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2007.05.25 19:00 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  春野ことり  | 推薦数 : 10

テレビのつくる罪

先日、奈良大淀病院の妊婦死亡事例で夫と長男が民事訴訟を提起したことをテレビのニュースで見ました。

その報道を見ていた私は、違和感を通り越して嫌悪感さえ抱きました。

どのような報道であったかは、↓こちらの座位先生のブログを見ていただくと詳細が書いてあります

http://zainomusou.blogspot.com/2007/05/blog-post_24.html

高崎さんの奥さんが亡くなられた事は本当にお気の毒です。小さな赤ちゃんを残され、父親だけで育てていかなければならない。赤ちゃんはお母さんに一度も抱かれることもなかった。それはそれはとても無念でしょう。

でも、それを医師の責任にするのは間違っています。

「真実が知りたいから提訴した」

と言っていらっしゃいますが、医師にも分からないことはあるのですよ。医師は神様じゃありませんから。人間の体の中で起こっていること、または起こったことを完璧に説明しろと言われても無理なんです。

 

 

テレビ局のやり方はいつもこうですね。

生前のビデオや写真を放映し、視聴者の同情を買い、いかにも「医者が殺した」みたいな感覚を視聴者に植えつける。

 

以前見たニュースですが、腸閉塞の診断が遅れて子供さんが亡くなり提訴したというテレビ報道。お子さんの写真の前で遺族が泣きながら 「お医者さんたちは命の大切さをもっと認識して欲しい!亡くなったらこんなに悲しむ家族がいることを分かって欲しい」と言っている映像を垂れ流していました。(あのー・・・医者が命の大切さを認識していないからその子は亡くなったのでしょうか。病気になったから亡くなったんですよね。)

で、このケースがどういう判決になったかということは、報道しないんですよね。

 

 

以前、割り箸事件というものがありました。http://erjapan.ddo.jp/details.html

私は子供に割り箸を持ったまま外を走らせていた親が悪いと思ったのですが、テレビは嘆き悲しみながら医師を非難する遺族の映像ばかりをお茶の間に垂れ流していました。この報道には全国の医師が嫌悪感を抱いたのではないでしょうか。この裁判、一審は無罪となりました。これで有罪になっていたら、医療崩壊はもっと早く進んでいたでしょう。

 

テレビの影響というものは本当に恐ろしいです。世論を形成する力は新聞よりも大きいのです。そのあたりをテレビ製作に携わる方たちがどの程度認識しているのか、常々疑問に思っています。

これに関しては後日続きを書きたいと思います。

 

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