タイトルには雲とありますが、要は今のところ空の上で、問題ははるかに遠いこと、あるいは今後はクラウドコンピューティングが進むであろうことからそうしました。

 

 昨日のブログのトピック「電子カルテにもSaaSとかないのかな?」
http://blog.m3.com/TL/20090318/_SaaS_

 と書いたら、どうも厚生労働省の通達で、ダメらしい。診療所や病院が独自でサーバを導入したり維持費用とかを考えたら、今後、そんな規制は意味ない。

 参入規制だし、病院や診療所ごとにIT加算がほとんど認められない上に、そのために個別の導入コストがあるため、やたら高くつくのである。

 電子政府とかも個人情報の保守も必要だけど、利便性を考えたら病院ごとに整備させるんじゃなくて、必要なデータをまとめて管理したらいいのに・・・です。

 そういえば、元上司が電子カルテを導入するにあたって、不慣れなPCの導入やデータ保存のために苦労していたなぁ・・・です。


 それにしても、くだらない「通達行政」。官僚によって、電子カルテが不便なままなのは厳しいことです。

 

 病院から離れた医師にとっては、世界中どこからでも必要な患者情報が取り出せること、看護師やスタッフから患者さんの容体報告を聞き、データやレントゲンをチェックし、指示を自宅からでも行えるのが理想です。

 

 外来のカルテや病棟のカルテ画面は、自分の好みに「セット」が可能で、どこの病院でも、自分が利用するPCが、自分の好みの画面で立ち上がるこ とが必須です。いわゆる表側は自分用にカスタマイズできること(一般画面はあるにせよ、ブログのスキンと同じで多種多様なデザインが可能)、共通PCでの アクセスについてはアクセス履歴がすべて残ること。そして個人データを保存するのは患者の利点とバランスを考えて、サーバを院外におくことで利用が促進さ れること(2次医療圏ごとにサーバをおくなり、もと県単位で必要なものを一個とそのバックアップを一個他の場所におけばいい)。

 

 

 そんなのは夢かもしれませんが、そういう夢もまたあっていいでしょう。何せ、いまの電子カルテ業者さんにとって、その方がいいサービスが可能でしょうから。


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http://www.meducation.jp/seminar/index2292.html

■2■ 医療現場へのSaaS導入のロードマップ 【14:00~15:25】
(財)医療情報システム開発センター 町田 悦  氏

最近は、SaaS(Software as a Service)を導入し、そのメリットを享受する企業が増えてきた。一方、医療分野では、サーバーを医療機関等に置くことが厚生労働省の通知で決められ ており、現状では医療分野にSaaSを導入することは非常に困難である。しかし、厚生労働省においては、SaaS解禁に向けた検討が進んでいる。そこで、 本講演では、SaaS解禁を念頭に置いて、
SaaS導入に向けた医療分野に特有な課題を洗い出し、解決法を探る。その上で、医療分野にSaaSを導入するメリットとデメリットを整理する。更に、SaaSによってもたらされる医療の新たな展開に言及したい。

1.医療現場へのSaaS導入の前提条件
(通知・ガイドライン等)
2.医療現場へのSaaS導入の要因
3.乗り越えなければならない課題
4.SaaS導入のメリット
5.SaaS導入のデメリット
6.SaaS導入による医療の新たな展開

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 あんまり電子カルテの利点については「利用」されたことがない人には関係ないかもしれませんが、急病になった時、かかりつけ医の先生以外の診察を 受けたり、処方の情報を「お薬手帳」を忘れたりしても、危険な飲み合わせを防止したり、過量投与や誤投与を防げる、ついでに過去のデータと比較することが できるなどあります。

 

 まぁ、入力する側になりかねない医師サイドにとっては診療に集中できない、あるいは手書きの方が楽といったこともあるかもしれませんが、逆に電子化を急ぐ「必要」を感じない点としては、患者さんの個人情報を守る立場だからかもしれません。

 

 医療費の無駄遣いは他の病院でのデータ利用ができないための「検査」の繰り返し以外にも、無駄な薬の投与もあると思います。いずれにせよ電子化による負担を削減することで、医師が医療に専念できるようにするといいですね。

 

 医師の労働生産性を高めるためには、くだらない電子カルテのお守や、サーバ管理などは、アウトソースは必要でしょう。

 

 そして、大切な電子カルテの入力など入力のプロの採用が可能となり、最終的に医師が確認、承認後に治療や処方行為がなされるように変更して、医療と事務はそれぞれ分業を進めるべきでしょうね。

 

 というか、データ保守とか入力のために医師がいるんじゃなくて、医師は患者さんのためのもの・・・電子カルテでさらに医師不足が加速するようなら、意味ないね。


気が向いたらお願いします→   なかのひと

 

『周産期医療の崩壊をくい止める会』のワンクリック募金もよろしくです

http://lohasmedical.jp/fund/


 

↓この先生も投稿されていました。

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臨時 vol 60 「医療のIT化について考える」

MRIC 2009年3月19日発行

       ―代務医招聘および医療経済的な観点から―

                  久美愛厚生病院 産婦人科 野村麻実


■はじめに

 

 山あいの小さな町にある当院でも、とうとう時代の波に抗いきれず電子カルテ化への第一歩を踏み出した。オーダリングシステムの導入に向けて日々研修が行われている。

 

 断っておくが、筆者は、研修医としての在籍病院ですでに紙カルテからオーダリングに移行した世代である。その後病院を点々とする中で、様々な病院 で電子カルテ導入への過渡期に勤務し続けてきた。大学院時代に多くの病院に代務に出向いた際も、すでに電子化されている病院が多く、コンピュータシステム 化ということそのものにアレルギー反応を持っているわけではない。電子カルテ化による多くの功罪も体験してきている。

 

 最初は慣れなかった電子カルテ化も、慣れてみれば便利と思えることも少なからずあった。同時にシステムダウン時など不便を感じる場面も少なからず あった。しかし最近の医師不足や一般病院の4割超が赤字(福祉医療機構:『病医院の経営分析参考指標(07年度決算分)』)という状況の中では、オーダリ ング・電子カルテ化といったIT化一連の動きは好ましいものとは思えなくなってきた。

 そういった観点から医療のIT化の現状について私見を述べたい。


■代務医招聘における問題点

 

 医療過疎化地域では常勤医の数が減りつつある。残された常勤医が少なくなればなるほど、日常業務の負担に加え、時間的・行動範囲の拘束が慢性的に 続く状態となり、医師不足に拍車をかける悪循環は、指摘するまでもない。このような地域では代務医の招聘が出来るかどうかが、常勤医の士気や体力・精神的 な支え、ひいては地域医療の存続の鍵となっている。ささやかな息抜きと休日がなければ、僻地での勤務は続けられない。

 

 ところが電子カルテやオーダリングは、この代務医招聘の観点からは好ましいことではないことに気づいた。

 

 現在、日本の多くの医療機関では、実に様々なコンピュータシステム会社によるそれぞれのオーダリング・電子カルテフォームを導入し、同じ「富士 通」であっても病院ごと、値段ごとにシステムが違うといった有様である。比較的簡単な採血指示でさえ、代務の立場になってみれば、「調べたい」項目を探し 出すのが大変で時間と手間がかかる。結果を見ることもおぼつかない。点滴指示ともなれば、筋肉注射なのか皮下注射なのかなどの投与方法をはじめ、時間当た りの滴下速度、何時から投与するのか、一日何度投与するのか、入力せねばならないことがたくさんあり、一体何が何だかわからない状態なのに、残念ながらこ ういったシステムは「入力しなければならない項目」のどれか一つでも抜けているとオーダーできないので、「何を入力していないのか」が判明するまで次の状 態に進めない。

 

 そのうえ通常の場合、オーダリング作業は普段「医師」のみが行っている。看護師さんに尋ねても、「私達にはわかりません」との返答しかかえってこ ない。代務医が「専門医」として常勤医と同じ能力を持っていたとしても、常勤医の代わりにはまったくなりえない。かくして外来は行き詰まり、四苦八苦の 末、大量の患者さんを待たせるという最悪の事態となる。また夜間の産科当直勤務のみであっても、産婦人科の場合は緊急帝王切開という一刻を争う状態が突発 する。速やかにオーダーがかけられないのは致命的ですらある。


■認識されていないIT化のストレス

 

 ところが多くの病院では、常勤医が固定されてしまっているために、独自のコンピュータシステムの弊害が認識されていない。「常勤医さえ慣れてしま えばいい」という観点しか持っていないせいであろう。コンピュータシステムは、巨大な「ローカル院内ルール」であるという観点が病院経営者・運営者には必 要なのではないだろうか。代務医招聘のためには、コンピュータシステムを説明でき、夜間緊急時であってもかわりに実行できる常勤医以外の誰かが必要なので ある。

 当院では幸いこのような観点から、オーダリングは(今のところ産婦人科に限って)看護師による入力となっている。今後医療過疎地域では代務医招聘の観点から、IT化に際して考える必要もあるのではないかと考えている。


■医療経済上のIT化問題

 ところで、病院の収益は「医師の指示」によって成り立っていることがようやく理解されてきた。もちろんコメディカルがいなければ院内業務は回らないが、診療報酬そのものは、外来であれ入院であれ、最初に「医師の指示」が必要なのである。

 

 つまり医師が単位時間に何人診ることができるかによって外来・入院収益は大きく変わる。入院・手術対象者も患者数に対して一定の割合でしか含まれ ていないから、よほど紹介率が高くない限り外来数に比例する。医師が数多くいてたくさんの外来患者を見ることが出来る恵まれた病院以外では、数多くの患者 を、できるだけその医師の能力に見合った時間でたくさん診断して指示を出していく以外に、利益を生み出す方法はない。医師一人一人の稼働率が病院全体の収 益を決めているのだ。

 

 しかし多くの病院ではコンピュータシステムによって逆の現象が起きている。オーダリングは医師が行わねばならないと規定され、採血から細菌培養、 次回受診予定まで医師が入力する。本来の診察行為に長く時間を取ることは患者さんにとっていい医療となるだろうが、コンピュータの入力のために医師が時間 を割くことは、あまり意味があることとは思えない。

 

 医療安全上、「医師の入力が必要」と言う人もいるだろう。しかし実際には、2008年の10月に徳島県で、新任のコンピュータ入力に慣れていない 医師が「サクシゾン」処方のつもりで、筋弛緩剤「サクシン」を入力してしまったという事件も報告されているし、筆者自身も「バイアスピリン」を入力しよう として「バイアグラ」を入力していた笑えない事件もあった。(産婦人科患者にバイアグラはありえないと薬剤師からの連絡で事なきを得た。)手書きよりも簡 単に間違った情報が入ってしまいやすいというコンピュータシステム自体の欠点についても、特に留意する必要がある。システムに慣れていたとしても、時間に せかされている状態では間違いはいつでも起こりうるのだ。誤投薬や誤指示は「誰が入力するか」よりも「二重チェック」や「三重チェック」という、まだるっ こしいが確実な方法で行うより他にないだろう。

 

 アメリカでは所見のカルテ記載は、医師の口述を医療秘書が筆記なり入力する方式で行われている。日本の医師がコンピュータ相手に格闘している姿は、医療経済的にも非常に非効率的であるといわざるをえない。


■終わりに

 

 2009年3月9日、日本経済新聞の社説に「レセプト完全電子化を後退させるな」という記事が掲載された。医療の電子化が、「請求事務の効率化や 人件費の圧縮を通じ、国民医療費の増大を抑えるのに役立つ」とし、電子化が普及しない理由として「専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担 が重い、高齢の医師が経営する過疎地の診療所は電子請求の作業に十分に対応できない」とある。しかし人件費を減らせたとしても、医師が病名入力をしている 病院では(総合病院の多くでは現在そのような運用が多い)却って医療収入は減少してしまう。また電子化したとしても、そのソフトやフォームが全国統一され ているのであれば患者情報の受渡しで利点も感じられるだろうが、現在のところ上記のような状態で各病院同士での互換性はない。医療現場に負担ばかりが増え ている状態は、2009年3月11日日本医師会の定例記者会見のとおりである。
(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090311_1.pdf)

 

 厚生労働省は電子レセプトをなんとか普及させるために、「代行請求」の仕組みを構築すると共に、負担軽減策として、各医療施設に電子媒体への移行 のために従事者を雇用してもらい「ふるさと雇用再生特別交付金」を交付する案を提唱しているという。(日本医事新報 2009年3月7日号 p32)残念 ながら、現在の医療施設は度重なる診療報酬改悪のために、コンピュータ化できる余力も、余分の人件費を払うほどの体力もない。医療現場にはすでに他業種の 雇用まで支えるほどの体力はないということを、まだ厚生労働省が自覚していないのは残念なことである。

 

 

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