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2007.10.26 01:06 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  仕事 / 職場  |  春野ことり  | 推薦数 : 5

がんになってもあわてない

がんになっても、あわてない

諏訪中央病院で緩和ケアをなさっている、平方眞先生の著書です。

第1章にいきなり核心を突くことが書いてあります。以下、大変共感する部分を抜粋いたします。

 

人は誰でも、人生の終わりを一回だけ迎えます。「一人の命は地球の重さより重い」といわれますが、その場合の命とはただ呼吸をして心臓が動いているかどうかを示しているわけではなく、「その人らしく生きている」かどうかが、より重要です。人生の終わりが見えてきたときの命のあり方について、医療だけでなく日本の社会全体がもう一度考えてみるべき時代が来ているのではないでしょうか。

 

 

さらに、こう続きます。

 

 

 

いきなり身も蓋もないことをいって申し訳ありませんが、すべての人生には必ず終わりがやって来ます。いつ来るか、どのように来るかは、それはわかりませんが、必ず来ます。しかし終わりが来ることはわかっていても、自分の人生の締めくくりがどのようになるのか、どのような締めくくりをしたいかを考えたことのある人は、多くはないのではないでしょうか。

 

 

 

私の経験からも、多くないと感じます。

平方先生は、「はじめに」 の項に、読者に「命に終わりがある」ことだけは認識しておいてほしいとという理由で、「死」について考える章を一番最初に置いたと書かれています。

大変効果的だと思います。

 

今、私の病院に、二人の癌患者さんが入院しています。

二人とも大きな病院で癌を治すための治療を受け、もうこれ以上「癌そのものを治す治療」はないとされ、転院してきた患者さんです。二人とも癌の告知は受けています。

 

その一人、正志さん(仮名)は、いつも憂鬱な顔をして、「少しも良くならない」とこぼしています。正志さんは自分で歩けます。痛いところもないと言います。入院して何か治療をしているわけではなく、在宅でじゅうぶんと思われるのですが、「在宅では心配」という理由で入院しています。正志さんを襲っているのは、憂鬱、絶望、不安、無気力・・などです。

 

もう一人は信夫さん(仮名)。癌が脊椎に転移して、下半身は麻痺し、寝たきり状態です。尿意も便意もないので、オムツを当てることを余儀なくされています。痛みもありますが、今のところ薬で抑えられています。 歩けて痛みの無い正志さんよりもずっとひどい状態です。

ところが、信夫さんの病室を訪れると、いつも大変穏やかな表情です。色々と至らないところもあると思うのですが、スタッフへのねぎらいの言葉も忘れずにくださいます。自分の運命をしっかりと受け入れていらっしゃるように見えます。

 

この二人の違いはどこから来ているのでしょうか。

 

答えは「がんになっても、あわてない」の中にありました。

 

 

 がんは短所しかない病気のように思われていますが、人生が一度きりしかないことから考えると長所もあります。最大の長所は、がんは経過の予測がしやすいために「人生の仕上げ」をする時間が持てるということです。多くの人ががんによって命の終わりを迎えているのに、この長所を活かせていない人はあまりにもたくさんいます。

 

 

命には終わりがあることを意識してきた人生と、そうでない人生では、人生の仕上げのしやすさが仕上がりの質が全然違います。もちろん意識してきた人生のほうが、断然仕上げがうまくいくという意味です。

 

 

平方先生は、

 

がんになるのも人生設計の中に入れるべき

と書かれています。

 

3人に1人はがんになる時代ですから・・・。

 

心の準備をしておくことは大切なことだと実感します。

 

 

ぜひ多くの方々に読んでいただきたいと思います。

 

 

平方先生のブログはこちらです。

http://air.ap.teacup.com/awatenai/444.html

 

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