今回の判決に関して、「たらい回し」を使う報道は見当たりません。たった2年ほど前の時、熱心に病院のバッシング記事を書いていた記者たちは、もう一人もお見えではないようでおそらくジャーナリストとして失格であったということに気づいて職を辞されたのでしょうね?
大手新聞社ではありませんが、夕刊を廃止するなどリストラに大忙しの産経新聞のとんでも社説「妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち」をはじめとする大手メディアの記者、さらには大淀事件のスクープ報道(捏造報道)で毎日新聞奈良支局は第11回新聞労連ジャーナリスト大賞特別賞、および坂田記念ジャーナリズム賞を受賞しましたが、「CTさえ撮っていれば助かったという誤った認識を垂れ流した第一報について、毎日新聞奈良支局は現在に至るまで一切の訂正を出していない。」(天漢日乗 2009/03/31 「マスコミたらい回し」とは?(その136)大淀病院産婦死亡事例報道第一報にゴーサインを出し、その後数々の医療破壊報道を支えた毎日新聞奈良支局井上朗支局長が大阪本社代表室次長にご栄転)もはや、毎日新聞などには、反省の色は見えません。
裁判長が指摘したように、産婦人科医の一人医長による産科医療体制の不備が、結果として奈良県の大淀町立病院の事件や福島県の大野病院事件の背景にあることを誰もが知っているはずです。
残念ながら、「過労死」寸前の状況で働かせられている医師の人権や労働者としての権利を守らず、医師の尊厳を傷つけるような「魔女狩り報道」を続けた報道各社の信用回復は困難だと思います。
少なくとも「受け入れ困難」かつ「救急医療」が国の政策で貧弱なまま放置されてきたことを無視して、現場の遺族の声だけを抽出して偏った情報源からの「バッシング報道」を行い、訂正を一切行わず、2年後の裁判の頃には何もなかったかのように居直り、しかも「医師や病院の報道被害」について名誉回復するように、訂正を行わない報道各社にはがっかりです。
以下、報道各社の「患者家族」からではなく、医療系ブログと報道を比較するために列記しておきます(一部再掲あり)。
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ブログ紹介:「お決まりの日々?」大淀町裁判に行ってきました(その2)
損害賠償請求事件(大淀町事件) 平成19年(ワ)第5886号 の判決文です。
1)主文
1.原告らの各請求は棄却する。
2.訴訟費用は原告負担とする。
(以下略・一般の新聞よりもずっと詳細です)
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ブログ紹介:「産科医療のこれから」大淀事件!判決内容概要
<医学鑑定>まで掲載されています。こういう資料は報道各社は一切無視ですかね。
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ブログ紹介:日々のたわごと・医療問題資料館「判決要旨のつもり」
<傍聴記録>です。
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大淀病院事件を扱った今回の報道では「たらい回し」の文字は消えました。しかし各社が率先して行った魔女狩り報道について、反省の記事は一切見当たりませんでした。
このあたり、メディアには「報道の自由」を濫用するあまり、自らの報道について自浄作用というのを期待できないため、名誉毀損裁判など行うことも必要かもしれません。
そして、大手メディアは患者の診療録の流出がさも医療系ブログでなされたという報道がありましたが、多くの医療系ブログは、そんな報道各社を「ななめ」に見ていました。個人的には、がんばっている医師や病院がメディアによって「フルボッコ」にされるのを不思議に思っていましたが、結局、メディアが暴走したのは、患者さんが気の毒な経過をたどったのを、そのまま社会部とかが、「現場」のせいにしたわけです。
逆でしたね。奈良県の周産期医療は崩壊の淵におかれたままですし、大淀町では分娩は受けられません。まして、今年の4月には医療行政ウォッチングが報じた「奈良県が判決不服で控訴 産科医の時間外手当訴訟」の控訴審判決があります。
報道の自由は認めますが、「誤報」の訂正どころか医師や病院に謝罪など一切しないメディア各社の反省のなさが、結果として、仙台の『筋弛緩剤事元副院長が手記「真実のカルテ」出版』にもつながるものがあるかもしれません。
もちろん、メディアの大半は「当時」のことなど振り返る余裕もそして病院を閉鎖に追い込んだことなど、気にも留めてないでしょうが。(誰が報道被害を止められるかというと、BPOがない新聞などの場合、被害者による名誉毀損の訴訟だけなのが残念です。)
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共同通信 2009/04/21
県立奈良病院(奈良市)の産科医2人が、2004年、05年の当直勤務の時間外割増賃金など計約9200万円の支払いを県に求めた訴訟の判決で、奈良地裁(坂倉充信裁判長、異動のため一谷好文裁判長代読)は22日、当直を時間外労働と認め、計約1500万円の支払いを命じた。
奈良県は当直1回につき2万円の手当を払うのみだった。弁護士によると、医師の当直が労働時間に当たるかどうか争われた訴訟は初めて。当直に定額手当しか支払わない例は全国にあり、ほかの病院にも影響を与えそうだ。
判決は「産科医は待機時間も労働から離れていたとは言えず、当直開始から終了まで病院の指揮下にあった」と指摘。当直は労働基準法上の時間外労働に当たり、割増賃金支払いの対象になるとして「現実に診療をした時間だけが労働時間」とする県側主張を退けた。
判決によると、産科医2人は04-05年にかけてそれぞれ約200回、夜間、休日に当直勤務をした。その際、分娩に立ち会うことも多く、異常分娩の時に診療行為をすることもあった。さらに病院での宿直時は睡眠時間を10分取ることは難しく、当直中はポケベルを携帯し、呼び出しに速やかに応じることを義務付けられていた。
判決は時効となった04年10月以前を除いた分について、手当を支払うよう命じた。
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読売新聞 2010/03/02
毎日新聞 2010/03/02
朝日新聞 2010/03/02
妊婦死亡判決 「思いすくい取ってくれた」…敗訴の夫、付言は評価
読売新聞 2010/03/02
日本経済新聞 2010/03/02
産経新聞 2010/03/02
「重症患者引き受ける体制を」=搬送拒否で裁判長付言-遺族請求は棄却・大阪地裁
時事通信 2010/03/02
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