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2008.02.20 06:02 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  教育  |  春野ことり  | 推薦数 : 4

アリとキリギリス考

先週末、次男が通う幼稚園で、音楽とお遊戯の発表会があった。

次男のクラスの出し物は「アリとキリギリス」だった。

次男は立候補してキリギリス役になった。

 

夏の間、せっせと食べ物を集めるアリたち。キリギリスに 「キリギリスさんも働きなさいよ」 と言うが、キリギリスはアリをバカにして言うことを聞かず、歌を歌って遊んでばかりいた。

 

冬になって食べ物がなくなると、キリギリスはアリのところへやってきて言う。

「食べ物を一口でいいからもらえませんか」

しかしアリはきっぱりと言う。

「あなたたちは夏の間遊んでいた。あなたにあげる食べ物なんて、一口だってありません」

 

 ****

すると、私の隣でお遊戯を観賞していた、孫を溺愛する我が母が

「まあっ!!一口ぐらいあげればいいのに!ひどいわ」

 なぬ?

私は耳を疑った。日頃給食費不払い問題に関して 「給食費払わない家庭の子供に給食なんて出さなきゃいいのよ!出すから親がつけあがるのよ!」と厳しい意見を言っている母である。いつも言っていることと主張が違うではないか。

お遊戯の中とはいえ、かわいい孫のこととなると事情が変わってくるようだ。(苦笑)

 

「これが人間の世界だとねえ、キリギリスは生活保護が受けられるから、飢え死にすることはないわけよ」

私はさりげなく長男に言ってみた。

すると、小学生の長男

「今はね、ワーキングプアの人たちより生活保護の方が収入がいいんだよ。働いた方が貧乏なんて、そんなのって、おかしいよね!」

私 「うん、おかしい^^;」 

 

母 「ああ、キリギリスがかわいそうじゃないの!ひどいわ!ひどいわ!」 (←・・・)

 

思えば、私が子供の頃に読んだ「アリとキリギリス」の絵本では、キリギリスに同情したアリが食べ物をわけ与えていたのだ。母はそういう絵本を子供に読み聞かせてきた世代である。そして私たちはそれを聞いて育った。

だからいけないんじゃないのか。

「アリとキリギリス」の教訓は「なまけて遊んでいても、いざとなったら誰かが助けてくれる」というものにすり替わってしまっていた。

キリギリスが少数派だった昔はそれでよかったかもしれない。しかし、キリギリスが増えたら社会は破綻する。

それが今の日本じゃないのか?

 

私は息子のお遊戯を観ながら思った。

ぜったいにキリギリスに食べ物を与えてはいけない!

幼稚園児にも生きることの厳しさを教えなければいけないのだ。

 

結局、お遊戯のなかでキリギリスは最後まで食べ物を分けてもらえなかった。

そして、最後は全員でなかよく歌って踊って終わった。

私はとりあえずほっとした。

 

 

 次男に聞いてみた。どうしてキリギリスになりたかったの?

 

「だって、みどりいろだから」

 

(かわいいっす ^^)

 

 

なかのひと

 

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