蘇れ医療という日経新聞の連載があります。
今回の東京都の墨東病院の事件についても、同じような文脈で「専門医重視が悪い」といった、意見も出てきているようですが。産科はかなり特殊で、簡単に専門外の医師が診て・・・とは参りません(産科救急については母児二人の命を守るという意味では、体制が不十分な病院が周産期医療を頑張り続けるのは、危険です。集約化をさらに進めて行くのが、共倒れせずに生き残りのために必須でしょう)。
専門医制度については、内外から批判があります。学会主導でお手盛りのような資格が乱立し、質のコントロールが後回しになった部分も否定できず。
実際に専門医が常駐することが、研修指定病院などの用件の一つになっていたりして、経験がなくても、業務命令やプレッシャーが現場の医師にかかって、無理やり取得する羽目になり、さらにその資格を維持するために、学会への出席を求められ、多忙な勤務医が研修を受けるために土日に出張したり・・・大変なのも事実です。
専門医制度が専門医の臨床医のポジションを高めてきた面もありますが、取得しても給料や待遇が変化なく、単に「称号」だけとなってしまいます。
外側からは「医療の質」を保障する必要がありますし、内側からは「その代償」が必要でしょう。
また、「学会」がその質を保障できなければ、取得した医師もまた尊敬されません。時代の要請ですね。
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「蘇れ医療」第3部 取材ノートから
日本では、40年以上前から各学会が専門医制度を競って誕生させ、学会の収入や勢力の拡大の「手段」として使ってきた。その結果、海外に比べ低い基準で、しかも無計画ともいえる数の専門医が“量産”された。一方で専門医による医療事故が相次いで発覚している。専門医制度は医師の最低限のレベルしか保証していないとの指摘も根強く、患者の信頼を得るには至っていない。
■臨床技術を軽視、甘い基準で専門医を量産
日本で最初の専門医制度は1963年にできた麻酔科専門医。以来、多くの学会が専門医制度をつくってきた。2002年に医師や病院の広告規制が緩和され、一定の基準を満たせば専門医資格の有無を広告できるようになったことも創設に拍車をかけた。
だが、認定では臨床技術を軽視し、筆記試験などの甘い基準で専門医を量産。会費収入で潤いながら専門医の質には責任を負わないのが実情だ。
内科や外科など18学会だけでも、専門医の数は12万6000人にも上る。さらに部位別、病気別の専門医も単純に合計すると数十万人にも達するとみられる。1人の医師がいくつもの専門医資格を持ち、かえって何が専門なのか不明確なケースも珍しくない。
■相次ぐ医療事故、患者の不信高まる
一方で04年には東京医大病院(東京・新宿)で専門医による心臓手術を受けた患者3人が相次いで死亡する事故が起きていたことが発覚。ほかにも専門医による医療事故や誤診が起き、質の担保が伴わない専門医制度に対し、患者からの不信が高まりつつある。
こうした事態を受け、日本学術会議は今年6月、「信頼に支えられた医療の実現」と題する異例の要望を発表した。「医療費抑制政策の転換」「病院医療の抜本的な改革」と並んで、専門医を育てる教育制度や教育病院などを外部評価・認証する第三者委員会の設置を盛り込んだ。
■「報酬面でのインセンティブ必要」
実は主要69学会でつくる日本専門医認定制機構(東京・千代田)がこうした第三者委の機能を果たそうと取り組んできた。 07年11月には初めて内科や外科など基本的な18学会の専門医認定制度に認定証を発行した。
だが、学会の集まりである同機構が加盟学会の“不利益”となりかねない改革を求めるのには限界がある。同機構の池田康夫理事長(64)は「教育プログラムの有無や研修施設の基準作りなど、各学会が専門医を育成するプロセスは評価するが、個々の医師の質の担保は最終的には各学会の責任」と指摘する。
その上で「新米医師が治療してもベテラン専門医が治療しても報酬が変わらない現行の仕組みでは、専門医制度に質の担保まで求めるのは困難だ。専門医制度が一層充実するためには、専門医に何らかの報酬面でのインセンティブを与えることも必要ではないか」と話している。
■欧米では医療需要見据え認定厳しく
欧米では、学会が将来の医療需要も見据えて必要な専門医の数を算出。年間6000件の手術を1人300件担当すれば、必要な医師数は20人--といった具合に、専門医の数を学会がコントロールして、医師が特定の診療科に偏る事態を防いできた。専門医になれば高収入が期待できるが、認定基準は厳しく、常にその分野のトップ水準であることが求められる。
「医師が手術ミスで患者を死亡させたときは、医師の手を切り取る」--。紀元前1750年ごろに作られた古代バビロニアの「ハンムラビ法典」は、医療事故への処罰をこう規定する一方で、診療への対価も細かく定めていた。太古から論議されてきた医師の質と対価の問題。よりよい医療を求めて、論議は4000年近くの時を経て終わることはない。
(「蘇れ医療」取材班 倉辺洋介)
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この記事は、なにを言いたいのか。
間違った記事を書いて他人の尊厳や名誉を毀損したときは記者の舌と手を切り取る事も必要ですね。
コメントありがとうございます。マスコミは「神聖」なる存在なのかもしれませんよ。彼らは記事を創造し、世論を操作し、事実を歪曲する力をもっていましたからね。
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