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 小児科医の故中原利郎先生の過労死をめぐっての中原裁判が病院とついに和解となりました。本当に長い年月・・・今から10年以上前の事件です。

 この長い裁判が行われている間に、メディアが報じる医療といえば、「医療崩壊」、「たらいまわし」、「医療難民」、「モンスターペィシェント」「がん難民」・・・といったあまりありがたくない新語がいくつも生まれましたが、医療の崩壊のスピードは緩みはしたものの、完全には解消にはいたっていません。

 

 今回の和解は原告と被告側の間で、積年の訴訟を終結させたという意味では画期的ですが、現場にはまったく改善がされていないと見ています。

 

 これで「めでたしめでたし」といった性格のものではありません。

 これまでだんまりを決め込んでいた、日本医師会や厚生労働省はコメントして、この裁判の背景となった医療従事者の過重労働に対して、真摯に取り組むべきです。

 

 和解条項の中であったように「医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠であることを相互に確認する」

 

 このことは、国民もまた知ってもらいたいですし、現場の過重労働が解消しないかぎり、国民の健康を守る病院はいつでも「医療事故」ぎりぎりの状況で診療を続ける羽目になっていますし、いつまた過労死や自殺する医師や看護師が発生するかはわかりません。

 

[看護師さんも不足中]国立高度専門医療センター

 

 労災認定が下った現場には毎年、必ず立ち入り調査を行い、改善点があれば勧告をする、告発があれば、労基署による病院への抜き打ち指導など、ありとあらゆる手を使わねば改善はしないでしょう。

 厚生労働大臣は「国民の健康」を守るだけではなく、医療現場の従事する医師、看護師の健康も守っていただかなければ、現場は崩壊します。 

 医師不足や看護師不足の根本は、労務管理がまともにできない病院が、行政指導を受けぬままそのまま診療行為を続ける座ることです。そのために発生することです。

 

 当直明けの時間外の延長勤務も本来は業務命令がなければする必要は一切ありません(裁量権がある管理職は除く)。結果として、中原先生のように部長であっても、当直勤務をさせられるような立場は本来は時間外勤務も含め労働基準法違反でした。

 

 そのような点からみると、教訓が数多くあります。ちなみにJapanMedicine(じほう社)が7/7号で報じたところによると、下記の通りです。

 

小児科学会QOL改善チームが報告書

割増賃金の不払い問題
救急自宅待機。仮眠は「労働時間」

 

 日本小児科学会は2日、小児科医のQOLを改善するプロジェクトチーム(藤村正哲委員長)の報告書を公表し、「救急外来に応じる宅直オンコール(自宅待機)は労働時間に当たる」「救急外来の合間の仮眠は休憩ではない」などの小児科医が知つておくべき労働基準法(労基法)の基礎知識を示した。

 委員会報告は、労基法の知識をつけることで、小児科医の過労による医療事故や、小児科医自身の健康を守る目的でまとめられた。

 報告では勤務医の当直や休憩時間、宅直オンコールは労働時間に当たるとし、その法的根拠を示した。当直中や診療を行っていない時間帯について、「使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない」(労基法34条3項)とされていることから、使用者の指揮命令下で拘束を受けている場合は休憩時間ではなく、手待時間として労働時間に当たる可能性が高いとの見解を示した①休憩についても、即応が求められる状態にある場合は、仮眠をしていたとしても労働時間と認められ得るとし、休憩時間として扱われることが多い実態に注意を促した。

 

 宅直オンコールも手待時間として労働時間と解釈できる可能性が高い。2008年3月に労働基準監督署が国立大学病院の宅直オンコールを指導していることなどから、委員会では宅直オンコールが放急外来に応需することを前提としている場合には労働時間として認定される可能性が高いと指摘した。同様に救急外来の合間の仮眠も手待時間として労働時間に当たる可能性が高いとした。

 また、「管理監督者と管理職とは同一ではない」(同41条2号)ことから、管理監督者(病院長)ではない場合には、医長やその他の管理職の肩書があつても時間外・休日・深夜の割増賃金が支給されるべきであるとした。

 

救急当直は「通常業務」本来は10万円以上

 

 委員会は診療行為を行わない休日・夜間の勤務であれば宿日直(労基法41条3号)に該当するものの、救急当直を行う前提での勤務は宿日直には当たらないと判断。救急診療に従事した時間は労働時間であり、時間外・休日・深夜の割増賃金を支払う必要があるとした。
 医師40歳の平均時給4650円(厚生労働省07年調査)に基づいて時間外勤務2.5割増、深夜勤務5割増で割増賃金を計算すると深夜勤務を含む16時間の当直を行った場合、病院は医師に対し、10万1137円を支払わなければならないことになる。

 

<参考文献>

日本小児科学会・小児科医のQOLを改善するプロジェクトチーム「小児科医に必要な労働基準法の知識」 の原文は、日本小児科学会のホームページでもご覧いただけます。


http://www.jpeds.or.jp/saisin-j.html

PDFでの全文は
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_100703.pdf
にあります。 

 

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小児科医自殺:「医師不足生じさせない」最高裁で和解
毎日新聞 2010/7/8
 

 うつ病で自殺した小児科医の遺族が「病院が健康への配慮を怠った」として、勤務先の佼成病院(東京都中野区)を経営する立正佼成会に約1億円の損害賠償を求めた訴訟は8日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)で和解が成立した。原告側によると和解条項には「医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠であることを相互に確認する」という異例の内容が盛り込まれた。
 小児科医だった中原利郎さん(当時44歳)は99年、病院の屋上から飛び降り自殺した。1、2審は請求を棄却したが、病院側は中原さんに哀悼の意を表し、遺族に和解金700万円を支払った。
 和解成立後に会見した妻のり子さん(54)は「夫が命をかけて訴えたかった日本の小児科医療の改善と医療崩壊の阻止につながると信じて裁判を終結させようと決心した」と声を詰まらせた。
 また、亡父と同じ小児科医で、2歳の息子がいる長女の千葉智子さん(28)は「医師は人の命を救おうという気持ちが強く、頑張りすぎて燃え尽きてしまう。そういう医師を大事にできる社会をつくるべきだ」と語り、「子育てと両立させながら小児科医を続けていきたい」と話した。
 個人訴訟が最高裁で和解することは珍しく、原告側の川人博弁護士は「最高裁が日本の医療の改善という大きな視野でこの裁判をとらえてくれた」と述べた。【伊藤一郎】

 

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小児科医自殺訴訟で和解成立 病院側700万円支払い
産経MSN 2010.7.8
 

  立正佼成会付属佼成病院に勤務していた小児科医、中原利郎さん=当時(44)=の鬱(うつ)病(びよう)による自殺をめぐり、遺族が病院側に損害賠償を求めた訴訟は8日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)で和解が成立した。病院側は和解金700万円を支払った。
 和解条項は「医師不足や医師の過剰負担を生じさせないことが国民の健康を守るため不可欠であることを相互に確認」するとした。
 和解成立を受けて記者会見した中原さんの妻、のり子さん(54)は「和解という解決が、夫が命をかけて訴えたかった小児医療改善、医療崩壊阻止につながると信じる」と話した。長女で、自らも小児科医になった千葉智子さん(28)は「自分より患者のことを考えて、医師を続けられなくなってしまうような社会には変わってほしい」と語った。
 訴訟をめぐっては、1審東京地裁は、自殺原因を過労と認めずに請求を棄却。2審東京高裁は仕事と自殺の因果関係は認定したが、やはり請求を退けていた。
 これまでの判決によると、中原さんは昭和62年から、東京都中野区の同病院に勤務。平成11年ごろに鬱病を発症、8月に病院屋上から飛び降り自殺した。

 

参考記事

[小児科医過労死認定なる!]

 

医師過労死と産科医不足

 

勤務医の労働環境シンポ

 

過労死裁判:「勝訴」失われた命は返って来ない

 

祝☆麻酔科医師「過労死認定」

 

[自殺労災認定]医師の認定は後回し

 

[過労問題を美談にすりかえるマスコミ]

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現地で受験認めて!―インドネシア人看護師が陳情(看護師不足は政治の問題で解決できます)
 日本との経済連携協定(EPA)に基づいて来日しているインドネシア人の看護師・介護福祉士候補者を支援しているボランティア組織「ガルーダ・サポーターズ」は7月3日、東京都内で定期総会を開いた。総会には、一昨年夏に来日したインドネシア人の看護師候補者(第一陣)ら6人も出席し、来年2月の看護師国家試験で不合格になった場合、インドネシアで日本の国家試験の受験を認めるよう、同組織から国に提言してほしいと求めた。同組織によると、候補者側からの陳情は初めて。これを受けて総会では、帰国後の受験に関する提言をまとめる方向で一致した。

【 インドネシア人とフィリピン人の看護師候補者をめぐっては、昨年度の看護師国家試験で初の合格者が出たものの、わずか3人で、合格率は1.2%にとどまっている。これまでに来日した看護師候補者390人(帰国者と合格者を除く)のうち、インドネシア人の第一陣に当たる94人は、滞在期間が延長されない限り、来年2月の試験がラストチャンスとなる。

 総会に出席したのは、昨年度に合格したリア・アグスティナさんとヤレド・フェブリアン・フェルナンデスさんら6人。厚生労働省によると、滞在期間中の3回の受験で合格できなかった場合、受け入れ制度に再申請することも可能だが、6人は「家族と一緒に生活しながらトライしたい」「その方が日本での経験も無駄にならない」などと訴えている。

 現在、日本の看護師国家試験の受験地は国内のみ。リアさんらによると、仮に来日して受験する場合、2週間の滞在費用で現地の年収の約半分に相当するという。

written by J / 2010.07.09 08:49
日本には仕事は山の様に有りますが、しんどい仕事は誰もしないと言うのが現状です。医療、介護の世界は蟹工船の世界です。100人の寝たきりが居ると言うのは、最低でも、100人のおむつ交換が毎日あると言う事です。しかも、朝から晩まで老人相手の若者にはストレス以外の何物では無いのが医療と介護の世界です。これから、団塊の世代が大量に高齢化するのに日本は何もやって来なかったのが実情です。若者も実際、老人の世話を強制された時に医療と介護の必要性が解る時が来ると思いますが、今は理解できないのです。海外からの看護師や介護士は地方の新たな住民にも成り、日本の医療を海外に売り込む最大の武器に成ります。日本には山の様に観光地が有り、大都市以外に地方に立派な病院が有るのは日本だけです。観光と高度の検診が有れば、中国人の最大の医療観光ツアーに成り、日本にとって最大の利益になるのです。
written by j / 2010.07.09 22:09
J先生>
 コメントありがとうございます。日本は過去、移民政策とかほとんど失敗しています(出る方も入る方も)従って、メディカルツーリズムの観光客とて大成功をおさめるのは相当、しぼられると見ています。
 何しろ地方なんか行きません。来るのなら東京とか観光や買い物に苦労しない大都市ですよ。日本人もわざわざヨーロッパやアメリカに行くのに、観光名所もないところをうろつくかというとそうではないのと同じです。
written by SkyTeam / 2010.07.23 08:39

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