| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
文藝春秋10月号は、最高の医療という特集です。
奥野修司氏の「病院を壊すのは誰だ」という記事が大変まとまっています。
小見出しだけ紹介
国の政策が医師不足を生んだ
読んで字のごとく
コンビニ医療の蔓延
ちなみにコンビニ医療とは、<患者が医師の疲労を考えず、自由気ままに休日、夜間診療を受けること>
自治体病院の二重苦
つまり赤字と医師不足の二重苦
再生を模索して
自治体病院は本当に再生可能なのだろうか
現状を無視した小泉内閣
小泉政権の改革がいかにひどかったか
この中で、ちょっとびっくりした部分だけ抜き出します。
自治体病院の二重苦より
官僚体質のおかげで、「年収1千万円の職員はザラ、下手すると過重労働にあえぐ医師なみの高所得で、仕事はずっと少ない」
「准看護師で年俸1200万円、掃除のおばさんが退職金5千万円」といった、民間では考えられないことが起きている」
再生を模索してより
病院を引き継いだとき、職員の中には年収一千万円近い看護補助員もいた。彼らをいったん解雇し、給与体系を民間ベースにして再雇用すると、その年は約1億円の黒字になったという。
・・・・・絶句
准看護師のほうが医師より年俸がいいのか・・・。
医師は数年で病院を転々とするので、退職金ってものはほとんどもらえないのよね。掃除のおばさんが5千万円の退職金っていったい・・・。
なんだかアホらしくなってきますね。
自治体病院に勤める医師の皆様は読まないほうがいいのかも知れません。
コンビニ医療の蔓延より
変わったのは医師も同じである。たとえば、若い医師は「精神科、眼科、皮膚科といった、どちらかといえば生命に直接かかわりのない分野を志願する」
(これ、本当ですね。で、笑えたのが)
「研修医をきつく叱ると、不平をブログに書かれて、次から来てくれなくなるとこぼす医師も少なくなかった。
(いえ、笑っている場合ではありません)
限界ギリギリまで荷物を乗せたロバが、追加したレンガ一枚で倒れるように、新たな研修制度の導入が最後の一押しとなって、各地の病院が崩壊したのです」
非常に言い得ています!!
人気blogランキングへ ←ランキングが上がりました。ありがとうございます。
天国へのビザ は 9月中旬以降、第2刷発行予定です。増刷に際し、第2章で回想シーンをひとつ追加しました。新しくなって再登場します。よろしくお願いいたします。
固定リンク | コメント (24) | トラックバック (4)
コメント
コメント一覧
今騒がれている診療拒否の問題の根っこに、絶対的な医師不足があるというのはその通りだと思います。また、特に産婦人科医が敬遠されているということも。
しかし、それにしても疑問に思うのは、それほど医師が不足しているというのに、なぜ、国全体の医療費が膨張しつづけているのか、ということ。このままでは医療費を中心とする社会保障費(と国債費)で国家財政は破綻するように言われていますね。
本文中で医師以外の医療関係者の法外は高報酬のことに触れられていますが、その言外には「医師は高報酬で当然」という意識が感じられるような気がします。もちろん、医師が他の職種と比べて高収入をえることに反対するつもりはないのですが、それにしても庶民感覚からすると、度を過ぎているように感じられてしまいます。
医師不足問題の根幹には大学医学部の定員問題があるわけですが、医師の数が制限されてきたのは医療費全体の問題があることは間違いないんですね。薬漬け、検査漬けの医療がこれまでどれほど批判されてきたことか。こうした批判の中には、庶民感覚からすれば法外は高報酬への批判も含まれるわけです。
そう考えれば、医師不足の問題は、医師自身のこれまでの行いが招いた結果でもあると言えなくはない。新聞のサイテーの記事も、そうした医師への偏見ないしは僻みが根底にあるのかもしれない。そんな風に思うのです。
もちろん、偏見と僻みから記事を書く記者を擁護するつもりはないですが、そうした偏見と僻みを放置する医師の側に問題が全くないとは言い切れないと考えます。病院を壊しているのは、医師自身でもあるのではないでしょうか?
医師の給与と医療費の増大とは全く別な次元かと思います.
人口構成上医療費増大は避けられなしことをご理解していただかないと,単純にいえば医療費は人が死ぬ際(高齢者医療をみていただければ)多くかかります.多くの人が亡くなれば医療費は増加します.また,医療の進歩が医療費を増加させる原因のひとつです.日本の医師の給与がいかに国際水準からみて低く抑えられているか理解していただかないと,
医療費の多くは医療従事者には使われておりません(薬剤,医療器械などに多く使われております).多くの医師時間の勤務時間はおそらく労基法の2倍以上は働いており時給にすれば情けないものなのですよ.
マクロの医療経済を勉強していただければと思います.
「医療費増大という悪夢が社会主義の復活を招く?」ハーバード大学教授 ケネス・ロゴフ
東洋経済ONLINE(2007/09/10)
http://www.toyokeizai.net/online/tk/column9/?page=1&kiji_no=40
これは医療機関が儲けるわけでなく,製薬会社,器械やさんが儲かるだけです.器械やさんが儲けた分の消費税はなんと医療機関がかぶるのですよ(医療費には消費税がかけれませんから)!
薬価を決めるのは厚生労働省ですし,医薬分業でいくら薬を使っても医療機関が儲かるわけでなく,調剤薬局が儲かる仕組みです.
つまり医師はほとんど奴隷状態です.
医療費についてはMTL様がコメントされていますので、主に愚樵様のコメントの後半についてお話させていただきます。
>薬漬け、検査漬けの医療がこれまでどれほど批判されてきたことか
日本は薬が多く使われる、高額な検査が多い、とは以前から言われていることですが、これは医師数が少ないことの裏返しです。日本は30年前から医師数が世界の標準より少ない国です。
病床100床当たりの医師数はアメリカの63.9人に対して、日本は12.0人です。そのうえアメリカはチーム医療で1人の患者に対して複数の医師でサポートするのに対し、日本は主治医制のため1人の医師にかかる負担が大きくなります。
日本の1人の医師が年間に診察する患者数は8,500人。OECD平均が2,400人なので、欧米の3.5倍の患者さんを診察していることになります。
少人数で標準以上の数の患者の診療しなければならないのであれば、マンパワーの不足を薬剤や検査で補うのは、必要不可欠な手段です。
ちなみに外来患者さん一人当たりの診察料の平均は、米国が62,000円、スウェーデンが89,000円に対して、日本は7,000円であり、高額の薬剤費や検査費はあなたがお考えになっているほど国民負担にはなっていません(国としての医療費負担になっていることは事実ですが)。
>そう考えれば、医師不足の問題は、医師自身のこれまでの行いが招いた結果でもあると言えなくはない
私の話がご理解いただければ、医師自身のこれまでの行いが招いた結果ではないことにも、ご理解いただけるものと思います。
>薬漬け、検査漬けの医療がこれまでどれほど批判されてきた
>ことか。こうした批判の中には、庶民感覚からすれば法外は
>高報酬への批判も含まれるわけです。
これはマスコミが煽った結果ですね.
確かに全くデタラメとまでは言いませんがごく一部の医師が行ったことをあたかも「すべての医師がこのようである」と誤解を招く報道を繰り返したことは事実でしょう.
医師の給与は,一流企業の課長クラスや放送局の職員などの給与よりも安く,医師が高報酬であるという言い方はおかしいのではないでしょうか?
ネットで検索すれば資料がみつかると思いますが,「デタラメ報道」を繰り返すテレビ局の職員の給与は勤務医の給与よりも高いのです.(厚労省もかなり恣意的なデータ公表を行っていますので,注意して下さいね.また,勤務時間などの算定も敢えて低く出していますね.)
もし「努力して資格を得て行う職種の給与」と「一般サラリーマンの給与」を同列に比較して前者が高いということを言われるならそれは筋違いというものでしょう.
>そうした偏見と僻みを放置する医師の側に問題が全くな
>いとは言い切れないと考えます。
先にも書きましたように,すくなくとも報道関係者の給与は勤務医よりも高給ですから,それは間違っているでしょう.彼らは単に「売れる」記事を「作っている」のです.「事実」を忠実に報道しているのではありません.
我々にどうしろとおっしゃるんでしょうか?
医師には診療に携わる時間だけでも逼迫されています.奈良医大の産科医の当直内容はごらんになられたでしょうか?
医療が必要だとおっしゃるなら,医療を必要としている国民が医療を維持できるように,代表者(議員)を選び,政治を動かすべきでしょう.
実際に困るのは我々医療者ではなく非医療者であるということを認識して頂きたいと思います.
アメリカの麻酔科医は大統領より年収がいいってご存知でした?日本はどうしても今まで長者番付やると地方では開業医の先生が出てきてましたし、お医者さんて金持ちじゃ~って私も子供の頃そう思ってました。
ところが医者になって驚きました。勤務医って昔からちっとも給料に変化ないんです。そう、日本の診療報酬って開業医向けに出来ていたんですね。ところが最近の診療報酬も改変に改変を重ねた結果、開業医でも潰れる所が相次いで出ていますよね。
儲かっているのは美容整形と包茎の手術やっているお医者さん位でしょうw。お金持ちになりたくて医学部来たのに、これじゃ全然夢がないじゃない、医療崩壊って言うし、、、ということで医学部学生が卒後医者にならずに別の職業を選択なんてことになってきています。
税金使っているのに何たる事!って国民の反感買いそうですが事実です。法学部に行っても弁護士になる訳ではなし、教育学部卒業しても教師になる訳でもない。つまり医学部に入っても日本の医療に夢が持てなくなってきています。
その理由については私より先にコメント頂いた先生の意見を読んで頂ければ幸いです。
そんな日本でも我が母国、来月アメリカから帰って勤務医として働きます。子孫に残したい日本の素晴らしい医療を目指して!愚樵 さんも我々医者の中にも夢と希望を持ってやっている連中もいるんだということをぜひご理解ください。
私は他の方々とちょっと違い「偏見と僻みを放置する医師の側に問題が全くないとは言い切れない」というところだけは同感です。
医師は目の前の患者さんを治すことに一所懸命尽くしてきました。自分たちの仕事には誇りを持っていましたので、偏見を持たれようが僻まれようが、その誇りが傷つくようなことはなかったのです。そのため偏見や僻みを是正するような行動を取ってこなかったことについては、医師側にも多少の責任があるかもしれないとは思います。
しかしそれ以外の部分に関しては、大きな誤解があるようなので、医師としての意見を述べさせていただきます。
医療費の増大に最も関連しているのは医学の進歩だといわれています。以前だったら「これ以上は治療がない」という状態だったのが「次の治療はこれです」という状況になれば、そこから先の医療費は、以前なら発生しなかった医療費になります。
もう一つ、高齢化も医療費を増大させます。厚生労働省からは若者と高齢者では医療費が5倍になると報告されています。日本の平均寿命は世界一で、団塊の世代も高齢化しつつあります。このような状況で医療費を増大させない方法は、(医療を提供しないという方法を除いて)世界中どこの国でも発明されていません。
日本の医療の値段は、すべて国が決めています。国が決める値段は1980年代から抑制一本槍で進んできており、医師の仕事に対する診療報酬は、諸外国で同じ仕事をした場合の半分から10分の1以下という激安価格に設定されています。
日本より多くの医療費を使っている国々の医療が崩壊してきているのに、日本の医療は全体としては何とか踏みとどまっています。踏みとどまっている一番大きな理由は、医療従事者の頑張りが続いているからだと自負しています。かつて米国のヒラリー・クリントン上院議員が日本の医療を視察した際「日本の低医療費は医療従事者の聖職者さながらの自己犠牲の上に成り立っている」と言っています。しかし、頑張りにも限度があります。
(続く)
日本以外の国は医療費が増大することと必要医師数が増加することは当然であると考え、その上で対策を立てています。医療費の増大によって国が滅びるという考え方を「医療費亡国論」といいますが、医療費亡国論を進めていけば、国が滅びるよりはるか手前で医療は滅びます。それは防がないといけません。そのためには、医療費亡国論を信じている国民の意識を変えなければならないのです。愚樵さまもどうか協力して下さい。
一般の人の中には、愚礁さまのように「医者は法外な高報酬」と思っている方も少なくないかもしれません。しかし勤務医は、人々の幻想の中にあるような「うらやましがられる職業」とはかけ離れた状況にかなり以前から追い込まれており、しかもその境遇は年々さらに過酷になっています。
昨年3月に厚生労働省が発表した「2005年賃金構造基本統計調査」によると、医師の所定内給与月額は72万1400円でした。一般平均に比べると高いことは高いのですが、24時間365日責任から解放されず、帰宅後休日も夜間も呼び出されれば働き、労働時間とは認められない当直を寝ずに働き、実労働時間も過労死水準(週平均労働時間が63.3時間)に達している仕事としては「法外」という報酬額ではないと感じます。時給に直せば看護師よりも安い給与で働いている医師はたくさんいます。つまり、医師が高給取りであるのは、医療の中の給与体系で特別扱いされているわけでも何でもなく、ただ単にたくさん働いているからだというのが現状です。
その他にも反論したいことはたくさんありますが、このへんでやめておきます。愚樵さまのご意見を読んでいて思うのは、「国やマスコミは、医師が偏見を持たれたり僻まれたりするような情報操作を、これほど見事に遂行してきたんだなあ」ということです。まるで修行のような生活をしていて、自分の時間もなく、睡眠時間も確保できず、余裕のある生活にはほど遠く、その上偏見や僻みで攻撃されているのです。その状況で頑張っている医師は、道を究めた宗教家と同程度の尊敬を集めても良いはずです。そうならずにさらにバッシングされ続けるのであれば、いずれ医療現場には一人の医師も残らなくなるでしょう。
長文で失礼しました。
>愚樵さま
上述の医師の皆さんからのコメントを読んでいただき、ご理解いただけましたでしょうか。
まず、愚樵さまは「医師の給料が法外に高い」と誤解なさっているようですが、これは誤解だとおわかりいただけましたか。
そして、愚樵さまは「医師の給料が高いから医療費が高くなっている」とお考えのようですが、これも全く筋違いであるとお分かりいただけましたでしょうか。
>そうした偏見と僻みを放置する医師の側に問題が全くないとは言い切れないと考えます。
たしかに医師は今までこうした偏見や僻みを是正してきませんでした。その件に関してはhirakata先生のコメントに書いてあるとおりだと思います。
私も医師側に全く責任がないとは思っておりません。
しかし、愚樵さまもかなり誤解されているようですので、上記のコメントを熟読され、ご理解とご協力をお願いいたします。
皆様のご意見の、個々の論点に反論を試みるつもりはございません。きっと、その通りなのだと思います。私もこちらに意見を述べさせていただくにあたって、少しくらいは前調べをしておけばよかったと反省しないではないのですが...。今はネットで簡単に調べがつく時代ですからね。
まあ、しかし、しぶとく納得のいかない点については、食い下がってもよろしいでしょうか?
日本の医師個人個人の報酬については、例えば欧米を基準にした場合、むしろ低いんだという点については納得いきました。医療制度全体の経済的観点からみた歪みについても、少しは理解できたように思います。
しかし、です。では、そうした歪み等の問題が解決できたとして、全体として日本の医療体制は良い方向に向うのか? ここのところは皆様のお答えの中からは、私は汲み取ること出来ませんでした。日本は超高齢化社会を迎えようとしていますが、高齢者医療に要する費用がこれからますます必要になるとすれば、いずれにせよ国家財政はその負担に耐えられなくなります。医師を欧米並みに増やすとなれば尚更です。命はお金に換えられるものではありませんが、現実問題としてお金がなければ何も出来ません。途上国の医療が良い例です。
今の日本においては、現状以上に医療体制を充実させることは不可能ではないのか? たしかに充実した医療は国民の誰しもが望むことですし、そうした観点から見ると医師に余裕を持って仕事をしてもらうことが望ましい。ですがそれは限界に来ているのではないのか? 医療もこれからはアメリカの如く持てる者だけのモノになってしまわざるをえないのではないのか?
自然環境にも人間社会にも当然のことながら限界というものがありまして、限度一杯に広げようとすれば、それは破綻してしまうしかない。こちらの記事に書かれた主張は当然の主張だとは思いますが、それはそうした限界の中で、より弱い者へのたちにシワ寄せとして表れて来はしないか? 私が最初に愚かな質問をさせていただいた背景には、こうした疑問・不安があるのです。
こうした不安は、今、多くの者が漠然とながらも抱えているものだと思います。皆さんのお答えはいちいち尤もだとは思いながら、不安の根幹部分にある疑問には答えになっていない。むしろ、そうした不安を増幅させるお答えになっているように感じます。
せっかく多くの皆さんのお答えを頂いたので、こうした根本的な疑問につきましても、お答えいただければ幸いです。
上述のごとく,
人口構成上医療費が増加するのは確実です.life lineとしての医療費は,公共事業費と違い「まず削減ありき」でいいかということの議論や国民的コンセンサスが得られているとは思いません.国民にアメリカ型医療政策を受け入れる覚悟があればよいのですが,そうでなければ(保険料および窓口自己負担ははこれ以上難しいので)政治は医療費財源としての消費税の負担を受け入れていただくキャンペーンする時期かと思います.事業主負担については(大企業などは)フランスなどに比べ日本はずいぶん恵まれておりもう少し社会に還元していいと思います.
http://megalodon.jp/?url=http://www.financial-journal.net/blog/2007/08/000295.html&date=20070902090311
フランスでは医療費財源は主として労使拠出の保険料で使用者負担が給与総額の12.8%、被用者負担が給与総額の0.75%です.
上述の「医療費増大という悪夢が社会主義の復活を招く?」から,,ケネス・ロゴフhttp://www.toyokeizai.net/online/tk/column9/?page=1&kiji_no=40
..
医療費増大の圧力は、自由市場的な資本主義に向かって進んでいる現在の流れを逆転させ、経済の非常に重要な部分を社会主義的なシステムに復帰させることになるかもしれない。「患者を死なせるぐらいなら、医療費負担で国家財政が赤字になるほうがよい」。そう判断する国もきっと出てくるはずだ。
国家としてのこれくらいの気構えがあれば,安心は得られます.世界をみたらキューバくらいですか?
日本では国の考えをかえる!という国民意識がなければ不安は取り除くことはできませんよ.
私も、日本の医療について明るい展望が持てるとは思いません。大変不安に思っています。ただ、現状よりも良い状態に持っていくことで、国が倒れるようなことはないだろうとも思います。
志村建世さんの9月9日のブログにもあるように、日本は壮絶な無駄遣い構造が残っています。小泉前総理と安倍(前)総理がそこを掃除しようと頑張っていましたが、「HAT-KZ(はっとカズ)」はたくさんの人の懐を潤していますが、国の屋台骨を細らせています。
どこで見たのか忘れましたが、どこかの公共投資を4000億円ほど削るということを決めたら、翌日から大蔵省(当時)にひっきりなしに電話がかかってきて、仕事にならなかったそうです。しかし医療費を数千億円削っても兆の単位で削っても、医者もそれ以外も誰も文句を言ってこない。こりゃいいやということで、医療費をはじめとした社会保障費ばかりが削られ続けてきた。という話を読みました。どこまで真実かわかりませんが、大筋は合っているだろうと思います。
現在の医療費に対する国庫負担は、たかだか8兆円程度です。200兆を超える特別会計、何のために積み立てられているのかわからない積立金が(現在はちょっとわかりませんが)2004年度末で200兆円を超えているといわれています。これを吐き出させることの方が、国が倒れないためには大事でしょう。
いずれは「今後日本の高齢化率が下がるときまで、医療の進歩は諦めて下さい」と言わざるを得ない時は来るかもしれません。しかし現在は「医療を受けられない人がいるのは、諦めて下さい」という前に、できることはたくさんあると思います。政府とマスコミと国民と医療が一体となって、どのあたりに妥協点を求めていくのか、考えるべきタイミングになってきたと感じています。
国家財政から見て医療費を自然増以上に増やすことはできない、その意味でわが国の医療はもう限界にあるのではないか、というのが愚樵さまの不安の根幹部分にある疑問と理解しましたが、間違っていたらご指摘ください。
この疑問は最初のコメントの中では述べておられなかったので、その後の皆様のコメントが答えになっていないのは当然かと思われます。
医療が限界ではという問いについては全くその通り思います。
ではどうするか。乱暴に単純化して整理すると二者択一になります。MTLさまが述べられているように税負担・事業者負担を増やして可能な限り弱者にシワ寄せがいかないようにするか、もしくはそれに対して国民的同意が得られないのなら、限界を認めて諦めるしかありません。
この場合、確実に弱者にシワ寄せがいきます。アメリカ式の持てる者だけが高度な医療を享受できるシステムを為政者・大企業は選ぶかもしれません。当然医療全体の質としては低下します。
そのときにはもう合意があろうとなかろうと受け入れていただくしかありません。今のように医療に完璧を求める姿勢は質の低下をますます加速させるだけです。
このように医療が崩壊し始めている今、現場の医師に対しての儲け主義とか過剰な高報酬とかいう批判は方向が違う、というのが最初の愚樵さまのコメントに対する私の感想です。
今、日本の政府はお金の使い方が信じられないくらい下手です。国民国家、民主主義国家ということを考えると、「国民の健康を保証する」ことによって「労働人口が増え」て「安定した税収」が得られるはずなんですね。
ここで問題になるのは高齢者なんですが、これは年金と同根で、労働人口で賄っていくしかない領域です。
しかし、現実には日本の社会保障費は先進8か国中最低で、逆に公共事業費は他の7カ国の合計よりも多いんですね。
日本の何十倍の面積のアメリカの2倍くらいかけているという不思議なことをしています。もちろん日本の国情が違う以上、そのまま読むわけにはいきませんが、少なくとも社会保障費なんて、どんな国でもそんなに変わるはずがないと思います。
もし日本が医療費によって国が滅ぶと考えているのなら、これら諸先進国はとっくに滅亡しているはずです。むしろ公共事業亡国論をいうべきだと思います。
医療費で国が滅びるとしたら、むしろけちりすぎて医療崩壊が起こって、国民がまともな医療を受けられなくなり、健康な労働ができなくなって税収が減って・・・という方向に向かうのではないかと思います。
こんにちは。
私は脳神経外科の医師をしています。
あまり経済には明るくないので、何となく考えていることを書かせていただきます。
>皆さんのお答えはいちいち尤もだとは思いながら、不安の根幹部分にある疑問には答えになっていない。むしろ、そうした不安を増幅させるお答えになっているように感じます。
おっしゃるとおりと思います。
医学の発達によって、生まれるはずのなかった生命が生まれ、育つはずのなかった生命が育ち、治らなかった病気が治り、人の寿命は延び、人口はますます増えます。
発展途上国のすべての人々が、文明社会の恩恵を受けようと思ったら、エネルギー問題や食糧問題、環境問題が噴出するのと同じで、すべての人が高度な医療の恩恵を受けようと思ったら、予算が医療体制が破綻するなど必然なのかもしれません。
>そうした限界の中で、より弱い者へのたちにシワ寄せとして表れて来はしないか? 私が最初に愚かな質問をさせていただいた背景には、こうした疑問・不安があるのです。
まず最初に、より弱い者へしわ寄せが表れることと思います。
そして、最終的には全体に影響が及ぶことと思います。
「長生きしたい」とか、「病気を治したい」とか、「子供を生み育てたい」というのは、実は個体としての本能に忠実なだけであって、その結果は社会にとって有害である可能性さえあります。
資源や予算が限られている以上、何らかの範囲の制限は必要ではないかと思います。
そして、その制限は理性的に決定される必要があると思われます。
(その点、マスコミ報道はミスリードしているように思います。)
アメリカは社会も医療も資本主義です。しかし、日本の医療は社会主義です。医療サービスの面から言えば社会主義国家だと中国人医師が言っていましたが、正にそうなのです。中国では国民皆保険制度は不可能です。ましてや高額医療補助なんてもっての他です。
日本は医療の観点からみると社会主義国家?と言われますがこの自覚が日本国民にはないと思います。資本主義の国でありながら社会主義を盛り込んだ絶妙なバランスの下に10年前まではありました。
厚生労働省がアメリカ的医療を目指しているんだとすれば大きな間違いです。MTLさんが書かれていますようにヨーロッパ、特に北欧を見ると理解できます。消費税アップはやむを得ないと思います。本来はこういう議論を前回の参議院選挙ではやるべきですが、消費税アップの話はどこの政党もしません。選挙中にやると国民からバッシングを受けて恐いのです。
他に財源がある?
日本の目指す医療は北欧型、アメリカ型、それ意外?
これを国民にもっと訴えて日本の医療の目指す方向性について語れる政治家が出てきてくれないかな~と期待しています。
愚樵さまの疑問もっともと思います。たいへんいい問題提起をされたのではないでしょうか?
今、日本も医療の自由化を含めて医療の国家負担を減らそうとしています。行き着く先はアメリカ型の格差医療かイギリス型の医療崩壊だと思うのですが、たとえば、イギリスでは患者が受診するのに何日待ち、手術は何カ月待ち、となってしまって、暴動寸前になって、やっと医療費を倍増させる決定をしました。で、アメリカ型ですが、Siccoという映画に見られるように、医療保険がなければ、いや、あっても信じられないレベルの医療しか受けられず、金持ちは自費で最先端医療が受けられる。ただ、アメリカ型の格差社会の大きな特徴は、「金持ちは必ず福祉活動に手を染めている」ということです。
たとえば、アメリカでよくみられる○○記念病院、なんて言うのは大抵大金持ちや大企業が大金を募金して成立しています。こういった病院で無保険の人なども対象に医療を行っているところも多いです。つまり、「お金持ちは社会的な責任も負っている」ことがコンセンサスとしてあり、またこういった奉仕活動を税制面でも優遇しているんですね。
翻って日本では、こういった社会奉仕に手を染める大金持ちなんてほとんどいません。また、社会的にもそれをサポートする体制もありません。
そんな中で、アメリカ型医療のみを導入すれば、それこそ国民生活は完全に崩壊します。
つまり、今の日本の国民健康保険制度は多様な問題を含んでいるものの、コスト的に見ても世界的にも非常にすぐれたシステムなのですね。問題は、国(厚労省)がそのシステムを「不要」「非効率」と思い込んでしまって、本来維持に必要なコストをちゃんと計算しないまま、ただ総額規制をしようとしているだけなのです。
これはまさにバブルが崩壊したときの「貸出総量規制」と同じ図式だと思います。
つまり、ちゃんと国家運営を行い、それに必要なコストをきっちりの計算すれば、また、保険診療システムの再確認と適切な規模の医療費増大を行えば、日本の現在の医療システムには限界なく進化していけるものだと考えております。
どうでしょうか
>200兆を超える特別会計、何のために積み立てられているの
>かわからない積立金が(現在はちょっとわかりませんが)
>2004年度末で200兆円を超えているといわれています。これ
>を吐き出させることの方が、国が倒れないためには大事で
>しょう。
hirakataさんが書いておられますが,膨大な特別会計はブラックボックスです.また,省庁のお金の使い方をみても例えば以前問題になった外務省の浪費etc.枚挙に暇が無いでしょう.
まず,国民がどこに国のお金を使うべきかよく考える必要があるでしょうね.美国の国債にもずいぶんお金を使っているそうですし,防衛費にもずいぶん使っていますよね.自衛隊にそんなにお金が必要でしょうか?
なお,財政の問題はひとつですが「医療崩壊」ということで言えば医師にとっての問題は過重労働,患者さんの民度の低下,トンでも判決といったところでしょうか.
仕事がしんどくても患者さんから「感謝の気持ち」が頂ければ医師はそうそう簡単には「逃散」しないでしょう.コンビニ受診を控え,時間外は本当に受診の必要な患者さんだけになれば「過重労働」もけっこう軽減されると思われます.
はじめまして。医師でもない身ですが、質問に答える努力をしてみます。
>全体として日本の医療体制は良い方向に向うのか?
>ここのところは皆様のお答えの中からは、私は汲み取ること出来ませんでした。
鋭い疑問ですが、疑問を投げかける相手が違うのではないかと思います。愚樵さんの疑問は、医師ではなく、社会の方へ向けられる質問ではないでしょうか。
医療体制を決める力があるのは、医師ではなく、政治だと思います。そして、政治を決定するのは、本来は国民の役割です。医療体制がいい方向に向かうかどうか、決定するのは社会の仕事であり、国民の役割だと思います。
また、「日本の医療体制は良い方向に向うのか?」とありますが、愚樵さんが何をもって「良い方向」としているのかが不明です。「愚樵さんが望む医療体制」を明確にし、さらに「愚樵さんが医療に対し、どの額まで負担できるのか」を明確にした方が、医師の方々も答えやすいのではないでしょうか。
>それはそうした限界の中で、より弱い者へのたちに
>シワ寄せとして表れて来はしないか?
医療費がこのまま増えるとは考えられず、どこかで限界を設定しなければならないと、私は思います。限界を設定すると言うことは「選択と集中」が伴いますが、どの部分を選択し、どの部分を切り捨てるのかを決めるのも、国民の役割だと思いますよ。
上記しまさんは私もお会いしたことがありますが、医師ではありませんが非常に勉強家で私達医師も一目置いている方です。このブログは私も含めて世界中の日本人が読んでいるブログです。反論、質問されるのは結構ですが、もう少しお時間が許せば日本の医療について勉強、下準備をされてからコメントを書かれた方がいいのでは?と愚考します。
下手すると反感を買ってしまいます。
愛すれば幸福 マイアミの青い空(米国臨床留学期)管理人より
皆様のお話をすべて理解したとはとうてい言い切れませんが、皆さんの“お気持ち”のようなものは充分に受け取れたように思います。ありがとうございます。
これ以上の質問は控えさせていただきますが、再度、「私の立場」について弁解をさせてくださいね。
もっと勉強してから質問しろ、というお叱りもありました。尤もなことなのですが、私は敢えて、不勉強な身で、素朴なことを聞いてみたかったのです。それは社会全体に対する問いだろうという意見もございました。それもその通りです。けれどもやはり私は“お医者さん”に聞いてみたかったのです。なんといっても医師だって社会の一部、それも不可欠な一部です。
また、2度目の質問については、最初の質問の中にそれは含まれていないではないか、という指摘もありました。その指摘もご尤もで私も意識していなかったわけではないのですが、もともとの疑問が漠然としていたものであり、それが皆さんの最初の疑問へのお答えを読むうちに形をとって現れたというわけですので、どうしてもそうした形にならざるを得なかったのです。
漠然とした不安に対処するのに、自ら勉強してその本質を見極めるということは大切なことです。最終的にはそれしかないのでしょう。ですので私も、ここで投げかけた問題も含めて、いろいろなことを自分で考えてみるようにしたいと思います。
ですが漠然とした不安を、そのままぶつけてみるというのも有効な方法であるということもわかりました。もちろんこれはぶつける相手にもよるのでしょうが、私はぶつける相手の選択を間違えていなかったように思います。
以上です。失礼しました。そして、ありがとうございました。
愚樵様の二回目のご質問にどうお答えしようかと考えていたところ、医療経済に明るい方々から早速に多数のご回答をいただきました。誠にありがとうございます。
>愚樵様へ
不安なお気持ちはよくわかります。私たち医師自身も不安なのですから。
さて、どうしたら日本の医療は良い方向に向かうのでしょうか。これは医師だけでなく国民全員で考えていかなければならないことだと思います。弱い者にシワよせが行かないようにするためにはどうしたらいいか。医師だけの力では国策を変えることはできません。国民の皆さんで変えていくのです。
私は『不勉強な身での問いかけ』もおおいに歓迎します。医師に素朴な疑問を投げかけてみる、それはそれでいいと思います。おかげで、今回愚樵様の『医師は法外な高収入を得ている』という誤解も解けたことと思います。また、ここにコメントを述べられた医師たちのように社会全体のことを考えている誠実な医師たちが多くいることをご理解いただけたと思います。
また素朴な疑問を感じたときは医師ブログに問いかけてみてください。誠実な質問であれば、誠実な返答が必ず返ってくるはずですから。
コメントを書く