公的医療というと小児とか産科、それに救急もありますが、公衆衛生の観点からは「感染症」はとても大切です。インフルエンザ、日本脳炎、はしか、風疹、HIV、そして結核。
結核というと、完全に忘れ去られた格好ですが、明治、大正、昭和30年代までは猖獗(しょうけつ)を極めたもので、それで石川啄木、正岡子規、樋口一葉など困窮の中で彼らの命を奪ったのもまた「結核」でした。
幸い、特効薬が戦後アメリカから入ってきて、さらに栄養状況が良くなったので一見すると忘れていい「過去」のことと思うのでしょうが、貧困から脱しても、 高齢者の再発、多剤耐性菌(ロシアやインドではこれが問題になっています)の出現、さらに結核について一般診療からも忘却されてしまい・・・診断が遅れる (どっかの大学病院の総合診療部では活動性結核を普通の肺炎か気管支炎でそのまま2週間様子を外来で見てしまったとか聞いたことがあります)。
いずれにせよ、結核などの不採算医療を押しつけられた形の病院・・・には何らメリットがありません。
今後、さらに公的病院の淘汰が始まると、地方によってはアクセスが、さらに厳しくなりそうです。
骨髄移植フィルターに関する署名のお願い
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結核検診、維持できるか 相次ぐ病床閉鎖…地域偏在
産経MSN 2009.2.5
結核患者病棟のナースステーションに詰める看護師ら。感染を防ぐために気圧を上げている=東京都清瀬市の複十字病院 かつて日本の国民病といわれた結 核。医学の進歩により患者数は激減したが、通常の抗生剤が効かない多剤耐性の結核患者が大都市を中心に報告されている。その一方で、経営難から結核病床を 閉鎖する病院が相次いでおり、診療体制を維持できるか懸念されている。(杉浦美香)
赤字経営、後継者不足 厳しい現実
東京都清瀬市の複十字病院。結核患者の病棟で53歳の男性が退院のための荷造りをしていた。入院したのは昨年8月。春ごろから食べられなくなってやせ始 め、当時60キロあった体重は40キロまで落ちた。ストレスによる拒食症を疑い診療所に行ったところ、結核であることが判明した。
「病院にほとんどかかったことがなく、結核を疑いもしなかった。深夜、サウナや漫画喫茶で過ごしたりしていたから、そこで感染したのだろうか…」と首をかしげる。
結核が蔓延(まんえん)していた昭和20年代を過ごした60、70代では再発の場合が多いが、50代は新規感染者であることが多い。
入院して1週間という都内に住むフィリピン人女性(23)は、マスクごしにつらそうにせきをしながら「眠れなくてつらい。早く家に帰りたい」と訴えた。
2年前に来日。スナックで働いていたがせきが止まらず、診療所を受診、風邪と診断された。薬で一時おさまったが、再びせきが止まらず別の診療所にかかり、結核であることがわかった。
訪れたとき、48人の患者が入院していたがうち4人が外国籍。結核の罹(り)患(かん)率が高い国の出身者の場合、母国で感染して来日するケースが多いという。うち1人は多剤耐性だった。
結核を完治するためには複数の抗生剤を6~9カ月にわたり、飲み続けなければならない。途中で服薬をやめると、薬が効かない多剤耐性へと移行する危険性 が強い。全く効かない超多剤耐性の患者も報告されている。しかし、最近、最初から多剤耐性にかかっている例が珍しくないという。
「高校生の多剤耐性の患者もいた。感染経路を特定するのは不可能に近い。結核は空気感染のため、不特定多数の人が集う場所では常に感染リスクがある。感 染を恐れるのではなく、健診などで患者を早期発見して治療してもらい、感染を広げないようにするのが重要です」と吉山崇・呼吸器内科部長(46)は指摘す る。
日本の新規の結核感染者数は2万5311人(平成19年)。結核予防法が制定された昭和26年当時、59万人もいたが、集団検診体制が整い、特効薬のス トレプトマイシン(抗生剤)の登場で感染者は30年代ごろから激減。平成9年に一転、増え始めたが政府の「結核緊急宣言」が功を奏し、12年には再び減少 に転じた。しかし、先進国の中では依然罹患率は高く、米国の4・4倍。日本は「中程度蔓延国」だ。20代の新規感染者のうち5人に1人が外国籍、ホームレ スなどの日雇い労働者も2割近くいた。
懸念されるのは結核の医療体制だ。東京都では昨年10月、日産厚生会玉川病院(世田谷区)が結核病棟(60床)を閉鎖。今年3月には、民生委員が結核患者のアフターケアのために昭和31年に開設した薫風園病院(清瀬市)も病院自体を閉鎖する。
神奈川県では昨年12月、横浜市の国立病院機構南横浜病院(150床)が廃止になった。患者減少に伴い、赤字経営が続いたのが大きな理由だ。県健康増進 課は「結核病床の稼働率は約5割で今すぐ足りなくなるわけではないが、横浜市に病院が集中しており、地域偏在がある」と問題点を指摘する。埼玉県でも、川 口市の益子病院が3月、結核治療に携わってきた医師の後継者が見つからず結核病棟(32床)を廃止する。埼玉県は昨年5月、国に結核病床の補助を求める要 望書を提出した。
複十字病院の工藤翔二院長(66)は「保健点数が抑えられているため、結核患者1人あたり40万円、年間1億2000万円の赤字になる。全国どこの民間病院も結核病床を維持するのは厳しいのが現実だ」と話す。
国立病院も独立行政法人化に伴い、採算性を求められるようになってきている。人材不足も深刻で、結核を診察したことがない医師もおり、患者の早期発見を遅らせることにもつながっている。
結核予防会結核研究所の加藤誠也副所長は「厚生労働省の結核部会で、地域の結核医療の実態について調査、検討しているところだ。長期の視点にたって結核医療を考え直す必要がある」としている。
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↓昨日(岐路に立つ渡航移植)の今日ですが、ベルギーでもこのような話になっています。
portfolio.nl 2009/02/05
ベルギーにおける移植用臓器提供者数は欧州で一番高い。基本的に「臓器提供に賛同しない」ことを生前に登録しない限り、死後は臓器提供の候補となる。ベル ギーでは毎年900件の臓器移植が行われている。 これらの臓器のほとんどはベルギー国内でベルギー人に移植されるが、10%は他国に輸出されるか、ベルギーの病院で治療を受けている外国からの患者に利用 されている。このうちのほとんどがオランダ人だという。
ベルギーのファン・クルンケルスフェン議員はこれに対し不満の意を表している。ベルギー国内で臓器移植を待つ人のウェ-ティングリストがますます 長くなっている状況で、他国へ輸出するのはもってのほか。同議員は、ベルギーも他国からの臓器提供を受けるべきだと主張している。さらに、同議員は他国も ベルギー同様な臓器提供システムを法的に定めるべきだと述べている。
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