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いなか小児科医先生から教えていただきました。
フリーアナウンサーの今泉清保さんのブログです。すばらしいので多くの方に読んでいただきたくて、拙ブログでもご紹介します。
マスコミ関係者の方に、こういう事を書いていただけると大変嬉しいです。
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こんな記事を見ましたが、決して他人事ではありません。
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広島大病院(広島市、浅原利正(あさはら・としまさ)病院長)は19日、くも膜下出血を見落とし、広島県内に住む30代の男性患者が死亡する医療ミスが昨年2月にあったと発表した。病院側はミスを認めて遺族に謝罪、示談が成立した。 病院によると、患者は昨年2月上旬の夜に頭痛や吐き気などを訴え、救急外来を受診。コンピューター断層撮影(CT)検査を受けたが異常なしと診断され、点滴後に風邪薬を処方された。 完治しないためさらに2回受診し、鎮痛剤による処置などを受けた。2月中旬、3回目に受診した日の夜に心肺停止状態で広島大病院の救命救急センターに搬送され、CT撮影の結果、くも膜下出血が見つかり、約1時間後に死亡した。 病院は3月上旬、調査委員会を設置。初診時にくも膜下出血を見落としたことが死亡に結び付いたと結論付け、放射線科の医師が見ていれば発見できたとした。 同病院では当時、夜間や休日は放射線科医が不在で、CT画像は主治医が見て異常ありと診断した場合のみ、放射線科医が翌日チェックする態勢になっており、男性のケースでも放射線科医は画像を見ていなかった。 会見した浅原院長は「病院のシステム自体の問題だった。事故後、チェック体制を強化し、全職員挙げて再発防止に取り組んでいる」と述べた。
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他人事でないと言うのは、 私も、過去に、くも膜下出血を見落とした経験があるからなのです。 くも膜下出血は、「突然発症する激しい頭痛」とか「過去に経験したことのないような激しい頭痛」を見たら疑えと、習いました。でも、私の経験した32歳のSAH(くも膜下出血のことです:ザーと読みます)の患者は、 姿勢正しく歩いて診察室に入ってきて、何食わぬ顔で、 「頭が痛いんです」と言いました。 起きているのも辛そうな顔をしていたり、げ~げ~吐いていたりしたら、 誰でも頭のCTを撮ると思います。 SAHの中には、時々こういう歩いて来る症例があります。 だから、地雷と呼ばれています。 もう、10年くらい前のことです。その患者さんが受診したのは、土曜日の午後、診察時間外でした。私は仕事を終えて帰ろうとしていたのですが、残り番の医師がつかまらないから、代わりに診てくれと頼まれ、(ちぇっ、帰ろうと思っていたのに、なんで私が)と思いながら、診察しました。 ミスってこういう時に起こりやすいのです。 その日の午前中の外来にも、感冒の随伴症状で頭痛を訴える人たちが何人かいて、その患者さんも、それらの患者となんら変わりがないように見えました。私はその患者がSAHとは全く思いつきもせず、 鎮痛剤を出して帰しました。 しかし、その患者さんは翌日の日曜日も救急外来を受診し、頭痛を訴えたそうです。二日連続で救急外来を受診するとは、 今思えばよほど痛かったのでしょう。 (ただし、最近は軽い症状で気軽に救急外来を受診する患者が多いのも事実なので一概には言えませんが、この場合結果論で言っています。) 日曜日の当直医も、その患者を診てSAHとは思いもよらなかったようで、月曜日に来なさいとCTを撮らずに帰しました。 そして、月曜日に内科を受診し、CTを撮って、それでもSAHとは診断がつきませんでした。(一口にSAHと言っても、誰が見ても明らかなものから、見る人が見ないと分からないものまであります。この場合は後者です) 翌日、脳外科医がCTをチェックし、初めてSAHとわかりました。 その患者さんは、直ちに手術を受け、命に別状はありませんでした。 後で脳外科の医師から 「土曜日の時点でCTを撮ってなかったのはまずかったね」 と言われました。 その患者さんがもし亡くなっていたら、 私は今頃医者をやっていないかもしれません。 それ以来、頭痛の患者を診たら必ずくも膜下出血を念頭に置き、一応CTを勧めます。CTを撮れば被爆しますし、頭痛の患者全部に撮っていたら、医療費がとんでもないことになりますが、白状すると、自分の身が可愛いので、やはり勧めます。 こういうのを防衛医療とか、保身医療と言います。 医療過誤の恐怖が、医師たちにそれを行わざるを得なくします。 そういうことが、医療をゆがめていくのです。 (ここで挙げたCTの例はほんの一例です。もっともっと高額な検査が日本全国の施設で必要以上におこなわれています) この医療訴訟時代、こういった防衛医療費が増大するのは必須でしょう。 国民の皆さんへ 医療費を抑制したいなら、むやみやたらに医者を訴えたるのはやめましょう。 |
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今日は、かの有名な福島県立大野病院事故の初公判の日です。
昨年3月、一人の産婦人科医が不当に逮捕されました。日本中の医師たちは、大変怒っています。
以下、日経メディカルオンラインより、福島県立医大産婦人科教授 佐藤章先生の寄稿文の一部抜粋です。
加藤医師が帝王切開手術を担当した患者が死亡したのは2004年12月のことだ。前置胎盤・癒着胎盤で、手術中に出血多量となり、死亡した。癒着胎盤は非常に稀な疾患で、しかも当該患者の場合、癒着は子宮後壁だったので、新生児を取り出す過程で初めて分かるものだった。癒着が分かった場合でもどの程度の出血があるかを予測し、そのまま胎盤剥離を続けるか、子宮摘出に移行するかなどを判断するのは非常に難しい。なお、癒着胎盤は最終的には病理診断で確定するものだが、術後に当大学で病理診断を行い、子宮後壁の癒着胎盤であることを確認している。
(中略)
裁判の行方は分からないが、容易には決着しないだろう。今回の件については、日本産婦人科学会をはじめ様々な学会が逮捕後に抗議の声明を出したほか、昨年末には日本医学会が会長名で「不可抗力ともいえる事例を犯罪行為として扱うことは好ましくない」などとする声明文を公表している。加藤医師を支援する会も立ち上がり、既に1万人を超す署名が集まった。それだけ皆、危機感を持っている表れだろう。
今回のような予見が難しい、しかも故意や悪意がない医療事故をすべて刑事事件として扱ったのでは、誰も手術をやらなくなる。癒着胎盤は最近頻度が高くなっているが、誰も手がけなくなったらどうなるのか。本来、医療事故は警察などではなく、第三者機関が医学的な見地から検証を行うべきだ。また医療事故はゼロにはならず、予期しないことが必ず起り得る。医学は完全なものではないことを国民にも理解してもらう必要があるだろう。(談)
この裁判の結果次第で、日本中から産婦人科医がいなくなるかどうかが決まると言っても過言ではないと思います。産婦人科だけではなく、外科系、救急の医師不足が深刻になることも確実です。
産科医療に関して、 Atsullow's-caffe先生から、すごいサイトを教えていただきました。ぜひ、見て、聞いてください。涙が出ます。
赤い髄液先生のすごい才能に、脱帽です。
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最近の日本は、格差社会 とか、二極化社会 とか言われていますが
私の病院でも、患者さんのご家族の二極化が見受けられます。
1.ネグレクト型家族
以前、おばあさんが病院に運ばれて亡くなったというのに、とうとう家族が病院に来ず、葬儀屋さんに病院から連絡して遺体を引き取りに来てもらったお話淋しい最期を記事にしましたが、また、同じようなことがありました。
植物状態で長い間、この世とあの世の間をウロウロさまよっておられたご高齢の患者さんがお亡くなりになりました。いよいよ危なくなった時、看護師が長男さんの職場に電話をすると、長男さんは
「困るよー。今、仕事中なんだからー。」
看護師は一瞬言葉に詰まっていましたが、
「お母さんがなくなりそうなんですよ!!」
と、声を荒げていました。長男はシブシブ「じゃあ行きます」と答えたそうです。
このおばあさんはこれまで何度も何度も危ない状態になって、そのたびに連絡を受けていた長男さんは(またか)という感じだったのでしょうか。
しかし、病院に来ると言った長男さんは結局病院に現れず、他の家族も来ることはなく、来たのは葬儀屋さんのみ。
「○○さんのご遺体を引き取りに参りました。」
そして、ご遺体は自宅に帰ることもなく、直接、葬儀場へ連れて行かれました。何ヶ月も入院していたのに、家族から病院のスタッフへは一言の挨拶もありませんでした。
かと思うと、こんなご家族もいます。
2.クレーマー・過度安心希求型家族
(参考記事はこちらhttp://blog.m3.com/Visa/20061224/1)
施設に入所していた寝たきりのおばさんが、誤嚥性肺炎で入院してきました。とても大切にされているおばあさんらしく、家族が交代で二十四時間付き添われていました。そして、
「あの施設では、無理やり食事を口に押し込まれて肺炎にさせられた!」
と、訴訟でもおこしかねない口ぶりで、施設を非難していました。
そして、看護師が点滴をつなげに行くたびに、
(医療ミスしたら承知しないわよー!!)
と言いたげな目つきで、看護師の一挙一動を睨みつけ、
「この点滴は何の点滴ですか。どんなお薬が入っているんですか。何のために入れるんですか。」
と、質問攻めにして、看護師を威嚇します。
「知り合いの何々大学病院のなんとか先生に聞いたら、こういう薬を投与してもらえと言われた。」
そう言われたら、ノーブランド病院の医者は
「はいはい、わかりましたー。」
と、その通りにするしかありません。(言うとおりにしないと、結果が悪かった時に、後で何を言われるかわかりません)
しかし、もともと、免疫力が低下したご老人なので、治療の甲斐なく、肺炎は悪化。
「どうして入院しているのに悪くなるの!!」
と、医師に食いつく家族。
そう言われても、医学にも限界っていうものがありますから・・・。
ついに、おばあさんは亡くなりました。
夜中の2時にもかかわらず、ご家族のみなさんで病棟中に響き渡るような号泣の大合唱。
さんざんクレームをつけられていた施設の施設長も、死亡の報告を受け、夜中に病院に駆け付けていましたとさ。お疲れ様です。
このような二極化が見られるのは、日本全体に言えるのか、私の病院だけに見られるなのか、私にはわかりませんが・・・。
中庸がいいですね。つくづく
ところで、昨日はあの「バカの壁」の養老孟司先生が、私の地方に講演にいらっしゃいました。夫が懇親会で天国へのビザを養老先生に手渡して、受け取ってもらえたそうです。帯のフレーズを見て、「僕もこういうことを考えることはあります」とおっしゃったそうです。
読んでいただけたら、大変光栄です。
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「恥を知れ」
というのは、スポーツ記者の井上真氏が、日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」で、奈良県大淀病院での妊婦死亡事件に関し、受け入れを拒否した18の病院に対して放った言葉です。くわしくはこちら。命を救ってこそ病院
私はこの言葉をそっくりそのまま、捏造番組を作るマスコミの方々へ贈りたいと思います。
(注:このコラムを世に放った後、井上氏は医師らの激しい反論を受け、謝罪文を発表しております。医療現場の声を聞いて)
1月20日、午後9時、めずらしく、我が家では居間に家族4人そろっていました。居間で何気なくついていたテレビのブラウン管の中で、アナウンサーが謝罪を始めたので、何事かと、皆、テレビに注目しました。
「この時間帯は、発掘!あるある大辞典Ⅱの放送予定でしたが、予定を変更いたします。」
続いて、ひどい捏造の事実を述べ始めました。
・海外の専門家のコメントを改ざん
・納豆を食べて中性脂肪が低下したと放映したが、実際は測定していなかった
・納豆を食べてやせたという被験者の、ダイエット前後の写真、これは被験者とまったく関係ない写真!
・納豆を食べた後の血中イソフラボン濃度の測定値を捏造
・DHEAの測定値を捏造、また無許可でグラフを引用 など
最後に、誠に申し訳ありませんでした、と謝罪。
これを見ていた夫
「逮捕だ!逮捕しろー!!放送禁止だー!!」
と、叫んでおりました。
先月は、カスペとかいうひどい医者叩き番組が放映され、あまりの酷さに涙が出ましたが、同じフジテレビ系の番組なんだそうです。
この捏造番組のせいで、スーパーの納豆は売り切れになったといいます。
テレビの社会に与える影響がいかに大きいか。番組制作者に自覚はあるのでしょうか。
謝って済む問題ではありません。公共の電波を利用して詐欺を行った行為は厳重に処罰されるべきです。
医師はカルテ改ざんしたら逮捕されます。なぜ、マスコミだけが謝罪で済むか?
おかしくはないですか
番組制作担当者に聞きます。
あなたの仕事は社会のためになっていますか?
あなたは自分の仕事に誇りを持っていますか?
多くの医師は自分の仕事に誇りを持ち、社会のために自分の生活を犠牲にして働いています。
そんな医師らをバッシングする権利があなたたちにあるのですか?
恥ずかしいと思いなさい
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日経メディカルドクターアンケートによると、自分の子供を医者にさせたい医者は、30%に満たないんだそうです。
以下は日経メディカルオンラインからのコピペです
「自分の子供も医者になってほしいですか」との質問に、「はい」の選択肢を選んだ医師は27.9%。「いいえ」の回答も26.7%でほぼ同数だったが、最も多かったのは「どちらとも言えない、分からない」を選んだ45.3%--。これは、日経メディカル オンラインの医師会員を対象に行ったアンケートで明らかになった結果だ。
この調査は、昨年11~12月に当サイト上で実施した。有効回答数は542人(開業医74人、勤務医461人、不明7人)。年齢別内訳は、20~30歳代39.5%、40歳代39.3%、50歳代15.7%、60歳代以上4.8%、不明0.7%だった。
本調査の結果は、『日経メディカル』2007年1月号にも掲載しているが、ここでは主な集計結果とともに、回答者から寄せられた自由意見を詳しく紹介する。
「医者にしたくない」のは報酬が低いから
図1は、冒頭に紹介した「自分の子供も医者になってほしいですか」の設問への回答(回答者は高校生以下の子息のいる医師344人)と、これに「いいえ」を選んだ回答者92人に聞いた「その理由」だ。後者の「理由」の設問は、複数選択方式だが、92人のうち半数以上が「仕事の忙しさに見合う報酬を得られないから」や、「患者とのトラブルなど、患者、家族との関係で気苦労が多いから」を選んでいた。これに続いて多かったのが、「医療訴訟に巻き込まれる可能性があるから」「ハードで危険を伴う仕事だから」だった。
ちなみに、うちの長男(小3)は「将来、医者にはなりたくない」と言っています。理由は「パパみたいに忙しくて休みがないのはイヤだから」
確かに、大学病院に勤務する夫は、平日はもちろん子供達の起きている時間には帰って来れません。週末も、当直、学会、研究会、緊急オぺ・・・などで、ほとんど家にいません。子供達とも、どうしても疎遠になってしまいます。
「パパはねー。患者さんのために一生懸命働いているのよ。立派なお仕事なのよー。」
と、フォローする私ですが、
心の中では長男の言うことに
(ごもっとも)
と、思っています。
医者が自分の子供を医者にさせたくないというのは、医療崩壊の末期的症状です。
20年後、30年後、私達の世代がいよいよ病気にかかる年齢になった時、日本の医療はいったいどうなっているんだろう・・・・・・・・・・
好評発売中。最近、口コミによる注文が増えています。発行部数が少ないので、初版はプレミアがつくと睨んでいます。(著者の希望的予想)
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1月14日、中日新聞(@@県版)の朝刊に、天国へのビザの記事が載りました。
やっと、という感じです。ずいぶん待ちました。取材の様子はこちら、新聞社の取材その2
しかしですねー、大きく取り上げていただいたのはよいのですが、ひとつ残念なのは、記者さんが尊厳死と安楽死を混同されていて、私が「尊厳死について考えるきっかけになってほしい」と言ったところ、「尊厳死」が「安楽死」にそっくりすり替えられて書かれていることです。(私は一言も安楽死なんて言っていません)
尊厳死と安楽死は違います。
尊厳死とは患者が「不治かつ末期」になったとき、自分の意思で延命治療をやめてもらい安らかに、人間らしい死をとげること
安楽死は第三者が苦痛を訴えている患者に同情して、その患者を「死なせる行為」です。それに対して尊厳死は不治かつ末期の患者本人の「死に方」のことで、「死なせる」こと(殺すこと)とは違います。
(日本尊厳死協会ホームページより)
事前に原稿を見せて欲しいとお願いしたところ、それはできませんと言われたので、仕方がないです。
それから、あらすじの結末が書かれているのはいけませんねー。
(掲載してもらって文句を言うのもなんですが。)
ともかく、大きく取り上げていただいて、宣伝効果が期待でき、有り難いことです。
厚くお礼申し上げます。
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ブログが重ーくなってきたので、今日は軽く笑える話にしたいと思います。
私は心エコーをやるとき、いつも最後に、患者さんにエコーの画面を見せながら説明するのですが、
心臓の画面を指差しながら、
「ここに映っているのが心臓の弁ですが・・・」
と言うと、
お年寄りの患者さんから
「えっ、そんなところに便があるんですか。どうりで、私は、便秘がひどいですからねー。ほうほう、そんなとこまで便が来ているとは、びっくりしました」
と言われたことがあり、こっちのほうがたまげました。
しかし、そういう患者さんは、1人ではなく、その後も現われ、
「ほう、心臓にまでウン子が。こりゃたまげた。私は便秘だから・・・」
それ以降私は、もうウン子などと言わせないぞーと、
「心臓には閉じたり開いたりする弁というものがあるんですけどー、」
と、前置きを付けるようになりました。老人にはくどすぎるぐらいの説明をしないと、なかなか分かっていただけません、というお話です。
天国へのビザ著者と、おっぱい好きの次男
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最近、天国へのビザを読んでくださった方々から、続々と感想のお手紙やメールをいただき、お返事を書くのに忙しいです。有り難く、嬉しいことです。
先日、たける先生から、周産期終末期医療についての記事のトラックバックをいただきました。助かる見込みのない赤ちゃんに対する延命治療、難しい問題ですね。やはり、ケースごとによーく話し合って決めていくしかないのでは。
ところで、天国へのビザを読んでくれた大学時代の同級生(小児科医)から、お手紙をいただきました。その中に、小児の終末期医療について彼女の意見が書かれていましたので、本人の了承を得た上でご紹介します。
人の生死にガイドラインはなく、個々に異なっていて当然と思うのですが、医療側が臆病になりすぎている気がします。
小児科の立場でも、多くの死を目にしてきましたが、その都度思うことは、患児が人工呼吸器につながれ、死を待つこの時間は、家族、とくに両親がこの現状を受け入れるための時間なのだということです。
本人は苦しくて、決して望んでいないと思うのですが、患児を取り巻く周囲の人々は、1分でも1秒でもそばにいてほしいと強く望んでいます。しかし、1日、3日、1週間と、患児の苦しみを目にしていくと、「よくがんばった。もう頑張らなくてもいいよ。」と、その感情が変わっていくことがあります。そのために、患児は苦しいけれど、家族の受け入れのために、頑張ってくれているのだと思うのです。
老人の死と小児の死は大きく異なりますね。
というものです。
老人の死と小児の死はまったく次元が違いますね。
小児の死を目の当たりにするのは、医療者にとっても本当に辛いことと思います。本当に小児科の先生たちは大変だと思います。
最近は、老人の死さえ受け入れられない家族がいるのに、ましてや、かわいい我が子の死をすんなりと受け入れられる親がどこにいるでしょうか。その死が突然であればあるほど、大切な人であればあるほど、家族には受け入れがたいことです。
90歳の老人でも、家族から「できるだけのことをして、とにかく1日でも長く生かせて欲しい」と頼まれることがあります。本人は、それを本当に望んでいるでしょうか?しかし、私たちの立場では、家族からそう言われたら、言うとおりにせざるを得ません。
まして、小児なら尚更です。
しかし、終末期の延命治療が本人にとって辛く苦しいのは、老人でも、若者でも、小児でも、赤ちゃんでも、同じだと思うのです。
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最近、外来がとても忙しくて、息切れがします。
日曜日に天国へのビザの記事が、この地域では購読率の高い新聞紙上に載ったのですが、「先生、新聞見ましたよ」とか言ってくる患者さんは1人もいなくて助かります。やはり、顔写真はお断りしてよかったです。(忙しい外来で余計なことを色々言われると、更に時間がかかりますので)
私の勤める病院には、
急性期病棟(治療が必要な患者に治療を行い、良くなれば退院する。一般の方が普通に想像できる病棟)と、慢性期病棟があります。
慢性期病棟はさらに
回復期病床(骨折や脳卒中などで、治療が終了してからも2-3ヶ月の間入院を継続し、リハビリを行う)、
療養型病床(寝たきりの患者さんで、自宅で介護できない患者さんが長期間入院する。医療保険を使う型と介護保険を使う型の2通りがある)に分かれます。
療養型病棟の実態は、あまり世間では知られていないと思います。Joysun先生がおっしゃるとおりで、世間から隔絶されています。知っているのは医療従事者や患者の家族ぐらいでしょう。
私も、初めてこの光景を見たときは本当にショックでした。私の父も、退職後、特別養護老人ホームに第2の就職をした折にその光景を初めて見たショックを私に語りました。
このように、一般人はこういう「植物状態(または限りなくそれに近い状態)の人たちが寄せ集められて寝かされ、生かされている」光景を知りません。医者でさえ、大病院ばかりで勤めていると、こういう光景を目にすることはありません。
多くの人がこの光景を目にすれば、「私はこんな状態になってまで生きていたくない」という人がたくさん出てくると思います。
「こんな状態でもいいから、できるだけ長く生きていたい」という方もなかにはいらっしゃるでしょう。それはそれでいいと思います。
ただ、今の社会では、こういう状態を望まない人たちにそれを拒否する権利が認められていません。寝たきりになって意思の疎通も行えなくなれば、「私はこんな状態で生かされたくないのに!!」と訴えることもできないのです。 私の病院にはそんな患者さんたちがたくさん寝ていらっしゃいます。
「あなたは、こんな状態で生きることを希望していますか?」 と聞いても、答えは返ってきません。
私は時々思います。 もしかして、この人たちは意思の表現ができないだけで、感情は持っているのではないか。身体の痛みや苦しみを感じることは確かです。しかし、表現できないだけで、もっと高度な感情が保たれているとしたら・・・地獄です。生き地獄です。
自分がもしそうなったらと、ぜひ一度想像してみて下さい。
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