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 お医者さんって「専門家」だと思います。そういう人にたとえば、セカンドオピニオンとか外来にお願いすればちゃんとした金額が請求されます(あたり前)。

 逆に、無償でいいですという話だとそれって「ほんとに大丈夫?」な世界だと思います。

 

 専門性が高い職業で弁護士や医師などは資格があって、当然のように国家公務員以上の待遇で厚遇されていると考えられています。

 

 しかし、例外があります。国立大学の教官です。同じ医師でありながら、教育職ということで、非常に安い給料でこき使われ、やっとの思いで出世しても、医師という職種ではなく、教育者。

 

 したがって、大学病院だと病棟の看護師長とかの方が高いことがあります。そういう中で、教授職とかを引き受け、かつまた研究をしたり、地方自治体病院がくれくれ言う医師の育成を担い、さらにいろんな学会でも発表する・・・。

 

 当直こそない(ある大学病院では教授も当直するとか噂で・・・汗)けど、毎週週末どこかで開催される研究会、学会で発表などに追われる、先生方がいます。

 

 当然かと思われますが、そういう目に遭いながら日本ではまだ国の許可がなくて使えない新薬の開発や日本での臨床研究を進めようとしている大学教官が、日本政府の貧弱な研究支援体制の中(米国のNIHは3兆円、日本の科研費は3000億円の実態は(アメリカと日本:科学大国にあるまじき貧しい研究費)で)、研究しようにも国の資金が足りないぶん、研究費の足しのために、製薬企業や医療機器メーカーとある程度結びついた研究をするのは、これ当然で。

 

 そういうのを否定していくと、「イノベーション」というのはどうかな?です。ほとんどの場合、日本で新薬を開発できなくなっているのは、受け入れ態勢が充実しても、患者さん側の理解だけでなく現場の忙しさで時間も足りないこともありますが、とても厳しいのが現実です。

 

 ドラッグラグの問題だけでなく、内視鏡をはじめ様々な先進的な医療技術を創出するためには、医師と企業の産学連携が必要です。

 

 それを一方的に海外では法律が・・・と言いますが、すでにこの記事が問題なのは、日本でも同様な資金提供について開示が、2013年より行われることも知らないという問題。

 

 記者の取材力不足もさることながら、

外祖父:石田博英(第16・17代内閣官房長官)
父:三宅和助(駐シンガポール特命全権大使)

って人の常識を引き合いにだすのもどうなんでしょうかね?

 

 しかも「米国では10年3月、すべての製薬会社と医療機器会社を対象に医師や病院に10ドル以上の支払いをした場合は、市民が 閲覧できるデータベース上に公表することを課す「サンシャイン法」が成立し、2013年から施行される。日本でも同様の法律が求められる。

 

 正直、この人、あまり勉強していない可能性大。すでにこの動きを受けて、日本では製薬協という団体がガイドラインを設けています。

企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン

 で、企業が医師に資金提供を行った場合はその内容について開示しますって言ってます。そしてそれを製薬企業は受け取った先生の名前を含めて開示することになっています。一方学会の方でも、

 

医学会COI委員長  資金情報開示で産学連携推進を

(日刊薬業 2011年3月11日 )

 のように、各専門学会でも、資金提供を受けた情報の開示をしないと場合によっては除名処分なども書かれていたりしますので、学者の研究生命にもつながる厳しい処罰もあり得るわけです。

 もうちょっと国外の情報だけでなく、日本の業界の動きも確認して欲しいですね。

  ちなみに、このブログ「東京日和@元勤務医の日々」はずっと以前から下 記のように書いています。

 基本は不正な資金提供は受けない、しない。李下に冠を正さずで行くべき。受け取ったら開示を・・・というアメリカでもされている流れに沿うべき と思っています。でないと、医師サイドはいつも「疑惑」の目で見られるだけでなく、医学研究もできなくなり、それではますますモチベーションが下がるばか りです。

 

透明性アップが望まれる:医師と製薬会社の適切な関係

利益相反:資金の提供源の透明性を上げよう☆

オバマ大統領の医療制度改革のおまけ?☆サンシャイン条項

利益相反マネジメント☆不透明な資金提供はお断りしましょう

製薬企業と医師の関係に変化?

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製薬会社から謝礼の医師に民主三宅雪子氏「常識とずれてる」

News ポストセブン 2011.12.06

 ずさんな診療、安易な向精神薬の処方を行なう医師。多剤大量処方という日本の精神医療の悪弊。そして小児への向精神薬の投与。日本の精神医療はさまざま な問題を抱える。10月25日に衆議院の「青少年問題に関する特別委員会」でも向精神薬の問題が取り上げられ、大きな波紋を呼んでいる。ここでは、日本の 精神医療界のトップたちと、製薬メーカーの“不適切な関係”についてメスを入れる。医療ジャーナリスト伊藤隼也氏が報告する。
* * *
 うつ病治療の第一人者とされる日本うつ病学会理事の野村総一郎氏は、「市民の人権擁護の会」が行なった情報公開請求によって明らかになったところによる と、2008年4月から2009年9月までの約1年半の間に「謝金」「講演料」などの名目で製薬会社などから約72万円を受け取っている。金銭の授受に関 して野村氏に取材を申し込んだが、本稿締め切りまでに回答はなかった。
 さらに巨額の金銭を受け取っているのが、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター理事長の樋口輝彦氏だ。同氏は内閣府自殺対策推進会議の座長も務める、いわば日本の自殺対策のトップであり、うつ病の早期発見と早期治療を一貫して訴えている。
 同じく前出の「市民の人権擁護の会」が行なった情報公開請求によって判明したのは、樋口氏が2010年5月から2011年6月末までのわずか1年あまり の間に製薬会社などから講演の謝礼や原稿の監修などの名目で合計370万円超の金額を受け取っていた事実だ。ちなみに昨年の樋口氏の理事長としての報酬は 約1839万円にも達する。
 確かに個々の謝礼は講演や監修そのものに対する謝礼として支払われている。しかし、責任ある立場であり、その発言や論文に影響力がある医師が、直接の利害関係がある製薬会社から多額の金銭を得ている事実は看過できない。李下に冠を正さず、である。
 本誌の取材に樋口氏はこう答えた。
「当センターの役職員倫理規程に基づき承認されている医療関係者を主な対象にした学術的な内容の講演などであり、問題ないと考えています」
 差し迫る問題を政治はどう考えるか。10月25日、衆議院の青少年問題に関する特別委員会で、小児への向精神薬の投与について問題視した、民主党の三宅雪子議員はこう言う。
 「私自身は、政治家だった祖父から、直接の利害関係者とは距離を置くよう訓示を受けている。独立行政法人国立精神・神経医療研究センターの理事長であ り、内閣府の自殺対策推進会議の座長という公の立場で、300万円を超える謝金を利害関係者である製薬会社から受け取るということは世間の常識とずれてい る。他の医師や学者の信頼性を損なう話で残念だ」
 信頼性を回復するには医師と製薬会社の不適切な関係を断ち切ることが大前提となる。
 ビーダーマン博士騒動などで揺れた米国では10年3月、すべての製薬会社と医療機器会社を対象に医師や病院に10ドル以上の支払いをした場合は、市民が 閲覧できるデータベース上に公表することを課す「サンシャイン法」が成立し、2013年から施行される。日本でも同様の法律が求められる。

※SAPIO2011年12月7日号

 

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 日本の医学研究は、様々な成果をあげていますが。現在、まさに分水嶺に立たされていると考えられます。ちょっと前は、医療崩壊が叫ばれながらも、大学病院への補助金がカットされていた動きもありますが、もっと大切なことです。

 

 日本では、民主党政権になってからも、イノベーション推進のために科研費を増やしてはいますが、一方使い勝手が悪かったり、年度末に余った資金を業者の口座などに不正にプールしていた事例が発覚するたびに(研究費不正問題:キャンペーン報道は犯人探しだけ?)でメディアから問題視されるように、公的な研究資金だけでは、高額な機器や試薬を使っての臨床研究を行なっていくのはとても難しい・・・というのが本当のところではないでしょうか?

 

 ちなみにアメリカでは医学研究には毎年3兆円規模のNIHの予算がありますが、それでも近年は潤沢と言われていた研究資金も昨今は絞り込みがされて影響を受けていますが、日本はその1/10程度であり、かつまた制約があります。

 

 日本で3000億円規模の文部科学省の科研費だけで日本の医学研究は進みません、その他にも実は資金源はあります。

 

 実は日本の医学研究者もアメリカ医学研究者も製薬産業から医学研究の支援の名の下に、物心両面サポートしていましす(モノは薬など、心はお金?)。

 

 日本の場合、従来は様々な形で研究室に支援する名目で奨学寄付金という紐なしの自由に使えるお金が入っていましたが、2013年より日本の製薬企業もまた、情報開示を行うことになりました。

 また医学研究の発表についても、誰が資金を提供したかを開示すること、つまり利益相反について記載することが求められています。

 

 今後は情報開示が進むといろんな意味で「やりにくく」なるのは予想がつきます。製薬企業もまたアメリカのオバマ政権によるサンシャイン法案による影響を受ける訳です。

 

 日本の医学研究は「基礎的」なものから「臨床」へ橋渡し研究も含め、各大学でとても熱心なのですが、資金についてはアメリカより、人的にも資金的にも厳しい状況でやっていくしかないのですが、今後は「契約」を締結していく方向になると思われます。

 それは、欧米では当然なのですが、寄付というシステムで資金を提供してきた日本のやり方だと、様々な点で、患者保護の点でも、利益相反の点でも厳しいからです。

 

 今後、臨床研究に必要な資金を製薬産業から得るには、事前にその研究内容についてしっかりとしたデザイン、必要性について説明できることと、質の高い研究内容であることが求められます。

 

 つまり、臨床研究の支援体制の整った施設や大学などに資金が集まるようになり、プロトコールも書かないでとりあえずデータ解析したからお金を・・・という感じだと厳しくなると予想します。

 

 先月東京でこんな発表があったそうです。内容については様々な企業支援を受けるにあたり、今後のトレンドがわかるようになっています。まさに黒船来襲、時代の要請にあわせてアカデミアも変化していく時代になったと考えられます。

 

 

「臨床研究での利益相反管理 ~特に企業支援を受ける場合の留意事項~」

 

 ちなみに下記のような記事がでたように、大口の寄付金を得ている大学はその金額も膨大です(今回は社名などは仮名になっています)。これらがすべて学術支援のためとは言え、タイミングなどから外部から言われるとなかなか厳しいものがあります。


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Risfax【2011年10月4日】
新薬の承認前後の大口寄付、「誤解」も
製薬協・透明性GLで公表となる金額、多い製薬企業は…


 日本製薬工業協会が策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」によって、製薬企業から医療機関への資金提供が13年度から公開される ことで、大学病院への奨学寄付金にも変化がありそうだ。国立有名大学の場合、大手企業からの寄付金は年間数千万円に及ぶが、なかには新薬の承認前後に大口 の寄付を行う企業もある。透明化が図られれば、「寄付が販促活動として見られ、誤解や批判を招きかねない」(外資大手)との指摘もあり、寄付の仕方にも “注意”が必要になる。
 企業から大学病院への寄付に明確な相場がある訳ではない。本紙の調べでは、大阪大学付属病院の10年度寄付金は、T社が約4200万円で、D社が約4500万円、A社が約4400万円、E社が約2900万円だった。外資系は、C社が約7000万円、N社が 約3300万円、S社が約3100万円、P社は約2400万円。扱っている製品や戦略が異なるため単純比較はできないが、大手企 業ほど多額の傾向にある。
 寄付が集中しているのは、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病や、抗がん剤を扱う講座が中心。阪大の内分泌・代謝内科学の講座には20社以上の企業に加 え、基金や財団が寄付しており、総額は約1億円に達する。

(中略)
 ただ、奨学寄付金は、学術研究や教育の充実に企業が賛同して協力するもので合法な行為。それでも、承認前後の大口寄付は、新薬を使ってもらう「見返り」 と受け取られかねない。I社は、あくまで学術振興のための寄付金であり「寄付に営業やマーケティングは関与できないようになっている」と説 明している。透明性GLは、月ごとの寄付金公表は規定していないものの、金額や時期によっては外部から誤解を招く恐れはある。

 

<記事にはばっちり社名が出ています、事実ベースなので、匿名にしないほうがやましくないように思われました。資金の透明性向上というのはつまり「明るいところで」ってことですね>

 

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 大学の研究費をめぐって、朝日新聞が「教授ら330人、不正経理の疑い 業者に預け金7億円超」という記事をきっかけに、また報道キャンペーンを行っているようですが、追従している他のメディア(読売や毎日)も含め、これは氷山の一角のようです。

 これまでこの種のメディアの報道は「散発的」に行われてきましたが、かなり今回は広がりを見せています。
 もとの役人が作った仕組み(年度毎の予算制)が悪いんだから、それを指摘しないでやれ○×先生がやっていた、とかで芋づる式にみんな連帯責任で責任追及 をされると、科研費なしでは研究ができなくなってしまいますし、やりくりして学問的に業績を積んでこられた先生方にとっては死活問題です。

 文 部科学省側もそろそろ動かないと、研究する先生にとっては気の毒。そしてこの問題の本質的な部分について、ちゃんと指摘しているメディアが少なく、日経バ イオの宮田氏がきちんと指摘していますが・・・本当に一般メディアは有力な教授たちの行いを非難するばかりで「建設的」な議論じゃありません。残念なこと です。

 

↓これだけ

 

科学研究は年度の切れ目で切れるものではない、研究費の預け金問題は制度の欠陥にまで踏み込むべき(2011/08/01 RANKING MAIL 第1617号)

Biotechnology Japan 2011年08月01日

 

「我が国の科学研究費の制度の欠陥にまで踏み込まなくては、定期的に科学研究費のスキャンダルを報道するだけで、我が国の科学研究の公明正大化と環境の改善には繋がらないと思うからです。是非とも、今後の報道を拡大して欲しいと望んでおります。(中略)科学研究が年度の切れ目で綺麗に切れるならこのような事態はまさに、個人的な犯罪として追及して良いでしょうが、これがうまくいかない。切れ目のない研究 に、財務省の都合の単年度会計を遮二無二当てはめることが、そもそもの根本原因です。文科省の科研費などでは余った研究費の繰越を認めるように制度は変わ りましたが、その対象が限定されていることと手続きが面倒な点に改良の余地はあります。もう一つ改良すべき点は、余った予算を返した場合、これを不当に予 算を膨らまして請求したと性悪説で解釈することを止めることです。」


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帯畜大、研究費不正4億5600万円・・・最終調査

読売新聞 2011/8/6

54人関与、私的流用も
 北海道帯広市の帯広畜産大(長沢秀行学長)の教員らが文部科学省などの研究費を不適切に処理していた問題で、同大は5日、不適切経理は昨年12月に公表 した3倍近くとなる総額4億5608万円に上り、教員や退職者計54人が関与していたとする最終調査結果を発表した。このうち妻を外国出張に同行させ、そ の旅費を研究費から支出した元教授など、計3人を私的流用と判断した。
 同大によると、不適切な処理を行った教員らは現職34人と転出・退職した計20人。期限内に使い切れなかった研究費を翌年度以降に繰り越すため、道内の業者3社に架空請求を行わせてプールする「預け」などを行っていた。
 54人が業者に預けた研究費は2002年度から07年度までに総額3億1658万円。このほか、内容が特定できない研究費が02年度末時点で1億3950万円あった。
 ある教授は02年度以前からの預け金を含めて、1人で1億4700万円を業者にプールさせ、業者から自分の銀行口座に600万円を振り込ませ、総額3500万円を私的流用していたとされる。この教授は今年1月、諭旨解雇になった。同大は関係した教員に全額返還させる方針。
 同大の不正経理問題は、札幌国税局からの指摘で昨年9月に発覚。同大は学内に調査委員会を設けて調査を続けていた。
 同大は記者会見は開かず、「今後このような事態が二度と起きないよう全学をあげて再発防止に取り組み、信頼回復に努める」とする長沢学長のコメントだけを発表した。

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24大学・短大、調査委を設置 研究費不正経理疑惑
朝日新聞 2011/8/6

 大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、疑惑が浮上した57大学・短大のうち、少なくとも24大学・短大が調査委員会を設けたことがわかった。朝日新聞の報道や取材を受け、学内の経理書類を確認するとともに、本人から事情を聴いている。
 大学に実験機材などを納入している精密機器卸会社(本社・東京都)の取引明細書に「預け金」の出し入れが記載されていたのは、関東を中心とした57大学・短大の教授ら約330人。
 明細書に副学長の名があった東京工業大は、朝日新聞が疑惑を報じた7月29日、調査委員会設置を発表し、「1、2カ月で中間報告を出したい」とした。学長が学部長時代の預け行為を認めた東京農大の調査委は「10月をめどに中間報告を出したい」としている。


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大学研究費不正:研究費指針を見直しへ 文科省
毎日新聞 2011年8月4日

 東京工業大の副学長に研究費の不正プールの疑いがある問題で、鈴木寛副文部科学相は4日、研究費の使用方法などを定めた指針について「現状のままでよいのか検証したい」と述べ、見直しを含めて検討する方針を明らかにした。

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外部有識者に検証求める…大学不正経理疑惑

読売新聞 2011/8/4

 首都圏の複数の大学で、教授らが実験機器などの納入業者に研究費を預ける不正経理の疑惑が浮上している問題で、文部科学省は4日、外部有識者に不正防止のあり方の検証を求める方針を決めた。
 鈴木寛文科副大臣が同日の記者会見で明らかにした。
 研究費の不正をめぐって同省は2007年2月、有識者会議の助言を受け、大学や研究機関に対して研究費の管理徹底と不正防止計画の策定を求めるガイドライン(指針)を決定。大学などに年一回、指針の運用状況に関する報告書の提出を求め、不正防止の徹底を図ってきた。
 これまでに明らかになっった疑惑は、07年2月以前のものだが、同省は再度、指針策定にかかわった有識者会議などに不正防止のチェック体制の検証などを求めるという。

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東農大学長も「預け金」…不正経理へ関与認める

読売新聞 2011/8/3

 首都圏の複数の大学で、教授らが実験機器などの納入業者に研究費を預ける不正経理の疑惑が浮上している問題で、東京農業大(東京都世田谷区)の大澤貫寿学長が、過去の関与を大学側に認めていたことが3日、分かった。
 同大によると、大澤学長は、学長就任前の2004年度まで、研究費数百万円を都内の精密機器卸会社に預けていたという。他にも複数の研究者が関与していた疑いがあり、同大は調査委員会を設置し、調べている。
 大澤学長は大学を通じ「預け金に関わった事実は存在し、深くおわびします。過去からの慣例で行われてきており、研究室の運営上、やむを得ない行為だと認識していた」とコメントした。
 このほか、東京家政大と日本女子大でも、複数の研究者が不正経理に関与したとの指摘が学外からあり、調査委員会を設置した。

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研究費不正経理、東京農大など3学長も預け金の疑い
取引先は同じ販社
日経新聞 2011/8/3

 東京工業大などの大学教員による研究費の不正経理問題で、東京農業大や東京家政大、日本女子大でも学長らが取引先の業者と架空取引を行って資金を保管さ せる「預け行為」を行っていた疑いがあるとして調査を始めたことが3日、分かった。取引先の業者は同じ東京都内の精密機器販売会社だった。
 東京農大によると、大沢貫寿学長は応用生物科学部長だった2004年度までに少なくとも同社に数百万円を預け、乗馬フィットネス機器などの購入に充てた。学長に就任した05年7月以降も預け金を使って物品を購入した。
 大沢学長は大学を通じ「預け金にかかわった事実はあり、深くおわびする。過去からの慣例で行われ、研究室の運営上、やむを得ない行為と認識していた」とのコメントを出した。
 東京家政大によると、木元幸一学長は就任前の06年まで同社に研究費を預けていた。同大は「公的な補助金ではなく、企業からの委託研究費を預けていた可能性が高い」とし、調査委員会を設置。詳細な調査を進めている。
 日本女子大では蟻川芳子学長を含む10人以上の教授らが同社と預け行為をした疑いが発覚。2日に調査委員会を設けた。蟻川学長は09年の就任前に研究資 金を預けていた疑いがある。同大によると、蟻川学長は「(問題の会社から)物品を購入したことはあったが、預け行為はしていない」と否定しているという。

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預け金流用、銀座で飲食 日大教授「業者持ちと思った」

朝日新聞 2011/7/29

 関東を中心とした約60大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、日本大学の男性教授3人が東京・銀座のクラブなどで、出入り業者から「預け金」による接待を受けていた疑いがあることがわかった。業者の関係者は「預け金を飲食費にあてた」と証言。一方、3教授は「業者側の費用による接待と思っていた」と話し、預け金の存在も否定している。
 実験器具などを大学に納入している精密機器卸会社(本社・東京都)の取引明細によると、同社は3教授の研究室と、それぞれ年間数千万~数百万円の実験機 器の保守契約を結んでいた。明細では、年度内に使い切らなかった保守費は翌年度以降に繰り越され、プールされていた。支出では、資料の製本代や学会への寄 付金など、保守目的以外のものもあった。
 また、3教授は朝日新聞の取材に対し、それぞれこの業者から東京・銀座や赤坂のクラブなどで複数回にわたって接待を受けていたことを認めた。業者の社員 が個人的に作っていたメモによると、1回あたりの飲食費は数万円で、いずれも各教授の預け金でまかなわれていた。業者の関係者は「教授から『今年はほとん どメンテナンスがなかったし、(保守費で)もうかってるだろ』と言われることもあり、保守費から出していいだろうと思った」と話している。
 これに対し、3教授は預け金の存在自体を否定。1人は「数回、赤坂の店で接待は受けたが、代金が保守費から支払われていたなんて全く知らない」、別の1 人は「実験装置を買ったので、その御礼か何かの接待と思った」、もう1人は「接待費が保守費から出ているとは寝耳に水。今後は一切業者の接待は受けない」 と話している。(峯俊一平、泗水康信)

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業者への預け金、年度末に集中 教授らの不正経理疑惑

朝日新聞 2011年7月29日

写真:資料には、預け金から新幹線回数券などへの支出も記載されていた拡大資料には、預け金から新幹線回数券などへの支出も記載されていた

 約60大学・短大の教授らによる研究費の不正経理疑惑で、教授側から出入り業者への「預け金」の入金時期が、2月と3月の年度末に集中していることがわかった。預け行為を認めた教授は「余った研究費を返したくなかった」と説明。業者の関係者は、教授との取引を続けるために「年度末には各大学を回って、余った研究費をかき集めた」と証言している。
 朝日新聞が入手した資料は、実験器具などを関東中心の大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、教授ら約330人との取引内容を記した「預かり金明細書」など。教授側からの入金のうち、具体的な日付がわかる約1100件を調べたところ、全体の6割にあたる約650件が2月と3月に集中していた。
 資料に名があった東京農大の教授は預け行為を認めたうえで、「余った研究費を返すと、翌年度以降の予算が削られる。かといって無駄な物を買うわけにもいかなかった」と釈明する。

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教授ら330人、不正経理の疑い 業者に預け金7億円超

朝日新聞 2011年7月29日

 関東を中心とした計約60大学・短大の教授ら約330人が、出入り業者に研究費を預ける不正経理をしていた疑いがあることが、朝日新聞が入手した業者の 内部資料でわかった。研究費には国などの公金も含まれるが、預け金の総額は7億円を超える。5年前から減少傾向にあるが、現在も200人以上が計約2億円を預けたままになっている。
 朝日新聞の取材を受け、東京工業大など一部の大学は調査委員会を立ち上げた。資料に名があった東工大の副学長は28日、10月の予定だった次期学長就任を辞退した。
 朝日新聞が入手したのは、精密機器や実験器具を大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、各教員との取引を記した「預かり金明細書」など。教員側からある時期に一定金額が入金、プールされ、その後、機材購入や設備修理にあてられた取引が記載されていた。入金の際は、同社が作った架空請求書が大学側に提出されたという。
 研究費を使った物品購入は、原則として取引ごとに大学への申請などの手続きが必要。預け行為は使途をチェックできず、私的流用や目的外使用の温床になりやすいことから、大半の大学が内規で禁じている。

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学長辞退の東工大副学長、不正経理関与の疑い

読売新聞 2011/7/29

 東京工業大学(東京都目黒区)の次期学長就任を辞退した大倉一郎副学長(66)が、大学に実験機器などを納入する業者に研究費を預ける不正経理に関与していた疑いが浮上し、同大が内部調査に乗り出していることが29日、分かった。
 不正経理は、慶応義塾大学薬学部など複数の大学で行われていた可能性も浮上しており、高木文部科学相は29日の閣議後の記者会見で、全国の大学や研究機関に対して、不正経理がないかなどの緊急調査を求める考えを示した。
 文科省などによると、東工大と慶応大のほかに不正経理の疑いが浮上しているのは、上智大、東京農大、日本大、成蹊大、工学院大。それぞれ、精密機器や実験器具を納入している業者側に架空請求させ、本来は年度内に使い切るべき研究費を預けて、翌年度以降に使用していた疑いがある。
 東工大は今月28日、大倉副学長が学長就任辞退について「一身上の都合」とだけ理由を公表していたが、20日には学内調査委員会を作り、大倉副学長の不正経理疑惑について調査を進めていたという。

 

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 日本で製薬会社というと「薬九層倍」の世界で「接待漬け」で医者を・・・という話ばかりされてしまいます。(今や薬価差益も減らされ、少なくともそういうおいしい事はまず、ありません)

 

 残念なことに大昔はそうでした(すごかったです)。今もそうかというと?です。それは日本でもアメリカでも、医薬品は売れていればいい時代から、「安全性と有効性」、そして経済性も含めて評価される時代になりつつあります。

 

 もちろん、企業側も医師を接待付けにするのは悪い習慣で、タクシーチケットからありとあらゆる形で「医師」との関係を深めようとしていましたが、今はそれと全く逆、つまり透明性を上げるの方向に向かっています。

 

 元々、[お金なんか受け取らなければいいじゃない]!という声もあるでしょうが、日本の場合、臨床研究(実際の患者さんを対象に新薬を使って新しい治療を行うのも含まれます、例の東大医科学研究所のがんペプチドワクチンも治験と臨床研究の両方ともそうです)はとてもお金がかかるのですが、国の予算はアメリカの1/10です。(アメリカと日本:科学大国にあるまじき貧しい研究費)

 

  医学は日進月歩。国際競争が激しくなる中で、大学の医学部の先生たちは必死に研究を行うために、少ない予算の中で、やりくりしていますが、結果として、日 本の臨床研究の論文数は世界ランク10位以下。そういうことを含めると、製薬企業や医療機器メーカーからの寄付も必要な資金源だったりします。

 

 ただ、前に名古屋大学の薬理学教室の元教授のH高先生のように、癒着して研究目的の寄付が不適切に流用されているとか指摘されたりすると、他の医学研究者まで困ってしまう訳です。

 

 今後、日本の医学研究をもっと盛んにして、バイオ先進国にして行くためには、政治資金と同様、提供元などの情報の透明性をあげていきながらバイオ医薬品(ワクチン、分子標的薬など高分子薬)の開発などを行う必要があると思います。

 

 もちろん、寄付金が受け取れなくなる懸念もあるでしょうが、優れた研究には予算がつくように、そういう方向になっていくと思います。

 

<参考>

オバマ大統領の医療制度改革のおまけ?☆サンシャイン条項

 で紹介しているような

製薬会社から大金をせしめている医師たち」の存在はアメリカでも問題になっています。

 また、

利益相反マネジメント☆不透明な資金提供はお断りしましょう

 でご紹介したように、

「―利益相反マネジメントが行われていない大学では厚生労働科学研究の補助金を申請できなくなります―」


 そういう時代になりました。今年の春の内科学会からは

「第108回講演会より演者のCOI状態を自己申告していただくこととなりました
詳しくは
『利益相反(COI)状態の開示について』のページ をご参照ください」

 とあるように、学会で発表する医師は、外部からの寄付金について、また不明朗なことがないことを自ら開示することが求められています。

 

 そして、さらに下記のように製薬企業側も動いています。今後、患者さんを対象にして臨床研究を行う場合は、科研費であろうと企業からの寄付金であろうと、しっかり情報開示を行うことが必須になり、それを積極的に行ってが医学者の立場を守る事につながるというのが理解です。ま、もちろん

製薬企業と医師の関係に変化?

 で取り上げたように「営利組織が支援した臨床試験の方が引用されやすい」のは事実なんですが。(スポンサーの影響があるため、だから最近は、MRさんが直接お金を持ってこないというのが流れなのですが、日本はまだまだこれからですね)


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医療研究機関への資金提供、製薬大手が情報開示 13年度メド
日経新聞 2011/1/10

 米ファイザーの日本法人(東京・渋谷)や英グラクソ・スミスクライン(GSK)日本法人(東京・渋谷)、武田薬品工業など大手製薬各社は医療機関などへの資金提供の情報を開示する方針を固めた。支援活動の透明性を高めるのが狙い。国内の新薬メーカーで構成する日本製薬工業協会(製薬協)が開示方法の指針を2010年度中にまとめ、各社は13年度をめどに開示を進める。
 開示内容は寄付金、講演料、謝礼など医師や医療機関に払った資金の支払件数や総額といった概要が中心。受取先からの同意が得られた場合はより詳しい情報を公表していく見通し。GSKの事前調査では医師の約6割が開示を了承したという。
企業からの資金が研究結果や医師の薬の選択に影響を与えているのではないかという声もあり、疑念を払拭するため情報公開を積極的に進める。
 世界の製薬業界では医師への資金提供情報を開示する流れが強まっている。米オバマ政権が進める医療制度改革では米国内で活動する製薬企業に対し資金提供内容の開示を義務付けている。米では自社製品を優先的に処方してもらうための食事、旅行などの製薬会社の医師への高額な接待が社会問題として批判を浴びてきた経緯から開示を積極的に進めている。
 すでにファイザー、GSK、米イーライ・リリーなどが医師への支払い情報の開示を始めている。
 日本の製薬業界では共同研究する研究者が所属する医療機関に間接的に資金を提供する事例は珍しくない。事業仕分けなどで公的な研究予算の圧縮が進められる中で、研究の重要な資金源になっている面もある。


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<参考資料>

ともに考える医師と製薬会社の適切な関係

【第1回】製薬会社と,どのようにかかわっていますか?

医学界新聞 2010/6/14

 

 

 

 

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 アメリカに学会参加中です。しかしThanks Giving Day前で、もう外は寒く、あんまり出歩く元気もなく、時差ボケと戦いながらぼちぼちやっています(これを理由に今週は更新マイペースになる予定)。

 

 学会の話題はあんまり専門的過ぎても・・・(というかそもそもこのブログがまた医療系ブログですが、医師ブログかというとそこに悩みが・・・汗)ということで、実は、先日、下記のようなニュースが報道されました。

 

 先日、日本でも、臨床研究(東大医科学研究所)をめぐって、いろいろあった(?)ように、今後、企業からの契約のあり方、そして資金の透明性の問題は日本にも波及し、学会などを通して、COIコントロールや研究資金の開示はいずれ国際的に統一されていくように思います。

 

 学術研究や臨床研究にお金がかかると考えていますが、現在、日本の大学の研究の資金は、科研費とそして企業の奨学寄附金です。

 後者の方は、どこの会社も出すのにあたって、「処方を誘導」しない目的・・・といいながら、お金は出しています。

 

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■製薬会社から大金をせしめている医師たち

BioToday.com 2010/11/3
 医師への支払いを公開している7つの製薬会社から2009年と2010年早期に10万ドル以上の大金を得た医師/医療提供者のリストが発表されています。
 Dollars for Docsによると、ラスベガスの内科医Firhaad Ismail氏が第一位であり、303,558ドルを稼ぎました。
 20万ドル以上稼いだ医師43人中11人は巨大糖尿病薬市場をめぐる熾烈な競争が繰り広げられている領域・内分泌の専門医でした。

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 アメリカは、医療制度改革で、オバマ大統領が今年の3月に署名した“医療保険制度改革法案(Health care reform )”のうち、通称:サンシャイン条項は2013年から実施されることになっています。
 これは製薬企業から医師が受け取った場合、製薬企業や医療機器企業は医師や研修病院に対する10ドル(約1000円)以上の支払いを市民が見ることのできるデータベースで公開を義務づけているもので。企業の大小にかかわらず適用されます。
  日本では現在、製薬協で討議中とのことで、業界内部の方針は明確に打ち出されていませんが、今後、製薬企業による研究資金提供、寄付金などは厳しくなっていくことが予想されます。

 
 この他にも臨床試験の論文のゴーストライティングの禁止、患者団体についても製薬企業からの資金についてヨーロッパでは開示する方向となっています。

 

 この辺、日本では大学ごとに科研費の申請に、「利益相反」の開示が必要なため、教育が始まっているようですが、公立、私立問わず、今後は適切な形でDisclosureがされ、癒着などがないように管理を受ける存在になると思います。


<以下参照リンクの記事(薬害オブスパースン会議)>
米国医学研究所(IOM)が医師に製薬企業からの贈り物を受けないよう提言
2009-06-23


全米で製薬企業による医師への支払いの情報公開を義務化
2010-06-28


日本製薬協が米国・欧州・国際製薬協とともに臨床試験論文出版についてゴーストライター禁止などの方針を表明
2010-09-17


「欧州医薬品庁(EMA)と協同する患者・消費者団体は製薬企業から受ける資金を公開するよう規制強化」をHAIが要求

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 昨日、[ハンドラの函:製薬企業と医師の関係に見直しが入る・・・]や以前に書いた[利益相反マネジメント☆不透明な資金提供はお断りしましょう]、[未来の日本にバイオ主権はあるのか?] といった中で、政治家と同じで研究資金の透明性を高める努力について何度か書いてきました。

 さすがに、昨日はちょっと時間がなくて、去年の医学界新聞に掲載されていたこの記事をご紹介しそびれました。

 

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【座談会】医師と製薬会社の適切な関係って?
医学界新聞 第2854号 2009年11月9日


「医師と製薬会社の適切な関係って?」という座談会があり、興味深く読ませてもらいました。アンケート調査もやっており、確実に医師は医学生時代からスポイルされているように見えます。

 皆さんの周りにある,製薬会社名や薬の名前の入ったグッズを数えてみてください。ボールペンにクリアファイル,付箋,レポート用紙……結構な数に なりませんか? また,医局で開かれる勉強会に行ったら,おいしいお弁当が出てきて薬の説明が始まった,なんて経験はないですか?

 今回は,そういった製薬会社からのサービスが医師の意識や処方にどんな影響を与えているのか,事例や調査データ,文献をもとに読者の皆 さんと一緒に考えてみたいと思います。サービスを受けて「得した!」 と思う前に,「これってどうなんだろう?」 とちょっと視点を変えてみる,そんなきっかけになれば幸いです。

 

<以下リンク参照>

 

医学生への製薬企業の影響を考える
――元MRの医師より

賀来敦(北斗病院初期研修医)

 

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日経メディカルオンライン 2009. 10. 19

特集●臨床研究の質を高める

見て見ぬふり? 論文のゴーストライター

6回ピアレビューと生物医学出版に関する国際会議より

北澤京子=日経メディカル

 <以下リンク参照>

 

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2009. 10. 20

特集●臨床研究の質を高める Vol.2

一流医学誌でも進まぬ「利益相反」の開示

6回ピアレビューと生物医学出版に関する国際会議より

北澤京子=日経メディカル

 <以下リンク参照>

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 ボールペンやメモパッド、ティッシュペーパー、カレンダー、USBメモリー、マウス、ラジオ付き目覚まし時計、抗生剤のハンドブック、上限金額のないタクシーチケット、講演会のあとの食事、輸液のガイドブック、東京で開催される学術講演会の出席するためのホテル付き新幹線チケット。

 

 これらが現役の時に何らかの形で自分も受け取ったりしていた、製薬企業からの提供された金品です。もちろん、要求は一切しませんでした。勝手に出てくるのです。

 断りにくいですよね。街角でこんなものを配っていたらみんな受け取るでしょ?。

 まぁ、大学の勤務医なんて薄給ですから、もらったらちゃんと使っていましたよ。だから病院の医局に行くと、どんな病院でも絶対にあります。

 

 これらをすべて断るのは実は難しいです。彼らは医師とお話したいのです。それをきっかけに新薬のお話をしたり、病院の内情や処方の動向などをチェックして毎日、営業所に帰って日報をあげたりしています。

 

 もちろん、これは認められた範囲なのですが、昔はもっとおおらか(というか接待ゴルフから忘年会への出演までさまざま)でした。

 

 研究機関にとって、研究費がなくなればおしまいです。日本の研究の基礎研究の質は高いのに、研究資金は本当に貧しいです。

 

 COEでもたしか最高30億円。あのiPS細胞の山中教授でさえ、<平成20年度:約22億円、今後5年間:約100億円>( iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略  平成19年12月22日  文部科学省 ) という破格ですが、こんなに出る事はまずありえません。

 そんな訳で、NIHの研究予算と、日本の科学研究費補助金(科研費)の比較をしたのですが、それで原本をそのまま紹介することにしました。

 

 いずれにせよ、安いです。そしてアメリカは世界でNo.1を医療や製薬産業で目指すなんだなと思いました。さて、アメリカのNIHの方は・・・

 

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NEDO海外レポート  NO.1047,  2009.7.01

【ライフサイエンス特集】研究開発予算 より引用してみます。

 
1 国立衛生研究所NIHの2010会計年度予算(米国) (85KB)
国立衛生研究所NIHの2010会計年度予算(米国)
 
はじめに

  米国国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)は、国立がん研究所(略称 NCI)や国立アレルギー・感染症研究所(同NIAID)などそれぞれ個別のミッションを持った27 の研究所・センターから構成される集合体である。各研究所には独立した研究所として、予算と人員が配分されている。その一方で、全ての研究所はNIH という一つの集合体としても活動している。
 2009年5月7日、バラク・オバマ大統領は2010予算教書の詳細を発表した。これは2010年度予算(2009年10月1日~2010年9月30日の予算)要求に係わるものである。
  また、これに先立つ2月17日、2009米国経済再生・再投資法(以下、ARRA)が第111米国議会を通過し、バラク・オバマ大統領の署名を得て成立し た。ARRAは、雇用の維持・ 創出、インフラ投資、エネルギー効率化、科学研究の支援、失業者の支援、国と地方財政の安定化を目的としている。この予算は、2009年度、及び2010 年度に使用されるものであるが、それぞれの年度毎には分割されていない。又、2009年度予算、2010年度予算とは別枠で確保されている。
 本稿では、NIHの2010年度予算、及びARRA予算について概説する。
 
1. 予算の推移、用途
 
 図1にNIH年度予算の推移とARRA予算を示す。ARRA予算は、年度予算のほぼ3分の1 に相当する。 予算は、年度予算のほぼ3分の1に相当する。

 





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 やっぱり3兆円で、その半分以上を研究費に使っています。汗。しかもがん研究だけで、日本の科研費を上回る5000億円以上・・・・。さて、一方、我が国に目を移すと・・・

 

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大学職員のためのニュースクリップブログ

というブログがありまして。ズバリ、下記の項目があります。

科学研究費補助金 

科学研究費補助金とは 
  科学研究費補助金は、人文・社会科学から自然科学まですべての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究) を格段に発展させることを目的とする「競争的研究資金」でありピア・レビュー(専門分野の近い研究者)による審査を経て、独創的・先駆的な研究に対し、独 立行政法人日本学術振興会を通じて助成を行います。

科研費の充実
科研費の予算額は年々拡充されており、多彩な分野の学術研究をサポートしています。


 

 日本学術振興会のウェブページには下記のようなハンドブックが掲載されており、下記の資料には金額の推移が掲載されています。

 

科研費ハンドブック - より良く使っていただくために -
(研究機関用)


 

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○目的・性格
科学研究費補助金の概要
  「科学研究費補助金」(科研費)は、 人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想 に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的資金」であり、ピア・レビュー(専門分野の近い複数の研究者による審査)により、豊かな社会発 展の基盤となる独創的・先駆的な研究に対する助成を行うものである。

 


 

 これ以外にも、補助金がありますが、もっと少ないです。近年、伸びは頭打ち。製薬企業からの寄付金に頼らざるを得ない状況なのは、こういうのもあります。

 

 いずれにせよ、イノベーションだとか研究支援にはお寒い限りです。民間もサポートしたいのですが、「質の高い」臨床研究を支援したいのですが、製薬企業とは契約書を書かないですむ、自由に使える寄付金にしたいというのは、すでに手元にある科研費が実は非常に制約が多い上に、単年度だったりしたためです。

 

 今後、日本の臨床研究、橋渡し研究(TRI)といった部分では、この外部との利益相反のマネジメントせずに資金を得ることは難しいかもしれません。日本全国の問題ですが、あまり注目されていないので、ちょっと二日に渡って書いてしまいましたが、政府も科学技術大国を目指すのなら、しっかり研究する人たちに支援をしっかりと与えて欲しいものです。

 

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 日本もようやく・・・です。最近はぜんぜん更新していないのですが「Medical News Japan」に、アメリカやイギリスでの製薬企業のプロモーションについて、制限が加わっていく様子があります。

 

アメリカ:製薬企業のプロモーションに制限の動き

イギリス:製薬企業からの医師への贈り物が禁止へ

アメリカ:製薬企業から医師への便宜供与について勧告がされる

アメリカ:製薬会社のプロモーション制限がミネソタ州から広がる

アメリカ:製薬企業が販促品を自主規制

 

↓こういう本も最近出版されています。

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新薬ひとつに1000億円!? アメリカ医薬品研究開発の裏側

メリル・グーズナー (著), 東京薬科大学医薬情報研究会 (翻訳)

出版社: 朝日新聞出版

行き詰まる米国の医療制度。医療費の高騰で、公的医療制度は財政危機に陥り、経済を支える企業は従業員保険の負担増に喘ぐ。無保険者は増え、オバマが内政 の最優先課題と位置づけるほど切実な問題だ。薬の高価格は国民に直接打撃を与える。「新薬開発には金がかかる」という製薬会社の主張は本当か。新薬の開 発・認可過程、経費と利益のゆくえを描き出し、医療制度に矛盾を抱える日本の未来を映す。

 

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  大学病院などの大病院には医局の廊下に何人もの手持ち無沙汰のMRさんが待つ姿はだいぶ減ったと思いますが、やはり製薬企業は、医師との接点をもつために 様々な形で金品を提供していました。薬価九層倍と言われた時代はすでに過去のものですが、今年の春の診療報酬の改定で、後発品が出た特許切れの薬(長期収 載品)に依存している製薬企業にとっても非常に厳しいことになります。

 

 また、大学病院の「臨床研究」についても、研究資金の提供も「契約書」もなく、大学講座への寄付金の形で行われています。しかし、このような日本 の習慣は国際的にみても「利益衝突」の可能性があり、海外の学会や医学雑誌では利益相反(Conflict of Interest: COI)の管理がきちんとなされていない、研究資金のスポンサーの情報開示がされていない研究については発表する場もなくなりつつあります。

 

 日本の医師もそろそろ「襟を正すべき」時代になったのだと思います。ちなみに3月13日に日本医師会館で、日本医師会治験推進センターが主催して「臨床研究シンポジウム」が開催されます。

 

 臨床研究シンポジウムでは、質が確保された臨床研究を推進するために、臨床研究における利益相反、生物統計、保険、研究倫理について、各ご専門の先生をお招きしご講演いただきます。
また、実際の臨床研究の現状について、平成21年度 厚生労働科学研究費補助金(医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・予防・治療技術開発研究事業))の研究成果を各研究者よりご発表していただきます。

 

 また、平成22年度の科研費の申請には、予め利益相反について開示ができなければ、申請が出来なくなっています。これらの動きに対応できるように、日本の研究機関は、「臨床研究と利益相反COI) 医科系79大学のCOI管理に
関する調査結果報告」という形で、徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 曽根三郎先生が非常にわかりやすい形でアメリカと日本の動きなどをまとめてあります。

 また、製薬医学の専門医師の学術団体である、日本製薬医学会(JAPhMed)でも「臨床研究に関する提言を発表しており、日本の臨床研究のあり方について、見直すように医師や病院側に働きかけています。

 

 日本の医師が国際的にも注目されるような研究には資金が必要です。それらをきちんと支える仕組みとしては、本来は 政府が支出すべきですが、日本の科研費は1970億円、アメリカのNIHの研究資金は3兆円。いずれにせよ、莫大なお金を使うのであれば、国際的にも出せ るような形へと研究資金の透明性は必要です。また、製薬メーカーのプロモーションと研究開発支援のあり方も問われるように思います。


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医師:長年の慣例、製薬会社からの贈答 関係の規範作り、医学会が検討へ
毎日新聞 2010/02/09


製薬会社はさまざまな金品を医師に提供している。ボールペンなどの文房具、医学書、薬の説明会で出る弁当、講演会への旅費。長年の慣例だが、医師の中から「医学的判断のゆがみや、患者からの信頼喪失につながりかねない」との反省が出ている。米国では相次いで、贈答を規制する勧告が出た。日本でも、医学会が医師と製薬会社の関係の規範作りを検討する動きが始まった。【高木昭午】
札幌医科大の宮田靖志准教授(総合診療科)は07年、インターネットを使い全国の医師に製薬会社との関係を聞いた。また、筑波メディカルセンター病院(茨城県)の斎藤さやか医師らも08年、同様の全国調査を郵送で実施。二つの調査で金品が幅広く提供されている実態が浮かんだ。

◆米で年間120億ドル超
米国では、医師への訪問や贈答などに年間約120億~180億ドル(約1兆1000億~1兆6000億円)が使われるとの推計がある。日本における同様のデータはないが、薬の処方は患者の病状で決めるものだ。
米国内科学会は02年に見解を発表。「商業的報酬が(処方内容などの)医学的判断に不当な影響を与えるとの証拠が蓄積されてきた」と指摘した。そのうえで 「贈答や接待は強く反対されるべきだ」と訴え、医師に対し「(贈答などを)患者や世間、メディアはどう考えるかと自問すべきだ」と呼びかけた。
米国医科大学協会は08年、米国科学アカデミーの医学研究所は09年にいずれも、医師は製薬会社から贈り物を受けるべきでないと勧告した。

◆内科学会に動き
  日本でも警鐘を鳴らす動きが出始めた。日本内科学会は、医師と製薬会社の関係についての規範作りを検討中だ。医師個人向けの規範を担当する、同学会専門医 部会「プロフェッショナリズム・ワーキンググループ」の共同世話人、大生(おおぶ)定義・立教大教授(神経内科医)は「医師はプロとして患者最優先を貫く べきで、利益供与で治療がゆがむおそれを自覚し自己規制が必要だ」と警告する。
  大生さんは「医師の多くは供与を受けても自分の処方に影響は出ないと主張する。一方で、他の医師は影響されるだろうと考える」と説明する。これは「セルフ サービング(お手盛り)バイアス」と呼ばれる自己正当化で、欧米や文部科学省研究班の調査で確認されている。「影響ない」と主張する医師ほど多額の供与を 受ける傾向もあるという。
  宮田准教授は10年ほど前まで、薬の説明会で弁当を食べ、物ももらっていた。今はほとんど受け取らなくなり「使う薬が変わった」と打ち明ける。以前は製薬会社が売り込む薬を積極的に処方したが、今は、使い慣れた薬が主だという。
日本総合診療医学会は、07年と08年の学術集会で製薬会社の援助を受けず、参加費と公的補助金で運営した。5000円だった参加費を1万円に値上げ。製 薬会社から提供されていた参加者用の弁当を自前で調達した。07年の事務局長を務めた野村英樹・金沢大准教授(総合診療内科)は「資金を受けても患者の利 益にならないし、結局は薬代に跳ね返る」と説明する。

◆国レベルで法制化を
  製薬会社69社で作る日本製薬工業協会(東京都中央区)は、「医療用医薬品プロモーションコード」で物品提供などを規制している。過度の提供や接待が不適正な処方につながるのを防ぐ目的だ。
  ボールペンなど「補助物品」は3000円程度の物まで、医学書など「医療に役立つ物品」は5000円程度が上限。協会によると「医師自身が払って負担に感 じない程度の金額」という。協会の川辺新(しん)専務理事は「ボールペンなどの提供は習慣だが、実際の影響はほぼないと考えており廃止しても困らない。一 方、医学書の提供などは薬に関する情報提供として必要だ」と話している。
  一方、市民団体「薬害オンブズパースン会議」の事務局長の水口真寿美弁護士は「少額の物品でも贈答が慣習になっているのは不健全で公正さを疑わせる。米国では一部の州は法律で企業から医師への贈答等の公開を義務づけた。国レベルでも法制化が検討されている。日本でもこうした取り組みが必要だ」と指摘する。

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■宮田准教授のネット調査■
(回答医師350人)
提供物品      過去1年間に1回以上 よくあった
ボールペンやメモ帳        99%   56%
薬の説明会で弁当         89%   39%
タクシーチケット         84%   27%
診療ガイドライン         87%   20%

■斎藤医師らの調査■
(文部科学省研究班で実施、回答医師約1400人。数字は左欄の行動を月何回するかの平均)
MR(製薬会社の担当者)と面会   7.1回
文具をもらう            2.2回
職場内での薬の説明会に出席     1.1回
職場外で製薬会社援助の勉強会に出席 1.2回
職場外での食事           0.6回
勉強会への参加費補助        0.6回

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◇米国科学アカデミー医学研究所の勧告(抜粋)
・臨床に携わる医療機関の医師は、製薬、医療機器、バイオテクノロジー会社から、物質的価値のある物品を受け取るべきでない。
・臨床に携わる医療機関の医師は、文書で予約された場合や、医師側からの招待を除き、製薬・医療機器会社の販売担当者とは会うべきでない。
・臨床に携わる医療機関の医師は、企業にコントロールされての論文発表や教育講演をすべきでない。共著者などに明示されないだれかに、一部を書いてもらった論文も発表すべきでない。
・学会などの専門家集団は、これらの勧告に従うよう、会自身のルールを設けるべきだ。
・製薬、医療機器会社などは、医師に物品や食事などの提供を禁じるルールを作るべきだ。ゴーストライターの書いた文献の著者として名前を貸してくれるよう、医師に頼むことも禁じるべきだ。

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 最近、民主党が唯一支持率を保っている原因の一つ業務仕分け・・・で、やはり薬価のことも問題になっているかもしれませんが、先週面白い会合があったので、ちょっと足を運んできました。

 

 知り合いの先生が紹介してくれたのですが、元々は一橋大学の薬関係の会合でしたが、最近オープンになったという「第四回薬務研究会」、この会で「日本のブロックバスター開発者の成功と苦渋の道」という興味深いタイトルで行われると知って参加して参りました。

 

 総売り上げ4兆円。日本発の5種類のブロックバスター(Blockbuster drug) :従来の治療体系を覆す薬効を持ち、圧倒的な売上高をたたき出し、その売上に比例する莫大な利益を生み出す新薬をあらわす。

 それらの薬の開発に携わった方に一度にお会いできるたぶん最後のチャンスかと思い参加しました。


 最初に伊藤正春氏(現在、リーベンス社)から20分にわたり製薬産業の付加価値の高いこと(R&D費がここ10年ほどで8%から16%と高騰しているが、原価率は低く日本のように原材料を輸入する国としては知財のかたまりである医薬品産業は、最適な産業である)、そして5人のスピーカーの略歴について説明がありました。



 ちなみにそのブロックバスターとは・・・

プログラフ(タクロリムス):木野亨氏
アリセプト(ドネペジル):杉本八郎氏
スタチン:遠藤章氏
ガスター(ファモチジン):梶浦泰一氏
パリエット(ラベプラゾール):伊藤正春氏

 これらの5種類の薬は日本で開発され、世界でも広く使われています。現在日本の製薬市場は8兆円、世界では71兆円。過去15年で世界の医薬品市場の成長に日本はおいつけず、22%を占めていたものが現在は9%へと低下。 新薬の開発コストは急上昇している。

 

 紹介されていませんでしたが、世界での開発品目数の推移でも日本の凋落傾向は気になることです。

 



 
 ただ、大手製薬企業の開発経費は上昇を続けており、しかも候補物質の発見から市販にたどりつける確率は年々下がり続けており、これは日本だけでなく、海外の大手製薬企業でも同様である。

 大手製薬企業の創薬の力が落ちる一方、アメリカなどでは、バイオベンチャーのほうがはるかに上回る。
 日本はバイオベンチャーの資金力の脆弱さ、そして臨床治験の空洞化や薬価が世界的にみても低い水準であり、欧米との格差がひろがりつつある。

 このような現状をふりかえりながら、日本のバイオベンチャーはいい候補物質を持っていても国内企業からは契約前にPOC(Proof of Concept)の確立が求められ、それに必要な10~15億もの資金を調達できずに、ショートアウトしたりして困難な現状であり、シーズの流出などが続いていることを教えてもらいました。


■プログラフby木野氏
  26年前の藤沢薬品工業の入社、手がけられたプログラフの売り上げは年間2000億円。シクロスポリンの存在を手がかりに、当時は抗生剤が開発の中心であったが、10ヶ月間に1万株のスクリーニングを行うなど大変な努力をされた。開発の途中で毒性などで問題が発生すると大学の先生の意見を参考にして社内でプロジェクトを推進する力に使ってこられた。

■アリセプトby杉本氏


 アリセプトは開発された杉本先生のご母堂様が認知症になられたことがきっかけでもあった。エーザイのつくばの研究所での逸話もまじえながら、最後に紹介された松下幸之助氏の言葉「人間は行きづまるということは絶対にない。行き詰るのは自分が”行きづまった”と思うだけのことである」が心に残りました。

■ガスターby梶浦氏
 1980年代に上市したが、まだ世界でも日本でも売れている。1980年にPhase Iに入り、3年で申請にこぎつけたスピードには驚きました。

■パリエットby伊藤氏
 1990年当時は消化器領域が強かったエーザイ。セルベックスが大黒柱で年商500億円。しかし医療現場からは自覚症状がすぐに改善する薬のニーズが高かった。同系統の薬では武田薬品が先攻していたため、5年も続けてきた研究を一旦中止することになった。

 しかし研究者たちが「闇研」といわれる夜10時過ぎからこっそり半年間に続け出たデータの中から市場に出すことができた。

 規制概念の打破
 最適化研究:コンセプトの確立
 連携:臨床と薬理の間が大切。

 最期に提言として、成功をとげるためには創薬指揮者の育成が必要。若い候補者に対して、先駆者のリーダーが一緒にOJTで挑戦してこなしていく体制が必要。
 インフラは最小限でいいが、適応拡大や剤型追加などのプロジェクトを行い、若いときの成功体験は必要。

 最後にラスカー賞を受賞された遠藤先生からのお話でした。


■スタチンby遠藤氏
 子供の頃から科学者になりたかった。スタチンは現在年間3兆円市場。毎日3000万人もの患者さんが服用している。抗生物質全盛の時代にアメリカに留学。現場で見たのは高齢化社会、心臓病(心筋梗塞)で毎年60-80万人画志望、血中コレステロールが高い人が多い(1000万人)、有効なコレステロール低下薬がない。
この現状に対して、

1.欧米との格差も大きく同じことをしても勝てない欧米が出黄な粉とかやらないことを選ぶ
2.欧米にはない日本文化を生かす
3.縦割り型から横断型開発を行う。

 開発の途中で生じた問題を外部の専門家(日米の臨床医)の声を背景に乗り越え上市にこぎつけた。


 詳しい苦労の様子は文系の方が多かったせいかあまりお話をされませんでしたが、その辺は出版されたこの本をおすすめします。

 

新薬スタチンの発見—コレステロールに挑む (岩波科学ライブラリー)

著:遠藤章 

 

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 最後のパネルディスカッションは時間がなくて、質疑応答となりましたが、日本の製薬産業のこれからのためには、バイオベンチャーにもっとお金が必要である。そのために日本政府も支援が必要ということで終わりました。

 それにしても5人の先生方のうち4名がまた創薬ベンチャーをされていることを見るにつけ、やはりその開発魂みたいなものがあるのだろうと思いました。
 伊藤正春氏はパリエットの開発のあと、転職されてバイアグラの開発にも関与されていたということで、こういう裏話をまとめて聞くことはあまりなくて、おもしろいお話の連続でした。

 

 というか、さて、本題の日本の製薬企業に対するイメージは「儲け過ぎ」とか「新薬を作ってない」という印象をもたれているかもしれませんが、5種類のブロックバスターのお話を聞いていると、日本には世界でも湯数の創薬の力はあると思います。

 それなのにどうもこれから先は大変そうです。というのは過去10年以上大手製薬企業でも新薬を開発できていなかったり、単に『導入』といって海外の薬を日本で開発して販売しているだけ製品がいくつもあります。

 最近、がんなどでよく使われる分子標的薬も圧倒的に外国の製品が多いですし、ワクチンもしかり。

 結局、下記のように成長産業であるし、貴重な外貨収入を得ることが出来る産業なのに、なぜか外国の製薬企業の方に追い抜かれつつあります。すでにマーケットのシェアは5:5。実際に製品のうち出身国をみると海外が7:国内が3といったところでしょうか。

 

  こういう状況なのを考えると、後発品が出た長期収載品と呼ばれる薬に頼りながら開発を続ける日本の製薬企業は大変なことになっていきます。また、日本の製 薬市場があまりにも成長しないので、日本の研究拠点を廃止(メルク、ファイザー、GSK)して、中国やシンガポールに投資していってるのが最近の流れで す。

 

 つまり、日本での創薬とか知的財産の創出が減って外貨収益が落ち、かわりに高いお薬を海外から購入する羽目になる可能性があるのです。

 

 そういう意味でも政府の科学技術振興政策には期待していたのですが、どうも期待を大きく外れちゃったみたいですね。


 



<図表出典:製薬産業の将来像~2015年に向けた産業の使命と課題~2007年5月医薬産業政策研究所>

 

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 いつもは、やれ「薬」だの「病気」だのといった非常に堅いというか、偏ったお話ですが、今回はデジモノ。ていうか、もうきっと去年くらいからブームだったみたいですね>この話。

 

 自分は元ゲーマーってほどではなかったのですが、医局に専用コンソールを持ち込み、研修医室をゲーマーの集まる場所にしてしまった歴史がありますが、やっぱ悪い人がいるんだよね。消えちゃったんだ>任天堂のスーファミ。

 

 それからはPSを自宅用に買いましたが、ほとんどいまやホコリをかぶり、またDSはあまり使わないので友達に・・・案外もったいない暮らしです。

 

PlayStation 3(120GB) チャコール・ブラック(CECH-2000A)

ソニー・コンピュータエンタテインメント

価格: ¥ 33,800 

 

 さて新型です。駅前の近所の大型電気店でしっかり売っていましたよ。えぇ、諭吉翁3人で・・・こんな機能がw

 

株式会社 EC studio 社長ブログ

2008年09月30日

プレイステーションを高品質なテレビ会議システムとして活用する

http://www.youtube.com/watch?v=3xvCxE6mLDo&feature=player_embedded

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 これ見て、当直医が夜な夜なオンラインゲームで廃人に・・・ではなく、各地の病院などにPS3を一台づつセットしたら地方でイベント開催しても、同時中継で症例検討会とかできますよねぇ。

 

 あと、今後病院だけではなく、診療所が夜間閉じていても、ナースステーションとか相談窓口にも利用可能かも。

http://blog.ecstudio.jp/ec_studio_blog/080930playstation3...

PS3でビデオ会議

[2009/05/22][安斎]


なお通常のビデオ会議機器と比べPS3を利用することによるメリットは十分あると思います。


見積りは次のとおり(ネット環境は整備されていることが条件です。)


PLAYSTATION3:39,800円
カメラ:5,000円

--以下そろっていれば必要なし-----
ディスプレイ :25,000円
スピーカー :5,000円
HDMIケーブル:2,000円
LANケーブル:HUBまでのメーター数(20Gモデルでは必要)、無線LANがあればそれで

■メリット

非常に安価

複数拠点間ビデオ会議システムを導入で見積をとったのですがセットで100万~200万程度が必要でした。
PS3であれば1拠点5万円以内で導入可能
画質は専用製品に引けを取らないと思います。

導入が早い
追加や新規の導入を行う際にヨドバシカメラにでも行けば1時間程度で機材がすべて手に入ります。
またアカウントの作成が面倒なくらいで、ソフトウェアのインストールなども特に必要ないので手間もかかりません。
アップデートは必要かもしれません。

最大6拠点間で可能
拠点ごとの回線状況にもよると思いますが、6拠点まで可能なようです。

PS3もできる
使わない際にはPS3のゲームやブルーレイの再生機として利用が可能です。


■デメリット

会議ではファイルを共有したい場合もあるとおもわれますが、PS3間ではそういったことが出来ません。が、これはあらかじめメールでファイルをやり取りしておけば問題ないかもしれません。

うるさい
これは60G/20Gの初期の本体で、置く場所によっては結構うるさいです。が最新型ではかなり改善しているらいしいです。

あとは見た目かな見る人によれば「なんで社内にゲーム機があるんだ!!」なんて思われるかもしれません。


http://collaborate.blog.so-net.ne.jp/archive/20090213

 

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 その場で、買おうかと一瞬思ってしまいました。ネット環境がなくても、イーモバイルとかUQ Wimaxと無線LAN用のHUBを買ったら、ほとんどの自宅でも可能になります。

 

 日本全国にPS3!そしたらソニーは困る?なわけないけど、これ海外でもやれるから、もう高い国際電話や出張で会議なんてありえへん。

 

  まぁ、ソニーさんはそこまで考えたとは思えないけど、日本全国の病気で通院したくても夜間は遠いとかそういう人の在宅で、医療相談手当とかにしたらそれっ てすごくいいかもね。電話じゃ診られないから「来てください」じゃなくて、元気そうですね。じゃ、明日・・・という具合になるかも。

 

 問題は、そういう使い方を今後、支援するような財政支援なり、誘導があるとすごいかも。えぇ、日本全国完全にビデオ電話で医療相談・・・我が家の茶の間が診察室☆

 

 もちろん、課金システムの開発や保険証のチェックもあるかもしれませんが、登録なりをすれば時間課金なども可能でしょうし、映像信号をテレビからとれば録画も可能だろうし☆

 

 といった夢のようなこと?を考えましたが・・・上司のえらい人に提案したらはねつけられますたw。

 

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 ちょっとまえに「30億円70本、100億円10本・・・」ドリームジャンボ宝くじ?」で地域医療の再生のための「地域医療再生臨時特例交付金」のばらまきについては書きましたが、どうも大学の方も研究資金には糸目をつけずにやっているようです・・・。

 

 先日、『 「改革」のための医療経済学』を書かれた兪 炳匡の講演を聞くチャンスがありましたが、医療経済学のお話の前に、「2700億円」の「世界最先端研究支援プログラム」(仮称)のお話が出ました。

 

 曰く、山中教授がパイオニアで始めたIPS細胞の研究プロジェクト支援のために

30億円を政府が研究資金を提供しましたが、この分野でのアメリカの追撃は激しくどうやら競争はすっかり追いかける側になってしまったようです。

 

 ただ、政府が先端研究の支援のために100億円(5年間)×30本のプロジェクトのために拠出することになったことについて、では、実際にこの100億円で何人のポスドクが雇えるか?といわれて、回答不能でした。

 解答は90人から100名のポスドクが雇えるとのお話でした。最先端の分野で90人も100人も研究者がいるかと言われると疑問ですね・・・という話でした。

 

 帰ってから計算してみると、100億円を5年ですから、1年あたり20億円、1名あたり必要な人件費は、600万円~800万円前後と想定しても、残りを実験費としても一人当たり年間1200万円~1400万円非常に潤沢です。

 

 もちろん「人件費」は全て研究費ではありませんし、物づくり大国が中国に流出する工場のかわりに外貨を稼ぐ手段として、高付加価値のハイテク分野の人材育成、研究支援は大切でしょう。

 しかし、「IPS細胞のために100億円はわかるけど、残り29本はどうかな・・・」的なお話でした。

 

 今や大学は研究資金の獲得が困難になっており、この予算の獲得競争は熾烈を極めているようです。

 そういえば、自分も大学院で大阪大学がCOEで5年で30億円という話を聞いたことがありますが、それだけでもかなり使いでがあったと思います。これは一種の祭りですな・・・汗。

 

「Science Portal」にも・・・【2009年7月29日 最先端研究開発支援プログラムに経団連提言丸のみの批判 】とその決定の過程について疑問が提示されていました。

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2700億円の研究基金、565人応募、競争率14倍―内閣府、大学関係が8割
2009/07/29 日経産業新聞

 内閣府は28日、2700億円の研究基金を設立して先端研究を支援する制度について、565人から応募があったことを明らかにした。大学関係者が428人で8割弱を占め、企業からは43人にとどまった。最大40人を助成先に選ぶ予定で競争率は14倍に達する。
 競争的資金を代表する科学研究費補助金の場合、競争率は平均約4倍。研究者1人当たり最大150億円の研究費獲得を巡る攻防は、狭き門となった。
内閣府は同日、総合科学技術会議のワーキングチームに応募結果を報告した。
応募者の内訳はほかに、独立行政法人や公的研究機関などからが69人、公益法人や個人などが25人。
 年代別でみると、50代が41%、60代が37%となり、40代以下は17%だった。男女別では98%が男性だった。
 提案テーマには、がんやアルツハイマー病、糖尿病の治療薬開発や新型万能細胞(iPS細胞)を使った再生医療などが挙がった。
 太陽電池や温暖化ガスを出さない新エネルギーもあった。今後は政府の総合科学技術会議の専門委員会が書類審査や面接などで候補者を絞り込む。8月末にも同会議が助成先となる研究者を最終決定する予定。

 

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「改革」のための医療経済学

兪 炳匡:著


 

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