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日々是よろずER診療の「産科医療」の事故・裁判・質・システムを考えるシンポジウムの聴講報告の記事を拝読しました。まずは、自ら敵地へ赴き報告してくださった、なんちゃって救急医先生の労をねぎらいたいと思います。本当にお疲れ様でした。

このシンポジウムで演者が

医療崩壊の原因を医師の低レベルのせいだと断言的に言った
そうなのです。

一部の医師に対して低レベルだと思ったのは彼女の正直な気持ちなのでしょうが、だからといって、医師全体が低レベルと決め付け、それが医療崩壊の原因になっていると断言するというのはいかがなものでしょうか。ここに出席していた人たちも、同じような意見なのでしょうか?

私が思うに、

医療崩壊を助長するのは、このような一方的な決め付けをする一般人です。

このように最初から「医師は悪者」という先入観をむき出しにしてくる患者さんとは、良好な患者ー医師関係は作れません。医療は信頼関係の上に初めて成り立つものです。そんなに医師が信用できないならば、はじめから医療行為を受けることをしなければいいのです。

 

前々回のエントリーでも書きました。

医師に誠意を求めるならば患者も医師に誠意を見せよ

と。私の言っていること、間違っているでしょうか?多くの医師からは賛同をいただきました。

 

 

わたしの大好きなブログ、心やさしい産婦人科医のなな先生のブログにあったお話。

http://blog.m3.com/nana/20070426/1

子宮頚部上皮内癌の診断をされ、セカンドオピニオンを求めて4つの病院を訪れ、円錐切除(子宮口をほんの少し切り取るという手術)を行ってがん細胞がないことが分かったら、「癌がないのにどうして手術したんですか」とクレームをつけた患者さん。

こういう患者はどういう結果になっても文句しか言われないのだろうと思います。

医師の立場からはできるだけ避けたい患者です。

 

 手元に、医療崩壊ー立ち去り型サボタージュとは何かーの著者、小松秀樹先生の講演資料があります。その中に

不確実性の許容という項目があり、こんな例が挙げてあります。

「がんと私」読売新聞2006年6月16日掲載、本田真由美記者の記事 以下抜粋

 「医療は万能ではなく不確実なものだ」

「間もなく4年になる乳がんの闘病生活を通じて、この言葉の意味がわかるようになった。」

「医療の限界を実感したのは、患者になってからだ。きっかけは最初の手術から半年で見つかった局所再発だった。

「彼らは乳房全体でもすべてのがん細胞を取り切れない場合があること、標準治療がすべての人に効くかどうか分からないことーなど、人間の身体の複雑さや医療の難しさを、とことん説明してくれた。」

「延べ10時間は超える対話を通して、「現代医療も不完全で分からないことだらけ」ということを認識できた。

 

 対話した医師の方が、お疲れ様でした。

一人一人の患者が納得するのにそれぞれ10時間の説明を必要とするとしたら・・・!!

一般の良識ある方々には医療現場がどういう状況になるか容易にご想像がつくと思います。

 この方は新聞記者ですから、文章を書くことを生業としているわけです。当然、日本語の理解力は高いはずでしょう。それなのに、10時間を超える対話でやっと、医療は不確実なものだということが理解できたというのです。

 そのことに驚かされます。

もはや、この責任を医療現場に押し付けるのは無理、と小松先生は書いていらっしゃいます。

 

マスコミさんに、ぜひこういう啓蒙

つまり、医療は万能ではない、不確実なものだという啓蒙をお願いしたいのですが・・・。

医師叩きをしても日本のためにはならないということにそろそろ気付いて欲しいです。

 

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