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< 病院を壊すのは誰だー文藝春秋10月号 | メイン | 誹謗中傷コメントと心あるコメント >

前回のエントリー、「病院を壊すのは誰だー文藝春秋10月号」

実はコメント欄が盛況でした。

事の発端はある非医療者の方からの次のようなコメントでした。

 

今騒がれている診療拒否の問題の根っこに、絶対的な医師不足があるというのはその通りだと思います。また、特に産婦人科医が敬遠されているということも。

しかし、それにしても疑問に思うのは、それほど医師が不足しているというのに、なぜ、国全体の医療費が膨張しつづけているのか、ということ。このままでは医療費を中心とする社会保障費(と国債費)で国家財政は破綻するように言われていますね。

本文中で医師以外の医療関係者の法外は高報酬のことに触れられていますが、その言外には「医師は高報酬で当然」という意識が感じられるような気がします。もちろん、医師が他の職種と比べて高収入をえることに反対するつもりはないのですが、それにしても庶民感覚からすると、度を過ぎているように感じられてしまいます。

医師不足問題の根幹には大学医学部の定員問題があるわけですが、医師の数が制限されてきたのは医療費全体の問題があることは間違いないんですね。薬漬け、検査漬けの医療がこれまでどれほど批判されてきたことか。こうした批判の中には、庶民感覚からすれば法外な高報酬への批判も含まれるわけです。

そう考えれば、医師不足の問題は、医師自身のこれまでの行いが招いた結果でもあると言えなくはない。新聞のサイテーの記事も、そうした医師への偏見ないしは僻みが根底にあるのかもしれない。そんな風に思うのです。
もちろん、偏見と僻みから記事を書く記者を擁護するつもりはないですが、そうした偏見と僻みを放置する医師の側に問題が全くないとは言い切れないと考えます。病院を壊しているのは、医師自身でもあるのではないでしょうか?

 

このコメントに対し、医師からたくさんのコメントをいただきました。以下 抜粋

 

医師の給与と医療費の増大とは全く別な次元かと思います.(中略)

日本の医師の給与がいかに国際水準からみて低く抑えられているか理解していただかないと,
医療費の多くは医療従事者には使われておりません(薬剤,医療器械などに多く使われております).多くの医師時間の勤務時間はおそらく労基法の2倍以上は働いており時給にすれば情けないものなのですよ
これは医療機関が儲けるわけでなく,製薬会社,器械屋さんが儲かるだけです.器械やさんが儲けた分の消費税はなんと医療機関がかぶるのですよ(医療費には消費税がかけれませんから)!
薬価を決めるのは厚生労働省ですし,医薬分業でいくら薬を使っても医療機関が儲かるわけでなく,調剤薬局が儲かる仕組みです.
つまり医師はほとんど奴隷状態です.  MTL

医師の給与に関して国際的にみて低いというのは事実ですし,勤務時間あたりということになればさらに低価格であるということを知って頂く必要があるでしょうね.日本のような「労働基準法無視」で医師が働いているような先進国はどこにもありません.医師の給与は,一流企業の課長クラスや放送局の職員などの給与よりも安く,医師が高報酬であるという言い方はおかしいのではないでしょうか?
ネットで検索すれば資料がみつかると思いますが,「デタラメ報道」を繰り返すテレビ局の職員の給与は勤務医の給与よりも高いのです.   level3

 

医者になって驚きました。勤務医って昔からちっとも給料に変化ないんです。そう、日本の診療報酬って開業医向けに出来ていたんですね。ところが最近の診療報酬も改変に改変を重ねた結果、開業医でも潰れる所が相次いで出ていますよね。
儲かっているのは美容整形と包茎の手術やっているお医者さん位でしょうw。お金持ちになりたくて医学部来たのに、これじゃ全然夢がないじゃない、医療崩壊って言うし、、、ということで医学部学生が卒後医者にならずに別の職業を選択なんてことになってきています。  Taichan

 

日本より多くの医療費を使っている国々の医療が崩壊してきているのに、日本の医療は全体としては何とか踏みとどまっています。踏みとどまっている一番大きな理由は、医療従事者の頑張りが続いているからだと自負しています。かつて米国のヒラリー・クリントン上院議員が日本の医療を視察した際「日本の低医療費は医療従事者の聖職者さながらの自己犠牲の上に成り立っている」と言っています。しかし、頑張りにも限度があります。 

一般の人の中には、愚礁さまのように「医者は法外な高報酬」と思っている方も少なくないかもしれません。しかし勤務医は、人々の幻想の中にあるような「うらやましがられる職業」とはかけ離れた状況にかなり以前から追い込まれており、しかもその境遇は年々さらに過酷になっています。
 昨年3月に厚生労働省が発表した「2005年賃金構造基本統計調査」によると、医師の所定内給与月額は72万1400円でした。一般平均に比べると高いことは高いのですが、24時間365日責任から解放されず、帰宅後休日も夜間も呼び出されれば働き、労働時間とは認められない当直を寝ずに働き、実労働時間も過労死水準(週平均労働時間が63.3時間)に達している仕事としては「法外」という報酬額ではないと感じます。時給に直せば看護師よりも安い給与で働いている医師はたくさんいます。つまり、医師が高給取りであるのは、医療の中の給与体系で特別扱いされているわけでも何でもなく、ただ単にたくさん働いているからだというのが現状です。 hirakata

 

 

ほか、多くの皆様からコメントをいただきました。

すると、最初に質問をされた一般の方から新たな質問が・・・

 

 

日本の医師個人個人の報酬については、例えば欧米を基準にした場合、むしろ低いんだという点については納得いきました。医療制度全体の経済的観点からみた歪みについても、少しは理解できたように思います。

しかし、です。では、そうした歪み等の問題が解決できたとして、全体として日本の医療体制は良い方向に向うのか?

(中略)

医療もこれからはアメリカの如く持てる者だけのモノになってしまわざるをえないのではないのか?

より弱い者へのたちにシワ寄せとして表れて来はしないか?私が最初に愚かな質問をさせていただいた背景には、こうした疑問・不安があるのです。

 

 


すると、それに対してまた多くのコメントが寄せられました。

一読の価値ありです。ぜひご覧ください。

新小児科医のつぶやき でも取り上げられました。

 

 

人気blogランキングへ ←ランキングが上がりました。ありがとうございます。

 

天国へのビザ 第2刷刷り上ったそうです。アマゾンではまだのようですが、書店お取り寄せ可能です。よろしくお願い致します。

なかのひと コメントくださる方へ: 管理人が非礼と感じるコメント、また意味不明なコメントは掲載いたしません。あしからずご了承ください。

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「医者って金持ちなんだろ。」「お医者さんってもっと金持ちだと思ってた。」このような目で見られることの多い医者ですが、間違ってはいません。金持ちでもあれば貧乏でもあります。医者は、金持ちから貧しい者まで... [続きを読む]
posted from 投資同盟 2007.09.14 19:58

コメント

コメント一覧

医者=金持ち と思う一般人がほとんど。どうせ理解されないんだよ俺達は。
written by びようのいし / 2007.09.14 17:36
日本の場合、医師の給与が低いのは国民皆保険制度を敷いて医療は社会主義国ですから低いのが当たり前かというとヨーロッパは給料がいいんです。
日本の医療関係でも介護職、リハビリ、心理士と給料は低い。看護師さんは不足して最近上がってきてはいますが、それでも高給取りとは言えません。今までは献身的な奉仕の精神で乗り切ってこれましたが、これからはどうでしょうか?

このブログを愛する者として、一般の方が反論される時はよく事前に調べてからコメントして頂きたいと思います。素人だから何でも聞いてOKというのでは医師の方も疲れてしまいます。ご配慮ください。
written by Tai-chan / 2007.09.14 17:42
本当に、皆さまお疲れさまでした。(マスコミ人の、とりあえずの慣用句です)
 愚樵さんの一徹な疑問追及は、その名乗り方にも表れていると思います。早く言えば、人体の耐用年数を超えて生きる人が増えすぎたと私は思っています。寿命を延ばしたのは医学の勝利ですが、メンテナンスの費用が高くつくのは、どうしたらいいでしょうか。
 生命の格差を作りたくないのなら、みんなが「ほどよく生きて、ほどよく死ぬ」のが理想です。その好ましいレベルが落ち着く先を探しているのが、現代ではないでしょうか。
written by 志村建世 / 2007.09.14 19:34
こんにちは、トラバさせていただきました。
私の人生経験上、医師と名乗っていいことはありませんね。医師と分かると妬まれることが多いです。私は医療器具販売のサラリーマンで通してますね。この嫉妬社会日本では、無用な妬みは呼びいれないことですね。

マスコミでは美容外科医や成功した開業医が取り上げられるので必然的に、医師は金持ちだとなっているのだと思います。

実は、医師の多くは労働時間や医療訴訟のリスクを考えると、自治体病院の准看護師や掃除のおばさん以下の待遇かもしれませんね。
written by とうしか / 2007.09.14 20:03
 時々は拝見させていただいています。
 医者の収入が多いというのはよくマスコミに登場している先生方を見て「あれが普通のお医者さんの生活」と思っている人たちが多いのだと思います。
 そもそも「どちらも痛み分け」という言葉はAとBが対立している(損得が逆になる)場合に使います。お医者さんと患者さんの損得は逆、この国の少し前の首相はそんなことを言って、患者の負担3割、医療費削減をしました。
 さらに市場原理主義を医療の場に持ち込んで、それこそ病院が金儲けに走ることを助長したわけです。
 本当に医師がお金持ちになりたいのなら、現在の市場原理主義の導入を放置し、医療費の増額も求めなければ、日本の医療機関は保健医認定を返上して、自由診療だけになってしまいます、お医者さんたちが損得だけで動いたら黙ってこの現状を放置すると思います。
 妊婦のたらいまわしなど起こりません、出産は何百万円もお金がかかるので、きちんと病院通いするのはお金持ちだけおそらく現在の産科医の数で足りてしまうかも?
 にもかかわらず、ほとんどの医師の方は国民皆医療保険の継続を訴え、なんとか今の医療体制を継続させ医療を等しく国民に平等に施すことができるよう訴えています。
 やはりお医者さんはヒポクラテスの教えが引き継がれてきているのでしょうか。
(全部とはいいません、どの世界も例外はいます)
 本来なら医師ではない私たちこそがそれらを強く訴えていかなければならないのだと思います。

 いろいろと誤解され、また精神的肉体的にもつらい時がある仕事だと思いますががんばっていただきたいと思います。

因みに私は医師ではありません。
 
written by romrom / 2007.09.15 02:02
 皆様、こんにちは。非医療者の一人としてコメントさせていただきます。
romromさんwrote:
>やはりお医者さんはヒポクラテスの教えが引き継がれてきているのでしょうか

 先生方のブログを読む程に、その印象を深めております。私は健康な時まで、事の発端となった非医療者の方と似たような考えを持っていました。自分が入院して医療者の方々と接し、初めて医療現場とマスコミ報道との認識のズレが大きいと驚いた次第です。
 現場を覗かないと想像することさえ難しい、と私は実感しました。その一方で現場の方なら、「覗くぐらいではほとんど理解はできない」と仰るのではないかと思うのです。ですから、医師でない私が強く訴えることは、ほんの少しの事しかできないでしょう。
 マスコミの報道はマスコミのものです。医師は医師として訴えるべきことがあります。奈良県立医大の勤務状況の公開は、その良い例でしょう。春野ことり先生の小説も然りです。
 「ほどよく生きて、ほどよく死にたい。でも、自分とその家族だけは、QOLを保ったまま長く生かして」と医師に注文する人に、あなたは別格じゃないよと諭すのは我々の役目です。なぜ別格と成り得ないのかを科学的に説明するのは、医師が適役に思います。
written by christmas / 2007.09.15 20:43
なぜ、医師が高給でいけないのでしょう?素朴に思います。

私は医師の給与はある程度高給であって欲しいと思っていますし、病院も黒字である必要があると思っています。それが回りまわって国民(患者)にとっても国にとっても利益になると思うので。(なぜなのかは長くなるので詳しいことは書きません)

病院勤務医は患者の利益を第一に考えて診療をして下さっていると、もともと思っていましたが、患者になってさらにその思いを強くしました。

私は昔から医師の書かれた本を好んで読んでいましたから、ある程度、病院勤務医が激務であることを理解していたつもりでしたが、あるきっかけから読んだ、「日本の医療に未来はあるか」や「医療崩壊『立ち去り型サボタージュ』とは何か」を読むと、想像をはるかに超えた激務で驚きました。また、世界に誇る日本の医療が病院勤務医、看護師さんたちの限界に近い献身によって成り立っていたという事実を知りました。これには泣けました。

私は日本の医師の方たち(特に病院勤務医)の精神性の高さを尊敬していますし、愛しています。(例外はいますが)
仕事の内容からも、少ない人数で日本の医療を支えてくださっている医師の方たちを正当に評価して欲しいと切に思っています。

正当に評価するのは為政者が診療報酬という形ですることだと思っていますが(患者である私たちは感謝の気持ちを表すことでしょうか?)分かっているのか、いないのか、別の思惑があるのか、逆行しているようで残念に思っています。
written by ako(一般人) / 2007.09.16 00:17

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