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 一生懸命がんばっている病院に対して、懲罰的な「たらいまわし」「拒否」といった文字がまだ目立ちます。新聞だってキャパシティがあるのは当然なのだが・・・どうも病院には現在「診療している患者さんの生命」すら守ることもできなくなってしまいそうです。

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 多摩地区で“安心安全なお産”はできるのだろうか-。脳の疾患が疑われた調布市の妊婦(32)が杏林大病院(三鷹市)などに受け入れを断られた 末、約二十六キロ離れた都立墨東病院(墨田区)に搬送された問題は、そんな疑問を抱かせる出来事だった。 (北川成史、東松充憲)

 リスクの高い妊産婦や新生児に高度医療を提供する中核施設となる「総合周産期母子医療センター」。都内には九カ所あるが、多摩地区には杏林大病院の一施設しか存在しない。

 「都内の分娩(ぶんべん)の三分の一は多摩地区だが、総合周産期母子医療センターは杏林だけ。いつでも満床の状態だ。多摩地区には周産期医療の施設、資源が不足している」

 今回の問題の発覚を受けて急きょ五日午前に会見した杏林大病院総合周産期母子医療センターの岩下光利副センター長は多摩のお産をめぐる厳しい現実 を、そう説明。「現在、杏林大病院は母体搬送の依頼を受けても30%しか受け入れできていない」と衝撃的な数字も明らかにした。

 多摩地区のある病院長は「帝王切開の患者に対処した直後のような状況では、とてもすぐ次の患者を受け入れることはできない」と、緊急度の高い妊婦 が重なった場合は“お手上げ”であることを認める。調布市の飯野病院にいた妊婦の搬送先が見つからなかった九月二十三日未明が、ちょうどこの「帝王切開が 重なった夜」だったという。

 飯野病院と手分けして受け入れ先を探した杏林大病院はこの夜、都立府中病院(府中市)に設置された「東京ER(総合救急診療科)・府中」にも受け 入れを打診している。都内に三カ所しかない救急対応の充実した施設のはずだが、「分娩対応中で受け入れ困難だった」(同病院)。都立府中病院ではこの夜、 午前二時から九時までに三件の分娩があり、対応力にゆとりがない状況に陥っていたのだという。

 

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 先日の墨東病院の報道で、やはり隠れていた問題が表沙汰になりました。今回の多摩地区のように手薄な地区だけに、その責任の所在をおしつけあって病院同士で泥試合を演じるというのは、やはり違和感があります。

 今回の患者さんの死を悼んで、また脳出血という治療が早くても社会復帰が困難なとなることがまれでない疾患からの復帰を望み、これからの産科医療のためにはどうすればいいか、地域全体でできる範囲で解決方法を検討する必要があります(こうしていれば「助かったはずだ」とか「こうすれば解決する!」という宣伝はいただけません)。

 

 現状は、高度な周産期医療をする病院にも限界があり、「満員」だと断るしかないのも事実。運命の別れ道というと叱られるかもしれません、しかしディズニーランドだって大相撲だって「満員札止め」がありえます。

 病院は単なる収容所と違い、引き受けている患者さんに適切な医療を施す責務があります。しかも、すでに入院している患者さんを真夜中に追い出すことはどだい無理。

 あとは「安産」だったら「即刻、退院 」していただくような、アメリカスタイルを取り入れるしかないのでしょうね。

 

 そして根本的に足りないのが新生児の集中治療室なんだけど。すると、体外受精などは国外で済ませるか、国内分は割高にして誘導するしかないですね(需要抑制か・・・少子化の下で・・・汗)。

 

 結局、現場にただよう「限界」を解決するためには、「行政側」もそろそろ責任者がちゃんと説明責任があるでしょう。

 都知事と厚生労働省の責任押し付け合いも・・・えーと汗、解決しないような・・・。要は、行政側の責任はありますし、地方自治体や医師会などとも協力してやれる対策をすべて打ち、「これ以上はすぐには解決は無理です!」と言うべきでしょう。

 

 母体死がゼロの国もありませんし、少なくとも限界まで働いている産科医や救急現場にとって「際限なき要求」は結構、無理じいだと思います。

 

 ふりかえれば、母体死亡が問題になるまで、ほんの50年足らず。昔はたくさん子供も産まれましたが、たくさん健康な人がお亡くなりになっていました。

 それも 医師にもかかれず、自宅分娩などで・・・結局、そういうことです。医療が当たり前になっても「生と死」は隣り合わせ。「死んだら悪」というのはおかしなこ とです。

 

 命をめぐる戦いの現場では、予算も人員も、そしてベッド数にも制限があります。

 

 限界までクオリティを追及する姿勢は、携帯電話の過剰な進化と同じ構図。個人的には、産科医の疲弊、施設側の無理しすぎ・・・で、現場が破たんしかけの産科医療を完全に息の根を止めるような、お茶の間をにぎわせるだけのふざけたマネはしないでほしいものです。

 

 もちろん、施設の事情を公開して言うのは構いやしませんが、お互いに攻撃しているようにマスコミさんが書くようなネタを提供しすぎないようにお願いします。

 一部は相変わらず「たらいまわし」だなんて解釈していますが・・・昔から「無理を通せば道理が引っ込む」って言いませんっけ?無理じいすれば、おそらく院内での悲劇が待っています。

 

 キャパシティの限界ぎりぎりで何でも引き受ければ、逮捕!(福島県大野病院)。ちょっと無理かなと、理性的に判断して、限界以上を引き受けずに断れば、激しく叩かれ・・・(墨東病院) 。にっちもさっちも行きませんね。

 

  なかのひと

 

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続く脳内出血の妊婦受け入れ拒否 医療機関の連携急務

産経イザ!2008/11/06 00:07

 

 東京都で9月下旬、30代前半の妊婦が脳内出血となったものの、杏林大病院(三鷹市)など少なくとも6 つの病院に受け入れを断られた末、意識不明に陥っていることが分かった。東京では10月上旬にも、やはり脳内出血になった妊婦(36)が都立墨東病院(墨 田区)など8病院に搬送を断られた末に死亡したばかり。2つの事例からは、脳内出血という症状の特異性や、医療機関同士のコミュニケーション不足が、共通 する問題点として浮かび上がっており、早急な対策が求められている。

■コミュニケーション

杏林大医学部の岩下光利教授は5日会見し、「脳内出血とは聞いていない。緊急性は伝わらなかった」と説明した。一方、妊婦の受け入れを要請した飯野病院(調布市)は「激しい頭痛を訴えているのでとにかく診てほしい」と切迫性は伝えたし、FAXもした。

双方が食い違う説明をしているが、都立墨東病院のケースでも、搬送要請元と、受け入れ先の主張は対立していた。

都内の大学病院で働くある産科勤務医は「医師同士のやりとりについても改善すべきところがある」と指摘。「拠点病院と地域病院が、日常的に顔の見える関係を作っておく必要があるのではないか」という。

しかし、飯野病院がある東京・多摩地域は、人口400万人と東京都の3分の1が住むにもかかわらず、高度な医療設備を持つ総合周産期母子医療センターは杏林大病院しかなく緊急病床は日常的に満杯。都内にセンターが9施設あることを考えると、医療体制の偏りが受け入れ拒否の背景にあった可能性がある。

■産科と救急の連携

「現在のセンターでは、脳内出血や心筋梗塞(こうそく)などの疾患に対応できない」。杏林大の岩下教授はそう釈明している。杏林大病院、墨東病院が関係した2つのケースは、ともに妊婦が脳内出血を起こしていた。

産科医の専門外の疾患だ。石原慎太郎都知事は5日、「妊婦が心臓病を持っていたら心臓の専門家がいる。場合によっては脳外科、麻酔科も」と、他の専門医と の連携の必要性を指摘した。舛添要一厚労相も「救急医と産科医の連携が課題」としているが、まだ具体的な“処方箋(せん)”はみえない。

■脳内出血の特異さ

産科医の間では妊婦の脳内出血は特異な例と受け止められている。杏林大病院は5日の会見で、「十分な重症判断ができなかった」と、受け入れを断った一因を説明した。

墨東病院が関係した事例とともに医師らが脳内出血を疑わなかったことが、受け入れ拒否につながった可能性があるが、昭和大の岡井崇教授は「ベテラン医師でなければ別の症状を疑うだろう」と現場の状況を話す。

ただ、妊婦の脳内出血に警告を発してきた医師らもいる。

国立循環器病センターの池田智明医師らは、全国1107医療機関に平成18年に発生した妊婦の脳血管障害を調べたところ、184人が該当。うち39人の脳 内出血があり、7人が死亡していたとの報告書をまとめた。そのなかで、池田医師らは「脳血管障害を念頭においた管理をする必要がある」と指摘していた。

 

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【妊婦重体】「緊急性は低いと判断した」 杏林大病院が会見

産経イザ!2008/11/05 13:43

 

 東京都調布市内の病院で嘔吐などの症状を訴えた30代の妊婦が、9月に杏林大学病院(三鷹市)など少なくとも都内の4病院に受け入れを断られた問 題で、杏林大病院総合周産期母子医療センターの岩下光利副センター長が5日、記者会見し、受け入れを拒否した理由について「妊婦の状況から緊急性は低いと 判断した。脳出血と分かっていれば受け入れた」との見解を示した。

同病院の説明によると、9月23日午前3時から3時半にかけて、調布市の飯野病院から妊娠41週の妊婦の搬送依頼を受けたが、3時42分まで当直の医師2人が帝王切開の手術中だったため依頼を断った。

帝王切開手術の終了直後、再び飯野病院から搬送依頼の電話があったが、杏林大病院の母体・胎児集中治療管理室(MFICU)と産科病棟はすべて満床だったうえ、医師2人が術後の対応に追われていたため搬送を断った。

緊急性が低いと判断した理由について、岩下センター長は、「2度目の搬送依頼を受けた際、当直の医師が飯野病院に妊婦の詳しい状況を聞いた。その時の説明 では、妊婦に軽い手のふるえや軽度の意識混濁などがみられるが、呼吸や脈拍などは安定しているとのことだった」と説明した。

その後、飯野病院が依然搬送先を探していることから、杏林大病院が多摩地域の3病院に搬送を打診したが、いずれも断られた。

妊婦は最終的に約25キロ以上離れた都立墨東病院(墨田区)に搬送され出産、脳内出血の処置を受けた。赤ちゃんは無事だったが、母親は現在も意識不明の重体という。

杏林大病院は、東京23区外の多摩地域で唯一「総合周産期母子医療センター」に指定されており、かかりつけの病院からは約4キロの距離だった。

岩下副センター長は「搬送元も受け入れ先も産婦人科で十分な重症度判断ができなかった。現在の総合周産期母子医療センターでは、脳内出血や心筋梗塞などの母胎の緊急の疾患に対応できない」と問題点を指摘した。

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