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2007.03.01 23:05 |  診療  |  仕事 / 職場  |  生活 / くらし  |  春野ことり  | 推薦数 : 3

忘れえぬ救急患者

赤ちゃんポストの記事を書いていて、思い出した症例がありました。

予期せぬ妊娠は決して珍しくありません。

そして中には、妊婦が出産まで妊娠に気付かない、なんてこともある得るのです。

 

10年ぐらい前ですが、40歳女性が心肺停止状態で運ばれてきました。

自宅のお風呂場で大量に出血し、倒れていたとのこと。

体型は肥満。

会陰部が裂けて、臍帯のようなものが膣からチョロンと覗いていました。

産婦人科の医師を呼んで診てもらったところ、出産直後に間違いないとのこと。

女性の夫と娘は、妊娠していたなんて知らない、聞いていないと・・・。

警察官が自宅を調べに行ったところ、赤ちゃんが毛布に包まれて押入れに・・・。無事に生きていたとのこと。

推測するに、女性は出産まで妊娠に気付かず、自宅で突然陣痛が始まり出産した。そして出産時の大量出血により失血死した。

40歳なので早期閉経と本人が思い込んだ可能性あり。かつ、肥満体型だったために、妊娠しても周りも本人も気付かなかった・・・。

突然、本当に突然、赤ちゃんをこの世に残して、不本意にこの世を去っていった女性。

ご遺族の心情は察するに余りあります。

 

最近もERにいる後輩がこう言っているのを聞きました。

「腹痛の未婚女性の患者が来て、CT撮ったら胎児が写っていた!なんと陣痛だったんですよ」

やはり肥満体型で、生理不順。本人も家族も妊娠に気付いていなかったとのこと。

世の中、色んなことがありますね・・・。

 

あの時自宅で見つかった赤ちゃんは今では小学生のはず。

 

誰が育てて、どうしているのだろうか・・・と、事あるごとに思い出します。

お母さんの分も強く生きて欲しいと願ってやみません。

 

 

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