昨今、医師不足による医療崩壊が大きく取り上げられています。日本の医師数不足は、地方の病院から徐々に大都市近郊へと進んでいます。
医師数を増やすためにメディカルスクール構想やナースプラクティショナーなども含めて対策がこれからすすめられていくとは思います。
ただ、医師数が多くても、医療の提供システムが良くなければ全然の国があります。国民皆保険であっても、ダメな国・・・イギリスじゃありません。OECD加盟国の中で、一番医師が多い国。ギリシャの医療状況について、レポートがありましたので、ご紹介します。
それにしても、日本は「人材」がぎりぎりで、よく続けてられてきたものだと思います。ベビーブーマーが高齢者に入っていくこれから、システムを変えていく必要を感じていただきたいです。
---------------------------------------
OECD諸国別医師数ランキング(2007年付)
http://plaza.rakuten.co.jp/number1dent/diary/200907190017/
1位 ギリシャ 5.4人
2位 ベルギー 4.0人
3位 オランダ 3.9人
3位 ノルウェー 3.9人
5位 スイス 3.8人
6位 オーストラリア 3.8人
7位 アイスランド 3.7人
7位 イタリア 3.7人
7位 スペイン 3.7人
10位 スウェーデン 3.6人
10位 チェコ 3.6人
(※上記のデータは、人口千人当たりの医師数です。)
ギリシャがランキング1位に輝きました。
---------------------------------------
各国いまどき報告:ギリシャ病院事情 2007.2.20 update
ギリシャに来て気をつけていることといえば『健康』でいること。この国の医療レベルは日本に比べたらはるかに劣り、日本人としては手先の器用な日本人医師に見てもらいたいとつくづく思う(特に、ギリシャ人の歯医者にはあまり見てもらいたくない)。ギリシャで医者にかかるというのはあまり簡単なことではないように思える。健康でいるうちはあまり意識していなかったが、実際この国の医療機関はどうしようもないくらい腐敗しているように感じる。
ギリシャにも一応公的医療保険があるのだが、対象となる病院は職種によって限られている。公務員の場合は、多数の街医者が対象であるのだが、大多数の公務員以外の労働者は限られた医者に見てもらうしかない(保険が利く医者という意味)
。そのため、風邪を引いたからちょっと見てもらいにという理由で医者に行く人はあまりいない。薬局で抗生物質まで簡単に買うことが出来るので、かなりの人が自己判断で何年も前に出された薬と同じものを飲んでいたりする。
もしくは、保険範囲内で見てもらいたいときはまず地域の医療保険事務所のようなところへ行って自分の担当医の予約を取らなければいけない。この予約が曲者で1ヶ月先といわれることばかりだ。なので、この保険が利くシステムは言葉ばかりで実際には機能していないという感じがする。けれど、年金生活者やそれが当たり前だと思っているギリシャ人はこの変なシステムに従っている。
他に早く医者に見てもらう方法は、自費での診断を受けるということ。これもかなり怪しい。自費で支払うというなら、そこらじゅうに医者はいる。そしてそれらの病院や診療所の中はとてもきれいで清潔、医者も好き勝手な料金を請求できるみたいで大変親切だ。日本だったら自己負担支払いといっても医者が勝手に決めるわけではないが、こちらでは医者が決めていて医師により請求額が異なる。それに、領収書を発行する義務のはずが発行しない医者が多いし、発行したとしても実際とは異なる低い金額を記入し、脱税を図っている。ちなみに大体の平均額は一度見てもらうのに70ユーロほどかかる。
診療所以外の公立の病院はどうかというと、これもかなりひどい。まずベッドが足りないという問題。完全看護ではないので、入院患者は自分で付添婦を雇ったりしているらしい。たいていその仕事は出稼ぎ労働者のものとなっているらしい。かなり状態の悪い患者である場合、必ず付添婦は必要なようだ。付添婦が看護婦や医師を呼びに行かないといけない。
つい最近、知り合いが公立病院で日帰りの手術を受けた。終了後はすぐに手術室から出されて帰宅する予定だったのだが、気分が悪く顔色もさえない。その場で倒れた。看護婦の姿は見えるが、彼女たちが来る様子はないし、他の医師も来ない。血圧を測るなりベッドに寝かせるなりすればいいものを完全無視。周りを見てもそういう人は多かった。
この国の看護婦の仕事というのは、まだレベルが低く、医者の事務的な手伝いをしている感じであった。こういう手術の支払いは建前では無料、もしくは精算窓口で行われる。しかし、ほとんどの医者と患者は暗黙の了解で『お礼』というものを渡している。その金額は日本で言う感謝の気持ちの菓子折りひとつの金額とは程遠いものだ。簡単な盲腸の手術ですら1,500ユーロくらいが患者の手から直接医者のポケットへ入る。もちろん経営が圧迫されている病院へはまったく入らないお金だ。
以上は、ギリシャ人の庶民がかかわっている医療事情。お金のある人たちは、公的保険や公立病院が汚くサービスも悪いということを知っているので、そのようなところへは行かない。この国で生きるには、健康であることが本当に大事である。
---------------------------------------
ギリシャの妊娠出産事情 2007.4.24
初めての妊娠出産をギリシャで迎えることに。病気ではないのだからどこの国で産んでみても大丈夫だろうという軽い気持ちでの決断だった。わからないことだらけで始まったが何とか妊娠期間も無事に終了する気配のこのごろ。
ギリシャでは公立の病院で妊娠出産を行えば、分娩を執り行う医師に『お礼』と称して1,000ユーロほど包むほかは、ほとんど保険でカバーされるらしい。「らしい」と書いたのは、周りで公立病院で出産した人がいないのと、知り合いづてに聞いてみても妊婦や医師によって『お礼』の額や、診察の時間帯によって金額が異なるようなので一律には言えない。大概のギリシャ人が口をそろえて言うには、『公立病院は汚いしサービスも悪いし混んでいるから嫌だ』ということ。私立病院だからと言って特別豪華なわけではないが(大体日本の病院のような感じ)。
妊娠がわかった時点で産婦人科医を見つけなければいけなかった。看板を頼りに突然訪ねるという方法もあるが、出産経験のある友人がかかった医師を紹介してもらった。予約をして診療所に医師を訪ねた。その医師はアテネにある私立の産科病院のひとつと提携しているので、分娩や精密検査の際には提携病院へ行き、定期健診には医師の診療所に行くという形であった。そのほか、妊娠中に必要となる血液検査なども専門の医師のところへ自ら行って検査してもらわないといけない。日本のように産婦人科一つにかかっていればすむというわけではなかったので、結構面倒だった。
また、私は民間の保険には入っていなかったので、全て自費会計だった。妊娠がカバーされる保険に入っているギリシャ人はそんなにいないらしい。毎回の診療代(60から130ユーロ)、薬検査代とかなりの出費。分娩時には病院と医師へ最低2,000ユーロずつ(6人部屋で)支払わなければいけないので大変である。医師の診察内容は日本とそれほど変らないと思うが『内診』が一度も行われないこと、夫同伴の診察が当たり前なことが日本との大きな違いか。また、担当医は自分の携帯番号を渡し、『どんなに小さいことでもいいのでいつでも電話してきなさい』と言ってくれる。
日本では『母親学級』というものがあって、妊婦は出産準備をすることが出来るが、ギリシャには同様のものは存在しない。ほとんどが無痛分娩なので呼吸法の練習の必要もない。私は自然分娩を希望したので、医師から専属の助産婦をつけることを言い渡され、助産婦を紹介された。出産の知識や呼吸法などを1対1で指導してくれ、陣痛開始から退院まで一貫して面倒を見てくれる。病院にも助産婦はいるが、私のように専属の助産婦を別料金(300から500ユーロ)を支払い雇う場合もある。助産婦とのレッスンは大体妊娠後期から始まり、私の場合は1回1時間3回のレッスンだった。もちろん夫も同伴して行う。
担当医、私立病院か公立病院か、無痛分娩か自然分娩か。どういうものを選ぶかによってだいぶ受ける印象も違うと思うが、今のところ日本の出産事情のほうが妊婦のことを考えているなあと思う。ギリシャでは、妊娠出産もお金の有無が関係しているのが残念だ。まだ実際に出産していないからわからないけれど、次にまた機会があれば迷わず日本で出産したいと思う。
=================================================
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
コメント
コメント一覧
これは見当違いかと思います。
「アメリカ医療の日本化」が起こったとして、医療従事者は大喜びするでしょうか?(笑)
「アメリカ医療の日本化」ではなく、「アメリカ医療の競争力強化」で、世界中の医療がそちらに動くイニシアチブを取られることになります。数字がないところに説得力はありません。ITは医療の効率化アップをサポートするだけではなく、エビデンス作り、そしてプロパガンダの道具でもありますが、「日本以外」がアメリカの医療制度へと行くとき、ガラパゴス化した携帯電話のようなビジネスチャンスを失う可能性が高いという意味です。
日本初の臨床研究が一流の医学雑誌に掲載されるためには効率化のためにITは必須ですし、国際的競争を行う時に、アメリカやイギリスと異なる説を説いて回る時にも数字は必要です。
コメントを書く