自分もとっくの昔に勤務医を辞めてしまっているので、「お疲れ様」という気持ちとともに、「今から開業して大丈夫?」というちょっと心配になります。
もちろん、高齢者が増えるので、整形外科や内科など慢性疾患を外来で通院治療するニーズは増えていくので、開業していくというのは大半がシルバービジネスぢゃなかった、そういうお年寄り向けの診療所が大半です。(小児科で開業したってのはあまり聞かないです)
さて、ここに厚生労働省が昨年9月に発表した「平成19年度国民医療費の概況」という統計があり、外来診療と入院診療の数字についての診療種類別国民医療費があります。
「診療種類別にみると、一般診療医療費は25兆6418億円(75.1%)、そのうち入院医療費は12兆 6132億円(36.9%)、入院外医療費は13兆287億円(38.2%)となっている。また、歯科診療医療費は2兆4996億円(7.3%)、薬局調 剤医療費は5兆1222億円(15.0%)、入院時食事・生活医療費は8206億円(2.4%)となっている。」
グラフにすると、こんな感じ。

この数字を見ると、病院勤務医16万人、開業医10万人とすると、ちょっと入院医療費の割合が少なめに思われます。
もちろん、ここ10年の経過を見ると、この数字は変化それほどしていないようです。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/03/kekka4.html

ただ、入院外医療費は開業医の先生だけではなく、病院にもいくので、このあたりが割合でどう変化しているかというと・・・
この間に、開業医は平成15年から20年については数字を江原先生の論文「勤務医・開業医の比率に大きな変化はないが,勤務医の勤続年数が減少している」からいただきました。
これを見ると、5年で、5%増とみなすこともできます。このペースでいくと、医療費に占める割合は増えずに今後、食い合うことになると思います。
単なる2週間ごとの再来くすりのみ処方といったパターンは徐々に減ると見ています。これは政府の方針からしても、地域医療貢献加算がいわゆる夜間などの非常時の対応ができていれば、請求できます。しかし、そういった対応をしなければ引き下げになったことからも確かな方向性を確認できます。
今後、外来診療で必須のもの(在宅診療、救急対応)など付加価値の高いものはいいでしょうが、そうではなく単に昔ながらのビル診などはつらい目に遭うのは間違いなさそうです。
さて、タイトルの「ゆで蛙」はこのまま「ぬるま湯」のまま政策が行くのならいいのですが、今後の保険財政の厳しさを勘案すると、そうではないのではないかという考えです。
日本のコンビニの軒数が42000軒ほどで頭打ちになったようです。その代わりに、海外進出強化というのが日経新聞に出ています。
ふと思いました。歯科医院が多すぎて過当競争で年収300万円とかであえいでいるのに、なぜ、開業医院は困っていないのか?
すでに10万軒あるとしても、これまでのように医療費が抑制だったときでも引き下げられなかったのに、今回の 0.19%とはいえ、ほぼ10年ぶりの診療報酬では外来部分は400億円しか引き上げられず、ほとんどが4400億円は入院部分(特に救急、外科、産科) に振られたように、今後、外来部門に光が当たる可能性は低いです。
この中で、相変わらず開業医シフトが起こり続ければ、食えなくなる可能性があります。そして、2012年度の 改定で、さらに病院も厳しくなる可能性があります(消費税問題とかはなくても)。今後、病院も生き残り競争ですが、開業医こそ、コンビ二が一軒つぶれても 誰も困らないように、医療のサービスプロバイダーとして
他の競合する開業医とは差別化したり、病院と連携をきちんとしない医院は徐々に淘汰される時代に入るのではないかというのが予想です。
というか、診療所の年商はコンビニ1店舗と同じだそうです。それだけ小さい経営規模だと、人件費を下げられませんし、購買部門の統合を図ったりIT化による効率化には限度があります。
おそらく、今後は急性期病院や回復期病院と連携をしていかないと、厳しい時代になると思います。
すでに患者さんを獲得してきた既存先生とは異なり、新規の開業医ほど厳しい時代になったと感じるのではないでしょうか?
国民が毎日使うコンビニが日本中にあっても4万軒なのに、健康な人なら年に1度か2度しか利用しない診療所が10万軒もあるというのが、そもそも「供給過 剰」ではないか?という見方もできますが、その中で生き残るのは「戦略」を持ち、行政や地域住民の求める新しい形の医療提供者になった先生だけのように思 いました。
コンビニ、アジア店舗数2.5倍 15年度末
ファミマは1万5500店に 国内飽和で海外出店加速
日本経済新聞 朝刊 2010/7/17付
コンビニエンスストア大手4社のアジア店舗総数が2015年度末に、約2.5倍の2万4000店に増える見通しだ。出店ペースを従来の3倍に加速し、現 在の4社の国内総数の約75%に当たる店舗網を築く。ファミリーマートは中国を中心に1万5500店へ倍増、ミニストップは3倍にする。効率的な運営モデ ルを確立した日本のコンビニは海外でも競争力があり、高成長の続くアジアで需要が急増。国内市場が飽和に近づく中、ノウハウを活用して事業を急拡大す る。(日本のコンビニ市場は総合面「きょうのことば参照」)(中略)
コンビニは1960年代に米国で急成長したが、70年代以降、日本では商品の仕入れ・配送から販売・顧客情報の管理まで一元管理する仕組みが確立され、店舗が急拡大した。順調に市場が拡大してきたが、国内店舗数は4万2000を超え、既存店売上高も5月まで12カ月連続で前年比マイナスと伸び悩んでいる。
国際通貨基金(IMF)の経済見通しによると、10年の実質成長率は世界経済4.6%に対し、アジアは7.7%と高水準を維持。アジアは人口増と都市化に伴って長時間営業で身近なコンビニ需要が急増。小規模な商店が多く、FC加盟店を広げやすい素地もある。
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