GW・・・そんなものもありますねぇ。東京にいると、人ごみが減ったようにも思えますが、飛行機満員だったり、高速道路が渋滞しまくったりして予定調和的に連休をまとめてとっておられますが、自分は今年はどこへも行けず、東京の予定です。日帰りで鉄道博物館でもいけたらなぁ・・・です。
今日の各紙はこのニュースを取り上げていますが、どうも見えてこないのは、「患者さん」からお金を余計に取ったのが悪いように批判するやり方だと、日本の大学病院では、肝移植や高度先進医療などはできなくなりますけど・・・いいんですか?もともと保険診療ではなかった肝移植ですが、徐々に保険診療のカバー範囲が広がり、2004年にはほぼすべての支払いが保険でカバーされるようになりました。
逆にいうと、それ以前は患者さんの自己負担10割で受けていた時代があり、募金活動などでお金が用意できない人は望むことさえできなかったわけです。
実際に2005年に肝移植を受けられた患者さんが書かれている 1/12Transplant webの費用の項目ではどんなにお金がかかるかわかります。
2004年1月に、生体肝移植に対する健康保険適応の範囲が広がり、殆どの疾患について保険診療で肝移植が受けられるようになりまし
健康保険適応外での手術費は、約1,000万円~2,000万円程度かかります。
健康保険適応となる場合は、その3割, 約300万円~600万円程度かかります。
ドナーの検査, 手術にかかる費用もレシピエントの疾患に健康保険が適応されるか否かで扱いが異なります。健康保険が適応される場合は、ドナーにかかる費用も全てレシピエント側の保険診療費として扱われます。健康保険が適応されない場合は、ドナーにかかる費用も保険適応外となります。」
もちろん、この新聞報道では、保険診療なのか適応外であったのかも不明です。そして、健康保険制度が不完全なために、患者さんの自己負担や病院の持ち出しという問題にはまったく触れず、さも病院がお金を集めてケシカラヌ!という単純な論理展開。
もうすこし、教えてほしい・・・「私腹を肥やす」ための募金であった証拠でもなければ、寄付を募るのは悪いことですか?単に透明性が不明瞭だっただけでしょ。
この大学病院の手術成績が悪いから問題にしたのはわかりますが、お金の問題も含め、前向きな議論でないと思います。
大学病院にとって医療は善意ベースで成り立つものではありません。成績をさらに改善するためには外科手技の優れた先生を呼んで学ぶお金だって必要ですし、保険償還されない薬を使えば、費用を負担するのは患者さんだったりします。それらを募金から充てたのは「非難」されるべきことではなく、見えにくかったことが問題なだけでは?
むしろ、健康保険制度の枠から一歩でもはみ出すとメディアは一斉に同じ論調で「水に落ちた犬」のように叩くのはおかしいと思わねばなりません。
「たらいまわし」事件もそうでしたが、メディアが大騒ぎしているとき、その光が当たらないところに事実が隠されている可能性があります。
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肝移植前の患者に寄付金要求 東京医大、計1200万円
朝日新聞 2010年5月2日
東京医科大は1日、記者会見を開き、同大八王子医療センターで生体肝移植を受ける患者らに移植前に寄付を求め、9人から約1200万円を受け取っていたことを明らかにした。応じないと適切な治療を受けられないのではないかという不安を患者や家族に与えかねず、同大は「慎重さに欠けていた」と不適切だったことを認めた。
同大によると、2005年10月~08年1月、第5外科の教授と准教授=いずれも退職=が、手術前の患者に「移植医療の振興のため」として寄付を求め、9人が65万~300万円を払った。別の2人は術後に5万9千円と9千円を払った。
寄付金は大学の会計に入れられた後、第5外科が管理した。公的医療保険が利かない高額な薬の購入や、手術を指導した田中紘一・元京大教授への謝礼に使ったという。
寄付を求められた患者の家族は「手術直前になぜ、と思ったが、手術してほしかったので振り込もうと思った」と話す。
同大の臼井正彦学長は「寄付を求める時期に問題があった。今後はやめるよう指導したい」と話した。
また、保険適用の治療と保険外の治療との併用は「混合診療」として、原則、禁じられているが、同大は「保険外の薬の費用は研究費から支払っていたが、足りなくなり、(ためてあった)寄付金を充てた」と説明し、混合診療には当たらないとしている。
第5外科での腎臓移植でも、05年11月~08年10月に患者7人から計190万円を受け取ったが、寄付を求めた時期は分からないという。
八王子医療センターの生体肝移植をめぐっては、移植を受けた52人中20人が手術後1年以内に死亡しており、同大は手術や術後管理が適切だったかどうか調べている。5月中に報告書をまとめ、遺族に説明して公表する方針。(北林晃治、熊井洋美)
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問題とされているのは、手術前にそれが実施されたこと。医師と患者間の情報格差はかなり縮小していますが、それでも、お医者様にお願いするという感覚は、一般の方にはまだ残っています。そのような上下関係においては、一方が寄付と思ってお願いしていることが、他方では義務と受け取られる可能性があります。そのような誤解を避ける努力をする義務が医療者側には存在します。
後発の医療機関が生体肝移植のような高度医療を院内で確立しようとするならば、患者さんの寄付に頼るのではなく、校費を使うぐらいの意気込みが必要と思います。
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