日本の医療従事者は、過重労働と睡眠不足で疲れています。看護師の離職率は12%以上(看護師の離職率 大阪が全国最高 /産経MSN 2008.3.12 昨年度の看護師離職率の全国平均は12・4%で、都道府県別では大阪府が16・8%と全国で最も高かった)、介護士に至っては20%台(介護労働者の離職率21・6%、前年度よりさらに上昇 2008/ 7/15 YOMIURI ONLINE)。

 

 医師は?残念なことに離職率は存じ上げませんが、かわりに「自殺」が多い職種というのは世界共通です([自殺するアメリカ人医師たち] )。

 

 当直勤務が労働時間という判断は大変重いものです。というのは・・・今後、当直勤務は法定労働時間のカウントの対象になり、当然、雇用する側は、看護職員と同等の配慮が医師に対しても必要になります。

 

 

 「患者さん」のために、睡眠を削っても働く、正義感が強い集団が、医療専門職です。

 

 医師や看護師が働きつづけられるような環境を提供しなかったために、医師や看護師の自殺が毎年生じています。

 

  しかも救急病院に来院される患者さんの切れ目が前よりもなくなっており、このために患者さんやご家族から「先生のほうが疲れてますね・・・」といういたわりの言葉をもらったり、午前3時、4時になっても頑張る医師も大勢います。

 

 ただし、これは「患者安全」のためには逆効果。きちんと睡眠をとって、万全の体制で働き、最高の結果を出すのが求められます。

 

 ただ、そのためには「医師」や「看護師」などのマンパワーが不足している状態では、安全は厳しいものがあります。根性で「患者を引き受けろ」という論調・・・最近こそ目だちませんが、「たらい回し」報道の盛んだった2年位までは、「患者を見捨てるのは酷い」といった論調が、大手マスコミ、メディアを支配していました。

 

 しかし、ここにきて、患者さんからも「治療」を託すなら、医師や看護師さんからしっかり診てもらえるゆとりを希望しているのだと思います。

 

 医療事故を防ぐためにも、「受け入れ困難」な周産期医療、救急医療、そして麻酔科医師不足で手術までの待機時間が延長している現場からの声に耳を傾けてください。

 

 それと・・・病院で働く医師は50歳を越しても夜間、呼び出され手術をしたり、交代勤務が不可能な現状のため、満足に連休だからといって病院をお休みしたり、お酒を飲んでも呼び出されて手術をする羽目になって、患者さんや家族にもご迷惑をおかけしています(飲酒後お産扱う 大阪の愛染橋病院副院長

 

  こういうことがないためにも、手術対応が必要な患者さんが何時にこられても、飲酒していない医師だけで対応できるような体制を作るのが日本には求められますね。

 

 待機料金?そんなの支払わなくてもいいように病院で8時間か12時間交代勤務にするべきでしょうね。そうじゃない病院は救急医療から撤退するのがいいでしょう。睡眠不足の医師に働かせるのは「飲酒と同じ」くらい危険なことなんですから。

 

(05年秋の米国医師会雑誌に、過労による医師の能力低下を調べた論文が掲載された。週80~90時間働き、夜間の呼び出しもある小児科研修医の注意力などの能力は、週44時間勤務の小児科研修医が飲酒した状態と同じ程度に落ちていた。

 医師不足による過労は、患者の安全も脅かしている。)

 

 

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当直医に残業代支払え 「断続的勤務」に該当せず 奈良地裁
産経MSN 2009.4.22
 

  奈良県立奈良病院(奈良市)の男性産婦人科医2人が、夜間宿直や休日などの勤務に対し、正当な労働対価が支払われていないとして、県に平成16~17年の割増賃金未払い分計約9230万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、奈良地裁であり、坂倉充信裁判長は県に計約1500万円の支払いを命じた。

 原告側弁護士や県によると、公立病院では、医師の宿直や休日勤務に一定額の手当の支払いで済ませているケースが大半。こうした勤務にも割増賃金を支払うべきと認定した判決は、産婦人科などで目立つ医師不足や偏在の要因となってきた労働環境をめぐる議論に影響を与えそうだ。

 弁論では、医師らの宿直や休日(宿日直)勤務が、労働基準法や人事院規則にのっとって県が定めた条例で割増賃金を支払う必要がないと定められた「断続的勤務」かどうかが大きな争点となった。

 坂倉裁判長は判決理由で、断続的勤務に該当する宿日直勤務について、「構内巡視や文書・電話の収受など常態としてほとんど労働する必要のない勤務」と判示。同病院の産婦人科医師らの勤務実態は「宿日直の24%の時間、救急患者の措置や緊急手術などの通常業務に従事していた」と認定し、断続的勤務には該当しないと判断した。

 その上で、宿日直中は「奈良病院の指揮命令下にあり、割増賃金を支払うべき対象の労働時間にあたる」と指摘。訴えのうち、時効が未成立の平成16年10月末以降の割増賃金の支払いを命じた。

 

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Online Medニュース(2009.4.22)
■中医協検証部会の調査結果から疑義解釈を通知、勤務医負
軽減計画は予定では認めない 厚労省

 

 

・実態は届出済みで「策定中」「策定していない」が4割

 中医協・診療報酬基本問題小委員会は4月22日、昨年の診療報酬改定後の影響に関する検証部会の調査結果の速報が出たことを受け、基本診療料についての議論を開始。入院料についての議論で、病院勤務医の負担軽減策を盛り込んだ入院時医学管理加算などの届出病院では策定されていることが要件となっている勤務医負担軽減計画について、「策定していない」病院が全体で23%あることが問題とされた。
 厚生労働省は、そうした状況を把握したことから、3月30日付の事務連絡で「疑義解釈その8」を通知し、計画の策定予定のみでは届出が認められないことの周知を図ったとした。

 
入院時医学管理加算、医師事務作業補助体制加算、ハイリスク分娩管理加算については、昨年4月の診療報酬改定で勤務医の負担軽減策を盛り込み、その届出要件に「勤務医の負担の軽減に資する具体的計画を策定し職員等に周知していること」を規定した。

 しかし、中医協・診療報酬改定結果検証部会が、その後の状況を把握するために昨年12月から今年2月にかけて行った調査の結果、3つの加算のいずれかの届出を行った病院で、「計画を策定済み」は57.4%にとどまり、「現在策定中」が15.7%、「策定していない」が22.9%という結果となった。
 計画の認知度も、「あることは知っている」まで含めても、医師責任者(部長、医長など)で60%、医師(役職がない)では34%にとどまっている。

 これに対し、厚労省が3月30日に通知した疑義解釈その8は、入院時医学管理加算、医師事務作業補助体制加算、ハイリスク分娩管理加算については、「勤務医の負担の軽減に資する具体的計画はその計画書の写しを提出すること」とするとともに、「計画の策定予定のみでは届出が認められない」ことを明確にした。

 22日の診療報酬基本問題小委員会で佐藤医療課長は、検証部会の調査結果をまとめていたワーキンググループでの作業の過程で届出の実態が明らかになったため、通知を出して徹底を図ったものとした。

資料1:入院料について(4.22中医協・基本問題小委)(厚労省)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0422-4c.pdf
資料2:4.22中医協・診療報酬基本問題小委員会配布全資料(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/s0422-4.html
参考資料:疑義解釈資料の送付について(その8)(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1ed.pdf
 

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産科医賃金訴訟 過重労働の改善を急がねば

読売新聞 社説 2009/4/23

 産科医の過酷な勤務実態の違法性を指摘した初の司法判断である。

 奈良県立奈良病院の産科医2人が過重労働に対する割増賃金を求めた訴訟で、奈良地裁は夜間と休日の当直は労働基準法上の時間外労働にあたるとして、県に1540万円の支払いを命じた。

 安全な出産のためにも産科医を増やし、労働条件の改善を急がなければならない。医療行政全体に向けた判決とも言えるだろう。

 判決は、「当直」とは「非常事態への待機など、ほとんど労働の必要がない業務」と指摘した。

 その上で、2人の医師は2年間の当直で計300件の分娩(ぶんべん)や1000件を超える救急患者に対応しており、こうした勤務実態は「労働基準法の規定を超える時間外労働として、割増賃金の支払い義務がある」と結論づけた。

 医療機関は一般に、当直は労働時間に当たらないとし、一定の手当で済ませているのが実情だ。

 県立奈良病院は、1人で当直をし、1回の手当は2万円だ。医師2人はそれぞれ当直が2年間で200日を超えていた。

 また、呼び出しに備える自宅待機(宅直)もあり、2年間でそれぞれ120日を超え、完全な休日は3~4日しかなかった。

 判決は、宅直については「医師間の自主的な取り決めで病院の内規にもなかった」として割増賃金を認めなかった。

 県立奈良病院では宅直に対する手当も支給していない。手当を支給する病院は増えており、宅直も適切に評価すべきだろう。

 全国の産科勤務医も同様の厳しい労働環境を強いられている。日本産婦人科医会の調査では、1か月の当直の平均は5・9回と、他の診療科を大きく上回る。

 産科医不足も深刻だ。10年間で全体の医師数は15%増えたが、産科は11%も減った。医師不足が過重労働に拍車をかけている。

 総合周産期母子医療センターの愛育病院(東京都)は労働基準監督署から医師の勤務実態を改善するよう勧告を受けたため、センター指定の返上を都に打診する事態に発展した。改善に必要な医師確保が困難だからだ。

 奈良では2006年、19病院で受け入れを断られた妊婦が亡くなっている。各地で同様の問題が起きている。お産の現場は危機的な状況にある。

 労働条件が改善されなければ産科医はさらに減少する。開業医が当直に加わるなど、地域医療全体での体制づくりが欠かせない。

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「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」

 

参考記事

[小児科医過労死認定なる!]

 

医師過労死と産科医不足

 

勤務医の労働環境シンポ

 

過労死裁判:「勝訴」失われた命は返って来ない

 

祝☆麻酔科医師「過労死認定」

 

[自殺労災認定]医師の認定は後回し

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