例の「漢方薬」の署名が92万人も集まりました。すごいです。これはもちろん漢方を医療現場で広く用いられていることもあって、医師や薬剤師だけでなく、患者さんも動いたからです。今回の署名活動にはツイッターも活躍したようですが、昨日、ちょっとみたら「Y市立大学でRH(-)型の血液が足りません」といった誤報がまた流れていました。

 このインフルエンザ騒ぎで、輸血が不足していても、あまり世の中は大きく動きませんが、情報がある興味の範疇に入るとスイッチが入って物事が動くのが今の世の中なのだなと思いました。


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漢方署名92万5千人分に
ロハスメディカル 川口恭 2009年12月16日

 先月11日の事業仕分けで漢方薬を含む市販品類似薬を保険適用外とする方針が示されたことに対し、日本東洋医学会、NPO健康医療開発機構、日本臨床漢 方医会、医療志民の会の4団体が集めていた漢方薬の保険適用継続を求める署名は最終的に92万4808人分に達したという。4団体は前回提出した1日以降 の追加分署名を16日、改めて厚生労働省に提出した。(川口恭)
<以下リンク参照>
http://lohasmedical.jp/news/2009/12/16170041.php


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 ロハスメディカルさんは相変わらず、興味深い話題を提供してくれます、個人的には、昨日のジェネリックのシンポジウムのお話もよかったです。


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厳戒の米国大使館でジェネリックシンポジウム

ロハスメディカル 川口恭 2009年12月15日

 ジェネリック医薬品の先進地アメリカ、その大使館で15日、「こうやればもっと普及するんじゃない?」という趣旨のシンポジウムが開かれた。聴講者が入り口で携帯電話まで取り上げられるという会場設定は、こわもてのガイアツを想起させるが、一方でアメリカでは官は民の利益のために動くのだなあ、日本とは全然違うなあということを痛感させられた。で実は中身も結構おもしろかった。(川口恭)
<中略>
4人目が土屋了介・国立がんセンター中央病院院長。
「うちの病院で後発品に切り替えた時、内科医からは苦情が出なかった。しかし泌尿器とか皮膚とか外科系の医師が投薬もやっているような分野からは苦情が出た。薬を使いなれた分野からは苦情が出ずに素人が使っていると苦情が出る」から始まって、終始会場を湧かせ続けた。
「なんだかんだいって、日本の医療体制はまだまだ後進国であり、その医療体制を改めないとジェネリックのところまで辿りつかない。今日も、挨拶したのはアメリカの厚生労働省の人じゃなくて商務部の人。日本でこんなことが考えられるか。厚生労働省が、医療をいかに産業として見ていないかということ。産業として見ないとジェネリックまで辿りつかない。この辺からいじっていかないといけないのでないか」
ここまで挑発的な物言いを続けたのは、おそらく次の演者のことを意識してと思われる。

<以下リンク参照>
http://lohasmedical.jp/news/2009/12/15185502.php?page=2

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 土屋先生のお話は興味深いものがあります。アメリカの製薬産業は非常に巨大です。というかアメリカ全体のシェアが世界の医薬品の半分を占めるという巨大なマーケットですが二番目の国が日本。そりゃ狙いますよね。

 実は、日本の市場はMOSS協議という1985年の出来事をきっかけにして以降、
大きく変わってきました。

日米経済関係年表(1970年代以降)

 を見ると、対日貿易赤字の増加にしびれをきらしたアメリカ産業界、たびたびアメリカ政府に働きかけて、市場開放を求めて特定の領域にかなり力を入れて参入障壁を取り除く努力を官民あげてやっています。

 

MOSS協議:Market Oricnted Sector Selective Discussion(市場重視型個別協議)
 国際競争力がありながら日本市場に参入できない製品の貿易障害要因を分野別に討議する協議方式を指します。
 医療においては日本医師会の疑義解釈委員会において医療機器及び医薬品について市場指向型の検討や,分類別協議に基づく体外診断薬及び医療用具の保険適応の可否の検討が行われております.

 

 そのおかげで、日本全体としてアメリカは市場を開放しました。幸い自動車や半導体は強かったので、残っていますが、製薬企業はどうでしょうか?

 

 今回のジェネリックの動きは、アメリカの官民連合の熱心な働きかけが、折よく健康保険財政が破たん寸前で、DPC採用病院の拡大とともに、ジェネリック医薬品の普及のはずみがつきそうです。

 

 もちろん、長期収載品と言われるパテント切れの製品が長く市場に高い価格のままジェネリックの参入を妨害するのは問題だと思いますが、一方で、日本の製薬企業は大半が「長期収載品」に頼った利益構造です。

 

 ジェネリック推奨は医薬品産業の構造を大きく変えます。日本の医薬品で強い分野は低分子薬が大半で、薬価の高い分子標的薬(抗がん剤など)はほとんど外国で開発/製造されています。

 

 そういう意味では、日本の製薬企業も過渡期に入ったのかと思います。ある試算で、長期収載品の価格がジェネリックと同等の値段になった場合の売り上げがどれくらい影響が出るかという図表がありまして、一見しただけで(・_・)です。

 メーカー名は出てませんが、外資系も内資系も含まれているようです。これで過去10年近く、新薬をほとんど出せていない会社はやばいことになります。そういう意味ではジェネリック推奨を国が後押しすることは、旧来の業界全体に大きな再編の嵐を巻き起こすのは間違いなさそうです。

 


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 ついでにこんな本にも出会いました・・・。そうです、ツイッターを見ていても特定の話題だけが燃え上がる一方、誰も見向きもしない情報が怒濤のよ うに流れています(自分のメールボックスが毎日すごい量届いていますが、開封率は仕事関係以外は10%を切ってしまっています)。

 

 


「自分ごと」だと人は動く 

情報がスルーされる時代のマーケティング

著:博報堂DYグループエンゲージメント研究会

 

 この本を読みながら、どうして「医療事故調査委員会」がテーマのシンポジウムとか一般の方が集まらないのか?とかあれだけ「妊婦たらい回し事件報道」で魔女狩り報道が繰り返されても、ちっとも「飛び込み出産が減らない」のもなんとなく気づきます。(再発防止に提言:母子手帳のない「飛び込み出産」は全額、自己負担にするべき!でご紹介しました「妊婦健診を受けず、「飛び込み出産」100件超…大阪府内1~8月読売新聞 2009/12/04」参照)

 医療を日本人はちっとも身近に感じていない。そして医療崩壊をまだ対岸の火事だと思っている!

 それが現実なのだと。国民医療費34兆円のうち11兆円もの金額が75歳以上に投じられていて、救急医療や周産期を充実させようにもお金も投じられていないため、人がいない、ますます大変な状況を誰も国民は興味の対象外なのです。

 

 そういう意味では、これからもっと悪くならないと気づかれないのかな?と正直ショックだったりします。

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