| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
まずは、大野病院で亡くなられた妊婦さんのご冥福をお祈りします。
に福島県立大野病院事件第12回公判(速報)が掲載されています。
これを読んで鼓動が速くなるのを抑えることができませんでした。
亡くなられた妊婦さんのご主人の陳述より
「加藤先生の手術の内容は、弁護側の先生からは誰でもする、特に問題がなかった、と言われました。何も問題がなければ、なぜ、妻は死んでしまったのか、とても疑問です。」
亡くなられた 妊婦さんのお父さんの陳述より
「癒着胎盤が極めて稀で、1万分の1、とか、2万分 の1とか、難易度が高いとか、大出血は稀だとか、亡くなったのは娘のせいだとか、言われました。これらは、娘に対する人権侵害、誹謗であり、遺族は逆境の中にいます。」
***
何度もこのブログに書いていますが、患者が亡くなることをすべて医師の責任にされるのであれば、医師は日本からいなくなります。
この陳述を読んで、産科医療の崩壊はもはや避けられないのかもしれないと、思ってしまいました。
ご存知のように、大野病院周辺の地域では、加藤先生の退職により分娩が行えなくなりました。
加藤先生は亡くなった妊婦さんの墓前で土下座をしています。
ロハスメディカル ブログ
福島県立大野病院事件第11回公判(1)より
http://lohasmedical.jp/blog/2007/12/post_991.php
加藤医師 事故調査委員会の結果が出た時、その説明をするからということで病院に来ていただいて説明しました。墓前にも報告して謝罪してくれというので行きました。お墓を教えるから土下座してきてくれと言われたので、してきました。
弁護人 どういう気持ちでしたか。
加藤医師 亡くならせてしまったという気持ちが強くて本当に謝罪したいと自然に土下座しました。
弁護人 その後もお墓参りに行っていますね。
加藤医師 はい、逮捕前までは、月命日の前後の休日に行かせていただいていました。逮捕後は年1回命日に行っています。
弁護人 まさに命日が過ぎたばかりですが今年も行きましたね。
加藤医師 はい。
(略)
弁護人 最後にAさんとご家族に対して、どう思っていますか。
加藤医師 私を信頼して受診してくださっていたのに、亡くなってしまう悪い結果になって本当に申し訳なく思っております。当時、突然亡くなられて私もかなりショックでした。亡くなられてから一日中、初めて受診した日からお見送りした日までの色々な場面が頭に浮かんで離れませんでした。ご家族の方に分かっていただきたいとは思っておりますが、なかなか受け入れていただくのは難しいのかなと考えております。こういう風にすれば良かったのかなとか、いい方法はなかったかなと思いますが、あの状況で他のそれ以上の良い方法が思い浮かばないでいます。亡くなってしまった現場に私がいて、その現場の責任者が私のわけで、亡くなってしまったという事実があるわけで、その事実に対して責任があると思われるのも当然だと思います。できる限りのことは一生懸命しました。亡くなってしまったという結果はもう変えようのない結果ですし、私も非常に重い事実として受け止めております。申し訳ありませんでした。最後になりましたが、Aさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
***
いかがでしょうか。このような善良な医師が逮捕され、スケープゴートにされる日本は異常だと思います。
この異常な社会で産科医師になる人間は増えますか?
「病院には真相明らかにしてもらえなかった」
福島県立大野病院事件で遺族が意見陳述
オーマイニュース 軸丸 靖子 2008-01-26 より引用
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080125/20149
前略
産科で「訴訟リスク」が高い最大の理由は、出産という人生最良の瞬間を心待ちにする夫婦が、事故で一瞬にして絶望の淵に突き落されてしまうためだ。
妊婦は健康な状態で入院する。この点が、病気やけがで入院する人と決定的に違う。その状況で、分娩中に何かが起こると、生まれた子どもに脳性まひなどの障害が残ったり、母体に危険が及んだりする。これが産科医に対する訴訟の多さにつながる(産科無過失補償制度が実施に向けて進んでいるのはそのためだ)。
中略
無論、患者側にも問題はあるだろう。医療に何かを求めるなら、もっと医療を理解しなければならない。そもそも日本の医療は多くを求められるレベルにない。そのことが、一般に知られなさすぎることも事実だ。医師と患者が、互いに理解を怠ってきた長年のツケが、この事件に回っているのではないか。加藤医師、女性の遺族とも、その被害者なのではないかと、思われてならない。
***
治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したという報道がありました。これは「医学の死」を意味します。
詳しくはAtsullow先生のブログをお読みください。
医学も医療も、死ぬしかないのだろうか・・・
拙ブログで何度も紹介している診療関連死法案 が可決されれば、瀕死の状態にある医療の息の根を止めるでしょう。
前回のエントリーでも紹介した、母親たちによって発足した小児科を守る会
http://www.mamorusyounika.com/index.html
国民の間でこのような運動が広まることが、医療の死を少しでも遠ざける力になるでしょう。
医師だけが立ち上がっても医療崩壊は止まりません。
国民一人一人が医療をもっと理解しなければならないと思います。
医療には限界があること
最善を尽くしても助からない命があるということ
これらを理解してもらえないのなら、医療は死ぬしかないでしょう。
※大野病院で亡くなられた妊婦さんおよびご遺族への誹謗と受け取られる可能性のあるコメントは公開いたしませんので、ご了承ください。
全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html
全国医師連盟の声明に賛同される方は、↓こちらにご署名をお願いします。
http://doctor2007.com/ko1.html
人気blogランキングへ←ここクリックしてネ。応援よろしくお願いします。
天国へのビザ ←Amazon 1点在庫あり
固定リンク | コメント (5) | トラックバック (4)
コメント
コメント一覧
わたしも、この裁判には関心を持っています。
訴えられている先生は、年間200例にも上る出産を手がけていらしたそうです。
今40才くらいでしょうから、研修医の期間とその後の数年を除いて10年間くらいと計算しますと、実に2000名の命の誕生を助けたことになります。
それ以外にも悪性腫瘍など婦人科の患者さんの治療をなさっていらしたでしょうから、お世話になった患者さんはもっと多いはずです。
たった一人の患者さんの死亡が、それまでの積み重ねを全て無に帰してしまうのだろうか、もしかしたらこれから先も多くの患者さんを救えたかもしれないだろうに。
犯罪者扱いされて、そう思うとやりきれない気持ちで一杯です。
(もちろん、お亡くなりになった患者さんやご遺族の方のお悲しみは第三者には想像もできませんし、裁判に起こされたのは余程の事情があったのでしょう。患者さんのご家族に関してのコメントは慎ませて頂きます)。
鶴亀松五郎
~鶴亀松五郎先生、早速コメントありがとうございます。
>たった一人の患者さんの死亡が、それまでの積み重ねを全て無に帰してしまうのだろうか、もしかしたらこれから先も多くの患者さんを救えたかもしれないだろうに。
先生と全く同じことを思います。
本当に残念でなりません。
春野ことり
出産入院する際、自分の周りの妊婦さんは「何が起きるかわからないから」と、身辺整理を済ませる人が多いです。彼女らの親は、「出産にリスクはあり」という世代です。
上の事故も出産も、もし当者に後遺症があったり、不幸にして無くなられた場合、事故当時の感情が吹っ飛んでしまうものなのかなと考えてしまいました。
不幸な結果に終わった時、一般人にも理解できる説明が必須なのは言うまでもありませんが、実際には難しいですね。
christmas
~christmasさん、コメントありがとうございます。
出産はリスクを付きまとうものという考えを持っている人もいれば、母子共に無事なのが当然と思っている人も色々ですね。
池に落ちた子どもさん、心肺停止で後遺症なく助かったなんて、本当によかったですね。もしも助からなかった場合、医療者が恨まれたりしたら、それは筋違いです。出産も同じですよね。
春野ことり
m3で読ませていただきました(まだ、その範囲でしか知りません)。
正直、感想としては絶望以外にありません。
現在、検討されているいかなる手段をもってしても、ご遺族の疑念に対する回答はないとしか思えません。
心はそこまで離れてしまうものかと、あらためて感じました。
ハッスル
~ハッスル先生、コメントありがとうございました。
私もロハスメディカルの速報を読んで、絶望を感じました。救急医療を行っている立場としては、他人事ではないですよね。
医師を恨んでも仕方がないのですが、なんとかご遺族の心が救われる方法がないものか・・・。
春野ことり
この様な遺族には命のローソクの話をしても伝わらないのでしょうね。
たぬくまぞうさん
~たぬくまぞうさん、コメントありがとうございます。
まさに、「医療の進歩が招いた悲劇」ですよね。薬害エイズや薬害肝炎もそうですね。薬のおかげで助かった命もあれば、薬害で苦しむ人もいる。それなら初めからそんな薬はなかった方がよかったのか?周産期の死亡率は高い方が出産時のリスクを国民が自覚できてよかったのか?ということになります。命のローソクの長さを決めるのは神様しかいません。非医療者の方からこうしたコメントをいただけると、ブログの書き甲斐があります。ありがとうございました。
春野ことり
>薬のおかげで助かった命もあれば、薬害で苦しむ人もいる。それなら初めからそんな薬はなかった方がよかったのか?
昨日見つけた記事です。文中の寺の住職がもし、医師の立場だったとしたら医療の現状にどんなコメントをつけるか、、、考えさせられます。
身勝手な「鬼」ばかり 来場者殺到で「危険」、伝統行事中止--横浜の弘明寺
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20080129dde041040027000c.html
christmas
~christmasさん、再びコメントありがとうございます。
弘明寺で豆まき中止の記事、ありがとうございます。
全く今の医療と似たような状況ですね。興味深く読ませていただきました。
>住職は「何かあれば主催者側の責任が問われる時代になった。事故が起きてからでは遅い」と説明している。
もし住職が産科医だったら、
「何かあれば医療者側の責任が問われる時代になった。事故が起きてからでは遅い」と説明し、分娩の取り扱いを中止するでしょう・・・。
春野ことり
コメントを書く