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2008.01.30 23:20 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 6

舛添大臣にメールしよう!

産科医療のこれから で、僻地の産科医先生が呼びかけています。

そのまま引用します

産科医不足について、舛添大臣にメールしよう!

   

                        

(投稿:by 僻地の産科医

 

産科医不足(医師不足でも可!)問題

について下記のアドレス宛にメールすると、
m3.comの橋本編集長が
舛添大臣に届けてくれるそうですo(^-^)o..。*♡

  

(たぶん、現状のなにがいけないのか!

 アピールする手もあると思うの(>▽<)!!!)

//////////////////////////////////////////

ishibusoku@so-netm3.com

   

「現場の医師の意見をぜひお聞きしたい」と舛添大臣。 

下記の要領で募集していまので、ぜひご意見をお寄せください。

    

産科医不足問題 に関して、「どんな対策が有効なのか」、
 ご意見を募集します。

(1)都道府県名
(2)勤務先区分(病院か診療所か、など)
(3)職種(医師の場合は、診療科名も)
(4)年代(20代、30代、40代、50代、60代、70代以上)
(5)性別(男、女)
を明記の上、上記のメールアドレスまでお送りください
 

(お名前は匿名で構いません)。

   

2月3日(日)までお寄せいただいたご意見については、

舛添大臣にお届けする予定です。

  

医師不足への処方せん 舛添厚労大臣に聞く

引用ここまで

私もメールしよっと..。*♡

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2008.01.28 22:50 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 8

医学も医療も死ぬしかないのか

まずは、大野病院で亡くなられた妊婦さんのご冥福をお祈りします。

 

ロハス・メディカル ブログ

に福島県立大野病院事件第12回公判(速報)が掲載されています。

これを読んで鼓動が速くなるのを抑えることができませんでした。

 

亡くなられた妊婦さんのご主人の陳述より

「加藤先生の手術の内容は、弁護側の先生からは誰でもする、特に問題がなかった、と言われました。何も問題がなければ、なぜ、妻は死んでしまったのか、とても疑問です。」
 

亡くなられた 妊婦さんのお父さんの陳述より

癒着胎盤が極めて稀で、1万分の1、とか、2万分 の1とか、難易度が高いとか、大出血は稀だとか、亡くなったのは娘のせいだとか、言われました。これらは、娘に対する人権侵害、誹謗であり遺族は逆境の中にいます。」

 

***

 

 何度もこのブログに書いていますが、患者が亡くなることをすべて医師の責任にされるのであれば、医師は日本からいなくなります。

この陳述を読んで、産科医療の崩壊はもはや避けられないのかもしれないと、思ってしまいました。

ご存知のように、大野病院周辺の地域では、加藤先生の退職により分娩が行えなくなりました。

 

 

加藤先生は亡くなった妊婦さんの墓前で土下座をしています。

 

ロハスメディカル ブログ

福島県立大野病院事件第11回公判(1)より

http://lohasmedical.jp/blog/2007/12/post_991.php

加藤医師 事故調査委員会の結果が出た時、その説明をするからということで病院に来ていただいて説明しました。墓前にも報告して謝罪してくれというので行きました。お墓を教えるから土下座してきてくれと言われたので、してきました。
弁護人 どういう気持ちでしたか。
加藤医師 亡くならせてしまったという気持ちが強くて本当に謝罪したいと自然に土下座しました
弁護人 その後もお墓参りに行っていますね。
加藤医師 はい、逮捕前までは、月命日の前後の休日に行かせていただいていました。逮捕後は年1回命日に行っています。
弁護人 まさに命日が過ぎたばかりですが今年も行きましたね。
加藤医師 はい。
(略)
弁護人 最後にAさんとご家族に対して、どう思っていますか。
加藤医師 私を信頼して受診してくださっていたのに、亡くなってしまう悪い結果になって本当に申し訳なく思っております。当時、突然亡くなられて私もかなりショックでした。亡くなられてから一日中、初めて受診した日からお見送りした日までの色々な場面が頭に浮かんで離れませんでした。ご家族の方に分かっていただきたいとは思っておりますが、なかなか受け入れていただくのは難しいのかなと考えております。こういう風にすれば良かったのかなとか、いい方法はなかったかなと思いますが、あの状況で他のそれ以上の良い方法が思い浮かばないでいます。亡くなってしまった現場に私がいて、その現場の責任者が私のわけで、亡くなってしまったという事実があるわけで、その事実に対して責任があると思われるのも当然だと思います。できる限りのことは一生懸命しました。亡くなってしまったという結果はもう変えようのない結果ですし、私も非常に重い事実として受け止めております。申し訳ありませんでした。最後になりましたが、Aさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

***

 

いかがでしょうか。このような善良な医師が逮捕され、スケープゴートにされる日本は異常だと思います。

 この異常な社会で産科医師になる人間は増えますか?

 

 

「病院には真相明らかにしてもらえなかった」
福島県立大野病院事件で遺族が意見陳述

オーマイニュース 軸丸 靖子 
2008-01-26  より引用
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080125/20149

前略

 産科で「訴訟リスク」が高い最大の理由は、出産という人生最良の瞬間を心待ちにする夫婦が、事故で一瞬にして絶望の淵に突き落されてしまうためだ。
 妊婦は健康な状態で入院する。この点が、病気やけがで入院する人と決定的に違う。その状況で、分娩中に何かが起こると、生まれた子どもに脳性まひなどの障害が残ったり、母体に危険が及んだりする。これが産科医に対する訴訟の多さにつながる(産科無過失補償制度が実施に向けて進んでいるのはそのためだ)。

中略

無論、患者側にも問題はあるだろう。医療に何かを求めるなら、もっと医療を理解しなければならない。そもそも日本の医療は多くを求められるレベルにない。そのことが、一般に知られなさすぎることも事実だ。医師と患者が、互いに理解を怠ってきた長年のツケが、この事件に回っているのではないか。加藤医師、女性の遺族とも、その被害者なのではないかと、思われてならない。

 

***

 

 

治療の副作用や合併症に関する医学論文の数が昨年後半から急激に減少したという報道がありました。これは「医学の死」を意味します。

詳しくはAtsullow先生のブログをお読みください。

愚者よ!そして医学は死んだ

 

 

 

医学も医療も、死ぬしかないのだろうか・・・

 

拙ブログで何度も紹介している診療関連死法案 が可決されれば、瀕死の状態にある医療の息の根を止めるでしょう。

 

 

前回のエントリーでも紹介した、母親たちによって発足した小児科を守る会

http://www.mamorusyounika.com/index.html

 

国民の間でこのような運動が広まることが、医療の死を少しでも遠ざける力になるでしょう。

 

医師だけが立ち上がっても医療崩壊は止まりません。

国民一人一人が医療をもっと理解しなければならないと思います。

医療には限界があること

最善を尽くしても助からない命があるということ

 

これらを理解してもらえないのなら、医療は死ぬしかないでしょう。

 

 

 

 ※大野病院で亡くなられた妊婦さんおよびご遺族への誹謗と受け取られる可能性のあるコメントは公開いたしませんので、ご了承ください。

 

 

全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html

全国医師連盟の声明に賛同される方は、↓こちらにご署名をお願いします。

http://doctor2007.com/ko1.html

 

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2008.01.27 00:34 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  春野ことり  | 推薦数 : 6

医療報道のあり方

連日のマスコミによる医療報道は何が言いたいのかよくわからない。

Atsullow-s caffe先生のブログより拝借http://blog.m3.com/Fight/20080124/2

11の病院に搬送断られ女性死亡 東京・清瀬 (産経)

救急搬送:11病院で受け入れ断り95歳死亡 東京・清瀬(毎日)

都内でも11病院が受け入れ拒否、95歳女性その後に死亡(読売)

11病院が受け入れ断る=救急搬送、女性死亡−東京(時事通信)

これらの見出しは、読む人に、あたかも11の病院が受け入れを拒否したために95歳の女性が亡くなったかのような、言い換えればすぐに受け入れられたら女性は死ななかったかのような印象を与える。

 

こちらは、なな先生のブログ

http://blog.m3.com/nana/20080124/2

<7病院断り、16歳少女死亡=拒食症で治療拒否-大阪>

この記事に関し、なな先生は、報道の仕方を間違っていると訴えている。

拒食症の少女は7病院が断ったから亡くなったのではない。なな先生が提示した症例のように、例え病院に入院していてただちに医師に蘇生術を施行されても、亡くなることはある、拒食症とはそういう病気なのだ。

 

医学生の時、精神科の臨床実習で拒食症は亡くなることがある病だと習った。しかし、当時の私は、この医学の発達した時代に、将来のある若い命が拒食症で亡くなってしまうことが腑に落ちず、精神科の医師に質問したのを覚えている。

「高カロリー輸液をすれば亡くなることはないのではないですか」

質問された医師はこう答えた。

「そんなこと言ったって、無理やり高カロリー輸液をずっと行うことなんてできないんですよ」

今、自分が学生から同じ質問をされたら、やはりその医師と同じ返答をするだろう。拒食症患者を無理やりベッドに括り付けて高カロリー輸液を行うことなど、それこそ患者の尊厳を無視した行為である。しかし、机上の医学知識だけを持ち、臨床を知らない学生だった私はその答えを聞いてもまだ納得ができなかった。

その後、医学部の同級生が拒食症で亡くなった。病気のため何年も留年していた彼女とは、会話をしたことがなかった。階段教室の一番後ろの席で講義を受けている姿を何度か見かけたことがある程度だ。下宿の部屋で亡くなっているところを発見されたそうだ。医師への志を果たすことなく天に召された若き女性がいたことを私は忘れない。

繰り返すが、拒食症は死に至ることのある病である。

 

マスコミさんに言いたい。

ぜひとも、病院が受け入れを断ったために患者が死亡したかのような報道はやめていただきたい。

 

 

再び、Atsullow-s caffe先生のブログ

http://blog.m3.com/Fight/20080122/3

1月22日、「ヘルニア手術で誤って女児の卵巣を切除した」というような報道がいっせいにされた。

しかし、「術前のインフォームドコンセントでも、卵巣が切除される可能性は十分に説明されており、家族も納得している。不幸な事故 ではあるが、避けることの出来なかった非常に稀な症例であり、術前診断も不可能であった。」ということである。詳しくはAtsullow先生の記事を読んで欲しい。

 

なぜこのようなことが 「医療ミス」とセンセーショナルに報道されなければならないのか、理解に苦しむ。しかも3年前に起きたことがなぜ今になって競うようにいっせいに報道されるのだろう。

ソケイヘルニアなんてよくある疾患である。その手術で卵巣を誤って切除されてしまうなんて!なんて恐ろしいミスだ!!

世間一般の人はこう思うだろう。

マスコミの狙いはまさにそれなのだろう。

 

このように、医療ミスなのかよくわからないような例をあたかも「恐ろしい医療ミス」のような報道をすることはやめていただきたい。

 

これら一連の報道は医師の立場から見ると、医療者を悪意を持って責めているようにしか思えないのである。これも一種の被害者意識なのかも知れない。いままで医師は散々マスコミから叩かれ尽くされてきた、いわば被害者なのだ。

「たらい回し」という言葉ひとつをとっても、マスコミは何の考えもなく発しているようだが、医療者はそのことば一つに非常に傷つくのである。

 

こちらは なんちゃって救急医先生のブログ

メディア報道が生んだクレーム について書かれている。

昨今の救急報道に関する私見  こちらもぜひ多くの方にお読みいただきたい。

文中より引用 

病気・死は、戦うものではなく付き合い受け入れるものだと個人的には思っています。
そして、そのような受容感が社会風潮として浸透していくことを願ってやまないとも思っています。

私も全く同じことを思う。

 

そして、マスコミの報道が、国民にそのような受容を促すように方向を変えれば、医療崩壊は少しは食い止められるのではないだろうか。

しかし、マスコミにそんなことを期待するのは無理なのだろうか。

 

暗い話題ばかりだが、緩和ケア医のaruga先生のブログより、こんな明かりを灯すような話題も

小児科を守る会のお母さんたち

<3つのスローガン>
・時間外診療をひかえましょう。
・そのためにも、かかりつけ医をもちましょう。
・日頃からお医者さんに「ありがとう」を伝えましょう。

を抱えて、小児科医療を守ろうという会が発足しているとのこと。

aruga先生のブログによると、その「守る会」には全国の医師から激励のメッセージが送られており、「守る会も守られている」と感じていると・・・。

aruga先生はこう結んでいる。

守る会を応援することが
きっと、日本中に
医療が温かさをとりもどす
大きなエネルギーになるだろうと
感じた今日でした。

素敵なニュースをありがとうございました。

 

このような話を聞くと

日本の医療にも灯りが見える思いがします。

 

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2008.01.22 23:45 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  春野ことり  | 推薦数 : 11

勤務医を辞めるワケ

同期入局者は9人。

ここ数年の開業ラッシュで過半数の人が開業し、病院勤務医は自分を入れて3人となった。

しかし、今春また1人開業するらしい。

すると勤務医は9人中2人となる。

 

なぜ勤務医を辞めるのか。

理由は人それぞれだろう。

でも、勤務医の労働環境が悪すぎるのは紛れも無い事実である。

 

 

勤務医が足りない。

ひとり、またひとり、勤務医がいなくなる。

 

地方から、どんどん勤務医はいなくなる。

産科、小児科だけではない。

内科医もいない。

病院から医者がいなくなる。

ひとり、またひとり。

 

 

身体にムチ打ち働けば

無理して救急受け取れば

医療ミスと騒がれて

「訴えてやる」と連呼され

やってられねえ、勤務医なんて

 

 

 

どうしたら止められるのだろう

もうとまらない

止まらないのか、医療崩壊

 

あうあうあー

 

 

 

医局に医者くれ、頼んでも

人がいないの一点張り

医者3人分の仕事をしても

給料決して増えはせず

 

 

 

とーちゃん、今日も帰らぬか

今日も緊急オペだとさ

医局に医者がいないから

当直ばっかり多すぎる

 

 

過労でミスして刑事罰

後ろ指を指される前に

過労で命を落とす前に

立ち去った方が賢いか

 

 

 

 

止まらないのか、医療崩壊

どこへ行くのか 日本の国よ

 

あうあうあー

 

 

 

(あうあうあー はakagama先生からパクリました。すんません)

 

 

secondopinion先生が、勤務医優遇税制を提案されていましたが、大変よい考えだと思います。

勤務医をこれ以上減らさないために、国はもーちょっと考えてもいーんじゃないの

 

 

追記 予期せぬ全ての死の責任追及は医療を滅ぼす のエントリーでも紹介している診療関連死法案 が可決されれば、ますます勤務医が減少することは間違いありません。

こちらのhirakata先生のブログもぜひお読みください。

「厚労省と自民党の暴走を止めろ」

 

 

全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html

全国医師連盟の声明に賛同される方は、↓こちらにご署名をお願いします。

http://doctor2007.com/ko1.html

 

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2008.01.21 23:55 |  診療  |  開業 / 病院経営  |  仕事 / 職場  |  春野ことり  | 推薦数 : 6

PPK(ピンピンコロリ)考

昨年、KYというギャル語が流行した。この意味を小学生の息子から教えてもらった。

ご存じない方のために解説すると、KYというのは「(場の)空気が読めない」という意味らしい。

息子 「じゃあ、JKKKって知ってる?」

私 「何それ?」

息子 「人生、カネ、カネ、カネ!!

私 「わはは!そういう人いるねえ。 じゃあ、PPK知ってる?」

息子 「何?何それ?」

私 「ピンピンコロリ

息子 「何それ?どういう意味?」

私 「うーん、つまり、元気にピンピンして生きていた人がコロリと死ぬこと」

息子 「ええっ!!死ぬの!?なんで!?死ぬなんて、こわい」

 私 「うーんと、つまり、人間いつかは必ず死ぬわけだけど、病気で長いこと寝たきりになったり、痛みで苦しんだりして死ぬのと、元気にしていてある日突然コロッと死ぬのとどっちがいいか・・・というと」

息子 「コロッと死ぬ方がいいや」

私 「やっぱりそう思う? お年寄りにとっては憧れの死に方というわけ」

KYからこんな話に発展してしまったのだが・・。

 

実際のところ、PPK(ピンピンコロリ)を希望しても実現する事は難しい。

たとえば大動脈瘤など、破裂したらPPKが実現できるような爆弾を抱えていることが分かった場合、実際、爆弾を抱えて生きることは勇気が要る。周りの家族や医療者は爆弾を除去するように説得をするだろう。PPKの背景には医療者や家族の葛藤がある。その狭間で本人の気持ちも揺れ動く。そんなお話を以前ブログに書いた。

ぽっくり死ねたら本望じゃ(全5話)↓

http://blog.m3.com/Visa/20071005/2

http://blog.m3.com/Visa/20071007/1

http://blog.m3.com/Visa/20071010/1

http://blog.m3.com/Visa/20071012/2

http://blog.m3.com/Visa/20071015/2

 

 

 

 

メディカル朝日 1月号に、日本人の死に時 の著者 久坂部羊先生のインタビュー記事が載っていた。

久坂部羊先生は在宅医療専門クリニックに勤務する医師であり、小説家でもある。

非常に共感したので一部紹介させていただく。

 

病院に行かずに自然死を迎える

 介護については、制度開始時点から破綻しているとのご意見でしたね。

久坂部 介護保険が始まったことで、在宅で手厚いサービスが受けられるようになった人が大勢います。

しかし、要求が高ければ不満が出てきます。病気には土日がないのに、土日はヘルパーが来ないと不満を抱く人もいますが、平日には来てくれるのを喜ぶ人がいて、ゼロよりはいいはずです。

理想や完璧を目指していては、永遠に満足は得られません。

 介護保険導入前に比べれば、状況は良くなっているのですから、ベースを悪いところに置けば、今の現実に対する満足も生まれます。

感謝の気持ちがあれば、世の中はゆったりとしてギスギスしないと思います。

 行政ばかりに期待してはいけません。

自分のことは自分でするのが基本だと思います。

そういう人が増えれば、世の中の負担を減らせます。

具体的にはお金を蓄えたり、健康管理をして老いに備えておくことですが、一番大事なのは気持ちの持ち方です。

 いつまでも元気で若々しく生きたいと思っている人は、やがて現実と直面して不幸になります。年相応の衰えもあるし、不自由も出てくる。それを若い時と同じようにいたいと思えば、不平不満も出ます。そういう気持ちを持たないように、若い時、やりたいことを思い切りやって悔いのないようにしておく。いずれ老いて、死も訪れるわけですから。

 PPK(ピンピンコロリ)を確実に実現しようと思ったら、元気なうちに自殺するよりほかありません。それが嫌ならPPKを求めてはいけない。これだけが欲しいと言いながら、手に入った後は、実はあっちも、こっちも欲しいというようなことをしている限り、永久に満足は得られません。

欲望のコントロールが満足の一番の近道だと思います。

 その一つが、病院に行かないという発想で、持って生まれた寿命以上のものは無理に求めず、静かに自然死を迎えることです。

(中略)

 

ご家族の問題はありませんか。

久坂部 残される人のエゴだと思います。親が死に瀕しているのに、子供が静かに死なせてあげないことがあります。

「長生きして」というのは、親のためのようでいて、本当は子供が自分のために口にする。

「長生きさせるためにいろいろ処置をすれば、どれだけ苦しむかわかっているんですか」

と言いたくもなります。

実際にそうはっきり口にすることはありませんが、首を傾げて、「それがいいとは限らないです」とか、「こっちの方がしんどいんですよ」と、穏やかに説明をしていきます。説明する側にも度量、経験、想像力が求められます。

 引用終わり

***

 

まったく同感である。

欲求はどんどんエスカレートする。

満足できるかどうかはその人の気持ちの持ち方次第。行政ばかりに期待してはいけない。自分が他者から「何をしてもらえるか」という事よりも「自分が世の中や他人のために何ができるか」を考えて欲しい。

介護を受けている老人たちの中には、いつも不平不満ばかり言う人もいれば、いつも「ありがたい、ありがたい」と感謝の気持ちを表す人もいる。どちらの心が幸せかは誰の目にも明らかであろう。

 

本人が望まない(または望んでいるかどうかわからない)場合の延命は、子どものエゴに他ならないと思う。

 

どこかで読んだのだが、

「親が元気なときに親孝行していない人に限って、最期の時に”できる限りのことをしてあげたい”と思うものだ」と。

全くその通りではないだろうか。

親の臨終の間際に 「できる限りの治療をして欲しい」と言う子どもたち・・・

たくさんの機械やチューブにつながれて命を延ばされることを本人は望んでいるだろうか。

命は短くても、最期に家族が傍らにいて手を握っていてくれることの方が幸せではないのか。

「医療者によるできるだけの治療」ではなくて、「家族による感謝の気持ちとできるだけの愛情」を持って、人生の終わりを静かに迎えさせてあげて欲しい。

 

多くの老人たちの臨終に接し、時々思うことである。

 

 

親孝行は親が元気なうちにしておきたいですね。

 

それから、PPKを望むのであれば、最低でも家族にはその意向を伝えておきましょう。

 

最期のときに延命するかどうかの決定権は、家族が握っているのですから。

 

 

 なかのひと

 

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2008.01.18 20:25 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 11

勤務医よ、立ち上がれ!

多くの医師ブログですでに紹介されていますが、勤務医の新組織が結成されました。

1月13日には決起集会が開かれ、盛況だったようです。http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?action=PDF&page=%BE%AE%BE%BE%BD%A8%BC%F9%B0%E5%BB%D5%A4%E8%A4%EA

 

今まで勤務医中心の組織というものはありませんでした。

医師会というのは、表向きは医師全体の団体の形を取っていますが、開業医を中心とした団体です。

以下は小松秀樹先生の医師会の大罪 より引用です。***

 日本医師会には多くの勤務医が加入している。勤務医と日本医師会の関係が問題になる。端的にいうと、日本医師会が勤務医の意見を代弁してきたのかということである。

勤務医は収入が少ないので会費が安く設定されている。このためかどうか知らないが、代議員の投票権がない。発言権がないといってよい

それでも、日本医師会は医師を代表する団体であるとして振舞いたいので、勤務医の加入を推進してきた。「勤務医と開業医が対立すると、厚労省のいいように分割統治されるので、勤務医も日本医師会に加入すべきだ」という論理が使われてきたが、日本医師会は、常に、開業医の利害を代弁し、勤務医の利害には一貫して冷淡だった。

最近、日本医師会の役員が、勤務医の利害を配慮してこなかったと反省を表明するようになったが、今回の問題(注:医師会が、「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 -」に賛成したことを指しています)それがリップサービスに過ぎないことが明白になった。どうみても、勤務医は「だしにつかわれてきた」と考えるのが自然である。
 そこで勤務医のとるべき態度である。これは、日本医師会に抗議すれば済むような生易しい利害の抵触ではない。第二次試案に賛成か、反対かを確認するだけで、抗議する必要はない。

生命を救うためにぎりぎりまで努力する医師を苦しめ、今後数十年の医療の混迷を決定づける案に日本医師会が賛成していることが確かならば、すべての勤務医は日本医師会を脱退して、勤務医の団体を創設すべきである。


 開業医と勤務医の大同団結を説く声をよく聞く。従来、その立場をとってきた友人が、今回の日本医師会の行動をみて、医師会に期待することの限界を感じたと連絡してきた。そもそも、勤務医が医師会の第二身分に据え置かれるような形が続く限り、人間の性質上、勤務医が本気で医師会と協調することはありえない。勤務医の組織ができて初めて、協調の基盤ができる。

今では医師会の理不尽なルールそのものが、医師会の正当性を阻害し、開業医の利益を損ねている。
 まず実施すべきことは、勤務医医師会の創設と、患者により安全な医療を提供するための、勤務環境改善を含めた体制整備である。

この中には、再教育を主体とした医師の自浄のための努力も含まれる。

自浄作用がないような団体が、自分の利益を言い募っても、周囲には醜く映るだけで説得力はない。臨床医として活動する医師の登録制度を自律的処分制度として活用している国が多い。

全ての勤務医と一部の開業医だけでも、なんとか工夫をして、国の力を借りずに自浄のための制度を立ち上げたい。これは国民に提供する医療の水準を向上させ、かつ、医師が誇りを持って働くことにつながる。

 

 

(引用終わり)

 

***

 

 

勤務医を中心とした新組織とは、全国医師連盟です。こちら↓

http://www.doctor2007.com/

 

以下、 同連盟の設立準備委員会の発起人世話役を務める黒川衛氏のインタビューより抜粋http://www.m3.com/tools/IryoIshin/071217_1.html (注:m3会員しか見れません)

当面は、(1)医療労働環境の改善、(2)公正な医療報道と世論啓発、(3)医療紛争解決と医師の自浄作用の3つに絞って取り組んでいきます。

 現在、われわれ医師は、患者さんに安全に医療を提供できる体制にありません。医師が個人で加盟する労働組合である「ドクターズ・ユニオン」を、全国医師連盟とは別個に作り、個別の労働紛争の解決に取り組みます。それと並行して、全国医師連盟は、患者さんや行政、世間一般に医師の労働環境改善に向けて働きかけていきます。プロ野球界でも、選手会と労働組合の2つがあるのと同じ関係です。

 また最近、様々な医療・健康情報が流れていますが、誤った情報で健康被害が生じることもあります。また医療事故についても、必ずしも的確に報道されているわけではありません。先手を打って啓発し、正しい知識を持ってもらうことが必要なので、メディアが気軽に聞ける窓口として、「医療事案相談サービス」を設置します。

 3点目ですが、現在の医療裁判では、専門委員制度が設けられていても、最高裁も指摘している通り、うまく活用できていません。医療裁判のほか、ADR(裁判外紛争処理機関)などにも、専門家集団として協力していきます。一方、医療事故の中には、犯罪に近い事例があるのも事実です。こうした事案に対しては、同業者として、自浄作用を発揮できるよう取り組みます。

(引用ここまで)

 

***

 

(1)医療労働環境 について私見

 

勤務医の労働環境も勤務先によって様々ですが、国立病院は特に報酬が低く、労働環境は劣悪です。

約15年前、母校の国立大学病院の医局に入局した頃、誰も夏休みを1日も取らないのには驚きました。休みなく働くことが美徳とされていた時代です。今も、中堅以上の医師の中には自己犠牲の精神が根強く残っています。

夫は国立大学病院の外科系医師ですが、今でも365日24時間病院に拘束されています。夏休みを取り、家族旅行へ行くときも、「緊急オペが入ったら僕だけ帰るから」と言われています。

先日の連休、家族で1泊のスキー旅行に行こうと宿を取りました。ところが、緊急オペが入り、宿泊は当日キャンセル。キャンセル料はもちろん自腹です。

夫は日祭日も当直、学会、研究会、緊急オペなどで、ほとんど休みがありません。家族そろって食事をするのもせいぜい月に2,3回程度です。

夫は何も予定のない日曜日にさえも、患者家族への病状説明の約束をして病院へ出かけていきます。もちろん時間外手当は付きません。

医師になってからずっとこんな生活が続いています。

それなのに、過労で手術中にミスをしたら、刑事罰なんでしょうか・・・。

 

参考過去ログ

マゾ医

研修医ことりちゃん-当直編

 

 

(2)公正な医療報道と世論啓発について 

拙ブログでも、マスコミによる偏った医療報道については何度も取り上げています。

失礼ですが、医学知識のない記者さんが書かれる医療記事は、的外れなことが多いです。公正な医療報道を行っていただけることを切に願います。

 

参考過去ログ

それでも医者か

恥を知れ

また義務忘れた医師たち

フジテレビの番組 (推薦数145 いただきました)

テレビのつくる罪

 

(3)医療紛争解決と医師の自浄作用について 

医学知識のない方や現場で医療を行ったことのない方に、医療過誤があったかどうかを判断することは困難です。

警察が関与すれば、大野病院産婦人科医の例のような不当逮捕が増えるだけでしょう。このような不当逮捕は医療者として許すことができません。

また、民事訴訟では賠償の金額を決めるだけであり、真実を追究することは不可能です。

 

悪徳医師やリピーター医師は存在します。資質に欠ける医師もいます。医師が医師を摘発しやすい環境を望みます。そのためにも、即刻医師の数を増やすべきです。

医師の絶対数を増やし、医師の自浄作用を発揮させて欲しいと思います。

 

 

罰則ばかり強化しても、劣悪な労働環境で働く医師たちのミスは増えるばかりでしょう。

 

今こそ、立ち上がれ!勤務医たちよ

医師のためだけに立ち上がるのではありません。

医療水準の向上のためなのです。

 

 

全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html

全国医師連盟の声明に賛同される方は、↓こちらにご署名をお願いします。私も先日署名いたしました。

http://doctor2007.com/ko1.html

 

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2008.01.11 19:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 10

日本の医療はすばらしい

月間アクセス数11万超と、自己新記録更新中です。

あまり更新できていないのに、お越しくださる方、ありがとうございます。

***

 

先日、高血圧で通院中の70代女性、由紀子さん(仮名)が外来でこんなことを言われました。

由紀子さん 「先生、実はこの前、脳ドッグを受けたら、えらいものが見つかってしまって・・・。脳に動脈瘤ができててねえ、1cm3mmの大きさなんだって」

私 「あら、まあ!」

由紀子さん 「悩んだんだけどねえ、クリッピング手術を受けることにしたの。手術もこわいけどねえ」

私 「そうですか」

由紀子さん 「手術が100%安全っていうことはないだろうしねえ」

私 「そうですね。医療に100%の安全というものはないです」

由紀子さん 「でも、信じてお任せするしかないわねえ。放っておいても怖いものねえ」

私 「そうですね。うまくいくといいですね」

この次に外来に来るのは手術の後になるという由紀子さん。診察室から出て行く後姿に 私は「Good Luck!」と心の中でお祈りをしました。

 

約1ヶ月半後、手術を受けた由紀子さんが、頭にバンドをして私の外来を訪れました。

由紀子さん 「先生、無事に終わりましたよ」

私 「よかったですねえ、よかったですねえ」

由紀子さん 「本当に。これで安心だわ」

 

***

由紀子さん、よかったですね。

日本の医療はすばらしいです。

フリーアクセスで好きな医療機関に自由にかかることができ、外国に比べて非常に安い料金で誰でも世界的に最高水準の治療が受けられます。

なんてったって、日本の医療は世界2位 ですから。

 

 

先進国19か国中、医療大国1位は仏、2位は日本
2008年01月09日 12:15 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2334107/2508656


【1月9日 AFP】英国の研究チームが先進国19か国を対象に行った回避可能な死に関する調査結果が8日、米医療経済・政策専門誌「Health Affairs」の1・2月号に掲載された。それによると、適切なタイミングで効果的な医療を提供している国の1位はフランス、2位は日本だった。一方、米国は最下位に沈んだ。

 研究を行ったのは、ロンドン大学衛生熱帯医学校(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究チーム。チームは、2002-2003年の間に、適切なタイミングで効果的な医療が施されれば死を回避できた75歳未満の人の死亡率を調査した。

 その結果、1997-1998年時点から回避できる死の割合が大半の国で平均16%低下している中、米国だけがわずか4%の低下にとどまったことが判明。仮に米国が上位3か国と同水準の医療を提供していたとすれば、年間10万1000人の死が回避できたと研究は指摘している。

 研究に出資した非営利組織Commonwealth FundのCathy Schoen上級副社長は「米国が大きく遅れをとっていることは驚くべきことだ。ほかの国は米国よりずっと少ない資金しか投入していないにもかかわらず、回避できる死の割合が急激に低下している」と述べた。

 研究の主著者Ellen Nolte氏は「米国以外の国では大幅に改善していることは特筆すべきことだ」と語っている。

 19か国の順位は上位からフランス、日本、オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国、米国となっている。前回調査で、米国は15位だった。(c)AFP

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ちなみにこちらはOECD諸国の医療費対GDP比率(2005年)

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1890.html

 

1位アメリカ、2位スイス、 3位フランス

日本は22位です。

日本では、格安の医療費で非常に効果的な医療が行われているのです。

 これはひとえに、医療従事者の努力の賜物なのです。

 

しかし、このような状況がいつまで続くのでしょうか・・・

 マスコミによる医療バッシング、医療過誤訴訟の増加、国による医療費抑制政策、高まる患者側の要求、クレーマー患者の急増、業務上過失致死罪・・・

 

もはや日本の医療が成長する要素が何も見当たりません。

あるのは衰退のみです。

 

 

 拙ブログ前回のエントリーで、厚生労働省の“医療事故調”に関する第二次試案について取り上げました。この試案がこのまま実施されたら、医療崩壊は決定的になります。

『医療崩壊』の著者として有名な虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹先生はm3.comのインタビューでこう語っています。

http://www.m3.com/tools/IryoIshin/071119_2.html (すみません、会員しか見れません)

 この第二次試案に盛り込まれた内容が実施されたら、リスクの高い医療を担う勤務医にとっては、非常に大きな問題です。とても安心して医療を提供できる状態でなくなります。

 

 

 近い将来、由紀子さんのような患者さんにクリッピング手術を行う脳外科医は激減するでしょう。

クリッピング手術を受けるのに、1年待ち、2年待ちという状況になる可能性が高いのです。

手術を待つ間、患者さんは動脈瘤がいつ破裂するかと不安な日々を過ごさなければなりません。

実際に手術を待っている間に破裂して命を落としてしまう人も出てくるでしょう。

 

もしも、混合診療が解禁になれば、お金持ちの患者さんが優先的に治療を受けられるようになるかも知れません。

しかし、そうなるとお金の用意できない患者さんはずっと後回しです。

 

近い将来、日本の医療はそんな風になってしまうのかも知れません。

 

その時になって初めて、国民は今の日本の医療のありがたみを知るのでしょうね。

しかし、それでは遅すぎるのです。

 

 

 

 

全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html

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 前回のエントリー「医者も人間です」で、こう書きました。

 

「当たり前のことですが、医師や看護師も人間です。

 

普通のみなさんと同じようにミスをします。

 

さらに重要なことは、ミスがなくても、不測の事態で患者さんが亡くなることがあるということです。」

 

しかし、

不測の事態で患者さんが亡くなることがあった場合、原因を明らかにして医療者への責任を追及しようという試案が厚生労働省から出されています。

しかも、調査員は社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿、又は、年金官僚の受け皿であると噂されています。

つまり、病院で予期しない死亡が発生した場合、医学知識のない調査員が調査をして医療者の責任を追及する

ということのようです。

 

 

診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案― 第二次試案 より

(3)不幸にも診療行為に関連した予期しない死亡(以下「診療関連死」という。)が発生した場合に、遺族の願いは、反省・謝罪、責任の追及、再発防止であると言われる。これらの全ての基礎になるものが、原因究明であり、遺族にはまず真相を明らかにしてほしいとの願いがある。しかし、死因の調査や臨床経過の評価・分析等については、これまで行政における対応が必ずしも十分ではなく、結果として民事手続や刑事手続にその解決が期待されている現状にあり、死因の調査等について、これを専門的に行う機関を設け、分析・評価を行う体制を整える必要がある。

 ***

 

「遺族には真相を明らかにしてほしいとの願いがある」

それはその通りだと思いますが、医学知識のない素人が調査して死因が解明するほど人間の身体は簡単なものではありません。

そんな調査機関を作っても、税金の無駄遣いにしかなりません。

 

 

 

 

 

以下、NPO法人医療制度研究会理事長の新年の挨拶 http://www.iryoseido.com/jimukyoku/200801011024.html

より、引用(赤字、太字はブログ管理人によります)

 今年は新年早々診療関連死の法制化が問題になっています。医療がかかわって死んだら犯罪を疑うという前提と、罪科を判定するための仕組みは、医療を根底から揺るがすことになるでしょう。医療は人の死に深くかかわり、行うのは過ちを犯す人間です。死を回避する困難な役割の中でも誤りは発生し、使命の遂行は人の死に結びつく運命を持っています。
“人は誤りを犯す”ことと“誤りに学ぶ改善”は、医療の安全確保に最も重要と考えられています。医療の根底をなしているこの哲学がいま法案化で危機に瀕しています。
私たちは望んでいます。医療者自身の手で、良い悪いを言わずに、死の原因を追求し改善する努力をさせてください。私たちは誤りの反省から再発防止をおこない安全を確保してきました。ある水準が確保できれば次の水準を狙い反省を繰り返します。水準と改善はいたちごっこのように続きますが、避けられない死はそれでも数多く存在します。
避けられない死の存在を認め、死にかかわったことだけで罪を疑うことはやめてください。そのたびに罪を問われ、弁明に追われ、現場が報告を怠れば罰を課す。現場に居ない事故調査委員会が過誤の有無を判定し、刑事裁判で調査結果の活用を認める。誤りに学べば罰を受け、改善もできない現場はがんじがらめの状態です。医療の安全を確保するのは厚労省ではなく現場です。死にかかわりが深い診療科から医師がいなくなる事態はもう始まっています。

誤った理解のうえで進む法案化は医療の崩壊をもたらします。私たちは崩壊する前に最後の力を出そうと思います。

***

 

なんちゃって救急医先生のブログ 日々是よろずER診療

こちらもぜひお読みください↓

http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20080102

 

***

 

こちらは、全国医師連盟 医療安全調査委員会新設への意見http://doctor2007.com/iken1.html
 

医療調査委員会新設の問題点

定義すら不明である医療死亡事故=診療関連死を口実に、刑事立件利用可能な体制で調査することは、良識ある医師に厳罰を与える可能性を強め、医療崩壊を呼び起こす。

一定確率で死に向き合わざるを得ない医師を、容易に容疑者扱いする体制は、間違っている。死因に関して明らかな解答が出るほど、現代医学は進歩していな い。調査と刑事手続きとの関係が整理されておらず、憲法上の保障である令状主義や黙秘権が潜脱されるおそれがあり容認できない。医師の基本的人権を守ることは、医療を守る ことである。この制度下で は、産科小児科や救命救急、外科領域、難病治療などハイリスク診療場面からの医師の離反を誘導することになる。医師職の離反の原因を取り除かなくては、医療に未来はない。

診療担当医師の個人責任の追求よりも、システム改善を重視して、医療安全をはかるべきである。

医学医療の技術者集団である我々医師は、日々医療技術を研鑽し、連日、尊い命と向かい合っている。国際的に評価の高い日本の医療は、先進国最低の医療費に よって賄われているが、これは、医師の初心と善意と体力によって到達した誇るべきものである。国は、医療事故とされるものに関して、被害感情の処理を優先 するのか、医療安全へ向けたシステム改善を優先するのか、正しく判断すべきである。

莫大な予算計上を必要とする医療調査委員会(中央委員会、地方委員会、各事務局)の設置を決定するには、何よりも国民的論議を重ね、充分な検討を行うべきである。百年の計に拙速は許されない。

巷では、新設される医療調査委員会は、社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿、又は、年金官僚の受け皿であると噂されている。国民のこのような 懸念が払拭できていない現状では、莫大な予算を伴う政府機関の新設には反対である。充分な時間を掛けて、国民の医療に役立つ方策を論議し、貴重な国費、医 療費が無駄にならないように制度設計をするべきである。

我々は、医療危機を深刻化させる拙速な医療調査委員会新設に反対する。


12月24日  全国医師連盟 設立準備委員会 執行部

 

 

 

全国医師連盟の声明に賛同される方は、↓こちらにご署名をお願いします。私も先日署名いたしました。

http://doctor2007.com/ko1.html

賛同された方のご意見はこちらです。

 ご意見1 ご意見2 ご意見3 ご意見4

 

 

 

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2008.01.04 01:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 14

医者も人間です

皆様、あけましておめでとうございます。

昨年は本当にたくさんのアクセスをいただき、ありがとうございました。

さて、年末にアップしたエントリー「患者のみなさん、あきらめてください」は、大変な反響でした。

拙ブログはコメント承認制にしており、礼節に欠けるコメントは公開しないことにしております。あしからずご了承ください。

さて、前述のエントリーへの非公開コメントにこんなご意見がありました。

 

「おまえらはしょせん、人体をメンテナンスする作業員なんだよ」

 

貴重なご意見、ありがとうございました。

他に、こんなご意見もTBしていただきました。

 

 「医師は延命の是非を問うべきではない。求められたら機械のように治療するべきだ」

 

 

 このお二人は別々の言葉で同じことを言っているわけです。私には医師に心を持つなと言っているように聞こえます。非常に医師を侮蔑した考えです。

 

医師になって2,3年目の頃、自分の患者ではないものの、患者の立場の方から以下のようなことを言われたことがあります。

 

「医者の仕事なんて簡単だよ。マニュアルどおりにやってりゃいいんだから。頭のいい人がやる仕事じゃないね」

 

この方はマニュアルどおりに行えば病気は治癒し、過失はない筈だと思っているようです。

 

これらの言葉を発する方々には共通のものを感じます。

 

 

マニュアルどおりに機械的に治療する、心を持たないサイボーグのような医師に診て欲しいですか?

 

 

いちいち個人のコメントや言葉に反応していても仕方が無いですが、

医師や看護師を人間と見なさないような団体があるようです。

 

医療被害者 免責の導入に反対
12月28日 NHKニュース

要望書を提出したのは、医療事故の被害者で作る「医療過誤原告の会」で、患者が死亡した医療事故の原因を第三者機関が調べる新しい制度について、被害者の 立場から要望をまとめています。

具体的には、第三者機関を設ける目的を、事故の原因究明や被害の救済、それに再発防止としたうえで、調査の結果、医師や看 護師などの過失が明らかになった場合は、刑事責任を追及すべきだとしています。

制度を検討している厚生労働省は、医療者に重大な過失があった場合は捜査機 関に通知するとしていますが、医療界からは、第三者機関に届け出れば刑事責任を問わない「免責」の導入を求める意見が出ています。

「医療過誤原告の会」の 宮脇正和さんは、「免責を導入すると、責任があいまいになり、医療事故が繰り返されるおそれがある。過失に応じて刑事責任を追及し、被害者が納得できる制 度にしてほしい」と話しています。

***

人間はミスをします。

 

人は誰でも間違える      To err is human

1999年、米国医療委員会/医学研究所により出版され、医療に大きなリスクを伴うことを社会に認知させた著書

 

しかし、ミスをした医師、看護師には刑事罰を!と主張する団体があるようです。

彼らは、絶対にミスをしないサイボーグ医師やサイボーグ看護師に診療をしてもらいたいようです。

しかし、断言できます。

たとえ未来に、100%ミスをしない精巧なサイボーグが人間の治療を行ったとしても、「人間」という不確実な生命体を扱うわけですから、「不測の事態」は必ず起こります。

そして、不幸にも患者さんが亡くなった場合、サイボーグ医師・看護師はどうなるでしょう。

遺族の腹いせにスクラップにされるでしょう。

 

現代の医師や看護師は人間ですからスクラップにはできません。

だから、刑事罰を、というわけです。

 

 

彼らはその運動が、医療をよりよいものにすると心から信じているのかも知れませんが、私には一生懸命医療を破壊しているように思えてなりません。

ミスしてスクラップにされるような仕事、誰も就きたがりませんから、リスクの高い診療科から医師や看護師はいなくなります。

 

 

 

当たり前のことですが、医師や看護師も人間です。

心があります。

普通のみなさんと同じようにミスをします。

 

さらに重要なことは、ミスがなくても、不測の事態で患者さんが亡くなることがあるということです。

この場合も、医師の刑事責任を追及されているのが現状です

このような制度は、絶対におかしいと思います

 

 

 

 

 

「天国へのビザ」に出てくる患者の山脇源次郎のモデルになった患者さんの奥さんからは毎年年賀状が届きます。

今年の年賀状にはこう書いてありました。

「源次郎さんに会いたくなると、天国へのビザを読んでいます。主人は先生に最期まで感謝して逝きました。ありがとうございます」

 

 

お正月に重症患者さんを診に病棟へ行けば、

「先生の顔を見ると、本当にほっとします」

と言われたり

 

「お休みなのに、すみません、ありがとうございます」

と、床上で手を合わせられたり

 

医師なんて単純です。こんなことがとても嬉しいんですから。

 

 

 

 

 

 

人間が人間を診る

それが医療なんです。

 

 

 

なかのひと 

 

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