日本のニュースはどうしても、翻訳の手間が入るのと実際に動いているのは海外です。

 メキシコ発ですが、すでにヨーロッパにもニュージーランドにも波及しています。韓国にもすでに患者が発生しています。

 

 文末に神戸大学の岩田先生から「豚インフルについて、研修医の皆さんへ」というMLへの投稿がありましたので、掲載させていただきます。岩田先生は3月6日に「続:予防接種後進国を返上を!麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」でご紹介した本を書かれた先生です。

 

麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか 

岩田 健太郎 (著)

 

 日本もアウトブレイクすると大変ですが、とりあえず自分は海外に出かけてしまいました。そこから状況を見ていくことになりますが、くれぐれもあわてず情報を集めながら・・・でしょうか。

 

↓グーグルの英語版のニュース

http://news.google.com/news?pz=1&ned=us&topic=m

 

↓CDC

 Human Swine Influenza Investigation / CDC

 

↓SOSインターナショナルの最新ニュース

International SOS Swine Flu ("Pig Flu") Update

http://urgent.internationalsos.com/Latest%20News/Forms/AllItems.aspx

 

 

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新型インフル、米国で1歳児が死亡 メキシコ以外で初
産経イザ 2009/04/29 20:24更新

 米政府当局者は29日、テキサス州の1歳11カ月の幼児が、新型インフルエンザで死亡したと明らかにした。ロイター通信が伝えた。メキシコ以外での死者は初めてで、疑い例が見つかっている各国でも犠牲者が増える懸念が深まった。

 米疾病対策センター(CDC)によれば、テキサス州では6人の感染が確認されていた。

 CDCは一方、ニューヨークでクイーンズ地区の私立高校関係者ら数百人が感染の疑いがある症状を訴えたと発表。全米では感染確認が66人に増えた。感染確認は新たにドイツとコスタリカであり、9カ国に増加。世界保健機関(WHO)の委員は警戒水準再引き上げの可能性を指摘した。メキシコの患者は約2500人となった。

 AP通信などによると、キューバ、アルゼンチンがメキシコへの航空便を停止した。韓国では、メキシコや米国帰りの5人に感染の可能性が出ている。(共同)

 

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マルチポストで失礼します。神戸大学感染症内科の岩田健太郎です。

ブタインフルエンザ(豚をカタカナ表記するかどうかについてはご意見あると思いますが、岩田はあまりそういうのを気にしない性分なのでお許しください)に対してWHOはフェーズ3から4に引き上げました。これがパンデミックになるかどうかは分からないのすが、一つの正念場がやってきたと思っています。

 さて、2001年の炭疽菌騒ぎのさいにNYで、2004年には北京でSARSに関わった医者として、僭越ながら研修医の皆さんに提案です。もしよかったら読んでみてください。なお、以下は転載などご自由にどうぞ。

豚インフルについて、研修医の皆さんへ

・まず、毎日の診療を大切にしてください。呼吸器症状の有無を確認し、ないときに安易に「上気道炎」と診断せず、旅行歴、シックコンタクト、動物暴露歴など問診を充分に聴取してください。患者さんが言わない、ということはその事実がない、という意味ではありません。

 せきをしていますか?と聞かなければ、せきをしているとは言わないかも知れません。原因不明の発熱であれば、必ず血液培養を検討してください。バイタルサインを大切にしてください。
 バイタルサインの重要度は重要な順番に、血圧、脈拍、呼吸数、(第五のバイタル)酸素飽和度、そして、体温です。極端な低体温などはまずいですが、発熱患者で大切なのは体温「以外」のバイタルサインと意識状態であることは認識してください。発症のオンセット、潜伏期など、時間の感覚には鋭敏になってください。要するに、ブタインフルエンザ診療のポイントは普段の診療の延長線上にしかありません。ほとんど特別なものはないことを理解してください。上記の診療は診療所、大学病院、どこのセッティングでも可能です。大抵の感染症診療は、大抵のセッティングで可能なのです。


・自分の身を護ってください。とくに初診患者では外科用マスクの着用をお奨めします。患者の診察前とあとで、ちゃんと手を洗っていますか。呼吸器検体を採取するなら採痰ブースが理想的ですが理想的な環境がないからといって嘆く必要は少しもありません。
「うちには○○がない」と何百万遍となえても嘆いても、物事は一つも前に進みません。「うちには○○がないので、代わりに何が出来るだろう」と考えてください。考えても思いつかなかったら、そこで思考停止に陥るのではなく、分かっていそうな上の先生に相談してください。いつだって相談することは大切なのです。診察室で痰を採取するなら、部屋の外に出て患者さんだけにしてあげるのもいいかもしれません。日常診療でも、とくに女性の患者は人前で痰なんて出せないものです。呼吸器検体を扱うとき、気管内挿管時などはゴーグル、マスク(できればN95)、ガウン、手袋が必要です。採血時やラインを取るときも手袋をしたほうがよいでしょう。


 こういうことは豚インフルに関わらず、ほとんどすべての患者さんに通用する策に過ぎません。繰り返しますが、日常診療をまっとうにやることが最強の豚インフル対策です。


・あなたが不安に思っているときは、それ以上に周りはもっと不安かも知れません。自分の不安は5秒間だけ棚上げにして、まずは周りの不安に対応してあげてください。豚インフルのリスクは、少なくとも僕たちが今知っている限り、かつて遭遇した感染症のリスクをむちゃくちゃに逸脱しているわけではありません。北京にいたときは、在住日本人がSARSのリスクにおののいてパニックに陥りましたが、実際にはそれよりもはるかに死亡者の多かった交通事故には全く無頓着でした。ぼくたちはリスクをまっとうに見つめる訓練を受けておらず、しばしばリスクを歪めて捕らえてしまいます。普段の診療をちゃんとやっているのなら、豚インフルのリスクに不安を感じるのはいいとしても、パニックになる必要はありません。


・今分かっていることでベストを尽くしてください。分からないことはたくさんあります。なぜメキシコ?なぜメキシコでは死亡率が高いの?これからパンデミックになるの?分かりません。今、世界のどの専門家に訊いても分かりません。時間と気分に余裕のあるときにはこのような疑問に思考をめぐらせるのも楽しい知的遊戯ですが、現場でどがちゃかしているときは、時間の無駄以外の何者でもありません。

 知者と愚者を分けるのは、知識の多寡ではなく、自分が知らないこと、現時点ではわかり得ないこととそうでないものを峻別できるか否かにかかっています。そして、分からないことには素直に「分かりません」というのが誠実でまっとうな回答なのです。


・情報は一所懸命収集してください。でも、情報には「中腰」で対峙しましょう。炭疽菌事件では、米国CDCが「過去のデータ」を参照して郵便局員に「封をした郵便物から炭疽感染はない。いつもどおり仕事をしなさい」と言いました。それは間違いで、郵便局員の患者・死者がでてしまいました。未曾有の出来事では、過去のデータは参考になりますが、すがりつくほどの価値はありません。


 「最新の」情報の多くはガセネタです。ガセネタだったことにむかつくのではなく、こういうときはガセネタが出やすいものである、と腹をくくってしまうのが一番です。他者を変えるのと、自分が変わるのでは、後者が圧倒的にらくちんです。


・自らの不安を否定する必要はありません。臆病なこともOKです。ぼくが北京で発熱患者を診療するとき、本当はこわくてこわくて嫌で嫌で仕方がありませんでした。危険に対してなんのためらいもなく飛び込んでいくのは、ノミが人を咬みに行くような蛮行で、それを「勇気」とは呼びません。勇気とは恐怖を認識しつつ、その恐怖に震えおののきながら、それでも歯を食いしばってリスクと対峙する態度を言います。従って勇気とは臆病者特有の属性で、リスクフリーの強者は、定義からして勇気を持ち得ません。


・チームを大切にしてください。チーム医療とは、ただ集団で仕事をすることではありません。今の自分がチームの中でどのような立ち位置にあるのか考えてみてください。自分がチームに何が出来るか、考えてください。考えて分からなければ、チームリーダーに訊くのが大切です。自分が自分が、ではなく、チームのために自分がどこまで役に立てるか考えてください。タミフルをだれにどのくらい処方するかは、その施設でちゃんと決めておきましょう。「俺だけに適用されるルール」を作らないことがチーム医療では大切です。我を抑えて、チームのためにこころを尽くせば、チームのみんなもあなたのためにこころを尽くしてくれます。あなたに求められているのは、不眠不休でぶっ倒れるまで働き続ける勇者になることではなく、適度に休養を取って「ぶったおれない」ことなのです。それをチームは望んでいるのです。

・ぼくは、大切な研修医の皆さんが安全に確実に着実に、この問題を乗り越えてくれることを、こころから祈っています。

2009年4月28日 神戸大学感染症内科 岩田健太郎

 

 

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臓器移植法改正で「年齢要件の緩和を」84% 産経FNN合同世論調査

配信元:産経新聞2009/04/27

 

 国会で法改正が検討されている臓器移植。現行法では、臓器を提供する場合に限って脳死を「人の死」と規定し、脳死での臓器提供には、本人の書面に よる意思表示と家族の同意が必要で、提供は15歳以上に限定している。年齢制限や同意の対象をめぐる改正案は3案が国会に提出されており、年齢制限を撤廃 してその他は現行法の微修正にとどめた第4案の提出も検討されている。

 

 25、26両日実施の産経FNN合同世論調査では「年齢などの要件を緩和すべきだ」が84.3%と大勢を占めた。一方で「『脳死』を人の死と認めるためには要件を厳格化すべきだ」との意見も77.3%に上った。自分が脳死状態になった場合、臓器を提供したい」は69.4%で、「思わない」(21.4%)を大きく上回った。

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 日本を除く先進国では、心臓移植は1982年以来、着々と実績が積まれています。そうことをすべて無視して暴走する学会があります。日本小児科学会です。
ハッキリ言って「ひどい」です。

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臓器移植の年齢制限撤廃、小児科学会委が反対
読売新聞 2009/04/28


国会審議が進む臓器移植法改正案に関して、日本小児科学会の倫理委員会が28日にも、「緊急見解」を発表することが明らかになった。

15歳未満の臓器提供を解禁するA案は「現場が混乱する」として反対し、「12歳以上」に引き下げるB案を支持している。法改正の焦点は小児の脳死判定など小児科医が扱う領域だけに、法改正の行方に大きな影響を与えそうだ。

緊急見解は学会理事会の承認を得ておらず、倫理委独自で発表する。こうした事態は異例だが、同学会ではA案への賛否をめぐって内紛が起き、統一見解をま とめきれなかった。倫理委員長を務める谷沢隆邦・兵庫医科大教授は、「このままでは小児科医の意見が国会に伝わらないうちに法律が決まってしまう」と述べ ている。

緊急見解は、小児への移植拡大は必要としながらも、A案が成立すると想定される〈1〉親に虐待された子供の臓器提供を防ぐ診断体制〈2〉小児脳死判定の 基準〈3〉子供の意思表示方法――が確立されていないと主張。「B案を数年間施行し、国の主導で体制を整えた後で、より低年齢にも臓器提供を拡大するべき だ」として、段階的な法整備を求めている。

同学会では昨年4月、横田俊平・横浜市立大教授が会長に就任。今年2月の記者会見で、「学会も脳死移植を再考する時期が来た」とA案容認と取れる発言を した。これまで小児脳死移植のあり方を倫理委員会の下で審議してきた検討委員会も昨年11月末に解散させ、新たな検討委設置を表明。しかし、4月18日に 開かれた同学会代議員総会で、激しい批判を受け、「学会の見解は白紙状態」と発言を修正させられていた。

A案については、日本医師会のほか、日本移植学会、日本外科学会など主要24学会で作る「臓器移植関連学会協議会」が支持している。小児科学会は同協議会に加盟したが、06年に脱退。同年、国会にA、B案が提出された際は、B案支持の見解を示していた。

(2009年4月28日 読売新聞)

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 自分、小児の循環器の患者さんを直接診たことはありません(検査には何例も立ち会わせていただきました)。研修時代に小児の時に先天性心奇形が あっても根治手術を受けられなくて、入退院を繰り返しながら生きてきて20歳を過ぎた患者さん、上司とともに病院の中で突然の最期を看取りました。

 

 臓器移植が開始される前の時代のお話です。その頃からでしたが渡航移植ができるのはほんのわずかです。日本ではこの10年余りで成人の心移植は80例にしか満たない患者さんに対して行われたのみです。

 

 残念なことに「小児科学会」は倫理の面では正論を言っているつもりでも、国民の世論に背を向け、国際的な医療水準を無視した結論を平気で出す団体なのだと思います。

 

 これでいいのか?15歳未満は渡航移植も不可能になり、袋小路に入ります。「○×ちゃんを救え」ではなく「●×ちゃんは、日本で生まれたことを絶望しながら死ぬのをお待ちください」ということを伝えたかったのだろう。

 

 小児科医として、臓器の確保ができなかった患者さんの最後を看取るのは仕事の一つですが、欧米なら、先進国なら助かる命を見殺しにする結論を全会の一致もなく出すのはいかがなものでしょうか?

 

 日本の小児科医は15歳以下の心臓病の患者さん「人工臓器」が完備されるまで「絶対に助けません」という結論を出した倫理委員会のみなさんは、患者さんやご家族や国民に、「これまで」の経緯も含めて「世界では可能なのに、日本じゃ絶対にできない理由」をきちんと説明してください。

 

 ところで、専門家の倫理委員会の先生方は、海外の臓器移植の現場について勉強した結果も含めてですよね・・・。

 

 いつもコメントをくださる。鶴亀松五郎先生から資料をたくさんいただきました。もちろん専門委員会の方はこれらを読み通して結論を出したのだと思います。えぇ・・・欧米では人口6億人いますが、毎年400人が18歳未満でありながら心臓移植を受けています。

 

 その内訳はUKトランスプラント(英国とアイルランド)、スカンジアトランスプラント(スカンジナビア各国)、ユーロトランスプラント、フランス トランスプラント、 などの欧州各国も、アメリカ、カナダの北アメリカ各国も、オーストラリアも、0歳から18歳未満の心臓移植を行っています。年間400例ほど。 

 ドナーの43%が18歳以上からですが、半数以上の移植は18歳未満のドナーから提供を受けています。

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Volume 27, Issue 9, Pages 970-977 (September 2008)

Registry of the International Society for Heart and Lung Transplantation: Eleventh Official Pediatric Heart Transplantation Report—2008

 

Richard Kirk, MA, FRCP, FRCPCH, Leah B. Edwards, PhD, Paul Aurora, MRCP, PhD, David O. Taylor, MD, MD, Jason Christie, MD, MS, Fabienne Dobbels, PhD, Anna Y. Kucheryavaya, MS, Axel O. Rahmel, MD, Marshall I. Hertz, MD

Received 27 June 2008; received in revised form 27 June 2008; accepted 30 June 2008

Pediatric heart transplantation has been undertaken since 1982. Since then, almost 8,000 children have been reported to the Registry, and many have survived into adult life and had their own children. This eleventh pediatric report continues to document the evolving management of pediatric transplant recipients and their outcomes.

(全文はhttp://docs.google.com/Doc?id=dcppsxzx_358cvqwhtd9に掲載)

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以下のスライドはISLTの「Pediatric Lung Transplantation Statistics」のスライドより

 

 

 

 時代とともに1歳未満でも受けられるようになっています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考リンク

*国会にて審議予定の改正案A,BおよびC
http://www.sepia.dti.ne.jp/trio/home.html

*世界の移植数など、移植関連データ
http://www.medi-net.or.jp/tcnet/data.htm

*世界の臓器移植関連法・制度(これが掲載されたあと、更に進んだ法律も出来ています)
http://www.medi-net.or.jp/tcnet/tc_5/TC5index.html

*日本移植者協議会
http://www.jtr.ne.jp/

*トリオジャパン(国際移植者組織日本支部)
http://www.sepia.dti.ne.jp/trio/

*国内ダメだから「海外で臓器移植」 それは外国の子供の「命」奪うこと  
J-CASTニュース(02月22日17時58分)
http://www.j-cast.com/2009/02/22036175.html

*臓器移植法の改正問題に取り組んでいる河野太郎国会議員のサイトから。
臓器移植法を改正すべし
http://www.taro.org/policy/zokiishoku.php
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☆ボールペン作戦が始まりました
 
■ボールペン作戦・再開するかも? -ボールペン作戦会議室-http://d.hatena.ne.jp/moto-ballpen/20090401
 
■始動!ボールペン作戦 第2弾♪ -つよぽんの避難所- http://tsyosh.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-9d1f.html
 
■「LUPOのぶらぶら地球紀行」【予告】ボールペン作戦にご協力ください!【啓蒙】
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