| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
諏訪中央病院で緩和ケアをなさっている、平方眞先生の著書です。
第1章にいきなり核心を突くことが書いてあります。以下、大変共感する部分を抜粋いたします。
人は誰でも、人生の終わりを一回だけ迎えます。「一人の命は地球の重さより重い」といわれますが、その場合の命とはただ呼吸をして心臓が動いているかどうかを示しているわけではなく、「その人らしく生きている」かどうかが、より重要です。人生の終わりが見えてきたときの命のあり方について、医療だけでなく日本の社会全体がもう一度考えてみるべき時代が来ているのではないでしょうか。
さらに、こう続きます。
いきなり身も蓋もないことをいって申し訳ありませんが、すべての人生には必ず終わりがやって来ます。いつ来るか、どのように来るかは、それはわかりませんが、必ず来ます。しかし終わりが来ることはわかっていても、自分の人生の締めくくりがどのようになるのか、どのような締めくくりをしたいかを考えたことのある人は、多くはないのではないでしょうか。
私の経験からも、多くないと感じます。
平方先生は、「はじめに」 の項に、読者に「命に終わりがある」ことだけは認識しておいてほしいとという理由で、「死」について考える章を一番最初に置いたと書かれています。
大変効果的だと思います。
今、私の病院に、二人の癌患者さんが入院しています。
二人とも大きな病院で癌を治すための治療を受け、もうこれ以上「癌そのものを治す治療」はないとされ、転院してきた患者さんです。二人とも癌の告知は受けています。
その一人、正志さん(仮名)は、いつも憂鬱な顔をして、「少しも良くならない」とこぼしています。正志さんは自分で歩けます。痛いところもないと言います。入院して何か治療をしているわけではなく、在宅でじゅうぶんと思われるのですが、「在宅では心配」という理由で入院しています。正志さんを襲っているのは、憂鬱、絶望、不安、無気力・・などです。
もう一人は信夫さん(仮名)。癌が脊椎に転移して、下半身は麻痺し、寝たきり状態です。尿意も便意もないので、オムツを当てることを余儀なくされています。痛みもありますが、今のところ薬で抑えられています。 歩けて痛みの無い正志さんよりもずっとひどい状態です。
ところが、信夫さんの病室を訪れると、いつも大変穏やかな表情です。色々と至らないところもあると思うのですが、スタッフへのねぎらいの言葉も忘れずにくださいます。自分の運命をしっかりと受け入れていらっしゃるように見えます。
この二人の違いはどこから来ているのでしょうか。
答えは「がんになっても、あわてない」の中にありました。
がんは短所しかない病気のように思われていますが、人生が一度きりしかないことから考えると長所もあります。最大の長所は、がんは経過の予測がしやすいために「人生の仕上げ」をする時間が持てるということです。多くの人ががんによって命の終わりを迎えているのに、この長所を活かせていない人はあまりにもたくさんいます。
命には終わりがあることを意識してきた人生と、そうでない人生では、人生の仕上げのしやすさが仕上がりの質が全然違います。もちろん意識してきた人生のほうが、断然仕上げがうまくいくという意味です。
平方先生は、
がんになるのも人生設計の中に入れるべき
と書かれています。
3人に1人はがんになる時代ですから・・・。
心の準備をしておくことは大切なことだと実感します。
ぜひ多くの方々に読んでいただきたいと思います。
平方先生のブログはこちらです。
http://air.ap.teacup.com/awatenai/444.html
人気blogランキングへ←応援よろしくお願いいたします。
天国へのビザ ←Amazon
天国へのビザ ←楽天ブックス
全国書店でお取り寄せできます。
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (1)
コメント
コメント一覧
「がん」の長所、という指摘、わかります。私は専門柄、突然死ぬ病気を診ているので、それはやっぱり家族が大変です。
若い頃は、自分は突然死がいいと思っていましたが、家族がいると準備期間が少しほしくなりますね。
Yumi
~Yumi先生、コメントありがとうございます。
たしかに突然死は残された方が気の毒ですね。
準備期間が持てるという長所、いい言い方だと思いました。
春野ことり
私は母の再発がんの告知後、途方にくれて平方先生の講演を聴き、感動してこの本を購入しました。以前は、突然死した父をずっと羨ましく思っていたのですが、読後、少し考えが変わりました。その後私自身もがんになり、何度も再読しております。宗教をもたぬ私には、この本がある種のバイブルです。
がんになってよかったとはとても思えませんが、この年齢で(まだ若いんですけど^^;)自身の終焉をイメージするきっかけを与えられたことは、確かに長所だと思います。今はただ、家人の人生の仕上げを良いものにするべく手伝いをしております…って、なぜか読書感想文を書きたくなっちゃいましたA(^^;)。
christmas
~christmasさん、辛い体験をお話くださり、ありがとうございます。しかし、とてもよく勉強なさって、前向きに乗り越えていらっしゃるご様子、賞賛に値します。
がんになってよかったと思う人はいないでしょうが、「がんにも長所がある」というのはいい考え方ですね。この本は万人のバイブルになり得る本と思います。
「人生の仕上げ」について考えて生きることは、まさによりよく生きることにつながると思うのです。
christmasさんのこともお母さんのことも応援しています。
春野ことり
ことり先生の「天国へのビザ」も買いましたよー。昨日読みました。いい話ですね。でも、第一話の麻子さん、赤ちゃんを亡くす必要があったのかしらと思いました。
山口(産婦人科)
~山口先生、ありがとうございます~~!!
「がんになっても、あわてない」病院で貸し出しするといい本ですね。
あ、第一話で主人公が赤ちゃんを亡くす設定にしたのは、生まれて直ぐにあっけなく亡くなってしまう命と、十分年老いて植物状態のようになっても死ねない命を対比させるためです。
子供を亡くした女医が虚無感にかられて、最後にあんなことをしてしまった・・・というお話でした。
お読みくださってありがとうございました。
春野ことり
こうやって読んでみると、いい文章ですね(手前味噌)。
Yumi先生のコメントでも評価が高く、ちょっと自分を褒めてもいいかなと思いました。christmasさんはコメンターとして高く評価しているんですが、人生のお役にも立てているようで光栄です。山口(産婦人科)先生、多くの人に読んでもらえるように図書室に置くの、大賛成です。
書いた時には「この本は日本の未来を明るくする」と信じて書いたんですが、内容が重いためか朝日新聞社が宣伝に消極的なためか知名度が上がらず「まあそんなもんだよね」と思っていました。でも、読んでくれた患者さんや家族など、病気と直接つき合っている人の評判が高いので、今回紹介していただいたことをきっかけに、知ってもらうための活動をもうちょっとしてもいいのかなという思いを新たにしました。
ありがとうございました。今後ともよろしくお付き合いくださいませ。
hirakata
~hirakata先生、ありがとうございます。
天国へのビザのご紹介もいただき、ありがとうございました。
私の場合は自費出版なので自分でブログで宣伝するしかないのですが、先生の場合は大手の出版社から出されているので、もっと出版社から宣伝してもらえるのかと思っていました。
このような本が読まれずに埋もれていてはもったいないので、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。「日本の未来を明るくする本」だと思います。
良い本は世に広めましょう。
春野ことり
コメントを書く