先週末については、「大学院生の過労死裁判:「過労で事故死」 賠償命令について」でも書きましたが、
『主な違反法令
・労働基準法15条1項違反:雇用契約における労働条件の提示義務違反
・労働基準法75条違反:労働災害の補償義務違反
・労災保険法46条違反:労災保険の加入者の届出違反
なお、いずれも両罰規定がありますので、組織としての病院そのものや、労務担当者だけでなく、組織の代表者である病院長個人も、刑事罰(懲役刑)の対象になります。』
ということで、医師や看護師などを雇う病院側にはきちんとした労働者を守る義務があることが判明しています。
これまで、博士号の取得をするために学費をおさめている大学院生の立場を、無報酬/無締結の状態で無理に仕事をさせている大学医局には、労働基準監督署の立ち入りや摘発などがないかぎり、つける薬がありそうもありません。
ある先生がやはり36協定を結ばないまま残業をさせていたため、病院を告発したら、相当いやがらせを事務や院長から受けたようですが、結局、立ち入りなど を行ってこなかった労基署から指導が入って、未払いだった残業代(当然、事務側は赤字の病院だから・・・支払う気などはなかったようですね)の支払いがなされたようです。他の看護職員もみな、きちんと働いたら時間外もらいましょうね。えぇ、もちろん当直料ではなく、時間割増賃金で計算してもらいましょう・・・。
なんて記事を見ても、自分もそういえば、自殺された女性医師がいました。患者さんのために犠牲になるそんな医療現場をなくすのは大変な仕事です(簡単に時間外勤務なんてただ働きだから、36協定なしに業務命令があってもしなければいいのだけど・・・そういうのを国民も一般の労働者も知らないだろう)。
北海道の江原先生が出版される本です。ぜひどうぞ。
江原 朗:著
勁草書房 (ISBN:978-4-326-70064-6)
2650円 10月19日発売
現在の医療体制の問題点が顕著に現われる小児科医療現場を中心に、過労死ラインの長時間勤務が常態である過酷な 医師の労働実態と、それによりかかった現在の医療体制の継続は現実的に不可能であることをデータから論証する。
医師の過重労働を防ぎつつ24時間医療を提供するにはどんな方策があり得るのか。現役小児科医による実証研究。勤務医の過重労働実態をデータに基づき検証、医師の疲弊を防ぎつつ患者が安全な医療を受けられる体制確立に向けての方策を提言する。
↓医療機関を支えるのには、マンパワーが必須なのに箱モノが真っ先にくる地方の役人のくだらなさよ。
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地域医療再生基金、「マンパワー確保が一番大事」 ─ 厚労省課長
ロハスメディカル 新井裕充 2009年10月18日
日本医療・病院管理学会1017.jpg 医師不足の解消など医療再生計画を策定した都道府県に国が支給する「地域医療再生基金」について、厚生労働省の担当者は「ハコモノじゃなくて、マンパワーの確保ということが一番大事だ」と指摘した上で、「どこかの病院1つだけを大きく建て替えるためにたくさんのお金を使うというのは好ましくない」と強調している。同基金の実体が、「医師の計画配置」を進めるためのバラマキ政策であることが再確認されたといえるだろう。(新井裕充)
↓以下リンク参照
http://lohasmedical.jp/news/2009/10/18072924.php
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最終的には、中小規模の公立病院は経済性が理由に成り立ちません。経営基盤である医師や看護師が、より規模の大きな病院や民間病院に流出するからです。それに逆らうためにお金を使ってもいいが、経営下手な役人が事態を悪化させるという
まずい結果を生みそうです。
国民全体が望むのは大学病院や大病院に対する「フリーアクセス」に困ったらいつでも「無料の救急車」ではないと思いたいです。
やはり生き死にかかわる時こそ、救ってもらえる体制の充実じゃないかと思っています。そのためにも公的病院のネットワーク再編は国鉄民営化と同じ時期に始めるべきだったのかもしれませんが、統廃合のタイミングが地方自治体ではかなり遅れました。
都市部と地方での医師のアンバランスな需給バランスの穴埋めを、強制的に若手医師で送りつけるのが大学医局のシステムでした。これも医師研修制度 が新しくなり、もはや、長くは続きますまい。先に奴隷医を解放しておいて、再度、教育やトレーニングが受けられないようなへき地の病院に、防人よろしくは りつけようというのもムシがよすぎます。病院の使命は、住民にきちんとした医療を提供するだけではなく、働く医師がきちんと働けるような環境(含む年休の 取得や学会出張を含む)を提供することです。
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