いつもなら「医療関係」の話題なのでしょうが、少し別の話題にしてみます。今日は大手自動車会社のことを考えます。

 

 1週間ほど前に、2007年まで世界一の生産台数を誇った自動車会社GMが破たんし、アメリカで破産法適用となってしまいました。

 

 日本ではあまり見かける車ではないため、余波がなさそうに見える日本ですが、実は大手部品メーカーなどは現地に進出して、GMとも取引があってそれなりに影響を受けることが報道されています(週刊文春 2009/06/11号「GM倒産 日本経済はどこまで焦げ付く」参照)。

 

 自動車産業は装置産業です。大きな工場を作り、たくさんの人を雇い、売れる車を作り続けなければ採算が合わないと厳しいビジネスモデルです。

 

 そ れは大量生産によるコスト削減で諸外国に輸出して勝つビジネスだからとも言えます。トヨタ方式と言われるJust In Time方式で在庫を限りなく削るリーンシステムは究極のムダ取りに成り立っていますが、生産台数が落ちると工場の生産効率が落ち、コスト削減効果が落ち るので大変です。

 

 さて、これと同じことが航空会社にも言えます、日本航空やオーストラリアの航空会社カンタス航空が原油の値上げや組合で苦しんでいます(カンタス航空、需要減少から一部国際路線のファーストクラスを一時的に停止:マイコミジャーナル2009/05/26)。

 

 実はこれと同じことで破たんした航空会社があります。

 

 自分は乗ったことがないのですが、パン・アメリカン航空という、世界一大きな航空会社がありました。

 

 パンナムという愛称で、世界一周旅行とかにも利用され、日本にも乗り入れてたのでマークも有名でした。そして大相撲で「ヒョーショージョー」というデビッド・ジョーンズ氏の活躍もあり、航空会社としては随一でした。

 

 残念ながら規制緩和によるライバルとの競争激化、強すぎる労働組合、過去の栄光はどこに・・・で結局、太平洋路線、大西洋路線と次々と切り売りし最終的には1991年に破たん。

 

 その後、アメリカのローカル路線を運営していたそうですが、それも昨今の原油高で運航が止まってしまってあとかたもないのですが。

 

 実は、日本にはパンナムの名残があります。破綻の前に売り飛ばされた太平洋路線を購入したユナイテッド航空が日本とアメリカの間を結ぶだけではなく、日本とシンガポールやタイを以遠権で定期就航しています。

 

 アメリカの航空会社でこの権利をもっていたのはノースウェスト(戦後の日本航空の成立に支援したなごり)とパンナムだけでしたが、これがパンナムという会社がなくなってもまだサービスしているわけです。

 

 実は、来年の1月にノースウェスト航空という会社名も消え、デルタ航空になります。すると、ノースウェストがもっていた以遠権をデルタ航空が獲得して、デルタ航空が成田経由でタイ、シンガポール、香港などに就航することになります。

 

 パン・アメリカン航空は世界的にも大きい航空会社でしたが、落ちる時は一気でした。いわゆる巨艦なので決定などをするのが遅れます。今、GMの経営破綻を笑えないのは、大手電機メーカーが安売りのノートパソコンや、液晶テレビなどで市場に残れるか瀬戸際だからです。

 

 航空会社の場合、飛行機を運航する会社の身売りしても乗客が困ることはありませんし、むしろ安い運賃でよいサービスを提供されるのなら歓迎です。

 

 しかし、電機や自動車のような従来、日本の高付加価値の製品が売れなくなり、海外から安く作られたものが流入することは、日本の外貨獲得の手段を失うこと になり、雇用の場を失うことになります。

 

 日本の場合、アメリカが製造業の衰退とともに金融ビジネスで稼ぐように転換することは難しいでしょう。日本の行く末は経済大国という国の在り方を変えることになりそうです。

 

 日本も現在、既存の輸出依存型の製造業が大幅な需要削減に伴って派遣従業員をはじめとする労働者を削減、工場の稼働率を落としたりして、在庫調整にはげんでみえます。

 

 しばらくはアイドリング状態でも構いませんが、日本から輸出するには諸外国の経済が回復するまでしばらく時間がか かりそうです。日本のケータイのような高付加価値ではなく、中国や台湾、韓国が得意とする格安で普及品を大量生産するかあるいはハードよりソフトを進化さ せたものがいいかもしれません。

 

 製造業だけでなく、航空会社も、海外からの新しい風に変化に順応しなければなりません。今後は違った形で「ビジネスモデルの模索」。日本発の新しい型をどんどん出せるようにしていく必要があると思います。

 

 いや、プリウスなどのエコカーが企業の努力で技術革新がなされ、市場で認知されていくのは素晴らしいことです。

 

 もっともインドや中国の人はなかなかエコロジーどころではなく、安い車を早く普及することが大切なんでしょうけど。

 

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