これまで医師の偏在を叫んで来た厚生労働省が実効性のある政策として、「

地域医療支援センター」を出して来たことは、ようやくこれまでの流れとは異なるように思います。

 ただ、医師への需要が高まっているのは救急病院であったり、高度先進医療を行っている大都市圏です。

 

 逆にこの「地域医療支援センター」が対象としているのは、病院経営の悪いために、病院としての役目を果たせなくなっている地域に残る公的な病院です。

 地域住民の期待や地方自治体単体では解決困難なために、この構想は良い点もあるものの、逆に言うと、地域枠というのを「若手医師」をそのために使うという屯田兵扱いですな。

 自分が想像するに、田舎の病院だとて求めているのはベテラン医師であって、そういう若い先生だけが来て、右往左往するような風ではまずいだろうと思います。むしろ、専門医となってからの仕組みを考えた方がいいと思います。

 

 自分もマッチング以前の世代ですが、大学病院の医局から離島や僻地への医師派遣要請があった時でも、大学医局はそれなりに機能していたのですが、それをマッチング導入で崩壊させて代わりに新しく「地域医療支援センター」というのも何か復活のようで・・・。

 

 病院の希望するのはあくまで「若い医師」だけではなく、「ベテラン医師」とのセット。そうでなければ、持続不可能です。

 

 また、昨今の医師不足によって急拡大している医師転職市場からすると、こういうのは成功しにくいです。むしろ専門医の資格を養成する機関として残る病院は限られます。

 むしろ医師を派遣を求める病院側にも診療科の再編、病床削減も含めて、「リストラ」をして、現状の病院の運営状況に合わせて無理なく、必要な人数をきちんと算定しないと、名称は「地域医療支援センター」だけど、「医師が足りないから 地域医療は 支援せん」 たーに成りかねません。

 

 「地域医療支援センター」も誤った医師不足対策:地域枠の使い方を考えるで書いたように、独自のいい企画があれば、それは取り入れて大都市や他の地域の病院との人材交流基盤として成立させるように、改善を目指して欲しいですね。


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医師不足解消へ、都道府県に派遣センター 厚労省が構想
朝日新聞 2010年8月22日

 厚生労働省は医師不足に悩む病院に医師を派遣する「地域医療支援センター」(仮称)を各都道府県に設置する構想をまとめた。事業費約20億円を来年度予算の概算要求に盛り込む。医師不足の病院に医師を送る仕組みを国が全国的に整えるのは初めて。
 医師が不足している地方では、地元大学の医学部に、卒業後に地元で一定期間働く意思を示している人を対象にした「地域枠」を設ける動きが広がっている。そこでセンターは、地域枠出身の新卒の医師らを病院に派遣する。地域枠出身の医師に10年近く残ってもらう地方が多く、多数の若手医師を効果的に配置するには、派遣先を一元的に調整する必要があるためだ。
 同省は全国約8800の病院を対象に、不足している医師数を調べている。結果をセンターに提供し、効果的な派遣に役立ててもらう。
 また、センターは傘下の若手を長期的に育てるため、指導できる医師が多い病院に支援を求めたり、若手が仕事を休んで学会や研修に出席しやすいよう代わりの医師を確保したりすることも検討している。指導できる医師の養成にも力を入れる。
都道府県によるセンター直営や外部委託が想定されている。派遣とは別に、地域での就職を希望する医師を病院に紹介する事業も手がける。
 医師不足は2004年に新卒医師に2年の臨床研修が義務づけられたのを機に深刻化した。様々な病気の患者を診療できて経験を積める都市部の総合病院が人気を集める一方、大学病院は敬遠され、周辺の病院に派遣していた医師を引き揚げて医師不足を招いた。(月舘彩子)

 


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