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 パソコンなど新製品が出るとだいたい3ヶ月とか半年くらいは初期不良がよくあります。

 メーカーの方もその辺わかっていて、発売後も設計を改良を加えたり、故障が出ると不良品のマザーボードごとこっそり替えてしまったりしますが、自 動車のブレーキなんかの致命的な問題なければそのままスルー(というかリコールするかどうかは国が全部指導できるほど全能とは考えにくい・・・)だったり します。

 

 新製品となると、電化製品もゲーム機であろうと、それが医薬品であっても、使用する前は、誰でもその効果に期待を寄せるのは普通です。

 

イレッサ訴訟、国にも賠償命令 東京地裁が初判断

 

 関西と異なる判決がでました。しかし、問題は医薬品は企業側でこっそり勝手に製造方法も変えられませんし承認された時の分量を添付文書の範囲で使われることを予想して販売されているものです。

 

 ただ発売当初は、限られた患者さんに対して行われた臨床治験のデータだけで、承認されるので、販売初期の段階で、副作用のことを全部、お見通しす るってのは不可能で、そのためPhase IVといわれる[市販後調査]が行われ、安全性をより高めて行くというのが通常のやり方で、いわば「発売時」は「情報不足」が当然なので仕方なく使うしか ない・・・。

 

 しかし、今回の判決によると、PL法でそれらも承認した国や製造した側の責任となるようです。

 ただし、まだ地裁の判決で、最終的な判断はわかりません。イレッサの発売当時は今よりも選択肢がなかった・・・あるいは既存の組み合わせよりは良い成績を期待しての、医療者と患者の連携した一種の挑戦であったと思います。

  ただ、残念なことに全員の病気を治すのは「がん」に限らず難しいのが現状です。まして出たばっかりの新薬で完治するかなんて、たとえが悪いけど「運試し」 みたいなもんです(このお薬、手術が出来ないほど進行した肺がん患者さんが基本的に抗がん剤の治療になっております)。

 

「添付文書に致死的となる可能性を記載していれば、服用を開始・継続することはなく、間質性肺炎で死亡することはなかった」

 

 裁判官って、添付文書が出た時から完璧な薬ってのをもとめているんでしょうか?そしてその書き換え作業も裁判官の頭の中では、国が判断してから1から2週間ですぐにやれると思っているのでしょうかね?

 まして、厚生労働省には医系技官さんが200名以上いますがほとんどは検疫所や各都道府県の役場にいて薬については薬系の技官さんががんばっています。

 そ してお薬について審査し、安全性の監視する医薬品医療機器総合機構(PMDA) には今は職員が500名を超えていますが、そのうち医師は40名くらい。イレッサ当時はその半数しかおらず、ほとんどが審査に回っていて安全性は今よりも 少ないはずで、当時からPMDAの医師の5年生存率は0%・・・つまり医薬品の副作用のエキスパートである医師が少なかったのです。

 

 そういうことを考えると、書き換えるにしてもまさかイレッサの死亡事例ばっかり監視することは不可能ですし(日本には1万種類以上のお薬があり毎年数十の薬が生まれています・・・)、職員が250名不眠不休で新薬の副作用だけに張り付いている体制じゃなかったことも考えてみてください。

 ちなみにアメリカはFDAは3000名います、日本は600名。副作用の監視にはおのずと限界があり、裁判官脳では現場への「理解」も「常識」も欠落して判決を決めた可能性があります。

 

 ちなみに一旦、新薬が出ると全国の病院で徐々に使われだします(すぐに増えるとは限らないがイレッサの場合、待望の新薬という報道もあり制限が少なかったのでかなり急に増えた可能性がありますが)。

 PMDAの元えらい人が言うように当時たとえ、全例調査をしていても、すぐに報告がオンラインであがってくるのではなく、基本はMRさんが各医療機関から回収する紙ベースで集めています>今も。まして10年近く前の状況ですから・・・ね。

 

 そして、薬の副作用の報告については、医師には努力することは求められていますが、義務じゃありません。

 

 したがって、症例数がまだ少なく、あまり報告や報道が多くない時には集まらず、どこかで報告論文が出たり、医学関係の報道でもされると急激に増えますが、やはり少数だとぱらぱらとしか報告が集まらないようです。(これはソリブジンの時も同じですね)

 

  したがって、毎日のように各施設で副作用情報があったとしても、企業の方に情報が集まるにはMRさんがまわったり、薬剤師さんや医師の情報をもとに科学的 に判定し、行政が書き換えの指導をするだけの妥当性のあるデータが、集まる必要があります。多くの新薬はそういう発売当初にはMRさんがたびたび訪問する のは実は販売ということだけでなく、安全性の情報収集のはずですが、絶対にMRさんは医師に会って新薬の効果などを薦めはするけど、「副作用ありまし た?」なんて話かけは・・・少ないと思います。したがって現状では情報収集の段階では厳しいと思います。

 

 さて、もしも厚生労働省の指導で、添付文書が書き換えられたりしてある患者さんに禁忌になったりすると、その薬で症状が改善している患者さんには処方できなくなったり、最悪の場合、販売中止とかになれば、もう簡単には販売再開が簡単じゃないのは知らない知っているのかな?

 

 また、添付文書の書き換えは「薬事」というお仕事になるのですが、行政側と製薬企業の間で、医学者や専門家との間で交渉してさらにMRさんが全部の施設に知らせて回るのに、数ヶ月単位の長めの時間がかかります何ヶ月。

 緊急の安全性情報であっても、イレッサが発売から3ヶ月かかっているんで、そうなんでしょう。

 

 自分はパソコンなどはなるべく様子を見て買うようにしています。でないと初期不良をつかまされるのはイヤなんで。見事にiPadは初期不良はなかったのですが、2代目の方がやっぱり良かったので反省しております。

 

 もちろん副作用の被害にあわれた患者さん、そしてそのご遺族の無念さもわかるのですが、最悪の結果となってしまったにしても、新薬のリスクを見定めるのに時間がかかるのと、世界初で出すということは世界中で一番最初に使えるというメリットがあったのですが、この事件報道以後、抗がん剤で日本が一番最初ということは寡聞にして聞いた事がございません。

 

 ドラッグラグは企業側がやる気がないという話をされたり、するのですが海外に比べると「リスクに過剰に反応」する国民性というのを考えると、早期に発売するのは危険、じゃ後回し♪とされてしまっている可能性もあるかもしれませんね。

 
 医薬品の安全性の確立のためにリスク最小化は正しい努力としても、副作用ゼロがベストかはまた考えたい所です。

 

↓関西の方では企業側も患者さん側も控訴されています。
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イレッサ訴訟で双方控訴

産経関西 2011/3/12

 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟で、輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)は11日、6050万円の賠償を命じた1審大阪地裁判決を不服とし、大阪高裁に控訴した。原告側も国の責任などを否定した1審敗訴部分の取り消しを求めて同日、控訴した。


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イレッサ訴訟、国にも賠償命令 東京地裁が初判断
東京新聞 2011年3月23日

 肺がん治療薬「イレッサ」に重大な副作用があることを知りながら適切な対応を怠ったとして、患者3人の遺族計4人が国と輸入販売会社アストラゼネカ(大 阪市)に計7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、患者2人の遺族2人に計1760万円を支払うよう両者に命じた。
 松並重雄裁判長は、厚生労働相に行政指導の権限不行使があり、国家賠償法上の違法があると認定した。イレッサ訴訟で国への賠償命令は初めて。
 判決理由で松並裁判長は、行政指導は厚労相の「責務」とした上で「(2002年7月の)輸入承認当時、副作用の間質性肺炎が致死的となる可能性があるこ とを添付文書に記載するようアストラゼネカに指導しなかった」と指摘。「ほかに安全性確保のための十分な措置が講じられた事情もない」と述べ、対応は違法 だったとした。
 アストラゼネカに対しても「医師などへの情報提供が不十分で、イレッサは安全性を欠いていた」と賠償責任を認めた。
 02年10月15日に「緊急安全性情報」が出る前に服用を始めた患者2人について「添付文書に致死的となる可能性が記載されていれば、間質性肺炎で死亡することはなかった」と判断した。

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イレッサ、国にも責任 東京地裁が1760万円支払い命令
日経新聞    2011/3/23

 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用を巡り、東日本の死亡患者3人の遺族計4人が、国と輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に総額7700 万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、患者2人について国と同社の責任を認め、計1760万円を支払うよう命じた。松並重雄裁判長は 「国は安全性確保のための行政指導が不十分だった」と述べた。厚生労働省とア社は控訴の方向で検討に入った。
 イレッサの副作用を巡る訴訟で今年2月の大阪地裁判決は、ア社のみに製造物責任法(PL法)に基づく賠償を命じ、国の責任は認めなかった。この日の東京 地裁判決は国に対して大阪地裁よりも厳しい判断を示したといえ、新薬の副作用情報の提供のあり方など今後の薬事行政に影響を与えそうだ。
 訴訟では、国が世界で初めて輸入販売を承認した2002年7月当時、医療機関向けの添付文書で、副作用の注意喚起が十分だったかどうかが主に争われた。
 判決は、国が承認前の時点で、副作用の「間質性肺炎」を発症し、呼吸困難に陥るなどして死に至る可能性を認識していたと判断した。
 その上で国やア社の責任に言及。国は副作用情報を添付文書の「警告欄」に記載するか、「致死的」の可能性を記載するようア社に対し行政指導をすべきだったと指摘。「ほかに安全性確保の十分な措置が講じられておらず、国家賠償法上の違法がある」とした。
 ア社については、「イレッサは特定の患者に高い効能、効果があり、製造上の欠陥はない」とする一方で、「当初の添付文書の記載では医師らへの情報提供が不十分で、指示・警告上の欠陥があった」と指摘。
 イレッサはPL法で規定する「通常の安全性を欠いた状態だった」と認定した上で「添付文書に致死的となる可能性を記載していれば、服用を開始・継続することはなく、間質性肺炎で死亡することはなかった」と結論付けた。
 患者3人のうち1人については、厚生労働省が02年10月15日に「緊急安全性情報」を出したのを受けて添付文書が改訂された後に服用していたため、副作用の情報提供は十分だったとして請求を退けた。
 訴訟では大阪、東京両地裁が今年1月、被告らには救済責任があるとして、原告、被告双方に和解を勧告。国とア社が和解を拒否したため、判決に至った。

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