先日「2010年問題:新薬開発が進まない」でお知らせしたように、NHK「追跡!A to Z」新薬開発が進まない
が放映されました。
珍しく飲みにも出ず、パソコンを前にしながら、ツイッターで同時中継して遊んでました。
大手製薬企業の売り上げの6−7割を占める薬が次々とジェネリック品に置き換わることは、必ずしもいいことばかりでもないことはしっかり報道されていました。
また、患者さんが求めていながらなかなか画期的な新薬が出にくい構図を稀少疾患についてもよく短時間ながらまとめているな と思いました。最後の方で、採算性の悪くても患者さんが臨まれる薬こそ開発する責任があるはず・・・とまとめられると大変でしょうね。要はトヨタとかホン ダに「絶対にもうからない車作れ!」と言われても、市場がないと見れば売り出さないのと同じです。
そういう意味では、国が積極的に患者さんのために、財政的な支援を製薬企業の開発を支える仕組みがこの春から出来ました。「新薬創出加算」と言います、ただ、この名前通りには行かないのです。
実際に、ここ10年ほど、日本の製薬企業は「新薬」を思うほど出せていません。結果として加算がついたのは外国の製薬企業が圧倒的でした。
この辺は、「ワクチン」と同じです。国が政策として支えないため、日本の製薬企業はごく一部を除いて開発から手を引いてしまいました。そして去年からのワクチン報道。結果として海外の企業から緊急輸入。これは国防の意味からしても「都合が悪い」ですね。
そして、国側も悩んでいると思いますが、日本の製薬企業はほとんど海外でのプレゼンスがないです(大手4社はともかくそれ以外は日本以外では他の企業に 打ってもらっています)。そして、海外に出るためには「画期的新薬」を創りだす必要がありますが、産業育成をせずに「医療費抑制政策」の一環で行われてい た、2年ごとの薬価引き下げで体力が弱っています。
今回の春の改定で大幅に引き下げられたのが長期収載品 という「特許切れ」の製品でした。その中には長年医師が使いなじみのある、そして副作用もよくわかっている薬が多かったのですが、これらもジェネリック品 に置き換えをさせられるため、長期収載品に頼ってきた日本の製薬企業(結構、有名な会社がいくつもあります)は厳しいことになります。
要は、兵糧切れって奴。新薬が欲しい。でも海外の会社は自分たちで売るって言ってもう売らせてくれません。自社開発はというと1年や2年ではなく10〜15年の年月と1500億円(これは番組で大学の先生がおっしゃってた数字)ものお金がかかります。
大手企業も厳しい中、毎年のように特許が切れる中、日本の製薬企業が生き残りをかけて「合併」などに走る姿が目に浮かびます。
そんな中、産経新聞さんが、ドラッグラグを取り上げていました。稀少疾患については、やはり国として対応する必要があります。そして海外と同じように少なくともアクセスをしやすくする必要があります。(コンパッショネートユースといいます)これについては、MRICというメールマガジンの「vol 91 「未承認薬のコンパッショネート使用」の早期制度化を」が非常に詳しいです。
がん、認知症、難病、これらは医療側も十分に対応できていません。企業側も努力が必要でしょうが、行政側が患者さんの希望や夢を少しでもかなえてあげられるようにと願っています。
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なぜ、こうなったのか? 経産省と厚生省の派閥争い? 日本市場に甘えて、積極経営を怠った経営者の責任? 単一の原因ではなく、複数の原因が相乗的に重なった結果と思います。
未来はあるのか?
現状の思考回路では厳しい。investigational drugsに対するリスク・ベネフィットのさじ加減を根本から変更しない限りは、日本は世界で新薬の承認が最も遅い国のままで、医療産業もさらに衰退するだけ。
厚生省は、国民が安全な薬を望んでいるから、慎重に審査していると主張する。国民皆保険制度下では、自費診療は悪である。云々。
問題の根幹は、政府が国民と対話しないことにあるのではないだろか? 国民の新薬や新規医療に対するリスク認識が変化してきており、それと向き合ってほしい。
ドラッグラグ、デバイスラグ、これらは行政だけでは解決できません。国民がもっとまじめにこの問題に取り組んで欲しいときちんと声をあげないとなかなか動きません。霞ヶ関だけですべてを決める仕組みですから、このあたりはもっと働きかけが必要でしょうね。
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