どうしようもなかったことは、許す、という気持ちになれないんでしょうかね・・。相手の非を責めるより、許すことで自身の心も救われると思うのですが・・。
ako
~akoさん、コメントありがとうございます。
刑事、民事、両方の免責はとても無理だろうと思いますが、刑事だけは免責にして欲しいです。それが先進国において標準的だからです。治療がうまくいかなければ医師を逮捕するなんてどうかしています。
個人的な恨みをはらすために税金が使われるべきではない、思いっきり同意します。
非寛容で他罰的な精神がなくならない限り、医療崩壊は免れないのだろうかと思います。
春野ことり
Paul Carpenter
~Paul Carpenter さん、コメントありがとうございます。
優しいお言葉ありがとうございます。
PTAやら育成会やら子供会やら、様々な役員が平等に「くじ引き」や、名簿での投票で決められてしまいますので、もうなんだか大変です。仕事は理由にならないし、職種も関係ないんだそうで。。。(>_<)
春野ことり
私も遅ればせながら、第三次試案に反対する記事をupしました。
といっても、鶴亀松五郎先生の示されたWHOのお手本を改めて紹介しただけなんですが。
せっかく世界基準があるんだから、これは大切にすべきですね。
Doctor Takechan
~Doctor Takechanの記事、気合が入っていますね。素晴らしいです。
鶴亀松五郎先生、凄い情報網ですね。私もいつもお世話になっています。
春野ことり
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