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 気の毒なことですが、地域医療の崩壊は続きます。各省庁の予算枠を守って行く限り、財務省が行うパイの分配は決まっています。政治を変えない限り、現状維持=医療崩壊です。

 それまで出来るのは地元の住民の「地域医療を守る」という意欲だけです。

 

 税収に左右されがちな補助金頼みでは、地域医療は持続不可能、続きません。公立病院の経営をお役所任せではダメなんです。


 そういう意味では、「公設民営化でも破たん・・・ 2008/12/13」で紹介した地域病院から行きましょうか?

 

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処遇に不安の声 島根・石西厚生連破産申請


中国新聞 2008/12/16

 ▽労組が職場集会

 島根県津和野町の医療・介護の四施設を指定管理者として運営していたJA石西厚生連(津和野町)が自己破産申請した問題で、石西厚生連労組は十五日、職 場集会を開いた。組合員から処遇への不安の声が出る一方、役員は地域医療を守るため退職は踏みとどまるようあらためて呼び掛けた。

 津和野共存病院であった集会には看護師や技師ら約三十人が参加した。村上卓委員長が「当面、破産管財人の弁護士から従来の給与体系で臨時雇用するとの約束を得ている」と説明した。

 町などが設立した医療法人橘井(きっせい)堂が新たな指定管理者になることについて、組合員から「今の雇用条件が維持されるのか不安」などの声が出た。村上委員長は「全国的にも珍しいケースなので先行きは不透明だが大きな変更がないよう交渉していく」と述べた。

 「職員の気持ちがバラバラになったら地域医療も崩壊する。不安はあるだろうが、職場に踏みとどまって頑張ろう」と呼び掛けて集会を締めくくった。

 取材に、村上委員長は「黒字経営に持ち直したのに破産するのはおかしい。旧経営陣にも経緯を問いただしたい」と話した。(岡本圭紀)

【写真説明】今後の対応などについて話し合った石西厚生連労組の集会
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 この労働組合の方々には同情申し上げますが・・・実際にトリガーを引いたのは元同僚のかたがただったりします(汗)。

 

八億五千万円の債務のうち、退職給与引当金が七億円を占めており、経営陣は、事業を継続するためには退職金や給与の引き下げが必要と判断。八月には組合に提案したが、職員に動揺が広がり、看護師十四人が相次いで退職。その後も退職申し出が相次いだことから、病棟閉鎖や収益減による経営破たん』

 

 従業員が一斉に退職金を片手に夜逃げされたら、積立て不足の退職金の支払いで運転資金が底をついたってこともあるんだが・・・うーん。
 破産した現実をよーくうけとめてみよー汗。対照的なのは次の地域です。この病院にはつよぽん先生と一緒に市立病院を視察したのですが、地域住民の理解があるのでしょうね。

 

☆つよぽん先生がそういえば訪問記録を日記にしていました
http://tsyosh.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_a4a1.html

 

気が向いたらお願いします→   なかのひと

 

『周産期医療の崩壊をくい止める会』のワンクリック募金もよろしくです

http://lohasmedical.jp/fund/ 

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地域医療を"貸しはがし"から救った草の根の力

日経ビジネスオンライン 2008年12月16日


内藤 眞弓



 金融庁の監査を控えた山形県内のある地方銀行では、大きな問題を抱えていました。ある医療生活協同組合への融資が飛びぬけて大きく、その点を指摘されれば融資を引き揚げざるを得なくなるかもしれない――。融資先にとっては"貸しはがし"を意味します。



消費生活協同組合法(生協法)の改正によって、生協も会社法に準じた経営が求められるようになりました。もし、貸しはがしという事態になれば、地域に展開している医療・介護関連の事業がとん挫してしまいます。

さて、監査の結果はというと…。金融庁の調査官は「今後もずっとサポートしてあげてください」という一言を地銀の担当者に残して去っていきました。貸しはがしを免れたのは鶴岡市を拠点とする「庄内医療生協」。組合員からの出資総額は27億円、新規の出資金は年間3億円、債券は2億円集まっています。「それまでほとんど意識することはありませんでしたが、地域の組合員さんに支えられ、守られていることを実感しました」と理事の方はおっしゃいました。

要求するだけでなく運営もする意識を持っている

医療生協とは、生協法に基づく地域住民の自主組織であり、住民自らが医療機関を所有・運営するとともに、そこで医療活動に従事する役職員、医療従事者との協同によって、自らの健康・医療・暮らしにかかわる問題を持ち寄り、解決のための運動をするものです。

1口以上の出資をして組合員になると、健康診断や病気予防のためのメニューが利用できたり、医療生協の運営や医療介護事業に参加できたりするといったメリットがあります。様々なアイデアや意見を生協の運営に反映させることが可能になるのです。出資金は1口500円から2000円程度で、生協ごとに定めています。

先述の庄内医療生協は、全国に116ある医療生協の中でも特に活発に活動している生協の1つですが、3つの大きな特徴があります。


(1)「必要が先にあり、制度は後からついてくる」という先進的な取り組みをしている

(2)要求するだけではなく、運営に参加もする組合員組織の強みが活かされている

(3)地域の多様な主体と協同するという新しい手法を取り入れている

必要に応えて先進的な取り組み

庄内医療生協の中心となっているのは鶴岡協立病院です。医療過疎と言われる地域で、1976年に開始された訪問看護をはじめ、医療相談室、リハビリテーション病院開設、6時夕食(導入当時は5時が当たり前)など、地域初・県内初の取り組みを次々と行ってきた病院です。

組合員からの「地域の中で安心して生活できる高齢者施設が欲しい」という要求にこたえ、1996年に老人保健施設(現在は介護老人保健施設)"かけはし"を設立しました。行政に頼るのではなく、庄内医療生協を中心に地域の団体との協同で設立したものです。

この時は8カ月という短い間に、建設資金として5000人の個人から1億円の寄付が集まりました。中小零細企業しかない土地柄です。企業からの寄付は望むべくもなく、とてもお金を集めるなんて無理だろうと思っていたところ「生協がやろうとしているのなら」と草の根のお金が集まったのです。

健康づくりや介護など長くつき合える医療を

当然ながら医療制度改革の波は鶴岡協立病院にもやってきています。全国の病院の4分の3は赤字経営と言われ、黒字が出せるのは検査や診断、手術を行う急性期病院です。長いおつき合いになると病院は赤字になってしまうので、急性期病院に入院している患者さんは1週間程度で退院を余儀なくされます。

鶴岡市には総合病院が鶴岡市立荘内病院と鶴岡協立病院の2つしかありません。荘内病院は2003年に200億円の血税を投入して大規模病院にリニューアルしました。おそらく患者さんの多くが荘内病院に流れるだろうことは目に見えていました。そこで発想の転換をし、協立病院は地域住民の医療機関として、荘内病院から1週間で退院せざるを得なかった患者さんを引き受けることですみ分けを図ろうということになりました。

地域の2軒に1軒は生協の組合員です。税金200億円のうち100億円は組合員が出している計算になります。リニューアルした荘内病院は急性期医療を受けるために十分に利用してもらい、一方で協立病院を中心とする庄内医療生協は、健康づくりから医療、リハビリ、福祉・介護と、組合員に長くつき合ってもらうことを目指しました。

2003年には、生活習慣病の予防と健康づくりのために、鶴岡協立病院付属クリニックにメディカルフィットネス"庄内医療生協ViViD(ビビ)"が併設されました。流水プール、エアロビクススタジオ、トレーニングマシンを備えた診療所は全国どこを探してもないでしょう。ここでは専門の医療者と連携し、個別のトレーニングメニューが提供されます。

さらに在宅生活を支えるサービス拠点として、介護の駆け込み寺とも言える総合介護センター"ふたば"、さらに、有料老人ホームやケア付き高齢者住宅、小規模多機能型居宅介護事業所など、地域で暮らし続けたいと願う組合員の要望に応じて、様々な事業展開をしています。

1964年の大地震の助け合いがきっかけ

先述のように、「地域の2軒に1軒が組合員」という組合員比率の高さは、庄内医療生協独特の生い立ちと深くかかわっています。

1964年6月、庄内地方はマグニチュード7.5の新潟地震に襲われました。その時購買生協である鶴岡生協(現在の共立社)は、組合員だけでなく地域の人にも醤油を配り、被災した人々の生活を支援しました。

このことがきっかけとなり、他の地域に比べて生協活動が生活に根付くようになったのです。また、組合員を中心に自分たちの医療機関を求める声が高まり、地震の際に全国から寄せられた救援金の一部を基金として、庄内医療生協が設立されました。

このような歴史的背景があったからこそ、老人保健施設をつくる際に短期間で1億円を集めることも可能だったのでしょう。病院の受付周辺の壁には「組合員資金は病院運営の血液です。今病院運営の血液が不足しています。出資金の増資、組合債の応募にご協力ください」と大書されたポスターが掲げられています。

鶴岡における生協活動は、要求のあるところに運動を起こし、運動の広がりを事業に結実させてきました。先の"かけはし"もその1つですが、有償ボランティアや組合員の活動施設など、共通課題を事業化してきた経験が財産となっているようです。

高齢化を見据えて介護事業に共同で参入

鶴岡エリアはこの10年間で人口が約4000人減少しています。コメの減反政策などで農業離れが進み、多くの人が工場に働きに出ました。しかし、かつて庄内地域にあった工場の多くは、人件費の安い海外に移転し、地元で就職を希望する高校生の3分の1しか求人数はありません。仕事を作り出さない限り、人口流出は止められません。さらに山形県の4人に1人が高齢者ですが、鶴岡地域はさらに高齢化率は高くなっています。

鶴岡ではこれを逆手に取りました。「いずれ日本全体がこうなっていくのだから、先駆けて実験をしてみよう」と、2000年の介護保険制度スタートをきっかけに、同じ目的を持つ地域の事業体同士が手を組んで「4者協」を組織し、介護事業に取り組むことにしたのです。4者協の内訳は、「庄内医療生協」と"かけはし"の運営主体である「社会福祉法人山形虹の会」、購買生協「共立社」、「山形県高齢者福祉生協」です。総合介護センター"ふたば"をはじめ、居宅介護支援、デイサービス、配食センターなどの事業はこの4者協が行っています。

さらに、4者協に加えて調剤薬局やコープ開発などの異業種で構成する事業協同組合「庄内まちづくり協同組合虹」を設立しました。「虹」はケア付き高齢者住宅、小規模多機能施設などを展開していますが、福祉・介護分野にとどまらない、広い意味での地域づくり・まちづくりを目指し、産直センターとの連携による給食センター構想など、雇用拡大や経済の活性化を視野に入れているようです。

行政に頼るだけでなく自分たちの手でもやる

庄内医療生協のケースは鶴岡という地域独特のもので、全国どこでも応用できるものではありません。ただ、行政に対して要求するだけではなく、やれることは自らの手でもやっていくという姿勢は学べるのではないでしょうか。

老後が心配だからと言ってひたすら貯蓄をしても、自分の住んでいる地域の医療や介護が崩壊していたのでは元も子もありません。単なる消費者ではなく、私たち一人ひとりが地域を守り、地域をつくる主体だという意識が大切だと感じます。

私たちのお金が「好きな場所でずっと安心して暮らせる」ために使われるような仕組みづくりが、地域の特性を生かした形で、全国至る所でわき上がってくることを期待します。

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