今春の診療報酬の改定で、患者さんの受診抑制につながることから医師会が反対したことにより、定額負担導入が見送りになりました。
日本の政府は国民皆保険制度の護持をするため、今後、国民に厳しい選択を求める羽目になります。
今回の改定幅を見ていれば、よくわかります。診療報酬の総枠はもう増やせないと思います。増税はまだ先だし、たとえ5%あげて10%に2倍になったとしても、すべてが医療費に回るなんてことはありません。
また患者自己負担を増やすことについても非常に批判が多いので通りにくいのが現状です。
つまり医療費を増やすための、消費税増税:遅れる、自己負担は上げたくない・・・のなら、不要な受診を押さえ込むか保険償還の範囲を減らすしかないと思っています。
診療報酬を引き下げるのは無理でも「人頭制」のようにして予算配分してその枠でやりなさいという話が出て来てもおかしくないです。
そういう中、たまたま韓国での事例がありました。【韓国】高齢者の3割超、経済的理由で病院に行けずという記事だけ最初みていたのですが、【韓国】国民が通院を控えたおかげ? 健保財政が黒字に
によれば「1兆ウォン赤字から昨年は6000億ウォンという予想外の黒字転換」となれば、財政面からは、評価は違ってくるかな?でした。
各先進国で医療費の抑制に成功した国はあんまりありませんが、逆にこれまで余裕があったあるいは命がかかっているという言い訳が可能ですが、一方、患者さんにとっても不要な診療/(繰り返しの)検査などはいくつも見て来ました。
そういう意味では、医療費の効率的な使われ方を今のままでいるよりは、もっとちゃんと政策で診療内容の標準化やデータ共有を義務づけしたり、社会福祉番号についてもアウトカムを測定して、医療の質の向上につなげたり・・・といったことを期待したいなです。
受診抑制で、お金が多少浮いたとしても、結果として未受診の患者さんのもつ持病などが悪化すれば、コストがかかります。今までの疾病の治療から予防を中心とした予防につなげて行く必要が日本にもあると思いました。
そして日本医師会や開業医の先生方も、再診料の引き下げは、「毎月受診による医療の結果、アウトカムの改善」や病状のより 良いコントロールにつながっているという証拠がまだ足りないように思います。アメリカのように疾病が安定していれば、リフィル処方箋で本人の受診がスキップできるシステムも今後導入されてもいいかと思います。
また医療費の増加は大切なお金です、高齢化で患者さんの合併症が増えるようになれば医療費も増えます。今後もっと、やりくりが必要になると思います。
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【韓国】国民が通院を控えたおかげ? 健保財政が黒字に
朝鮮日報 2012/1/6
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/06/2012010600733.html
一昨年の1兆ウォン赤字から昨年は6000億ウォンという予想外の黒字転換
2010年に1兆3000億ウォン(約867億円)の赤字を記録した健康保険財政が、昨年は6008億ウォン(約401億円)の黒字を記録したことが分 かった。これにより、累積の積立金総額も1兆5600億ウォン(約1040億円)に膨れ上がった。これらは保健福祉部(省に相当)が5日に発表した。
昨年初めには5000億ウォン(約333億円)の赤字が予想されていたが、想定外の黒字という結果をもたらした要因は、収入の伸びが支出の伸びを上回ったからだ。
健康保険の昨年の総収入は、2010年に比べ13.2%増の37兆9774億ウォン(約2兆5313億円)だったが、そのうち国からの支援やたばこ税などを除いた保険料収入は、前年比15%増の32兆3785億ウォン(約2兆4915億円)だった。
一方で支出の伸び率は、収入の伸び率のおよそ半分にとどまった。健康保険の昨年の総支出は、前年比7.2%増の37兆3766億ウォン(約2兆4913億 円)で、そのうち事務費などを除く診療費の増加率は、前年に比べ7.4%増の36兆1890億ウォン(約2兆4121億円)だった。
保険料収入が増えた要因は、保険料率を5.9%に引き上げたことと、リーマンショックの影響で減少していた国民所得が再び増加に転じ、年末調整などによって1兆6808億ウォン(約1120億円)の追加保険料収入が得られたからだ。
また保険料の上限を高めると同時に、一定の資産を保有する場合にはサラリーマンの被扶養者から除外することで、1783億ウォン(約119億円)の追加収入も得られた。
一方、支出の増加率は伸びなかった。被保険者数は1.64%増加したが、保険給付の対象となる薬剤や治療に使われる材料価格の見直し、映像検査料の調整、薬剤費の節減などで、支出は前年比3504億ウォン(約234億円)減少したからだ。
ただし、このように財政安定化策は効果を出しているが、治療費支出も例年に比べ大きく減少した点は注目を集めている。経済状況の悪化で国民の生活が苦しくなり、あまり病院に行かなくなったことが影響しているようだ。
保健福祉部保険政策課のパク・ミンス課長は「より詳細な分析が必要だが、治療費支出の増加率はこれまで毎年10%以上を記録してきた。ところがリーマン ショックがあった2008年は1桁台(7.9%)の増加にとどまり、昨年も10%に満たなかった」「国民は生活が苦しくなり、病院に行くのを控えるケース が増えているようだ」と語った。
保健福祉部は5日、今年の健康保険財政見通しを発表した。それによると、当期の赤字幅は1772億ウォン(約118億円)と見込まれ、これによって今年末時点で1兆3828億ウォン(約922億円)の積み立てが可能と予想されている。
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【韓国】高齢者の3割超、経済的理由で病院に行けず
朝鮮日報 2012/1/7
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/07/2012010700560.html
韓国人の6人に1人は病院での診療費を負担に感じ、病気になっても病院に行けないことが分かった。とりわけ65歳以上の高齢者では、3人に1人が経済的な理由で病院に行けなかったという。
疾病管理本部が6日に公表した「2010年国民健康栄養調査」によると、19歳以上成人の16.9%が経済的な問題のため病院で治療を受けることができ ず、18歳以下でも16.6%が同じ理由で病院に行けないことが分かった。とりわけ高齢者ではこの割合が35.7%に達し、歯科に関しては実に50.5% が治療を諦めていた。
経済的な理由で病院に行けない割合は、年齢が上がるほど、また所得が少なくなるほど高くなる。年齢別では70代以上が42.3%、60代27.6%、50代18.2%、40代13.7%、30代9.3%、20代8.9%の順となった。
世帯単位の所得を四つのグループに分けた場合、所得が最も少ないグループでは経済的問題で病院に行けない割合が27.2%に達したが、所得が最も多いグループでは10.1%だった。とりわけ子どもや若年層では家庭環境によって病院に行けない割合の差が大きくなっていた。
所得が最も低いグループの子どもや若年層は35.2%、下から2番目のグループでは14.2%が経済的問題で病院に行けなかったが、所得が最も多いグループとその次のグループでは、経済的問題で病院に行けない子どもや若年層はいなかった。
健康保険は昨年、当初の予想に反して6000億ウォン(約398億円)の黒字を出したことが、きのう報じられたが、これも景気の悪化によって診療を諦めた 国民が多かったことが影響しているとの見方もある。健康保険による診療支援の仕組みを強化し、所得による医療格差を解消するための対策を取りまとめるべき との指摘が相次いでいる。
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