世界経済と医療はあんまり関係ないように思われていますが、当然関係があります。とりあえず、メディカルリーリングで有名な国「タイ」から参りましょうか?

-------------------------------------------------

世界経済低迷が病院にも影響
バンコク週報 2009/02/02

バンコク9インターナショナル病院のピヤ院長によれば、国内の主要民間病院の多くが、世界経済低迷に伴う外国人利用者の減少でスタッフを削減するなどの経費削減を迫られている。

これらの病院は、タイを域内の医療ハブに成長させるとの政府支援をうけて、同国で治療を受ける外国人が増加していた。そのため、近年の収益は増 加していた。しかし、世界経済低迷の影響で外国人利用者が急減し、看護師を解雇したり、救急医療をやめたりするところが出ている。

同院長は「以前は病院のロビーでアラブ人や日本人をよく見かけた。だが、経済危機で状況が一変した」と指摘する。なお、同院長によれば、タイで治療を受けるアラブ諸国の人々が減少したのは、外国人向けの医療サービスに力を入れ始めているインドの影響もあるという。

 

------------------------------------

「病院はタイ人へのサービスを優先すべき」

バンコク週報 2009/02/19

著名な社会評論家プラウェート博士は2月18日、民間病院に課税し、その税金で地方の医師不足を解消するための基金を設置するよう政府に求めた。

同博士は、アジアのノーベル賞と称されるマグサイサイ賞の受章者。

地方では、国立病院で医師の不足が深刻化しているが、博士は、「民間病院は、大勢の医師を雇って外国人利用者を増やそうとしている。しかし、タイの医療機関は、タイ国民へのサービスを優先すべき」としている。

政府はタイをこの地域の医療ハブに成長させることを目指しているが、博士は、「この方針には反対ではない。しかし、タイ国民が不利益を被ることがあってはならず、対策を講ずる必要がある」としている。

------------------------------------

 

 バンコク市内に向かうと、あちこちにミドリ十字そおったてた立派な病院をみかけます。が、周囲はスラムとか。誰を見ているかと思えばきっと外から の人でしょうね。だって、都心を歩くと相変わらず身障者の子供が地べたをコップとかお皿を押しながらお貰いしているのは全く変わりません。

 豊かになったのは病院関係者。市民はそんな人をどうしても足手まといのようにしているのですね。

 

 さてそのメディカルツーリズム一転して、解雇と閉鎖モードです。まぁ、日本経済新聞の系列のメディアは違うといわんばかりですが。

 バンコクは去年の騒ぎ以来、観光客が減り、かなり苦しい思いしているはずです。まして、医療を受けに行くのに空港閉鎖などのリスクは冒したくないはずです。

 そして、価格が安いからと行列ができても、その先に待っているのは患者さんの安全を無視した別個の営利至上主義だったりします。

 

------------------------------------------------------------------
タイ、ブームに沸く医療ツアー 手頃な価格に外国人患者が殺到
日経ビジネスオンライン 2009年2月19日

タイの3大病院であるバンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(BDMS)、ピヤウェート病院
、バムルンラード病院がこぞって医療設備の改善に着手している。手頃な価格の医療を求めてタイにやってくる外国人旅行者の増加に備えるためだ。

不況で低価格医療が人気

  BDMSが運営する19の病院のうち数カ所を束ねているバンコクホスピタル・メディカルセンターのチャトリー・ドゥアンネットCEO(最高経営 責任者)は「パタヤやサムイ島、プーケット島にある病院の病床を改修、拡大している」と語る。既に医師と看護師をそれぞれ5000人抱えており、今後5年 間で予想される需要増加にも十分対応できる見込みだ。

一方、バンコクにあるピヤウェート病院のタナティップ・スプラディットCEOは「今年、設備拡大のために約10億円を投資する予定だ」と言う。 この資金は病院の改修、2つの病棟の新設などに使われる。2008年、ピヤウェート病院では外国人患者が総患者数の20~25%を占めた。この年、同病院 の診療報酬総額は約26億円で、その半分が外国人患者からのものだった。診療報酬に占める外国人の比率は今後5年間でさらに増え、60%に達すると予測さ れている。

ピヤウェート病院に来る外国人患者の大半はオマーン人。そこで同病院はオマーンにもメディカルセンターを建設する計画だ。さらにアフリカ南部や 東部への進出も狙っている。タナティップCEOは「これらの国々から医療を求めてインドやタイに来る患者が増えている。期待は大きい」と話す。

バンコクにあるバムルンラード病院も投資を増やしている。マック・バナーCEOは「世界的な景気後退局面でも、今後3年の投資計画を先送りする つもりはない」と強気だ。インターナショナル・クリニック・ビル内に新設中の5つのフロアを、外国人など外来患者向けのサービスに振り向ける。病床数も 554から600に拡大する。

今後、米国からの「医療ツアー」も増えると期待されている。

バンコクホスピタルのチャトリーCEOは「米国の保険会社は米国人の高い医療費を賄えなくなり、海外の病院でも治療を受けられるよう契約内容を 変更している」と話す。バムルンラード病院のケネス・メイズ、マーケティング部長も「経済危機の渦中にある米国では、企業が社員のための医療費を払えず、 価格を下げる方法を模索している。そこで米国の保険会社は、医療費の安い国々への医療ツアーが可能かどうか調査している」とつけ加える。

3大病院の経営陣は、世界の金融危機がタイの医療業界にとってチャンスとなると見ている。先進国の患者が国内での医療費を賄えなくなると考えるからだ。実際、米国の医療費はタイに比べると5倍程度も高い。

観光収入の10%を占める

タイ医療業界はここ数年、年率15~20%で成長している。GDP(国内総生産)を上回るペースだ。景気が後退局面に入った2008年以降も伸びを維持している。

ピヤウェート病院のタナティップCEOはシンガポールやインドがタイを抜いて"医療市場"のトップに立つことはないと考えている。シンガポールは医療費がタイより高く、観光地としてもタイほど人気がないからだ。

タイは2008年、海外からの医療ツアーによって約1822億円の収入を得ている。そのうち約521億円が病院などの診療報酬で、残る1301億円は患者の家族による買い物や旅行などの観光収入である。観光収入全体の約10%に相当する規模になっている。

(By Asia News Network (c)THE NATION 2009年1月26日)

 

------------------------------------
保健省、美白の違法施術に警告
バンコク週報 2009/02/17

保健省食品・医薬品委員会(FDA)が、美白効果が高いとされる化学薬品グルタチオンとラロスコルビンの注射について、生命への危険性が高いと警告している。

FDAは2月13日、バンコク都内で人気の美容クリニック「ポンサック・クリニック・エスプラネード支店」を捜索し、未認可のグルタチオンとラロスコルビンを患者に使用していたことを確認。これらの薬剤は現在、輸入が禁止されている。

違法施術が発覚した場合、クリニック責任者には3年以下の禁固、または5000バーツ以下の罰金、またはその両方が科されるほか、誇大広告が確認された場合には10万バーツ以下の罰金が追加される。

------------------------------------

 

 ところで、お隣の台湾や韓国の医療状況について少しご存じな方はあまりおみえではないとおもいますが、ある方のお話を聞いたところ大変な状況になっているようです。

台湾(半導体不況)とか韓国(去年の10月にまた経済破たんssd先生の日記参照)は経済が崩壊してしまい、えーと国民皆保険がどうも破たん寸前のようです。

 

 韓国では、KFDAで新薬の承認(FDAの承認通過したら半年後に自動承認だけど)が通っても、薬価がつかないそうです。たとえば去年60品目新 薬が承認(FDAの承認後6か月で自動承認ね)されても、20品目くらいしか保険償還されない(つまり使いたきゃ自己負担ね)。


おかげで採算がとれないから外資系も逃げだしているそうでつ。


台湾でも経済危機のおかげで、イギリスのように「Waiting List」が延々と延びて、高血圧ごときでは診てもらえないために、救急外来に患者さんが押し寄せているそうです。

 台湾出身の知人の薬剤師さんに聞いたところ、「台湾では薬の値段を低くつけられちゃうから台湾での開発のメリットがあまりないようです」(はいはい、どっかの国と同じじゃありません?)


安い医療費は国民の幸せにつながるとは限らないようです。調べていまつ。とりあえず台湾編。

---------------------------------------
「オンライン・ドラッグ・ショップ店長の呟き」
2008/09/01
台湾の医薬事情

このブログのタイトルは「オンライ・ドラッグ・ショップ店長の呟き」なのに、医薬のことはあまり語っていない。今回は台湾の医薬事情について語る。まず歴史と医薬分業のことから始まる。

台湾で使った医学用語は、日本語と全く同じものはすごく多い。たとえば、「心筋梗塞」、「高血圧」、「糖尿病」などの医学用語は、日本語をそのまま中国 語に流用した。それは十九世紀末の清の時代、中国には一時日本ブームが起こり、大量の外国語の日本語翻訳(中には大量の科学用語が含む)が中国に紹介され たからだ。もちろんこれらの用語も台湾まで伝わってきた。

1895年から1945年までの50年間、台湾は日本の殖民地になり、日本の一部にであった。殖民時代の後期、太平洋戦争が勃発し、いくつの日本製薬 メーカーが日本政府の要請により台湾で拠点を設立し、日本軍向けの医薬品を生産した。記録により、あのときに武田製薬や塩野義製薬など、計13社も台湾で 拠点を設立した。(塩野義製薬は1935に台湾の台北で駐在所を開設した。<塩野義社のサイト>にこのことが書いている)(日本の医薬品メーカーが台湾で 医薬品を生産することは<こちら>も参考にしてください。)

日本殖民地の時代に、台湾人が受けられる高等教育は「医学」しかないので、あのときに日本の医学教育をうけた台湾人精鋭は、教育戦後台湾の医学教育と公 共衛生制度の確立に大きな影響を齎した。その一方、医者中心の医薬制度の確立、医薬分業を拒むや薬剤師を軽視するなどのマイナス面も台湾に伝わってきまし た。

話は近年に戻る。1995年に、台湾は日本の「国民健康保険」にあたる「全民健康保険」制度が実施された。国民の97%がこの制度にカバーされ、薬に対 する需要も一気に高まったが、 肝心の医薬分業はなかなか推進されていなかった。医師の調剤権を認める骨抜きの薬事法は、1994年にやっと改正されたが、 医薬分業の真髄である院外処方箋の発行は、2004年の年末にようやく台北市の市立病院から始まった(当時の台北市長は今の総統である馬 英九氏)。これ をきっかけに医薬分業を着々と進んだか、欧米みたい完全分業になるまでの道のりはまだ遠い。(台湾と日本の薬剤師会はずっと前から交流があり、台北市の薬 剤師会と東京の薬剤師会は姉妹会提携しておる。大まかに言うと、台湾の医薬分業は日本に5年くらい遅れているペースで進んでいると言える。)

私は薬剤師でも医者でもないので、単なる医薬品業界にいる一人の国民の観点から医薬分業のことを見てきた。台湾に医薬分業(ここは狭義の「院外処方箋発 行」を指す)にうまく出来ない一番の理由は、主に病院(医者側)が薬の利益を手放したくないこ とだ。台湾の医者は社会地位が高く、政治的にも高い影響力に 持っているため、医者よりの法律や医薬環境を作らせるのは簡単なことである。医薬分業が出来た前、医者は診療費ではなく、薬を売ることで儲かっていた。こ の環境で患者が「薬漬け」にされてしまうことは目に見えた。「全民健康保険」が実行された後、医薬分業を推進するため、政府が薬価差を縮小することを手段 として院外処方箋の放出を促した。その結果ある程度に効果が出たものの、病院側の「薬で儲かる」考え方は今でも変えていない。(薬価差はまだ1から2割り ほどあると言われるからだ。)

十年以上前から「全民健康保険」を始まった以来、台湾の公共衛生が大きく進歩したが、保険自体は毎年に莫大な赤字が出て、しかもどんどん拡大して行く。 政府が赤字を解消するために薬価を年々下げた結果、一時的に赤字が減少するように見えたが、メーカーにとって儲からない商品は市場から余儀なく撤退させら れた。近年、海外大手医薬品メーカーのブラント薬が台湾の医薬市場から撤退する動きは特に目立っていた。実は患者不在の医療現場に成りつつある。(「全民 健康保険」は大赤字が出していることについて、運営する「健康保険局」という政府機関には当然責任があるが、局員は毎年四ヶ月分のボーナスが貰ってい る。)

台湾の医薬品事情に関するもっと詳しい説明は<こちら>を参考にしてください。
http://www.jpwa.or.jp/jpwa/asia1.htm

------------------------------------------------

台北市医師会親善訪問
沖縄県医師会 2008年10月号

去る7 月19 日(土)から21 日(月)までの 3 日間の日程で、宮城会長をはじめとする21 名が台湾を訪問し、姉妹会である台中市医師公会との交流親善を図った。
(中略)

<Ⅱ.意見交換会>

台湾中央健康保険局中区の陳明哲局長より、「全民健康保険の現状と概要」と題して講演があった。

「全民健康保険の現状と概要」
中央健康保険局中区支局長 陳明哲
陳明哲

台湾は人口密度が高く、65 歳以上の高齢者が占める割合は10 %を超えており高齢化社会となっている。国内総生産は1 人当たり16,000 米ドルで、国内総生産に占める保健医療支出は6.1 %となっている。

出生率9 %、死亡率6 %、乳幼児死亡率 4.6 %、国民の平均寿命では男性が74.9 歳、女性が81.4 歳となっている。健康目標(2006 年)は表2 のとおり。

医療機関は診療所が17,738 機関、病院が 542 機関、ベッド数は111,973 となっており、その内民間の医療機関が大多数を占めている。

台湾の医師は大部分が専門医としての免許ももっており、病院でのサービスはほとんどが専門医によって行われている。患者は病院の選択が自由であり、転院 も強制されない。また、病院の外来診療が非常に多い。台湾では、衛生署(台湾における中央の保健機構)による病院評価システム(有効期限3 年)が行われており、評価が高ければ政府からの医療補助が多くなると共に、評価成績によって国民からの信頼も厚くなる。

台湾における保険制度は、1950 年の労働保険からスタートしており、続いて58 年に公務員保険、85 年に農業従事者保険、90 年に低収入世帯保険制度が開始され、95 年にはそれまで保険の対象外であった老人と子供も含める全民健康保険(皆保険制度)が始まった。
(中略)


皆保険制度のため保険料は合理的で、被保険者の給与の4.55 %が保険料となっており、誰もが平等に医療を受けられる。また、給付が広範的で費用の控除が取扱易い。更に行政費用が低いにも関わらず民衆の満足度は高く、各国より見学に訪ねてくる。

弱者(原住民、55 歳以上の者、低収入者、退役軍人など)に対しては、補助制度が設けられ、医療保障によって平等な医療が受けられると共に、政府が介入することにより医療費の分割払いも可能としている。

重病患者の割合は3.13 %(約70 万人)であるが、総医療支出の27.11 %を占めている。

全国の一人あたりの医療支出は20,126 点となっているが、がん患者一人当たりの医療支出は128,534 点である。

保険料は所得によって分けられ、収入が低い者程低く設定されている。

総医療費に占める経費コストの割合は保険制度が導入された95 年に3.31 %だったのに対し、 2003 年では1.76 %に落ちていることから効率的な運用がされている。

国民は健康保険に対する満足度が高く、96 年には77 %以上の高い支持率を得ている。

国際的な評価も高く、イギリス経済誌、アメリカハーバード大学誌、ABC ニュースなどでも同制度等が取り上げられると共に、各国より厚生長官、専門家が研究のため来台している。アメリカハーバード大学の教授も「全民健康保険」 は以前より施行していた、ドイツ、日本、韓国よりも優れていると評価している。

2006 年における全民健康保険の加入者は 99 %に達しており、保険医療機関として契約している医療機関は91.45 %を占める。

保険料収入は3,670億元あり、政府(25%)、雇用者(37 %)、被保険者(38 %)という内訳になっている。

総医療費の内65 %が外来診療を占め、35 %が入院医療費となっている。

台湾ではかかりつけ医制度が無いため年間の一人当たりの診療回数は多い(06 年は13.82 回)

 なお、近年の保険財政は支出の成長率が収入の成長率よりも高く なっており、94 ~ 96 年時点で収入と支出が逆転し、赤字の状態となっている。しかし、保険料を上げることは直接選挙に響くため、政治家はこれを躊躇している状況であったが、保 険局が総額予算制度を導入し赤字拡大の歯止めをかけた。

そのため、95 年時点で、実際の医療費総額が当初予想されていた総額より大幅に押さえられた。

現在、直面している問題として、1)財務のアンバランス、2)保険料の公正の是正、があり、 GDP に占める給与所得が57 %に過ぎない現状において、今後、保険料の引き上げが課題となっている。

また、短期対策として公共衛生の支出は公務予算に帰還すると共に、タバコ健康税等を導入し、浪費を減少させ、自主改革を促していく。

●質疑応答

高大成理事長

今の説明にあったように確かに制度的には良いかもしれないが、実際にはそれは医者の犠牲によって成り立っている。以前は1 ヵ月の収入は100 万ぐらいあったが、現在は20 ~ 30 万位である。それでも医者として国民に貢献出来ていることを考えればそれで良いかもしれない。しかし生活が以前とは変わっていることは確かである。

Q 玉城信光副会長

患者さんが診療をうけた場合、その場での自己負担があるのか?

A 高理事長

一律の低い料金を負担しており、1 割も無い。

国民も出来るだけ安い医療費を望んでおり、医療費を上げようとすればすぐ怒る。

だから医療費を上げようとする政治家は選挙で落ちる。


結局、私達だけが犠牲になっている。

A 廖仁元理事長

入院した場合でも自己負担は1割ぐらいである。

Q 宮城信雄会長

GDP に占める医療費が6.1 %となっているが、OECD 加盟国の平均が9 %である。

現在、日本は8 %で、イギリスに追い越されて22 位になった。以前イギリスが医療費を抑制したために医療崩壊が起こったが、台湾は 6.1 %でよくやっており、やはり先生方の犠牲の上に成り立っていると思う。

保険料を払うのは国、雇用者、被保険者ということだが、サラリーマン以外の自営業、農民等はどうやって保険料を算定しているのか。

A 廖元理事長

農業従事者は農協を通して健康保険に加入する。自営業者などは区役所のような所が設けている保険に加入することになる。

しかし、現在はかなりの収入があるにも関わらず、安い保険料しか払っていない人が多いことからこれを変えていくことが課題である。

医療費が6.1 %というのはおかしいが、中々変えられない。なぜかというと3 ~ 4 年で立法院や市長、総統の選挙があるが、政治家はお金が足りないことは分かっていながら、保険料引き上げを訴えると落選するから絶対に口に出さない。

Q 小渡敬副会長

医療費がどんどん上がって総額予算制にしたということであるが、実際に予算額を上回ってしまった分はどうなるのか?

A 高理事長

以前は1 点1 元だったが、総額予算制になってから約0.9 元となっている。

※ 1 点に対する金額が変動する

Q 小渡副会長

日本では医師会が医療のことを色々考えてやっているが、その割には医師会の発言に対して国民の支持が無いが、台湾ではいかがか。

また、医者の社会的地位はどうか。

A 廖元理事長

台湾では医者に対する国民の支持は日本よりもっとひどい。

A 高理事長

台湾の医師会は力が無い。行政に対して発言出来ない。政治家も医者の数を見て馬鹿にした状態である。

台湾は中国に管理されて以来、医者の地位はどんどん落ちている。というのは、中国人はあまり人の命を重視しない。日本が台湾を管理していた頃は、医師の地位は高かった。今は頑張るしか無い。

Q 玉城副会長

日本では、病院で働く医者の過労死等が問題となっているが、台湾でも今のお話のように押さえ続けられると更に状況が厳しくなるのではないか。

A 高理事長

台湾では医療機関は1 ヵ月の内4 日間は休まないといけない。以前は年中無休だった。(総額予算制のため)働いた分だけ収入になるということにならなくなっている。

Q 安里哲好常任理事

人口が台湾全体で2,300 万人で、ベッド数が 11 万となっているがこれは急性期病床なのか、それ以外も含んでいるのか。

A 廖元理事長

急性、慢性両方が含まれている。

Q 簡聰池先生

今の台湾において、今の保険制度に満足しているのは、国民と大病院だけである。開業医等は苦しんでいる。先ほどの説明にもあったが、世界各国から見学に来るが、実際に台湾の保険制度を見て、この制度を導入したら大変なことになるとみんな恐れている。

これからどういう対策を取る考えか。

A 陳中央健康保険局中区支局長

この制度が医療援助と医師の犠牲・貢献が無ければ成功し得なかった。この場をお借りして感謝の意を申しあげる。この制度を導入した背景は国民の需要によ るものであり、どんな保険でもそうだが財務のバランスが大事である。保険料の引き上げはどの政党で口にしないのが現状であるが、前の内閣の時に2 回目の健康保険制度を導入する方針があった。その保険料の計算基準は給料に基づく計算では無く、総収入に基づく計算されるものであった。今のところ現在の 政府がこれを導入するかどうかは分からないが、台湾の保険の未来は明るいと信じている。

Q 玉城副会長

チャンスがあればお互いに交流出来ないかと考えているが、医学会は開かれているのか。

A 廖元理事長

台湾では専門医制度となっており、それぞれ各学会で3 ~ 5 年ごとに更新することになっている。それまでに学会で発表を行ったり、講習を受けたりしないといけない。そのため、総合的な医学会は行っていない。それぞれ専門の学会に任されている。

開業医も医師免許をもっていれば開業出来るという訳ではなく、開業する地域の衛生局に申請書を出さないといけない。その許可証は6 年間有効で期限がきたら更新しないとならず、その際に研修を受けないといけない。そのため、医師会でも月に1 回講習会を開催
している。

台中市医師公会交流会 印象記
玉城信光

副会長 玉城 信光

7 月19 日から21 日まで沖縄県医師会と姉妹医師会締結をしている台中市医師公会を訪問し意見交換や親睦をはかった。

久しぶりにパスポートを作ったのである。真新しいパスポートを手に7 月19 日午前9 時45 分那覇空港国際ターミナルへ集合した。宮城会長夫妻をはじめ事務局をいれ総勢21 名のツアーである。チャイナエアラインで11 時45 分に出発し、12 時10 分台湾到着。所要時間は?時差が1 時間あり、1 時間25 分の旅である。福岡より近い。チャイナエアラインの機内販売でたくさん売れているものがあった。大きな紙袋に台湾の人がたくさん詰め込んでいるものがあ る。タバコである。アメリカ産やマイルドセブンが飛ぶ様に売れていた。

空港には高理事長らの出迎えがあった。台中市から2 時間ほどかけて迎えにきてくれたのである。頭の下がる思いがした。

現地時間の午後5 時から長栄桂冠酒店(エバーグリーン)で台中市医師会との意見交換会がもたれた。あらかじめ当会より

1.台湾の保険制度はいかがですか。公的保険の普及度はどうですか。
2.香港では公的病院の勤務医をしながら開業などもできるようですが、台湾ではいかがでしょうか。
3.医師会医学会は開催されていますか。

との質問を投げかけておいたので、それへの回答として中央健康保険局中区支局の局長:陳明哲先生がパワーポイントを使用し説明してくれた。

台湾の人口は(2006 年)で2,278 万人、保健医療支出は国内総生産(GDP)にしめる割合は 6.1 %と日本の8.0 %より低くなっている。国民の平均余命は男性が74.9 歳。女性が81.4 歳である。

社会保険の歩みとしては1950 年に労働保険、58 年に公務員保険、85 年に農民保険、90 年に低収入世帯保険、95 年から全民健康保険になった。

全民健康保険の特徴は「皆保険制」、国が運営する単一保険者、保険料は政府、雇用者、被保険者の3 者で負担する。診察時の自己負担は1 割以下だという。

陳先生は行政の立場で国際的な評価が高いと述べているが、総額予算制を導入してが上昇すると診療報酬を10 %以上カットなど医療機関の収入を減らす様になっているは高く評価するが医師の側の負担で成り立っている保険制度の様で台中市医師会の先不評であった。政 権選挙で医療費の増額を主張する政党がないとのことであった。
(このレクチャーの内容は35 ページに掲載)

3 番目の医学会の質問に関して、台中市に医学会があれば沖縄県医師会医学会との交流を図ろうとの思いがあったが、台湾では専門医制度がしかれており、各々受 講単位が決められていて、数年に1 回更新しなければならないと述べられた。専門医の講習のみで沖縄県のような全科に渡る医学会はないとのことである。時間がなくて2 番目の質問は割愛した。

その後歓迎パーティーになり、台中市医師会のメンバーによるサックスホンの演奏があった。喜納昌吉の花や骨まで愛してなど日本の歌の演奏をして頂いた。

<以下略>

 

-------------------------------

 

まとめ:人口が台湾全体で2,300 万人で、ベッド数が 11 万(急性期・療養型ふくむ)。

 

 1995年より国民皆保険制度が導入。患者さんの自己負担は1割。このため保険財政は赤字。したがって、毎年薬価償還の切り下げが相次いでおり、外資系メーカーが市場から撤退していくなどの余波を受けている。

 

 また開業医も薬価を院外処方箋の形で放出したが、新しい財源がないため、年収が1/3レベルに低下している。

 医療費が6.1 %というのはおかしいが、中々変えられない。3 ~ 4 年で立法院や市長、総統の選挙があるが、政治家はお金が足りないことは分かっていながら、保険料引き上げを訴えると落選するから絶対に口に出さない。その ため、診療報酬が0.9がけになり医師の得られる報酬は10%ディスカウント。

 医療としては立派にしているように見えてもかなり違っている姿がみえてきますね。

 

気が向いたらお願いします→   なかのひと

 

『周産期医療の崩壊をくい止める会』のワンクリック募金もよろしくです

http://lohasmedical.jp/fund/

------------------------

固定リンク | コメント (0)

SkyTeam
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2009/02 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着トラックバック