今さらですが、「医療崩壊ネタ」を掲載します。患者さんは医療従事者の悲哀なんて関係なく、利用しています。
ま、これで立ち去らない方が「おかしい」位ですが、無理に続けると「まだうちは大丈夫」という変な安心感になるので、きちんと情報公開しましょう。
「うちは崩壊していないし、たらいまわしはしてないよー」という強気のコメントを出す病院もあるようですが、実態はどこも限界いっぱい。
軽症患者さんが「殺到」するのは構いませんが、本当に病院がパンクして困るのは他の重症の患者さんです。気の毒ですが、どっちを選ぶかですよね。軽症さんの数を抑制できないところは、崩壊。できても何とかながらえられる・・・これが一つの限界ですね。
大学病院からの勤務医の補給路を断たれた地方病院は、あたかも「補給路」を軽視して戦線崩壊したビルマのインパール作戦と同じですね。
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機能不全”寸前の地域医療 救急患者殺到、医師不足深刻…にじむ疲労
産経MSN 2008.11.16
地域医療の“最後の砦”を担う基幹病院に、軽症、重症問わずに救急患者が押し寄せて、機能不全を起こす寸前だ。福島県郡山市では2月、救急搬送された女性が、「ベッドがない」「処置できる医師がいない」などと、5病院で9回も受け入れを断られ、死亡する最悪の事態も起きた。自治体や医師会はこの事態にどう向き合っているのか。山形県の救急医療現場を探った。(松本健吾)
「重症患者を診察している横で軽症患者が『早く診てくれ』と待っている。とても、手が回らない」。11月上旬、山形県新庄市の県立新庄病院の男性医師(27)は、聴診器を首からぶら下げたまま、そう口をゆがませた。声に疲労感がにじむ。当直明けで、勤務は30時間を超えている。
その前日、午後8時すぎ。当直態勢の急患室に、救急車から担架で患者が次々と運び込まれた。交通事故でけがをした子供を皮切りに、火災で負傷した3人が 到着。男性医師ら2人の当直医師は、さらに医師を呼び出し、火災でのどを焼いた2人を重症と判断して、優先的に治療に取りかかった。一段落付いたのは約1 時間後だった。
ところが、この間に、胸痛を訴えて来院したが、医師の手が足りずに、診察が後回しになっていた男性がいた。待っている間、看護師が様子を伺っていたもの の、「胸痛との情報だけでは、容体が急変するリスクはゼロではない。心臓の異変から来る痛みだったら最優先になる。早く診たかったのだが…」(男性医 師)。結局、その後の診察で、この男性は転倒による胸の打撲と判明。男性医師は、胸をなでおろした。
同病院には、年間約1万6000人の救急患者が来院、搬送される。原則2人の当直医が時間外に診察する救急患者数は、1日平均20人を超える。しかし、そのうち80%以上がその日に帰宅する軽症者だ。
同病院の石山智敏救急部長は「軽症か重症か分からないまま、ここに救急患者が集まってくることが問題。都市部と違って他に病院もないので“たらい回し”はありえないが、緊急性の高い重症者に力を注ぐという、本来、基幹病院があるべき姿からはほど遠い」と語る。
当直時の多忙は、勤務医の加重労働にもつながっている。県医師会の常任理事を務める武田憲夫医師(山形県立中央病院副院長)は、「いま勤務医は疲れ切って、モチベーションを保てなくなっている」と訴える。当直明けからの通常勤務に加え、手術、会議に追われ、「心が折れて“立ち去る”」医師や、当直のない開業医に転身する者も珍しくないという。残された医師に一層負担がのし掛かる悪循環に陥っている、と明かす。
加重労働は、医療サービスの低下やミスを誘発する危険性を高める原因にもなりうる。事態は深刻だ。
自治体や医師会は、従来の時間外診療の当番制は「もはや崩壊している」(武田医師)として、救急患者が利用しやすい定点化した時間外診療所の整備に取り組んでいる。診療所では初期医療、基幹病院では高次医療と、役割分担し負担をうまく分散させるのが狙いだ。
新庄市でも、平成19年3月、平日夜間・休日診療所を新設した。しかし、時間外診療所の整備が基幹病院への患者の一極集中を緩和させる“処方箋(せ ん)”になるかどうかは、まだ不透明だ。同市によると、同年度の時間外診療所の利用者は4872人で当番制当時の約 2.6倍に増えたが、新庄病院が扱う 救急患者数は微減に留まった。新庄病院からも週2回医師が派遣されており、石山救急部長は「軽症患者を掘り起こした格好になった。これでは働く場所が増え ただけだ」と苦しい胸の内を明かす。患者の安易な大病院指向や、「昼は仕事だから夜来た」などと来院する“コンビニ受診”も跡を絶たないのも悩みだ。
国も、大学の医学部の定員増など、医師不足解消に向けて手を打ち始めた。しかし、学生が一線の医師として活躍するのは10年先。
武田医師は「早急に、基幹病院へ負担が一極集中する現状を改善するような医療システムを作らなければ、本当に地域医療が崩壊してしまう」と危機感をあらわにしている。
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■山形県の医療事情
山形県内の平成18年時点の総病院数は70、診療所は 924施設。人口10万人当たりの医師数は 203.0人で全国31位(全国平均 217.5 人)。面積 100平方kmでは26.3人で、全国44位(同74.5人)。県によると、自治体病院の約半数が基準医師数を満たしていない。医師の地域偏 在も課題となっており、県立新庄病院がある最上地域は10万人あたり 131.7人と全国平均を大きく下回っている。
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