不景気となっても、失業とかと無縁なのはHealthcareセクターです。一流企業が来年以降の採用枠を減らしたり内定を取り消すご時世でも、平和だったりするのです。
もっとも、民間病院の方に聞いたところでは受診率の低下という好ましくない影響が出ているそうです。
お金がなくて必要な医療が受けられなくなったり、病状が悪化して、亡くなる患者さんが増えないような仕組みも必要です。人材集約型の産業でる「医療」。
最近の風潮は、医療従事者の限界までの努力を無視し、「お前らに任せておくと赤字」だから・・・的な役人様がお怒りです。
総務省のガイドラインと平成の大合併によって、自治体病院を中心に病院の再編が進んでいます。別に「福祉サービス」の赤字も、ある程度までなら垂れ流しでもいいのでしょうが、今後の医療費の増大を抑えるため、病院から在宅での看取りを進める方向です。
介護施設で人生の最後の時間を過ごしている高齢者が、急変したからと急性期病院まで運んできて、「死」の瞬間まで救急医療というのは、これはまたやりすぎだと思います。
介護施設での成熟した死の迎え方を考えねばなりません。家族が希望しようと、病院に集まって人工呼吸器で引き延ばしたところでかかるのは医療費。
救命が必要なケースでは救急病院での対応が必要ですが、老衰も含めて「死」=悪いことみたいに考えるのがおかしいのです。
病院もまた同じ。始まりがあって、終わりもあります。最後まで残るなんてことはありません。国鉄がJRになって真っ先に消えたのが赤字ローカル線でした。採算が取れない病院もやはり診療所や違った形で役割を果たすべきです。
今後、都内でも病院の機能の細分化が進み、より患者さんに近い在宅往診医師が活動したり、リハビリ施設が充実した回復期の病棟も充実していくでしょう。変わらないとならない時代に入ったのです。
団塊の世代が高齢者になり、今のままのシステムでは維持不可能です。産科医療なども10年以上前からわかってきていたのですが、結局対応が遅れてしまいました。
病院、医療職など限られたリソースを改めて、適正に配分しなおすためには地域ごとにまた考えるべきです。都市部並みに・・・というのは幻で、その地区で需 要が高い医療を中心に組み替えていく「デザイン・ワーク」が必要なんだと思います。そのためには、地方自治体のレベルからはより県単位で考える時期なのか もしれません。
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読売新聞 福島版 2008/11/24
医師不足や国の医療制度改革などの影響で、県内の自治体病院で改革に向けた動きが進んでいる。病院の形態をあきらめて診療所への転換を決めたり、地域の要望を踏まえて病院の形態のままで改善を図る道を選んだりと、各地で模索が始まっている。(名倉透浩)
■引き金
歯科医院を除けば村で唯一の医療機関となる泉崎村立泉崎病院。病床70床の同病院は来年4月、病床のない診療所と介護老人保健施設(定員85人)に転換し、運営は民間の財団法人に委託する。
「医師が確保できなかったのが一番の理由」と秋山一重事務長は話す。常勤医は74歳の院長1人。ここ数年、医師確保に努めてきたが、週3日程度という当直勤務の厳しさなどから、確保しても長続きせず、「転換以外に選択肢がなかった」という。
今の病床の半分は高齢者が長期療養する「療養病床」であるなど、入院患者の多くは高齢者。受け皿となる介護老人保健施設に多くは移ることができるが、「治療が必要な一部の患者は、連携予定の白河市の病院に移らざるを得ない場合もある」という。
■病床廃止で窮地
「今の状況から見れば病院廃止の流れ」。療養病床50床を持つ伊達市立梁川病院について市幹部は話す。同病院の療養病床は、国が2011年度末で全廃することを決めた「介護型」にあたるためだ。
同病院も常勤医は1人で、外来患者は減少。累積赤字は約7億円に上り、違う形で病院として存続するにも老朽化した建物の改修は必要となる。最近は市内に診療所も増えており、昔と比べて同病院の必要性は薄れているとの指摘もある。
市は近く審議会を設置し、今後のあり方を検討し、今年度中に結論を出す考えだが、「結論はおのずと限定されてくる」(市幹部)とし、病院廃止の可能性を示唆している。
■現状で再生へ
深刻な医師不足のため、今年6月に「非常事態宣言」を出した南相馬市。二つの市立病院のうち、特に深刻なのが小高病院で、常勤医は3人のみ。10月からは月の半分程度の当直勤務を、地域の開業医の協力でまかなっている。
改革の検討にあたり、市では当初、現在の99床から診療所(19床)と介護老人保健施設への転換を検討した。しかし、小高地区には一般病床を持つ入院施設がなく、住民からの強い存続要望も出てきたため、現状のままで改善を図る方向だ。
市は05年の合併に伴い、同病院の累積赤字を清算しており、07年度も約500万円の黒字を出したが、08年度は医師の減少が響き、赤字が確実と なっている。現在の考えも医師確保が前提となっており、「確保が難しければ再び診療所化も考えないといけない」(市健康づくり課)としている。
■改革プラン策定
総務省は、病院を設置している各自治体に対し、経営効率化などを盛り込んだ「公立病院改革プラン」の今年度中の策定を求めている。
市町村が設置・運営する県内の自治体病院10病院(町立三春、猪苗代病院は除く)の07年度決算では、6病院が経常赤字となった。県市町村財政課 によると、医師不足で収益が上がらないことや診療報酬の減額、職員給与の高さなどが赤字の原因という。プランでは、3年以内に黒字化への道筋を明らかにす ることが求められており、自治体病院は経営面でも改革を迫られている。
プラン作りを市町村に助言する同課では「地域医療の確保と経営効率化を両立しなくてはならず、各自治体ともプラン作りに頭を悩ませているようだ」としてい
【ゆうゆうLife】介護 特養で看取るには(上)
産経MSN 2008.11.24
■「ここで亡くなっても大丈夫」
“終の棲家”と呼ばれる特別養護老人ホーム(特養)では近年、入所者の要介護度が上がり、看取(みと)りの機能が求められるようになっています。ただ、 施設と契約した医師が緊急時に対応できないなどの理由で、求めに応えられないのが現状です。看取りに向けて模索する特養の取り組みを紹介しながら、その課 題を探ります。(佐久間修志)
9月22日夜。岐阜県池田町にある特養「サンビレッジ」の一室で、平光ことさんは92歳の生涯を閉じた。家族に見守られての旅立ち。最期を看取った長女の祐子さん(65)=仮名=は「思いだすたび、満足感に包まれる」という。
一人暮らしだったことさんは昨夏、足腰の状態が悪化。料理もままならなくなった。離れて住む祐子さんが食事を作るなどしたが、それにも限界があり、同年11月にホームへ入所した。
祐子さんの気がかりは「もしも」のとき。「病院でつらい延命措置はさせたくない。この世にいる間は楽に過ごさせてあげたい」という祐子さんだが、「施設にいた知人の親御さんはだいたい、最期は病院のような気がした」。
そんな祐子さんに、ホームが入所契約時に差し出したのは、看取りの方法について家族に意思確認する書類。「施設で看取る」という選択肢を見ながら、祐子さんは「ここで亡くなっても大丈夫なんだ」と胸をなで下ろした。
入所前から膵(すい)炎を患い、慢性の骨粗鬆(こつそしょう)症もあったことさんは、骨折も多く、痛みが絶えない。亡くなる半年前からは、毎日のように痛み止めを処方された。
特養のスタッフは「弱い薬では効かないが、強い薬は副作用も強い。一般的に痛みを取れなければ病院に送らざるを得ませんが、常勤医師の投薬指示で乗り切れた」と話す。最期は「気がついたら、息が止まっていた」(家族)というほど、安らかに旅立ったという。
「亡くなると、職員のみなさんが駆けつけて泣いてくれたんです。この場所で、母は素晴らしい時間を過ごせたんじゃないでしょうか」。祐子さんはそう思っている。
◇
■実現は医師の対応次第
医療経済研究機構が行った調査によると、特養の入所者のうち、約77%が「死亡による退所」だが、そのうち、実際に特養で亡くなったのは約37%。残りの62%は病院で息を引き取っている。
しかも、病院で亡くなったことが「本人の希望通り」なのは、わずか3%。本人の希望が確認できないケースが多いが、「希望と異なる」は約17%に上り、「希望通り」をはるかに上回る。「終の棲家」のイメージと裏腹に、特養は「看取りの場所」とは言い難いのが現状だ。
大きな理由の一つは、特養で医療が十分に提供されていないこと。全国老人福祉施設協議会の実態調査によると、“特養の医師”として、施設と契約する嘱託 医の訪問回数は「週2回」が過半数で、訪問時間は3時間以下が85%以上。休日、夜間の訪問対応も約半数にとどまっている。
東京都内の特養に勤める看護師(54)は「夜間は医師を呼ぶことができず、死に直面した経験が少ない介護職は『何かあったら…』という不安の中でケアし ています。医師が不在では死亡診断書も書けません。無事に看取れても、診断書がなければ、変死扱いにされかねません」と実情を明かす。
この結果、老衰のように医療ケアの必要度が高くないケースでも、看取りを行わない特養が多い。医療経済研究機構の調査では、約55%の特養が「終末期には原則、速やかに病院に移す」を基本方針にしている。
慶応大学医学部の池上直己教授は「特養での看取りは、看護師や介護職の不安と負担が大きく、忌避されているのが現状」と指摘。その上で「施設側として、看護師が対応できる態勢を整え、関係医療機関の協力を得ることが解決策」と提言する。
平光さんを看取った「サンビレッジ」は、「基本的に入所者の要望に応じて、極力、看取れるように対応する」方針。施設は通常、嘱託医を地域の開業医に依 頼するが、サンビレッジでは、施設の常勤にしている。過去には、エイズや感染症の入所者の看取りも経験。今年、死亡退所した17人のうち、ホームで逝くこ とを希望した16人は全員、ホームで看取ったという。
石原美智子理事長は「入所者にとって、どこで最期を迎えるのが幸せか、という視点で行っている。介護職も病気や死について学べれば、尻込みせずに看取れるケースは増えるはずだ」と話している。
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