昨日の「医療界にサードインパクトは来るのか?」にしても、ある程度、皆様は予測されていると思います。

 

 訪問してくださってる方たち(厚生労働省や内閣府といった霞ヶ関方面の方にも来て頂き、ありがとうごございます)は、間違いなく答えを知っておられると思います(「医療補完計画」ならぬ「医療改革」と言う名の「医療崩壊」の原作シナリオはそちらですし)。

 

 「医師の偏在」を厚生労働省とダッグを組んで常に唱え続ける「日本医師会」が医師が偏在しているはずの東京周辺でも「首都圏の病院でも医師不足深刻 自治体、“卵”から確保」のような報道があるにもかかわらず、相変わらず、誤った認識のご意見(医学部定員「当面維持を」—日医が改めて見解)を言い続けることで、このままで行くと、行政や国民、そして勤務医や医学生の信頼をも失ってしまうだろうな・・と思います。

 

今後は国内での人口減少が進むため、既存の医学部で「かなりの定員増加に対応できる」まぁ、寝言にすぎません、これから15年間で、年間に死亡する患者数が1.5倍に増えます。そのソリューションがこれ(医師の不足,偏在の是正を図るための方策─勤務医の労働環境(過重労働)を改善するために─その1その2)ですか?(さて、10年後、団塊の世代の患者さんは最後をどこで診てもらうのでしょうか?)

 

 さて、昨日の続き・・・病院経営アドバイザー(医師)の方への質問と答えです。

Q:「日本全国で8600施設の病院があります。(税金で支えられる)公立病院の1000施設は除くとして、約7600の民間病院があります。駆け込み増床などがあった1980年代の設備更新が間もなく近づいており、資金調達が必要になります。
一方、
多くの小規模な民間病院が院長先生や理事長先生などの個人保障で銀行から数億~10億単位で借金を抱えています。今後、(資金調達難に遭遇している)民間病院はいくつまで再編されると思われますか?」

 

A:「アメリカよりは少なくなることも勘案して4000くらいだろうと回答されました。

 

 ただし、その後に、「すべての病院が消えるのではなく、合併、統廃合、施設への転換もありえる」とのコメントもありました。

 

 現状認識として、日本は8600病院、アメリカ5700病院。国土24倍、人口が2倍のアメリカは特別だと考えても、病院の数が多すぎるのです。

 逆に医師数はアメリカより少ないわけで、リソースが少ないのにどんだけ仕事をさせているのか?という意見ありますね。

 

 すべてを残すことは困難なのは都市部を見ていて思いますし、あくまで予測される最悪の数字かもしれませんが、病院再編の波をいずれ多くの施設が経験することになるのではないでしょうか?

 

 そして、公立病院の8割が赤字(国公立病院、放漫経営で8割赤字も年収は民間の1.8倍と判明:これって誤解を招く見出しで、事務職員の年収が1.8倍ですので要注意)。<第17回医療経済実態調査の報告(平成21年6月実施)

 民間病院もコスト管理でしっかりと人件費を抑えていますが、半数が赤字という状況です。

 

 現況では、国内の経済情勢が悪化していることを考えれば、税収の落ち込み、健康保険料の未納率上昇から、「自助努力」というキーワードが出て来ま す。(財政出動で医療費だけ優遇されるべきだと自分は思っていません。物には限度というかリソースの再配分にしても常識が求められます)

 

  さて、タイトルにあった「誰が医療を守るのか」ですが、最近このような本が出版されています。答えは読んで頂くしかないのですが、NEWS ZEROの「NEWS ZERO X ACTION 医療崩壊」の特集の取材に当たった方が執筆されています。

 

 番組は熱心に取り上げていただいていましたが、この本では、その背景も含めて、日本の医療を変えて行くのは何が必要なのか?ぜひ、ご一読を。

 

 

 

 

誰が医療を守るのか 「崩壊」の現場とポリオの記録から

真々田弘/著

著者略歴

真々田 弘
1956年、東京都生まれ。1980年日本電波ニュース社に入社。1989年以降、テレビの報道・ドキュメンタリー番組のプロデューサー/ディレクター。 テレビ朝日「ザ・スクープ」「サンデー・プロジェクト」「報道ステーション」、TBS「報道特集」、NTV「NEWS ZERO」、NHK「BSドキュメンタリー」「知るを楽しむ」など、取材・演出番組多数。

 

 誰が命を守る主体なのか——医療を破壊してきたものを見すえ、医師、そして住民への丹念な取材を続けてきた映像ジャーナリストが問いかける。そし て、かつ て国民皆保険制度もなかった時代の日本で多くの命を救ったポリオの生ワクチン投与がいかになったかの記録を再現。重層的に医療の現在を考えた渾身のドキュ メント。


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医学部定員「当面維持を」—日医が改めて見解
キャリアブレイン 2010/7/14

 日本医師会は7月14日の定例記者会見で、既存の医学部の定員を当面維持して医師数の増加に対応すべきだとの見解を発表した。医学部の定員が今年度、 2007年度から1221人増えて8846人になる一方、今後は国内での人口減少が進むため、既存の医学部で「かなりの定員増加に対応できる」とする内 容。人口減少などを踏まえて適正な医師数を検討するため、厚生労働省には今後、医師の需給見通しを継続的に分析・公開するよう求めている。
 日医ではこれまでにも医学部新設への反対を表明してきたが、中川俊男副会長は会見で、改めて見解を出した理由を「継続的に言わないと、トーンダウンしたと受け止められる」と説明した。
 見解では、医学部の定員が今後10年間、現状のまま維持された場合、日本の人口1000人当たり医師数が、25年にはG7諸国の平均(2.9人)に近い2.8人になるとの見通しを示した。
  また、39歳以下の医師は減少しているが、50−60歳代の医師が増加していると指摘。「今後、高齢医師が増加し、かつ就業年齢が高くなれば、それだけでも従事医師数が増加する可能性がある」としている。

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首都圏の病院でも医師不足深刻 自治体、“卵”から確保
日経新聞 2010/7/14

 首都圏の自治体が医師確保策を拡充している。埼玉県や千葉県は将来地元で働くことを条件に、医学生向けの資金援助制度を設けた。神奈川県は県内大学と医師を派遣してもらう協定を結ぶ。
 医師不足は地方の問題のように思われがちだが、人口当たりの医師数は埼玉県などの方が少ない。特に産科、小児科は不足が深刻だ。医療ニーズが高まるなか、対応を急ぐ。
 埼玉県は今年度から、県内の医学部の学生や臨床研修医に奨学金を貸与する事業を始めた。学生には月額20万円、研修医には10万円を1年間貸す。修了後、県内の医療機関に一定期間勤めれば、返済の必要はない。
 埼玉県は人口10万人当たりの医師数が139人と全国で最も少ない。防衛医大を含めても医大が2校しかないうえ、卒業後は距離的に近い東京の病院に流れるケースが多いといわれる。援助でつなぎ留めを狙う。
 人口当たり医師数が全国で3番目に少ない千葉県も学費助成を拡充する。医学部生だけでなく大学院生も対象にした。選考した15~20人に月5万円(私立 は 20万円)を支援。県外の大学院に通っていても、県内に住むか、県内出身なら助成を受けられる。県が指定する病院で一定期間働けば返済しなくてもよい。
 神奈川県は産婦人科医を目指す研修医を雇う病院に、1人当たり月額約1万6000円を補助する制度を設けた。また、横浜市立大、聖マリアンナ医科大、北 里大、東海大と今月末にも協定を締結。県が1大学当たり5000万円を寄付し、周産期医療の医師を県内の病院に派遣してもらうようにする。
 東京都内は人口当たり医師数が全国で3番目に多いが、都立病院では産科、小児科などは不足しているといわれる。このため東京都は都立病院で働く専門医を 養成する制度「東京医師アカデミー」を始めた。現在は約250人の医師が在籍。都は将来、都立病院の幹部として地域医療の中核を担ってもらおうと期待して いる。

 

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