日本の医療で、崩壊の危機といわれている救急医療ですが、その原因のひとつが救急車の濫用です。国や自治体の予算では十分な人員を病院に夜配置できません。限られた医師や看護師で数多くの患者さんを診ている病院は常に「労働基準法」を遵守しないまま奴隷医師や奴隷ナースのサービス残業でやっと維持されているのが実像です。
救急車自体が悪いのではなく、無料ゆえ安易に利用する客が多過ぎて、利用者側からは判断できないため「結果」として手遅れになったりするのですが、必要性があれば使えばいいのです。ただし、「有料」が基本でしょう。郵便のかわりにクロネコのような民間業者が存在しない状態は競争もないし、質の向上もありません。
個人的には、運ばれたのに結果として入院や治療が必要とならなければ無駄な利用ということで受益者負担というのが正しいでしょう。
救急車=無料というのがそもそも利用側の意識を低くします。最終的にはそれは税金の無駄遣いですし、本当に必要なものなら人間誰もが支払います。
現在のように「無料でかつ便利なサービス」は「利用しなくちゃ損」という雰囲気に変質します。
そういった意味では、現代の医療/福祉サービスの支給範囲について見えるようにしていただければ幸いです。そのコストを現在、各自治体が支払っている訳 で、利用者側にも実は、全員が等しく支払っているコストであり、一部の人(たいがいはライトユーザーですが)が受益者ではなく、国民全体が受けるのに必要なコストが見えにくいままでは、議論になりません。
結局、国や地方自治体が持っているデータが外に出して「救急車=無料」を本当に続けるべきか、否かはそろそろ決める必要があると思います。
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毎日新聞 2010年8月30日
埼玉県蕨市の女性(80)が7月下旬、自宅マンションで熱中症で死亡した推定時刻の約3時間前、管理人(65)から119番があったのに、救急隊が出動していなかったことが分かった。
県警などによると、女性は1人暮らしで、7月24日朝、管理人が布団の上で死亡しているのを発見した。死因は熱中症で、23日午後10時ごろ死亡 したらしい。この約3時間前の午後7時すぎ、数日前から体調を崩していた女性を心配して訪れた管理人が119番していた。管理人は「『救急病院を教えるの で別の番号に電話して』と言われ、いったん電話を切った。本人が『もういい』と言うので電話しなかった」と話す。蕨市消防本部は「『アイスを食べている』 との話もあったため、緊急回線ではない番号にかけ直すように伝えた。電話がなく緊急性がないと判断した」としている。【飼手勇介、鴇沢哲雄】
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救急車要請 判断手引き作成へ
NHK 8月31日
緊急性のない救急車の出動を減らすため、総務省消防庁は、けがや病気の症状によって救急車を呼ぶ必要があるかどうかを患者やその家族が自分で判断するためのマニュアルを作り、必要がない場合は、救急搬送を辞退してもらう仕組みづくりを検討することになりました。
総務省消防庁によりますと、全国での救急車の出動件数は、おととしまでの10年間で38%増えていて、比較的症状の軽い人が救急車を呼ぶことで、病院に 搬送するのにかかる平均時間が長くなるなど深刻な影響が出ています。このため消防庁では、救急車を呼ぶ必要があるかどうかを患者やその家族が119番通報 する前に統一した基準に従って判断し、必要がない場合は、救急搬送を辞退してもらう新たな仕組みづくりを検討することになりました。具体的には、「頭が痛 い」とか「胸が苦しい」といった症状ごとに分類した質問に答えることで、緊急性を判断できるマニュアルを策定し、国民に周知する考えです。消防庁は、マ ニュアルの研究費などとしておよそ1億円を来年度の概算要求に盛り込んでおり、今後、医療関係者などを交えた検討会を開いて具体化する考えです。総務省消 防庁は「一般の人でも緊急性を容易に判断できるわかりやすいマニュアルを慎重に検討してきたい」としています。
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以前も「医療鎖国の日本で、メディカルツーリズム、バブル!?」で取り上げましたが、国際的に見ると、日本の医療は閉鎖的なシステムで、各大学を中心とした幕藩体制、患者の出入りもきわめて限られる鎖国状態となっており、出島のかわりにインターネットで知ることが多いですが、やっぱり海外からお客様を迎えることについては真剣に取り組みがはじまってきたようです。
悪いことではありません。ただ、どうも勘違いしているように感じております。
海外からわざわざ日本に来るのは「先進医療」を受けるためであって、片田舎の病院にはあんまり出番はないように思っています。
↓これ(進む医療の国際化 ~医療ツーリズムの動向~: 株式会社日本政策投資銀行 今月のトピックスNo.147-2(2010年5月26日)を見るとそれぞれの国がどれくらいがんばっているかよくわかります。

まぁ、だいたい隣の韓国でも日本語のパンフレットやホームページ(韓国国際医療協会)が準備されている訳で、少なくとも日本にはそういう受け入れ態勢をとれている病院が果たして何カ所あるか?

↑韓国のメディカルツーリズム対応病院のリストはなかなか見応えがありました
ある意味、韓国に遅れること3年で、日本もメディカルツーリズムの勃興期に入った訳で、採算性も含めて模索がしばらく続くでしょうが、少なくとも「日本」にわざわざ来る人 は別に検査装置がすごいのがそろっているから・・・来日するのではなく、国際的にすぐれた治療成績を残している施設や海外でも高名な先生の指名で来るで しょう。
今後の受け入れ病院の成功を決めるのはアクセスが大切。関西空港の目の前や成田空港の隣に建てるというのは成功するでしょうが、国際線の定期便もないよ うな地方の病院が自治体と一緒にやる「おらが病院にも来るだろ〜」とかバスに乗り遅れないようにと横並びのためだけの「付け焼き刃」的なメディカルツーリ ズムはいずれ袋小路に入ると見ていますので、本気にしない方がいいと思って生暖かく見守らせて頂きます。
なお、お隣の韓国は、メディカルツーリズムがんばっていますが、美容形成を除くとまだ年間6万人、これまでの総数20万人。受け入れるような病院(リスト)は大学病院クラスで「外国人専用」の部門を持っていたり、ウリドゥル病院のように金浦空港の隣に病院を造るなど、かなり本気です。
また、在院日数が平均7日を切ってたり、看護体制が5:1といった具合だそうで、そういう本気の病院と太刀打ちできるのは限られた施設であるのはゆーまでもありませんw。
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「医療ツーリズム」考えるシンポ開催 栃木
産経MSN 2010.8.29
新たな成長産業として政府が力を入れる「医療ツーリズム」をテーマにしたシンポジウム「国境を越える患者と病院」(国際医療福祉大学大学院主催)が28 日、東京都港区の同大学院東京青山キャンパスで開催された。医療ツーリズムで先行する韓国の取り組みや日本の病院の中国進出における課題などが話し合われ た。
韓国保健産業振興院国際医療事業団の張慶元(ジャン・キョンウォン)団長は「医療ツーリズムは国内患者の医療機会を奪うと反対の声があるが、外国から患者が来れば外貨も稼げる。そこで生まれた財源が健康保険維持などに使われている」と話した。
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【徳島】10月に医療ツアー第3弾 上海から30人、県が誘致
徳島新聞 2010/8/27
糖尿病検診と徳島観光を組み合わせた医療観光の推進策を話し合う県のプロジェクトチームの会合が26日、県庁で開かれた。10月9~11日に航空チャー ター便に合わせて上海から3度目となる医療観光ツアーを誘致し、民間病院としては初めて川島病院(徳島市)で検診を受け入れる計画が報告された。
チャーター便は、県内に営業所を置く旅行会社が企画した上海万博ツアーに合わせ運航。中国東方航空の150人乗りの航空機で、上海から医療観光ツアーを含 む中国人客を、徳島からは万博観光客を運ぶ。医療観光のツアー客は募集中で、検診受診者と家族ら30人程度を想定している。
観光ルートは未定だが、検診は10日に川島病院で3~5人、11日に徳島大学病院で10人程度を受け入れる。付き添う中国語の医療通訳は徳島大学病院から派遣する。
会合では、課題ごとに研究する目的で6月に設置された3分科会の成果も報告された。平日の検診は、徳島大学病院で金曜に4人まで、1人7万円で受け入れることが決まった。
観光施設の中国語表記は、受付やトイレにはる日・中・英・韓4カ国語で書かれた案内シールを16種類、3200枚作り9月に観光施設へ配付。中国人利用者が多いカード決済サービス「銀聯(ぎんれん)」が使える県内46施設をリスト化して周知する。
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価格: ¥ 2,393
出版社: Healthy Travel Media (2008/12)
言語 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 0979107989
ISBN-13: 978-0979107986
発売日: 2008/12
韓国国際医療協会のウェブページより
韓国で治療を受ける必要がある理由なんて何ですか。
韓国は信頼を本に最高の医療サービスを提供しています。
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健康保険の財政が厳しい折、厚生労働省が「病院」と「診療所」について考えていることが、示されつつあります。
医療の構造改革を考える上で、国民の声は必要ですが、都市部で点滴BAR、サプリメント外来だのあまり「必要性の高い」とは言えない医療行為に力をいれて採算を取っている医療機関が残るというのは、国民健康を守るためにはふさわしくありません。
また、救急医療を充実させようとする中で、人材リソースが戦時中と同じで配給制のため、急激に医師の供給が増えない中で、今後は対策や拡充が必要とされる4疾病(がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病)・5事業(救急医療,災害医療,へき地医療,周産期医療,小児医療)に中心的活躍をしている病院が残るでしょうし、開業医でも1次救急や2次救急病院の夜間外来などに協力してくれる診療所に対して手当てがされることは間違いありません。
今後、高齢者が増える中、病院に対するさまざまなコスト抑制圧力と消費税増税を考えると、間違いなく「病院再編」「診療所の仕組みの変更」もあるでしょう。
いずれにせよ、遠くない未来に「医療崩壊」ではなく「医療再生」のためには、病院単体で生き延びるではなく、地域社会に住む住民が地域に残れような仕組みが必要だと思います。
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唐澤審議官「病院の再編は不可避」
キャリアブレイン 2010/8/26
厚生労働省の唐澤剛審議官は8月26日、同省と日本医師会が開いた「社会保険指導者講習会」で講演し、今後5-10年間での病院の再編は不可避だとの見方を示した。また、病院と診療所の外来の受診延べ日数が、日本全体で見ると減少傾向にあるのに、診療所の数は増えている状況を指摘。私見と断った上で、診療所の在り方についても「考える時期に来ている」と述べた。
唐澤審議官は日本が抱える医療提供体制の課題として、独仏などの諸外国に比べ、▽病床数に対する医師数や看護職員の数が少ない▽平均在院日数が長い-ことを列挙。現在の「一般病床」と「療養病床」を、「急性期」「亜急性期・回復期等」「長期療養(医療療養)」に再編し、このうち「急性期」に医療資源を重点配分する必要があるとの認識を示した。こうした再編のイメージは、自公連立政権時代に政府の「社会保障国民会議」が提言している。
再編後の医療・介護サービスの提供体制については、「日本中、全部で同じシステムをつくる必要はない。地域によって、それぞれのスタイルを取ってもらう必要がある」と述べた。一方で、「厚生労働省として、強制的にここの病床を担っていただくようなことは全くない」とも述べ、それぞれの病院が地域でどのような役割を担うかは、病院ごとの経営判断に委ねる考えを示した。
診療所の在り方については、「外来の患者数は増えていないのに診療所の数は増えている状況をどう考えるかも、医療提供体制としては大変重要な問題だ」と指摘。医療設備が豊富な日本の診療所の特色を生かせば、在宅による終末期医療などの分野で大きな役割を担えると訴えた。
■鈴木医療課長も「大規模な構造改革必要」
診療報酬を所管する同省保険局の鈴木康裕医療課長も講演し、「午前中に外来に数十人来て、午後に病棟で手術をする。これほど過重になっているのは多分、世界中にどこにもない。おそらく構造的に機能分化が足りない面がある」などと述べた。鈴木課長は、こうした中で疾病構造の変化や医療技術の進歩などにも対応していくには、大規模な構造改革が必要になると強調した。
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悩み増す開業医…「医療より経営について考えること増えた」83%、「患者さんの要求内容が複雑化」86%
朝日新聞 2010年8月26日
(PR TIMES) - 日本最大級の病院検索サイト、医薬品検索サイト、医療情報サイトを運営する総合医療メディア会社の株式会社QLife(キューライフ/本社:東京都世田谷区、代表取締役:山内善行)は、開業医に対して、医院経営環境の変化認識について簡易アンケート調査を行った。
QLifeの患者満足度調査サービス※に参加した院長のうち、メールアドレスを開示した393人にメールでアンケート協力依頼を送り、うち66院から有効回答を得た。(有効回答率17%)
アンケート結果によると、「医療よりも経営について考える」ことが以前に比べ増えたとする院長が83%に上り、「医院間の競争が激しくなった」と考える院長が79%、「患者さんの要求内容が複雑化した」と考える院長が86%であった。
これらのデータは患者満足度調査を実施したことがある院長による回答なので、全国平均よりも数値が高く出ている可能性があるが、「患者ニーズ」「医院間競争」のいずれもが高度化し「自院の経営状況」に関して以前より気を配るようになっている様子が伺える。すなわち、マーケティングの基礎分析軸である「3C」(=顧客:Customer、競合:Competitor、自社:Company)において、経営現場で変化が起きている医療機関が多く、昨今の厳しい医院経営環境の表れと考えられる。
※なお、QLifeの患者満足度調査サービス『患者さんの声調査キャンペーン』は、これまで9回実施して利用医院数はのべ700院近くに上る。紹介URLは以下。
http://www.qlife.co.jp/solution/medical_support/drqlife?source=qlpr&id=001
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今、流行の「ホメオパシー」について、ようやく科学的なコメントが正式なところから発せられました。
「いわしの頭も信心から」でも健康に害がない信仰の範囲ならいいのですが、医学的根拠を検証せずに、妄信する人たちに対して詐欺行為を働く人が存在する現代、彼らはやはり害なす存在だと思います。
いわゆる「舶来品」へのあこがれもあるかもしれませんが、イギリス人に「ホメオパシー」というと、一般的には「笑いもの」にされます。
それをあたかも「水の記憶」だのまやかしで高額のお金をとったり、防ぐことが可能な事故を増やしたり、科学的に立証された医療を否定して、受けられるはずの治療の可能性を減らすような危険きわまりない「がんの自然治癒」だのまやかしが多すぎます。
こういうものを排除するために学術会議はあるでしょうし、民間療法についても有害なものはどんどん排除してってほしいですし、科学者が国民のためにそういう活動を行うのが国民の福祉に役立つと思います。
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↓会長談話をすべて載せたこのニュースもすばらしいです
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これまで何度か取り上げたことがありますがやはり異常です。昨今の健康保険の状況からしてもこの数字はおかしいですね。
こ れを放置して、医療側の不正は厳しくとがめられる傾向がありますが、不正行為については平等に、きちんと取り締まっていただきたいところです。
「これも業界と政治家と官僚の癒 着から起こっているんです。このまま整骨院が増加すれば、 整形外科の医療費を超えるのも時間の問題ですよ。整形は年間トータル (入院、薬、外来など)で7500億円前後ですが、整骨院は捻挫と打撲だけで4300億円使われているんです。ここ数年 は年間2000軒以上の整骨院が出 来て、全国で40000軒を超える整骨院があるんです」
医療費が膨らむというがこんな問題もあったのかです>>
を読むと、やはりこれは大きな問題です。整形外科に本来かかってからでないと受けられない行為を受けたする架空請求、部位数を偽って請求するなど やりたい放題なのは決して受け入れられるのではありません。
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[高知]療養費16万円を不正受給…高知の接骨院
架空請求326回
読売新聞 2010年8月23日
四国厚生支局高知事務所は20日、架空の施術で療養費計16万7955円を不正に受給したとして、高知市鴨部の「岩崎接骨院」を経営する岩崎正房・柔道 整復師(50)に対し、21日から5年間、患者に代わって療養費の保険給付を請求できる「受領委任」の取り扱いを中止すると発表した。
療養費は医師の診療報酬にあたる。
発表によると、高知市と、いの町が昨年、患者の記憶よりもマッサージなどの施術回数が多いと指摘したため、同事務所が2010年3、4、7月に計3回、 監査を実施。患者の記録を抽出して調べたところ、08年9月~10年1月、患者9人への計326回分の施術が、架空請求だった。
同事務所の調べに対し、岩崎整復師は「患者が減って経営が苦しくなっていた。3年程前からやっていた」と認めている。今後、岩崎整復師が自主的に不正請 求を調べ、返還するという。
接骨院での特定の療養には、保険が適用され、県と同事務所、整復師の間で契約があれば、整復師が患者に代わって保険適用分を請求できる。受領委任が中止 されると、患者はいったん窓口で療養費全額を支払った後、自治体へ保険適用分の償還を請求しなければならない。
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これまで医師の偏在を叫んで来た厚生労働省が実効性のある政策として、「
地域医療支援センター」を出して来たことは、ようやくこれまでの流れとは異なるように思います。
ただ、医師への需要が高まっているのは救急病院であったり、高度先進医療を行っている大都市圏です。
逆にこの「地域医療支援センター」が対象としているのは、病院経営の悪いために、病院としての役目を果たせなくなっている地域に残る公的な病院です。
地域住民の期待や地方自治体単体では解決困難なために、この構想は良い点もあるものの、逆に言うと、地域枠というのを「若手医師」をそのために使うという屯田兵扱いですな。
自分が想像するに、田舎の病院だとて求めているのはベテラン医師であって、そういう若い先生だけが来て、右往左往するような風ではまずいだろうと思います。むしろ、専門医となってからの仕組みを考えた方がいいと思います。
自分もマッチング以前の世代ですが、大学病院の医局から離島や僻地への医師派遣要請があった時でも、大学医局はそれなりに機能していたのですが、それをマッチング導入で崩壊させて代わりに新しく「地域医療支援センター」というのも何か復活のようで・・・。
病院の希望するのはあくまで「若い医師」だけではなく、「ベテラン医師」とのセット。そうでなければ、持続不可能です。
また、昨今の医師不足によって急拡大している医師転職市場からすると、こういうのは成功しにくいです。むしろ専門医の資格を養成する機関として残る病院は限られます。
むしろ医師を派遣を求める病院側にも診療科の再編、病床削減も含めて、「リストラ」をして、現状の病院の運営状況に合わせて無理なく、必要な人数をきちんと算定しないと、名称は「地域医療支援センター」だけど、「医師が足りないから 地域医療は 支援せん」 たーに成りかねません。
「地域医療支援センター」も誤った医師不足対策:地域枠の使い方を考えるで書いたように、独自のいい企画があれば、それは取り入れて大都市や他の地域の病院との人材交流基盤として成立させるように、改善を目指して欲しいですね。
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医師不足解消へ、都道府県に派遣センター 厚労省が構想
朝日新聞 2010年8月22日
厚生労働省は医師不足に悩む病院に医師を派遣する「地域医療支援センター」(仮称)を各都道府県に設置する構想をまとめた。事業費約20億円を来年度予算の概算要求に盛り込む。医師不足の病院に医師を送る仕組みを国が全国的に整えるのは初めて。
医師が不足している地方では、地元大学の医学部に、卒業後に地元で一定期間働く意思を示している人を対象にした「地域枠」を設ける動きが広がっている。そこでセンターは、地域枠出身の新卒の医師らを病院に派遣する。地域枠出身の医師に10年近く残ってもらう地方が多く、多数の若手医師を効果的に配置するには、派遣先を一元的に調整する必要があるためだ。
同省は全国約8800の病院を対象に、不足している医師数を調べている。結果をセンターに提供し、効果的な派遣に役立ててもらう。
また、センターは傘下の若手を長期的に育てるため、指導できる医師が多い病院に支援を求めたり、若手が仕事を休んで学会や研修に出席しやすいよう代わりの医師を確保したりすることも検討している。指導できる医師の養成にも力を入れる。
都道府県によるセンター直営や外部委託が想定されている。派遣とは別に、地域での就職を希望する医師を病院に紹介する事業も手がける。
医師不足は2004年に新卒医師に2年の臨床研修が義務づけられたのを機に深刻化した。様々な病気の患者を診療できて経験を積める都市部の総合病院が人気を集める一方、大学病院は敬遠され、周辺の病院に派遣していた医師を引き揚げて医師不足を招いた。(月舘彩子)
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医師不足の著しい地方からはじまった地域枠。ダメですねぇ。お金で釣るからみんな失敗ですよ。
医学生にだってわかる話です、せいぜい1000万円程度(中堅医師にとっては1年分の年収程度)のはした金で、数年間もの僻地医療を申し付けるではダメでしょう。
外人部隊のように大金がもらえるのならともかく、研修期間を田舎でってことになったら確実に職人の心は埋まらないでしょう。
自分は選ばれている、だから当然、金を受け取って出世してやるんだ!という風にしない限り無理。
地域枠こそ、地方大学から東京や大阪の大病院に1年以上国内留学に行けるエリートコースにして、成績が良ければ僻地勤務は短縮してアメリカ留学可能とかそ ういう風にもっていくベキで、小学校の給食を残したばっかりに「罰当番」で放課後に居残りでどさ回りをさせられたら・・・普通どうですか?
要は、「僻地医療」が大切だと思うのなら、医学生のうちに、ウィンタースポーツが好きな北海道の夕張に1ヶ月、マリンスポーツが好きな学生には沖縄の離島に1ヶ月、あるいは海外が好きならオーストラリアの僻地医療(空飛ぶ医師 フライング・ドクターl)の研修といった具合で、学生実習でさえも、お好みでやれる風にプログラム組み替えてください。なら自分は行くな・・・w
要は、先ににんじん(奨学金)だけじゃなくて、国内外の地域医療の現場に触れる体験するチャンスを増やすためのプログラムとしておく必要がある。お金はどちらかというともっと少なくてもいい。
でも、学生時代にむしろ先進的な地域医療を実践している地域に生かせてもらえたり、海外留学コースだってありだろう。
実際に鴨川にある亀田病院のようにお世辞にも都会とは言えないところに医師はどんどん集まる。そういう風にしていくことが必要で、逆に「足りない」からお いでおいでではなくて、「やる気のある奴しか来るな!」になっていくためには、そういう人が出てくるようにしないとダメでしょうなぁ。
金で釣られる人は期限が切れたらどっかに行きますから。はい・・・普通でしょ。逆に地域医療をワクワクドキドキしながら体験した人を作って行くためにもう少し工夫が欲しいところですね。
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医学部の地域枠、16大学定員割れ…読売調査
読売新聞 2010/8/17
地域の医師不足解消を目的に、ここ数年急増した医学部の地域枠が、16大学で2010年度、定員割れだったことが読売新聞の調べでわかった。
地域枠全体の定員から見ると9割以上確保できたが、地域によって明暗が分かれた。
地域枠は主に、地元出身者を対象に推薦などで選抜し、奨学金と引き換えに一定期間の地域勤務を義務づける場合が多い。文部科学省によると、07年度には 79大学中21大学(定員計173人)だったのが、地域の医師確保策として、10年度には(入学後に希望者を募る方式も含む)65大学(同1076人)に 急増。医学部の全入学定員(約8800人)の1割以上を占める。
調べでは10年度、16大学で募集定員に満たず、不足分は計80人だった。不足 分は一般枠の合格者を増やすなどして対応していた。長崎大では5人の地域枠に3人しか志願がなく、合格者はゼロ。宮崎大では10人の枠に24人が志願した が、センター試験の成績が合格ラインに達せず、合格者は2人だった。定員通りの合格者を出したが、入学を辞退され結果としてゼロという大学があったほか、 定員には達したものの、合格後に奨学金を辞退した例のあった大学が複数あった。
入学定員(約110人)の半分近くを地域枠に充てている旭川医大は、募集50人に合格者は22人だった。吉田晃敏学長は「地域枠は、地元の学生を大切にしているメッセージとして意義がある。今後も続けたい」と、11年度から合格基準を引き下げて確保に努める考えだ。
医学教育に詳しい平出敦・近畿大医学部教授は「入学前に地域勤務を約束させるより、入学後に地域の現場を体験させて、希望者を育てることが大切ではないか」と指摘している。
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【広島】受験生増へ行脚 広島大医学部「ふるさと枠」 高校訪問、制度を説明
朝日新聞 2010年8月20日
広島大学医学部がこの夏、推薦入試の「ふるさと枠」の受験生を増やしたいと、県内の進学校を行脚している。奨学金が支給される代わり、卒業後は一定期間、医師不足の地域や診療科で働く「ふるさと枠」。学校や生徒側が持つ誤解や偏見を解きたいという狙いもある。
7月下旬、東広島市の県立広島高校で、「ふるさと枠」の説明会が開かれた。
「ふるさと枠ができて2年目。いろんな誤解があるようです」。生徒や保護者ら18人を前に、医学部地域医療システム学講座の竹内啓祐教授が切り出した。
「普通の医学部入試で入った場合と、ふるさと枠で入った場合は、勉強内容が違う」「卒業後は田舎で地域医療ばかりやって、海外留学もできず、専門医にもなれない」。そんなうわさがあることを紹介し、「学生の間はまったく一緒。卒業後も実質4年間は中山間地に行ってもらいますが、田舎でずっとやらなければいけないわけではありません」と強調した。
学校を直接訪問し、生徒らに説明する機会は、ふるさと枠の入試が始まってから初めてだ。背景には、毎年定員が増えているのにもかかわらず、受験者数がそれほど伸びていない現状がある。
ふるさと枠の学生には、医学部に在籍する6年間、毎年240万円、総額1440万円の奨学金が支給される。代わりに卒業後12年以内に、臨床研修2年を含 む通算9年間を県内の医療機関で過ごし、うち4年間は医師の少ない中山間地の公的医療機関や、知事が指定する医師不足の診療科で働くのが条件だ。
1年目の2009年度入試では、定員5人に対し31人が志願。今年度は定員が10人になったのに、志願者は23人にとどまった。来年度入試の定員はさらに 5人増えて15人になる。だが、前年は生徒の推薦があった進学校の中には、今年度入試の推薦者がゼロだったところもあった。竹内教授らが今回直接PRに 回っているのは、そんな高校だ。
大学の説明を直接聞いた生徒の反応は悪くないという。説明会に参加した広島高3年の兼好(かねよし)健太さん (17)は整形外科医志望。「ふるさと枠を卒業して働いている人がまだいないので具体的なイメージはわかないが、趣旨としてはよい制度。こういう機会をぜ ひ利用したい」と話した。(錦光山雅子)
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などで小樽はいつもすばらしいネタを提供してくれます。いつも不思議に思います。病院の建物さえ新しくすれば、病院経営が復活するなんて保障はありません。
公立病院が、事業として失敗して、毎年10億円以上の欠損金を出すのは公営ギャンブルと同じで、必要性を見直す必要がないのか?
自治体病院は必ず残さないと行けないのではなく、地域全体でどの病院が将来残すべきかを考える時代が来ているはず。
おんぼろ病院でも、きちんと研修が出来るような地域の拠点病院であれば選ばれます。単に地元の住民から「あそこは古くてね〜」て声があるかもしれませんが、女房と畳は新しいほうがよい
じゃありません。
「新病院の計画では、入院患者数は344人 /1日で90%の病床利用率という設定」「一般病床は300床で、脳外、心臓手術もでき、精神もあるという公立病院」
はぃはぃ。小樽市立病院、実は通りを挟んで真向かいに協会病院もあるし、別にそういう設定を地元の民間病院になってくれたらそっちに補助金つけて、赤字の市立病院を閉鎖したらいいと思います。
小樽が病院を続けたがるのは、たぶん、これからは政治的な問題です。
解散したら高 額所得者でもある、病院の職員(公務員の皆様方)の退職金が払えない・・・それで市の財政が破たんしたらみっともない。それならハコモノを作るお金が借金 できるうちに借金をして(特例債発行で7年先に繰り延べ)、新しい病院を建てて(←今ここを議論中)、もうちょっと続けよう・・・。
そのために税金を使い、将来の市民に借金をおしつけようということです。
自治体って無責任やなぁ・・・です。というか、総務省は破たん懸念先のブラックリストに載っているこの夕張の後追いをしそうな自治体の無軌道ぶりを放置プレイという可能性はありますね。ま、北海道全体が旧炭坑地域でリストラが出来てなかったり、産業育成が第一次産業が中心で厳しいのは事実ですが、ハコモノは作ったら続けて行くという不思議な日本の縮図が見えます。
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【北海道】新市立病院に危機感 医師会と病院局が公開討論
小樽ジャーナル 2010/08/18
小樽市医師会(津田哲哉会長)は、8月18日(水)18:30から経済センター(稲穂2)で、小樽市病院局(並木昭義局長)と「新市立病院計画」について、初の公開討論を行った。
今回の会合は、医師会と小樽市議会、報道機関に限り、公開で行われた。医師会からは、津田会長をはじめ、近藤真章・阿久津光之副会長、大庭久貴・外園光 一・髙村一郎理事、病院局から、並木局長をはじめ、鈴木隆・馬渕正二両院長、事務局などが参加。市議会議員と市内医療関係者合わせ約30人が傍聴に集まっ た。
冒頭、津田会長は、「病院局と話し合い、今回は市議会の先生方と報道関係、医師会の先生方に話を聞いてもらうことで公開することになりました。平成16 年から市病院当局と話し合ってから随分経っております。今日我々は、調べてきたことを出して、それに沿って話し合うことも初めて。十分な討論をしたい」。
並木局長は、「我々は医療者でして、小樽市民のためにディスカッションをしていく。建設的な意見を交えたい。小樽の地域の医療をどうやっていくか役割分担がありますので、そういったことを明確にしながら話し合っていきたい」と挨拶した。
医師会から、「新市立小樽病院計画概要問題」とされる資料が出され、新市立病院と小樽市の財政問題、再編ネットワーク化協議会、新市立病院の病床数、夜間急病センターと2次転送の4項目について討論が行われた。
大庭久貴財務担当理事は、過疎債導入の実現性・決定時期、起債償還見込み、新病院の収支試算、入院収益の算定根拠などについて質問。「新病院の計画では、入院患者数は344人 /1日で90%の病床利用率という設定だが、道内の自治体病院みなさん苦労しており、だいたい平成19年度で70.7%。小樽もしかり。とても90という算定で試算を出すのは信じられない。70%とか、60%とは言わないが、いくつかの試算を出した方が良い」と指摘した。
病院局・小山秀昭次長は、「新病院計画では、現在の市立2病院の入院患者数367人よりも少ない344人と見込んでいるので、病床利用率を90%以上の 設定に出来たがしなかった。新しく建てたところは80%、90%、95%なので、新病院では90%以上を目指したい」と答えた。
阿久津副会長は、再編ネットワーク化協議会、公立病院改革プラン、市立病院のベッド数について質問。「公立病院がなぜ破綻するのか、日本医療福祉建築協会の勉強会資料からですが、破綻する理由は、過大な建設費、それと高額な人件費、過大な建設がランニングコストの増加になり、病院の運営資金がショートし、小樽市も大丈夫なのか心配される。病院を新しくすれば医師が勤務してくれると、自治体関係者は誤解している。これは幻想に近い考え方である。大切なのは大きな負債をあまり背負わないで頂きたい。ベッド数を減らすか、建設方式の検討をもう一回して、もうちょっと安い単価で病院を建てて頂きたい。いくら過疎債がたくさん出るといっても、市民の血税が入る。毎年毎年10数億一般会計からお金が流れており、それは我々市民の血税。この街は過疎地になっているので、すべてを病院につぎ込むのではなく、市内でもっと必要なことはある。もう少しコストダウンするとか、病床数を減らすとかしないと納得出来ない」と指摘。
並木局長は、「これから10年ぐらいは高齢者が増えるので、病床数は下げられない。我々が建てるのは、一般病床は300床で、脳外、心臓手術もでき、精神もあるという公立病院。 こういった病院は、札幌市立は980床、函館780床、釧路643床、室蘭609床となっている。それを我々は300に落としているということを理解して もらいたい。今回、新病院の建設が政治的なことで遅れると、病院職員はもうボルテージを保てない。ぜひ、4年間で解決して欲しい」と述べた。
外園総務担当理事は、夜間急病センターと二次救急について、「このままでは内科、外科の救急は崩壊する。建物が良くなると医師が集まるではなく、良い医師、頑張っている医師のところに若い医師が集まる。内科、外科を頑張ってもらわなければ困るし、公的病院も困る。輪番制をつくりたいのだが、市立病院が中々加わってくれない」。
高村広報担当理事も、「市立病院とずれがあり、全く意見が違い、理解が違う。今まで、小樽市の中で、救急担当者会議に、市立病院から出してもらっていないので、話が進まない。まずは会議に出て話をしてもらいたい」とした。
津田会長は、最後に、「我々は市立病院を巡る一連の経過に大変強い危機感を抱いております。市立病院の建て替えは確かに差し迫った問題です。老朽化も著 しく、確かにこのままで診療を続けてゆくことは困難です。医師の数も次第に減少しつつあります。しかしそれだからといって建て直せばすべてが解決するのでしょうか。 私たち医師会は市立病院の建て替えに当たって少なくとも3点について小樽市との間に、小樽市民、公的病院および小樽市医師会の間で次のような点について合 意に達する必要がると考えております」と、「①診療所と病院、各病院間など医療機関間の連携を強化し、北後志も含めた実効性ある救急医療体制の確立、②内 科輪番制への参加、一般内科患者の二次救急受け入れ態勢づくり、③市立病院はコンパクトで安価な計画に練り直し、経営形態について民営化も含む抜本的な経 営改革をお願いしたい」の3点について提案した。
会合を終えた並木局長は、「お互い歩み寄ろうとしている。これからも市民のために検討していきたい。こういう場は続けていく」と感想を述べた。津田会長 は、「こちらもデータを出して意見を述べることが出来たので、今回は意義のある会合となった。10年近く議論を続けて初めてだ。今日の話し合いが、議会で どう取り入れられるか、多いに議会の責任もある」と話した。
新市立病院問題で、医師会が、市との会合で、今回初めて限定的ながら公開したことは、一定の評価がされるが、市民に広く公開していないという点では及び腰の姿勢が垣間見える。
医師会は、これまで、新病院問題で市との再編ネットワーク化協議会に出席し、意見を述べていた。しかし、結局、市長の新病院建設のために、医師会との協 議を行ったとの事実だけが市の逃げ口上の言い訳として取り上げられ、何の成果もないまま、市の豪華病院の建設計画を指をくわえて眺めざるを得ない状況に追 い込まれていた。
今回、初めて新市立病院について、「コンパクトで安価な計画」にすべきで、建設費、病床数、収支試算などを見直すべきとした点は注目される。しかし、市は、すでに再び基本設計を進めており、これまでの市長の姿勢を見れば、今回の討論での医師会の要望が、果たしてどこまで反映するかは極めて疑問とせざるを得ない。医師会は、新市立病院の見直しについて、広く市民の理解を得るべく、さらに行動する必要に迫られている。
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医師不足によって、現在、地方自治体の公立病院だけでなく、中小規模の民間病院も生き残りが難しくなっています。
もっとも、その中で民間病院の買収ブームも会ったかもしれませんが、数年前に
[[公立病院が売りに出される日]破綻した地方自治体]で、そのうち「セリングクライマックス(一種の投げ売り)が来る」なんて書いたけど、来ませんでしたね。
残念ながら買い手市場の中、新しい建物の病院なんかは売りに出ていなくて、中古でてこ入れが必要な、要は「負け組」が駆け込む訳で、そんな病院はやはり売却も困難な事情がいろいろ有るようです。
たとえば、「民間病院の整理統廃合のゆくえ」で舞台となった東京の民間病院は経営者による私物化、従業員の給料未払いなどがあり、そもそも売却する前段階でアリエナイ物件となります。
さて、ハゲタカさんの餌食になり、入院中の患者さんが閉鎖をきっかけに、移動の前後に複数お亡くなりになったという民間病院の実態については下記のリンクが詳しいようです。大田区の区議会議員であるいぬぶし秀一の激辛活動日誌にはいくつもその証拠がかいま見れます。
民間病院の経営者はどうしても、自らの姿を見誤るようです。特に自分たちの病院を売り渡すことについて、経営について私物化してたりして、放漫経営で借金まみれになると、安値で売ることに抵抗があるだけでなく、病床過剰時代、病院倒産時代になってもプライドが許さないようです。そんな病院のM&Aの環境で、正当な価格づけというのが難しいのでしょうね。
さて、国内最大の民間病院グループの徳洲会グループは、「平成21年6月に京都南徳洲会病院(仮称、京都府精華町)、22年は3月に成田徳洲会病院(千葉 県成田市)、6月に吹田徳洲会病院(大阪府吹田市)、8月には武蔵野徳洲会病院(東京都西東京市)を新たに開院する予定だ。
移転新築を予定しているのは、平成21年6月に八尾徳洲会総合病院(大阪府八尾市)、22年4月に湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)、同年の夏に茅ヶ 崎徳洲会総合病院(神奈川県茅ヶ崎市)となっている。」(H20年の記事で少しタイムスケジュールが遅れていますが、湘南鎌倉病院はこの9月に開院らしい です。
今後、病院の運営に行き詰まり、譲渡先すら見つけられない病院について、下記のように
「消滅するほかない」と、ある大手病院グループの幹部は話している。別のグループの幹部は、日本では病院の数がそもそも多過ぎるという受け止め方だ。「たとえ病院が3分の1減っても、日本の医療は機能すると思う」。
という意見に賛成です。逆に、町の八百屋や金物屋が消えて大型店になったりコンビニに置き換わっているのに、個人商店みたいな経営規模の小さい病院の淘汰が日本は遅れていると言われても仕方ないですね。
金融、建設、そして医療。どれも行政が絶大な指導力を1980年代までは発揮できましたが、今世紀に入り、大手13銀行が大手3行に統合が進んだように、ゼネコンも消えたり、統合が進んでいます。
病院もやがてそうなって行くのだろうなと思います。
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病院M&Aの最新事情(上) 最大手の徳洲会は買い控え
キャリアブレイン 2010/8/16
医療費が増え続けた一昔前、病院は高値で売買されたが、2000年代に入り、国が医療費抑制策に転じると、日本の医療界を取り巻く状況は一変した。低医療費時代を経た病院M&Aの最新事情を探った。(兼松昭夫)
■譲渡相談は老朽病院、中小病院が大半
全国で66病院や47診療所などを運営し、日本最大の病院グループとして知られる徳洲会―。近年では、長期入院患者の受け皿になる慢性期病院などから譲渡の相談が数多く持ち込まれるが、同会では基本的に病院の買い取りには慎重なスタンスだ。
中川和喜事務局長によると、地域にほかの医療機関が少なかったり、徳洲会以外に買い手がなかったりする場合には、運営継承を前向きに検討する。しかし、 話が持ち込まれるのは、ベッド数が少なかったり、病棟が老朽化したりした中小病院が大半だ。中川氏は「たとえ黒字経営の病院を譲ると言われても、慎重に検 討する」と話す。
例えば病棟が老朽化した病院を引き受けても、黒字経営を維持するのが難しいからだ。医療法では、病院のベッド1床当たりの面積を6.4平方メートル以上 にするよう求めているが、古い病棟にはこの基準をクリアしていないケースも多い。買収後に病棟を建て替えて基準を満たそうとすると、ベッド数を減らすか、 新たな土地を確保する必要があるのだ。
建て替えが必要な病院をグループ内に抱えているという事情もある。建て替えに伴う膨大な出費が見込まれるため、新たな買収には慎重にならざるを得ない。
今年3月には、静岡県牧之原市と吉田町が運営していた「榛原総合病院」(408床)を指定管理者として引き継いだ。公立病院の運営を徳洲会が引き受けるのは、今回が初めてだ。
榛原総合病院は医師不足や経営難から運営に行き詰まり、運営を引き継ぐよう自治体側から要請があった。これを受けて徳洲会は、▽ほかに引き受け手がない ▽同病院に代わる医療機関が地域に少ない▽自治体や住民が病院の存続に意欲的▽病棟が比較的新しく、ベッド数も多い▽院長をはじめ勤務医が協力的―などの 要素を考慮して継承を決めた。
榛原総合病院の再建が軌道に乗れば、自治体から公立病院の運営を求められるケースが増えると中川氏はみている。民間病院の買収とは違い、公立病院の運営 を指定管理者として引き継ぐ場合には通常、譲渡先の費用負担はほとんど発生しない。しかし、それでもなお、すぐには引き受けに踏み切れない。運営の継承を 決めたものの、仮に勤務医やスタッフの協力が得られなければ自力で確保せざるを得ず、大きなリスクを伴うからだ。
■大手グループ幹部「病院多過ぎる」
埼玉県などで22病院を運営する上尾中央医科グループ(AMG)は08年、「埼玉草加病院」など2病院を運営する医療法人を丸ごと傘下に加えたが、それ以降は目立った動きがない。
AMGには、取引先の銀行などから病院譲渡の相談がコンスタントに持ち込まれるが、徳洲会と同様、経営難や後継者不在で自力再建が困難なケースが大半 だ。地域にほかの医療機関が少ないなど、住民のニーズが特に大きいと考えられる場合には、引き継ぎを前向きに検討する。しかし、実現するのは一握りにすぎ ない。
近年では、ほかの大手グループの動きも軒並み低調だ。これは、▽内部に建て替えが必要な病院を抱えている▽引き継ぎ後の黒字転換が見通せない―といった要素が足かせになっているケースが多いとみられる。
現行制度では、病院などが設置できるベッドの総数は、「基準病床数」として各都道府県が地域ごとに設定する仕組みになっている。このため、実際のベッド 数がこの基準に達した「ベッド過剰地域」では、新規参入自体が難しくなる。こうした中で、都道府県から設置認可を受けた病院の「許可病床」が既得権益と化 し、医療費が増え続けた一昔前には、病院が丸ごと高値でやりとりされた。
ところが、国が2000年代初頭に医療費の抑制に乗り出したころから状況は一変したと、関係者は口をそろえる。AMGの宮坂俊弘総局長は、「今はそういう時代では百パーセントない」。徳洲会の中川氏も、許可病床の価値は「あまり評価しない」と話す。
運営に行き詰まり、譲渡先すら見つけられない病院は「消滅するほかない」と、ある大手病院グループの幹部は話している。別のグループの幹部は、日本では病院の数がそもそも多過ぎるという受け止め方だ。「たとえ病院が3分の1減っても、日本の医療は機能すると思う」。
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病院M&Aの最新事情(下) 中堅グループに活発な動きも
キャリアブレイン 2010/8/17
大手グループによる動きが低調な中、病院や診療所のM&Aを仲介する関係者の間にはなお、M&Aが今後も増えるという見方がある。医療系のコンサルタント「メディヴァ」(東京都世田谷区)の小松大介コンサルティング事業部長は、最近では中堅グループによる病院買収が活発だと感じている。
実際、積極的にM&Aを展開しているグループや医療法人もある。大阪や神戸など関西地方で展開する錦秀会グループでは、医療法人や財団法人を相次いで引き継いでいる。青森や宮城、福島など東北地方を拠点にする南東北グループの医療法人財団健貢会は今年4月、社会福祉法人慈生会が運営する東京都中野区の「慈生会病院」を引き継ぎ、「東京病院」として再スタートさせた。
民間以外では、静岡県賀茂地区の1市5町による「共立湊病院組合」が7月1日、同病院の新築移転に伴い2012年にオープンする新病院の指定管理者に、神奈川、埼玉両県で3病院などを運営する社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス(神奈川県海老名市)を決めた。
■リーマンショックの影響も
メディヴァでは病院や診療所、介護施設のM&Aの仲介を07年に始め、今年6月現在、売り物件30件、買い物件10件ほどを抱えている。中には、「リーマンショック」の影響を受けた再生ファンドがいったん手に入れた病院の放出に踏み切り、従来のオーナーが買い戻そうとする象徴的なケースもあるという。
「有力な病院が資本をより大きくして生き残ろうと、M&Aを行うケースが増えている」と小松氏は話す。
医業経営コンサルタントの松田紘一郎氏は「最大手のグループは、巨大化した組織を効率化させる段階に入った。これに対して中堅グループは、依然として拡大路線を取っている」。両氏は共に、M&Aを背景に病院の集約化が今後、進む可能性があるという見方だ。
一般企業や医療機関のM&Aを仲介する「日本M&Aセンター」(東京都千代田区)の分林功(わけばやし・いさお)医療・介護支援室長は、「今は病院オーナーの世代交代の時期」と分析する。病院経営に見切りを付けてリタイアを希望したり、親族への継承を断念したりするオーナーも多く、今後も譲渡を試みるケースが増加すると分林氏は予測している。
医療機関が少ない地域で存続に一役買えるなら、病院のM&Aは住民にとっても歓迎すべきことだ。ただ、実際に契約成立にまでこぎつけるのは簡単ではない。病院が取引する銀行などから頻繁に譲渡の相談を受けるが、同センターの仲介で譲渡契約が成立するのは年に数件にすぎない。病院のM&Aには特有のやりづらさがあるという。
そもそも、医療法では剰余金の配当を禁止しているため、営利企業による医療機関の経営参入は難しく、一般企業に比べて譲渡先が限定される。ところが、病院のオーナーは「好条件」での譲渡を主張するケースが多く、これが交渉を一層困難にしている。
同センターの評価とけた違いの金額での譲渡を主張したり、従来のオーナーの報酬を譲渡後も高く要求したりして、契約寸前で破談に追い込まれるケースもあるという。
分林氏は「M&Aではタイミングが最も大切。無理を主張し過ぎると、ただでさえ数少ないチャンスを永遠に逃すことになりかねない」と話している。
■M&Aに失敗するケースも
松田氏は「病院の5年後のビジョンを明確に描けなくなったらリタイアを考えるべき」と話す。同氏は売り手、買い手、地域住民がそろって納得できる「三方よし」のM&Aを提唱するが、実際には失敗するケースも少なくない。厚生労働省が病院の売買を公式には認めていないこともあって、「医療コンサルタント」を名乗るブローカーが暗躍しやすいという。安易に譲渡を試みてブローカーの介入を許し、病院が存続できなくなるケースすらある。
松田氏によると、▽「何でもお任せください」などと安易に話す▽「留学経験がある」などと検証しにくい経歴を並べる▽特定の活動拠点が不明確だったり、連絡先の電話番号がすぐに変わったりする▽意味もなく他者を誹謗中傷する-といったコンサルタントは要注意だという。
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