DPC病院というのはあまり患者さんには関係がないように思われますが、病院経営者にとっては大きな問題です。

 医療費の請求の仕組みで、従来は「出来高」だったのが、疾患区分別に分類される「定額制」の医療費へと仕組みが変わってきています。もう2002年に大学病院からはじまってもう8年。

 日本全国の急性期病院といわれる大病院、大学病院の大半はこちらになっています。

 今後、淘汰されるといわれる入院病床ですが、DPC病院というのはその中でも、生き残れる可能性がある病院です。

 したがって、DPC病院以外はどうなるかはまだ未定です。

 もっとも、今までのように不透明な医療で「投入した資源」と「結果」の評価が出来なかった時代は終わり、やがて「医療の質」 で医療費の支払いも変わって行くように思いますが。

 要は、病院として生き残るためには「機能評価」されるということです。あの「医療評価機構」によるあいまいな機能評価ではなく、通知表のように数字で評価される時代になってきているのです。


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「機能評価係数が低い病院は急性期としての存続に再考が必要」
国際モダンホスピタルショウ「新係数下のDPC病院と医療の質」

M3.com 2010年7月26日 村山みのり(m3.com編集部)

7月15日、国際モダンホスピタルショウ2010において、ホスピタルショウカンファレンス「新係数下のDPC病院と医療の質」が開催された。小川信彌・東邦大学医学部外科学講座心臓血管外科教授、松田晋哉・産業医科大学医学部公衆衛生学教授、多治見司・九州厚生年金病院院長の3人が2010年度の診療報酬改定で新たに導入された機能評価係数の意義と、急性期病院に望まれる対応、今後の方向性について、講演とパネルディスカッションを行った。

■「病院機能のフル活用が重要」
小川氏は、調整係数・機能評価係数について、「単なる前年度収入の保証だけではないコンポーネントを含んでいるのではないか」と指摘。2009年度における調整係数の平均値が、2003-2004年度新規DPC対象病院、2008-2009年度対象病院では、約10%違うことを示し、「同じ医療行為を行っても10%の差が出る。両者の違いを考えると、DPC開始当初は大規模病院が多かったが、最近は100床未満などの中小病院が増えている。つまり、この差は病院の機能を評価したものと言えるのではないか」と推論し、今後の「基礎係数」の議論が注目されるとした。
その上で、小川氏は「DPCの落とし穴」として、入院中のコスト削減を目的に検査等を外来で行う傾向が進むと、今後その検査が「入院医療では必要のない検査」と評価されるようになり、またその病院は「当該検査を行う機能を持っていない病院」と評価される可能性があると説明。そのような事態を避けるために、入院医療において必要な医療行為は入院医療で適正に行い、病院機能をフルに使っておく必要があり、またそれは今後機能評価係数によって評価されるはずであると主張した。

 
機能評価係数における今後の検討の方向性としては、(1)医療全体の質の向上(透明化・効率化・質の向上):すべてのDPC対象病院が対応すべき方向性(診療内容の透明化に資するデータ提供の努力、主体的なベンチマーキングおよび目標設定による医療の質的改善努力、ガイドライン等を参考とした標準化への努力)、(2)社会的に(地域で)求められている機能の評価:それぞれの地域において実現が求められる医療の方向性(それぞれの地域において各急性期病院が担うべき機能、地域単位での医療資源配分最適化、4疾病・5事業等における病院の実績)、(3)包括支払額と投入資源量の乖離の補正、を挙げた。
「機能評価係数が低い病院は急性期病院として機能しているか再考が必要」
松田氏は、「日本の医療制度の根本的問題点は、適正な医療提供体制を構築するためのガバナンス機能を持つ公的組織がないこと。そもそも客観的な議論をするための情報がなく、ミクロ・マクロ両面での“医療マネジメント”がなかった。結果として、医療資源の配分に大きな地域差・診療科間格差が生じており、機能分化も進んでいない。この問題を解決するためには客観的情報に基づく知的な議論が必要であり、
DPCはそのためのツールの一つ。今年4月の改定で新たに設定された機能評価係数2は、医療提供体制の構造改革のインセンティブになると予想される」と指摘。
「機能評価係数2」とは、データ提出係数、効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、地域医療係数、救急医療係数、の6種類。DPC導入による医療の透明化・効率化・標準化・質の向上等、患者の利点・医療全体の質の向上が期待できる取り組みや、DPC対象病院として社会的に求められている機能・役割、地域医療への貢献などを評価することを目的に導入された。
今後、地域における医療需要の動向を踏まえた医療機関の機能・位置づけの明確化が重要になる中、松田氏は「カバー率係数」「複雑性係数」について、カバー率の高い病院は、多様な病気の診療に対応できるだけの人的資源や設備を有している(必ずしも現行の出来高ベースの診療報酬ではカバーしきれない)、カバー率は低くても、特定の診療領域で重症患者を扱う病院群(専門病院など)がある、との側面を評価したものであると解説。効率性・複雑性・カバー率すべての係数が低い病院は、地域において急性期病院として機能しているのか、また今後もそのままの姿で存続することを求められているのかを再考する必要があるとした。
松田氏は、医療計画とは「地域の医療機関と地域住民との間の“社会契約”のようなもの」と説明し、医療機能の「見える化」により、透明な情報をベースにした医療への資源投資に関する国民の合意がなされるべきであること、今回改定で導入された係数は暫定的なものであると考えられ、今後導入効果検証などを踏まえつつ、より医療機関の機能分化・医療の質改善へのインセンティブとなる仕組みの構築を進めるとした。

■「DPC下での収益悪化要因は病院の診療能力を反映」
多治見氏は、「新係数下のDPC病院と医療の質--病院管理者の立場から」と題し、DPC参入(2006年度)後の九州厚生年金病院での収益改善の要因として、クリニカル・パスなどによる診療の標準化・効率化、診療内容に即した請求の実現(診療内容チェック・適正病名付与の徹底、詳細不明コード率目標10%以下)などを挙げた。一方、DPC制度下での収益悪化要因は、無駄な検査・治療の実施、入院(手術)後の重大な続発症、不適切な患者管理、評価の低下による患者数減少・病床利用率の低下などであり、「これらはすべて病院の診療能力(質)を反映している。すなわち、診療の質が向上すれば収益は改善する」と主張。
また、今回の改定では小児・周産期・救急など、これまで経営的に不利であっても地域において求められている医療を提供してきたことが評価されたとして、「DPCだからといって特別なことは必要なく、急性期病院としてなすべき医療を提供することが重要。具体的には、質が高く効率的な医療の追求・継続、正しい情報の管理・活用、無駄の監視・削減と必要な資源の投入、連携の強化など。DPCはそのための道具として大変有用だが、目的ではない。医療の質と経営の安定は表裏一体だ」と述べた。

■「データ分析・活用能力が不可欠」
引き続き、演者3人により行われたパネルディスカッションでは、新機能評価係数により現在急性期医療・DPCが抱えている課題が解決されるかについて議論された。
 松田氏は、「今回の改定では、どのようなことを評価していくかの方向性を、一定の根拠を持って示すことはできた。具体的な内容は、今後精緻化していく。議論が足りなかったと思うのは救急。救急で運ばれた患者の重症度、特性により医療資源投入が違う。この点をもう少し踏み込んで評価できれば良い。また、周産期をもう少しきちんと評価したかったが、これについては分娩数が分からないことが一番大きな課題となっている。今後より踏み込む必要があるのはICU、NICU。どのような医療を行っているか分からないので、中身に合わせた評価ができていない」と指摘した。医療機関からの提出データに不整合がある場合があるとして、コーディングの正確性、提出病院が説明責任を持つことへの評価についても「今後2年間で議論を進めたい」とした。
今改定では、患者の基本的な疾病情報・診療情報を記載する「様式1」などで提出すべきデータの項目が拡充され、医療機関からは負担増を指摘する声も上がっている。多治見氏は、「データの活用、収益への反映は十分にできていない。また、データのチェックには医師の視点が必要で、医事課の職員では難しい。病院上層部が自分でデータを分析できることが重要だ」とした。
松田氏は、「様式1の内容は退院サマリー。日本は退院サマリーの様式化・統一が全く進んでいない。これは本来日本医学会が中心となって取り組むべき。統一されれば、それが様式1となり、そのユーザビリティーがとても上がる。これは大規模臨床研究にもつながる。臨床医も、自分が研究に使えるデータになるので、さほどの負担感はなくなるのではないか。そういう視点で考えてほしい」と要望した。また、記載項目に郵便番号が追加されたことにより、その病院の実際の診療圏が分かるようになり、これは今後地域医療指数に反映され、病院にとってもメリットがあるとした。
また、松田氏は、院内の連携の評価も進めるべきであるとし、「がん患者、脳梗塞後のうつ、救急外来などに、精神科の医師がきちんと関与できる病院、糖尿病患者の増加に伴い、院内コンサルタント的に動く糖尿病医、内科系医師の技術料評価なども考えていかなければならないだろう」と指摘。小山氏は、「看護師の役割拡大が議論されているが、今の看護師数からいくとなかなか難しい。そこで薬剤師の活用が期待される。病棟に2人程度の薬剤師を配置し、点滴を含め、薬に関する仕事は全部やってもらうなども考えられる」とし、今回改定で見送られた病棟薬剤師の評価が注目されるとした。
多治見氏は、「DPCのために何かを変えるのは止めたほうが良い。診療の能率向上、患者のため、を最優先にすべき。DPCだからという考え方は、最終的に自分たちの首を絞めるようになる。基本的には急性期病院としてやることをきちんとやっていれば、DPCのメリットを生かして経営は良くなる。必要なことは堂々と要求していく姿勢の方が重要だ」と指摘。松田氏も、「今までは制度に振り回される部分もあった。データは提出するだけでなく、自院で分析・活用できなければいけない。その体力を2年以内につけていければ、急性期病院については今後も心配はいらないのではないか」と展望した。

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 ということで、下記のようなイベントがあるようです。現時点では、急性期病院しかDPCになっていませんが、いずれはAll包括、つまり入院についてはほぼDPCになると思えば無意味じゃないと思います。

 

 そしてDPC病院以外でありつづけるためには、その可能性きちんと追求し、それに相応しい変化をしないとならないでしょうね。

 

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 DPCを実施する病院が増え、DPCデータを病院経営に活用する機運が高まってきました。DPC実施病院においてDPCデータが病院経営に実際に 活用される、されない を決める最重要因子は、トップがDPCデータの活用方法を理解し、データが指し示す望ましい方向に病院を変えていく決意を持つこと です。
これからの病院のトップは、必ずしも自らデータの解析を行う必要はありませんが、データを読み解き、病院を変えていく方法を自ら考える能力を身につける必要があります。
DPCデータの使用に関するセミナーが開催されることが多くなりましたが、これらのほとんどは、病院のDPCデータを扱う職員向けのものであります。病院 の院長・理事長が必要とするDPCデータ活用のための知識やノウハウは、当然のことながら、病院のDPCデータを扱う職員が必要とする知識とは異なりま す。

このたび国際医療福祉大学では、DPCデータを経営に活用することに興味のある院長・理事長のためのセミナーを開催します。
(日時)2010年8月29日(日)12時から16時(昼食を取ってきてください)
受付開始 :  11時~ 
(場所)東京青山 国際医療福祉大学青山キャンパス
住所: 東京都港区南青山1-3-3 青山一丁目タワー 5階(ホール会場)
TEL: 03-6406-8621
(参加資格)DPCデータを経営に活用することに興味のある院長・理事長、経営担当副院長、経営本部長など、病院経営に直接関わっている方。(必ずしもDPC病院の経営者である必要はありません)

(参加費用:資料代込み)          

日本DPC協議会に参加している医療機関の上記該当経営者    3,000円
上記以外の医療機関の上記該当経営者           10,000円
※ 参加費は、当日受付となります。

(定員)80名

(講義内容)

12-13時50分:「DPCの支払い方式を肌感覚で体験できる講義」
講師 高橋泰      

14時-16時「DPC公表データを経営に活用するコツを会得するための演習」
講師 高橋泰

 (申し込み方法)リンク先の「申込用紙」に必要事項をご記入の上、FAX(03-6406-8622)もしくは、メール添付にてお送りください。

【お問い合わせ・申込書送付先】 お問い合わせの際は、必ず講座名をお伝えください。

公開講座のお知らせ「院長・理事長のためのDPCデータ活用塾」(PDF)

 

 

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