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先日、小学生の息子が学校で休み時間に捻挫をしました。
保健の先生が学校からタクシーで整形外科へ連れて行ってくださいました。
私は、「ご迷惑をおかけしました」と言って、タクシー代を払おうとしましたが、「学校から出ますから」と断られました。
治療費は払ったのですが、これも後から学校から返還されると言われ、本当に全額返していただきました。
捻挫は学校じゃなくても家庭でもどこでもするものなのですが。。。
私は違和感を覚えました。
そして、こう思いました。
「学校で怪我をしたら、たとえ子供の不注意による怪我であっても学校から治療費が出る」ということが社会通念として浸透すると、
「病院で転倒して骨折したら、すべて病院の責任」
と、世間の人が思うのは当然なのかも知れないと・・・。
↓これ、読んでください。いつも勉強させていただいている、日々是よろずER診療より
転倒と訴訟(自己責任を忘れた日本社会) 転倒を他人の責任にして慰謝料をまきあげようという訴訟の数々です。
こちらはakagama先生のブログ
「善き医療」の幻想 これもひどいですね。医療者から見るとひどい勘違いと思うのですが、もしかしてこれは世間一般では普通の感覚なのでしょうか?
老人はよく転倒します。老人の骨はもろいので、すぐに骨折します。しかし、病院でそれが起こると、世間では「病院の責任」とされてしまうようです。
自分も経験があります。
「入院中に母(かなりのご老人)が転倒して骨折し、それを契機にして体調が悪化して死亡した。病院は責任を取れ」
という趣旨のお手紙をもらったり、
入院期限の迫った老人のご家族に退院をすすめたところ、
「入院中に骨折させておきながら、退院しろとは何事だ。訴えてやる」
と言って、もうとっくに治っているのに退院しなかったり。。。ま、色々とね
そんなわけで、学校から治療費を返していただいて、なんだか「???」と思った私ですが、後から教えていただきました。
「学校は学校保険に入っているので、学校で怪我した場合の治療費は全額出るのだ」 と。
そうなのか。
だったら
「病院保険」というのを作ってはいかがでしょう。
入院中の転倒による骨折、食事の誤嚥までカバーする保険です。入院料に保険料を加算して徴収するというのは・・・。
学校と病院というのは類似性があって、学校は病院の先を行っています。
医療崩壊の前に教育崩壊ありき
モンスターペイシェントの前にモンスターペアレントありきですから
学校保険があるのであれば、病院保険も必要では。
安全はただでは買えませんから。
保険料は患者さまご自身で負担しましょう。
しかし、学校保険の保険料はどこから出ているのでしょう・・・?
↓
道標主人様より教えていただけました。
独立行政法人日本スポーツ振興センター ( 旧学校安全会、旧日本学校健康会、旧日本体育・学校健康センター ) で扱っているそうです。
こちらも参考になります。兵庫県整形外科医学会日本スポーツ振興センター*「医療等の状況」等の文書料 ( 証明料 ) は、医師会などのご協力により無料とされているもので、日本医師会に加入していない医師が、この文書料を請求することは自由なのだそうです。
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コメント
コメント一覧
ご指摘、なるほどなと思いました。
他者責任追及の土壌が教育現場にあったとは・・・
今の保険はどうなってるのでしょうねえ?
確かに、一診療に一保険となれば、こちらとしては助かりますが、保険屋さんは、ぼろもうけでしょうなあ? なんちゃって救急医
~なんちゃって救急医先生、早速のコメントありがとうございます。
たしかにそうなると保険屋さんぼろもうけですね。。。 春野ことり
http://www.naash.go.jp/
ここで扱っているもののことでしょうか。
学校生活内で起こった傷病 ( 食中毒、熱中症や怪我など ) によって健康保険診療を受けた場合、医療費総額の 10% が見舞金あるいは手数料という趣旨で保護者に支払われるというものです。そして 30 % の自己負担分も支払われます。
保護者、学校、国とで日本の将来を担う子供たちに保険を掛けているようなものなのですが、親御さんの中にはその趣旨を勘違いされている方もいらっしゃるようですし、子供が学校で怪我をしたら学校が金と全責任を被るだけでなく、医療費のキャッシュバックまであってウハウハというトンデモ勘違いな方までいらっしゃいます。
日本人は、と申しますか、人間はすべからくその傾向があるのかも知れませんが、権利をはき違えている、あるいは甘えた考えに気付かないということなのでしょう。
ただ、この特殊法人も官僚の利権構造の一端でありますので、この組織の存在自体の是非は、また別の問題ですね。
ついでですがここなんかも。
http://hcoa.jp/health_profession/index.php?日本スポーツ振興センター 道標主人
~道標主人先生、またまた勉強になりました。
いつもありがとうございます。 春野ことり
~たぬくまぞうさん、コメントありがとうございます。
同感です。学校で起こった喧嘩による怪我も学校の責任にしてしまうのはどうかと思います。最近の親は、下校後のいじめでも、相手の親ではなく校長に「お宅の学校はどういう教育をしているんだ」と怒りに行くそうです。怒る相手が違うでしょうに。 春野ことり
今更ながら民度の低下をかんじます。
私たちが、子供のときは、大人はもっとしゃんとしていたような気がします。
今の時代、私や、ことり先生のような、ものの考え方をする人間は、もう少数派なのかもしれません。
今や、世の中は、クレーマーばかりで、情けなくなります。
それでも、先生のような、ご一緒に毒を吐ける同士が、まだ、少なからずいることはうれしいことです。 akagama
~akagama先生、ありがとうございます。
民度の低下、日々感じますね。悲しいですが。日本人の美徳はどこへ行ってしまったのか。。。
akagama先生のブログを読むといつもスカッとします。今後も一緒に毒を吐いて行きましょう。 春野ことり
叔父の家から電話が有り、癌の末期症状で入院したと、後もっても3ヶ月なので一回お見舞いに来てと、会社が忙しいので今度の土曜日に行きますと言って電話を切った。
次の日、昨晩夜中にトイレへ行こうとして転んでしまい、頭蓋骨陥没で意識不明になったので直ぐに来てとの電話、直ぐに病院へ行くと未だ出血もしている、お医者さんからは病院の責任になるので警察には言わないで欲しいと言われたと、叔母は勿論そんな積りは無く、僕達にも黙っていて欲しいと、(叔父の姉の死で警察に散々調べられたので警察だけは御免と言っていた)でも看護師さんから警察に連絡が行ったらしく、色々取り調べられたと告別式の時言っていた。(亡くなってから警察の取調べが終るまで告別式も出来ないし、警察も役目だから仕方無いのだろうが、事件性の無い物まで調べるのだから) たぬくまぞうさん
~二度目のコメントありがとうございます。
叔父さん、お気の毒でした。
病院で転倒して、警察の捜査が入るというのは初耳です。これは事件?
亡くなってから警察の取調べが終るまで告別式も出来ないというのは、大変ですね。 春野ことり
~head&neck先生、コメントありがとうございます。
そうですね。医療現場でもいいがかり防衛対策が重要課題となってきています。悲しいことですが。 春野ことり
中堅内科医です。ちょっと個人的な意見も交えて、参考ページ見てみてください。
保険に関してですが、医師個人が契約する医師賠償責任保険は大半の医師が加入していると思います。また、当然施設としての病院が契約する保険もあります。また、経営者・管理者が従業員に対して保険を掛けておくものもあります。(車の任意保険みたいなものです。皆さん加入されてますよね?)いろんな施設対応でそれぞれあります。
参考:http://www.jmha.or.jp/activity/hoken.html
http://www.roken.co.jp/18seido/kaigo/qa2.html
http://www.onwardmaeno.com/html/tiiki/a-1.htm
ただ問題は、医師・病院自身が過失と考えていないような事案で弱者救済のために数百万の支払い判決が医師・病院側に出てしまった場合(最近こういうの多いですが・・・)です。こうした保険があるために一般の方々の中には「保険で支払われるから誰も困らないじゃないか」と思われる方もいるかも知れませんが、「訴えられた」「支払い命令が出た」といった現実は、医師・病院職員に対して労働意欲を著しく削ぐ結果となります。「どんなに一生懸命やって、自分たちに過失が無く止むを得ない事故だとしても、(賠償)責任を問われるのか?」といったやりきれない思いから、結果として、医師・医療職の離職をを誘発することになります。
多くの事案でこうした保険が使われていると、私は考えています。
http://www.onwardmaeno.com/html/tiiki/a-1.htm
http://www.jmha.or.jp/activity/hoken.html
老健・介護施設・病院など、さまざまな施設対象であるようです。
民事では、弱者救済の観点から医療側に支払いを求めるケースが大半です。こうした保険があることも「どうせ保険あるでしょ」的なところがあるような気がします。
でも、結果としてそれが医師を含めた医療者の離職を増やし、労働意欲を著しく損ねているんだと思うんですけどね。 dameji
~dameji先生、はじめまして。コメントありがとうございます。
色々な保険があるのですね。
医師賠償保険はほとんどの医師が加入していると思いますが、たしか、これは訴訟にならないと保険金がおりないのですよね。保険に入っているから安心かというとそうではなく、訴訟に巻き込まれるというのは医師にとって精神的負担が大きく、ただでさえ忙しいのに時間も取られ、労働意欲は著しく損なわれますね。同感です。
私が考えているのは、患者さんが負担する保険です。海外旅行に行くときに「海外旅行保険」に入るように、ゴルフをする人に「ゴルフ保険」というものがあるように、入院するときに患者さんが入る保険があったらどうかな、と。それに入っていれば入院中の事故に対して慰謝料と治療費が出るというものです。名案だと思ったのですが。。。 春野ことり
病院への導入はとてもいいアイデアだと思いますが、病院については免責事項を明確にできないものでしょうか。
「駐車場内での事故につきましては当方は一切の責任を負いません」とよく駐車場に書いてますよね。
「一切の」とはいいませんが、医療機関でも類似の告知ができないものかと思います。 rinzaru
~rinzaru先生、コメントありがとうございます。
私もそう思います。
「患者様の院内での転倒につきましては、当院は責任を負いません」と告知することはできないのでしょうか。。。
春野ことり
himajin
~himajinさん、コメントありがとうございました。
施設を出て行ってほしいというのはあまりにひどい気がしますが、現実問題として、施設のスタッフも人手がないために食事に手がかかる人はなるべく入所させたていたくないのが本音だと思います。
最近の民事訴訟例で、誤嚥で死亡した場合に施設側が敗訴しているものをよく見かけます。患者家族が警察に届けることもあるようです。警察も、そのような届けを受けると無視できない(無視するとまたマスコミから色々と騒がれる世の中ですから)ので、捜査に入ることもあるようです。
嚥下能力が落ちているというのは、もうご本人の寿命が近づいているということだと私は思うのですが、人間はいつか死ぬものだということを現実に受け入れられない人増えているように思います。誤嚥を施設や病院の責任にする人が増えているのは事実なのです。そうなると、施設や病院も防衛策を取らざるを得なくなります。
こういった訴えを起こしたり、警察に届けたりするのはごく一部の人たちなのですが、その一部のクレーマーのために嚥下能力の劣った人たちが施設から追い出されるはめになっているのだと思います。
嚥下能力が劣った老人が誤嚥をしても裁判で負けない、警察に介入されないという保障がない限り、施設や病院も安心してそのような患者を診ることができないのです。
全く今の世の中はおかしなことになっていると思います。
春野ことり
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