いよいよアメリカの新大統領が選出されます。1年以上をかけた争いの間に、アメリカの新しい大統領が取り組む問題はかえって増え、その中でも金融と医療は大きな問題になっていることが明らかになりつつあります。BBCのニュースを取り上げます。

  なかのひと

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Is healthcare reform still possible?
医療改革はまだ可能か?
BBC News 2008/11/02

現在の経済を背景に、医療問題は、アメリカの大統領選挙の投票に影響を与える最大の国内問題となっています。

二人の大統領候補たちは、健康保険がカバーをする対象を広げて、医療費をコントロールするという医療制度を改革する野心的な計画をもっています。

しかしどちらの候補者が大統領に選ばれても、金融救済の規模やアメリカの財政赤字の拡大によって、改革への試みには制約がもたらされるでしょう。

「我々には兄弟や姉妹たちの世話をするお金があるでしょうか?答えは「No」です」とプリンストン大学の医療経済学者Uwe Reinhardt氏は語りました。

「我々はゴールドマンサックスことを心配する必要があります。今我々はこの問題に直面しているのです」
"We have to worry about Goldman Sachs. That's where we are."

アメリカの医療制度は世界中で一番もっとも高価です。労働者の大半をカバーしているのは企業医療保険で、高齢者は政府の保険メディケア、そして4500万人の国民は無保険です。

このため有権者たちは医療改革を緊急課題としてみなしています。

Delayed treatment 治療の遅延

医療保険の保険料の高騰や、保険に加入している患者が治療を受けるために支払わなければならない自己負担金の高騰は、家計をも脅かしています。

Kaiser Family財団による最近の調査によれば、アメリカ人のおよそ半分は高い費用のため治療を遅らせたり延期しています。また3人に1人は医療費の支払にトラブルをかかえています。

「医療は今やアメリカ人にとって、雇用の不安定や住宅ローンの支払、クレジットカードの借金と同じ経済的な問題とまったく同じです」とKaiser財団の理事長Drew Altman氏は述べました。

Kaiser財団によれば、企業保険による世帯の医療費負担は2000年以来、6438ドルから12680ドルへと97%上昇しています。労働者による負担は1619ドルから3354ドルへと2倍以上になりました。

Tackling costs 医療費への取り組み

共和党候補のマケイン氏の医療改革はより過激です。彼は現行の企業医療保険を個人の健康保険制度に置き換え、その切り替えのために支払う金額5000ドルの税額控除を家庭に与えようとしています。彼は保険会社間での競合が医療費の低下をもたらすと語っています。

マケイン氏の計画では、政府は税額控除はインフレと一致して増額されるだけで、医療費の急増には一致しておらず、さらなる支出への抑制がかかります。

しかし、この計画は大きな危険をはらんでいます。マケイン氏は企業医療保険への2000億ドルの税の減免を削減することによって資金を調達しようとしています。

この政策によって、労働者に企業医療保険を提供する力を弱めるかもしれないと、民間企業に懸念をもたらしています。

「私の意見では、民間の保険市場は、個人が加入する健康保険制度は現在のところ、準備不足です」と、アメリカ商工会議所のR Bruce Josten氏はニューヨークタイムズ紙のインタビューでこう答えてました。

Expanding coverage 範囲拡大

オバマ候補の計画はどちらかというと控えめで、クリントン政権の医療改革の失敗の教訓を反映したものです。

オバマ氏は、企業医療保険を維持しますが、「有意義な」保険を提供していない企業側に対して公的制度の費用に貢献を提供するように求めています。そして、オバマ氏はすべての子供が健康保険に加入することを求めるでしょう。

政府は企業医療保険に加入していない人に対して健康保険の費用に対して補助金を提供するでしょう。オバマ氏は、さらに病気にかかっている人たちに対して加入を拒否しないように保険会社を規制するでしょう。

オバマ氏はマケイン氏のように、規制強化の導入によって医療費を抑制することができると主張し、富裕層への減税廃止で補助金支払をする予定です。

Comparing costs コストの比較

独立した機関Tax Policy Centerによれば、両候補の計画はともに非常に高価なものになると推計しています。

オバマ氏の計画は、10年で1.6兆ドル(157.4兆円.)、マケイン氏の計画では1.3兆ドルかかります。費用と医療の給付はかなり異なったものになるでしょう。

オバマ氏の医療改革案は最初の1年目はマケイン氏よりも安くすむが、費用は大勢の人が保険の補助金を受け取ると増加します。マケイン氏の改革案は、最初は歳入が減少しますが、次第に費用は低下するでしょう。

しかし、Tax Policy Centerは10年後、オバマ氏の計画は無保険者を3400万人まで大幅に削減へと導くと推計します。一方、マケイン氏の計画では500万人しか削減しないと推計しています。

Budget woes 予算難

しかしながら急増する連邦政府の財政赤字は、大きな問題です。財政赤字は今年4800億ドル(47.2兆円)にも達し、金融機関の救済の費用を含めると来年までに1兆ドルまで達すると予測する専門家もいます。

この金額は連邦政府の全支出の半分となり、金利や新規の支出に対して著しい圧力がかかります。

医療経済アナリストたちは、財政赤字がなくても「国民皆保険のための資金調達の道のりは険しい」とノースカロライナ大学のJonathan Oberlander教授は語っています。

「資金調達のための選択肢はいずれも、重大な政治責任問題となります。国民の対立や反勢感情やステークホルダーの反対を巻き起こす危険があります」と彼は付け加えて言いました。

彼は両候補の改革案は、自己資金を調達するだけの十分な医療費の削減にはなりえず、このような財政法案は、新規の収入のような所得税の削減を廃止することが困難になると主張しています。

しかし、この医療改革を担当する民主党の上院議員幹部は、この改革案はまだ継続を提案していました。

「現在の経済状況はアメリカの医療制度を見直しの努力を阻止するとほのめかす人もいますが、私はアメリカ経済の状況が医療改革の必要性をさらに緊急課題とさせていると考えています」と、上院財政委員のMax Baucus上院議員は語りました。

医療改革についての議論は、新しい大統領が戦わねばならない最大の争点となるでしょう。


米国の医療制度
Medicare: メディケア:65歳以上のための政府が資金を拠出して提供する医療
Medicaid: メディケア:貧しい人のために政府が資金を拠出して提供される医療
Employer-funded health insurance:企業医療保険による医療保険
Uninsured : 無保険:救急治療室でのみ

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Is healthcare reform still possible?
BBC News 2008/11/02

参考リンク:↓オバマ候補の医療制度改革
Modern Health Care for All Americans Barack Obama  NEJM 2008年10月9日号より

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