医療の供給過剰というと、大学病院や医療機関が集中している東京を思い浮かべてしまいますが、実は地方都市の方が結構あります。

 有名なところだと、熊本や徳島、それに高知。どこも県庁所在地が抜群に人口が多くて、それ以外はほとんど大きい町がないところ。

 

 もちろん、東京だって供給過剰ではありますが、人口がまず多く、周辺部の千葉やら埼玉から患者さんが集まってくるので、それなりに何とか持ちこたえているようです。

 民間も公立病院も競合が激化する中で、他の医療機関と差別化をはかり、そして機能が分化しているようになっています。

 

 問題は地方都市。結構、大学病院と県立病院、それに市民病院などが立派なのがあります。失敗しちゃったので有名なのは高知医療センター(ここは PFIのスキームを使って二つあった病院を一つにして新築ぴかぴかの立派な病院でしたが、結果としてPFI契約解除になってしまいました)

 今回紹介するのは静岡の浜松市。ここも過酷です。病院情報局というウェブページでDPC病院をチェックすると、急性期病院が目白押し。☆印がいわゆる急性期病院が積極的に取得するDPC病院です。

 人口80万都市とはいえ・・・大学病院から公立病院、そして民間病院が複数あります。県庁所在地でもないのに、これだけ集まると壮観です。

 

    ☆聖隷三方原病院    浜松市北区:874   
    ☆聖隷浜松病院    浜松市中区:744   
    ☆浜松医大病院    浜松市東区:613   
    ☆県西部浜松医療センター    浜松市中区:606   
    ☆遠州病院    浜松市中区:400   
      NHO天竜病院    浜松市浜北区:380   
      はまなこ病院    浜松市北区:342   
      三方原病院    浜松市南区:315   
    ☆浜松労災病院    浜松市東区:312   
      浜北さくら台病院    浜松市浜北区:312   
    ☆浜松赤十字病院    浜松市浜北区:312   

 

病床過剰:売り飛ばすか?施設にするか・・・?

でも取り上げましたが、この地区にあった社会保険浜松病院は実は、民間に売却され「すずかけセントラル病院」となりました(静岡 社会保険浜松病院 来月から健診事業継承)。

 それも含めると、こういう事例が発生した地域だけに、今後はこういった病床過剰地域においては、再編のための民間への売却、運営形態の変更があるでしょうね。

 自分はこれは「医療崩壊」とはとらえるべきではないと思います。運営する形が変わることは、地域が求めるような医療を提供するために「変革」していく姿です。

 

 昭和20〜30年代に数多く作られた結核病棟が、その後、急性期一般病床へ転用&結核病床の縮小が昭和40年代から50年代に行われたように、過剰な一般病床は転用されるべきです。

 

 

 まぁ、バランスシートや賃金などの情報を見るにつけ、今のままではダメだろうなぁです。未収金がくらむほどあるし・・・汗。急性期病院としてやっていくには稼働率85%を90%に持って行くように減床、過去の負債である退職金の準備を自治体が面倒を見るなど、しないと独立法人化は難しいとのこと。

 

 いずれにせよ、出店しすぎたコンビニが時々ふっと消えるようにすると、多少生活に困る人が出るけど、都市部では他の病院を選ぶことも可能です。そういった意味では、病院の提供する医療サービスの見直しも必要でしょうね。

 というか、タイトルに書きましたが、「地方独立行政法人」を目指すことは全く反対ではないのですが、それがゴールではなく、持続した医療の提供のために経営を改善を目指してもらいたいですね。

 

 

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公営企業・公社等の財政状況/医療公社

資産や負債はどのようになっていますか


 医療公社には、土地・建物等の固定資産はなく、これらは市の病院事業の所管となっています。公社における負債は、人件費、診療材料費等の未払金及び預り金です。バランスシートは次のようになっています。


流動資産
(1)現金・預金  624,936千円
(2)未収金    481,968千円←これって5億円弱・・・ありえない汗
(3)貯蔵品            158,976千円
(4)その他流動資産 1,465千円

医師の平均給料月額は536,000円、平均年齢は45歳です。
看護師の平均給料月額は280,000円、平均年齢は32歳です。
事務員の平均給料月額は334,000円、平均年齢は42歳


http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/finance/20pub_co/05_3.htm

浜松市からの援助はありますか
 運営費の助成はありません。医療公社は、浜松市からの診療報酬交付金により事業を行っており、この枠内での運営を基本としています。


職員は何人いますか
 全員では852人です。そのうち医師82人、医療技術者125人、看護師541人、事務職員41人、その他(診療情報管理士、司書、医療社会事業士、自動車運転手、電話交換手、保育士、電気技師、業務員、調理師、看護助手)63人です。
 また公社の正規職員は850人、市からの派遣職員が2人です。
 ※平成21年4月1日現在(理事長などの役員は除きます。)

職員の平均給料はどのくらいですか
 平成21年5月現在の状況です。医師・看護師及び医療技術者等の有資格職員については、国家公務員の給料表に準拠しています。
 医師の平均給料月額は536,000円、平均年齢は45歳です。
 看護師の平均給料月額は280,000円、平均年齢は32歳です。
 事務員の平均給料月額は334,000円、平均年齢は42歳です。
 医療技術員の平均給料月額は319,000円、平均年齢は40歳です。

公社は今,黒字経営をしているのですか
 平成20年度決算は8,881千円の赤字でした。今後はさらに職員の給与体系や診療材料の購入の見直しなどにより、支出の削減を図るとともに、患者の安定的確保を図り、病院経営の健全化を進めてまいります。

 

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 まぁ、誰がみても、赤字はよろしくないけど、881万円程度の赤字なら誰も文句は言わないでしょうが、補助金がゼロではないのは以下「市は設立当初から毎年、20億円近い財政支援」というあたり。

 

 結果として、公社は失敗と結論づけられていますが、独立法人化にもお金がかかるため、難しくなりそうです。

 

 ただ、600床もかかえる病院が消えることは地域住民にとっては困るので、ある程度補助金は必要でしょうし、残すべきは残す方向になるとは思います。

 

 しかし、失敗は何度も繰り返せないでしょうし、病院の老朽化もあるので、きちんとした方向性を打ち出す必要があるでしょう。

 

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【静岡】県西部浜松医療センター 独立法人化を断念資金不足
読売新聞 2010/7/31

 

 浜松市は30日、2011年度に予定していた県西部浜松医療センター(浜松市中区富塚町)の独立行政法人化を断念すると発表した。引き続き市医療公社が運営し、13年度に一般の財団法人とすることを目指す。新しい独立行政法人を設立するのに86億円かかるうえ、今後病棟を建て替える場合必要になる約180億円を調達するのが難しくなったためだ。
市によると、新法人設立にあたり、退職給付引当金分や、土地・建物の資産評価によって明らかになった債務超過分など計86億円を市から財政支援する必要がある。市が多額の支援を行うのは難しく、国からの借入金などの資金調達策も見つからなかった。
また、築40年近い2病棟を将来建て替え、老朽化した設備も更新する場合、約180億円かかると見込まれる。多額の投資によって病院の経営が圧迫される懸 念がある一方、独立行政法人に移行しても従来と同様に意思決定に市議会の審議が必要で、メリットが小さいことも影響した。
鈴木康友市長は30日の記者会見で、「(独立行政法人化を断念したことは)市とセンター側の双方にとってプラスになると判断した。市民の命を守る最後のとりでとして、公立病院の役割を果たしたい」と強調した。
同センターは1973年に設立された。病床数は606、診療科数は23。市は設立当初から毎年、20億円近い財政支援を続けてきたが、市行財政改革推進審議会から経営責任を明確にするよう提言を受けていた。

 

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【静岡】県西部浜松医療センター:「経営チェック強化を」 浜松市行革審で意見相次ぐ /静岡

毎日新聞 2010/7/31


◇厳しい意見相次ぐ
 浜松市の第3次行財政改革推進審議会(会長=御室健一郎・浜松商工会議所会頭)は31日、5回目の会合を同市中区で開いた。市が「県西部浜松医療セン ター」の地方独立法人への移行を断念したことについても議論した。市の方針に異論は出なかったが、「過ちを繰り返さないよう、厳格に経営がチェックされる 体制を作ってほしい」などと注文が相次いだ。
 第2次行革審は07年の勧告で、医療センターを運営する「浜松市医療公社」の経営の失敗を踏まえ、経営責任を明確にするため「独法化が望ましい」と指摘。これを受け市は08年、独法化に踏み切る方針を示した経緯がある。
 31日の会合では、この問題をめぐる市の対応について「後手後手になり、課題を山積させる悪循環に陥っている。スピード化してほしい」「期待される『公 立病院像』を急いでまとめ、市民の賛同を得てほしい」「経営チェックは互いに甘えない体制にすべきだ」など厳しい意見が出た。

 


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【静岡】県西部浜松医療センター 将来像明確化が急務
静岡新聞 07/31

 浜松市行財政改革推進審議会(会長・御室健一郎浜松商工会議所会頭)の第5回公開審議は31日午前、同市中区で開かれ、県西部浜松医療センターの経営形態を地方独立行政法人化から一般財団法人による運営へ方針転換を決めた市の判断について審議した。
 委員からは「経営責任の明確化がそもそもの改革の目的」と方針転換を大方容認する声の一方、期待される病院像の早急な明確化を迫る意見が続いた。「(基本的には)体制はこれまでと何ら変わらない。過去の経営の失敗が繰り返される可能性も否定できない」との厳しい意見もあり、市や市医療公社に安定経営へ向けた一層の努力を求めた。
  市は独法化を目指した長年の検討から突然、方針転換を図ったことについて委員の質問に答え、「資産評価や、必要な退職金確保の仕方に見込み違いがあった。 建物の寿命という判断については考慮がなかった」と説明。将来見込む病棟の建て替えに関して公社代表が、現600床の病床数について「現在の病床利用率は85%。今まで通りという話にはならないだろう。診療内容を決め、収支を考え決めていく」と述べた。
 病院改革の前提となる「目指す公立病院像」については、「本年度中に内部調査を行う」としたが、具体的スケジュールはないと答えた。委員からは「民間感覚からは市の対応は遅すぎ」との意見が出た。
 公社の収支案では、今後もしばらく市から上限7億円の医業負担金が必要との見通しも示された。
 市は、外部チェック体制の整備や会計一元化のための利用料金制導入とともに、公社や財団などの運営団体の理事長候補として経営能力のある者を市長が推薦する考えを示した。

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