産経MSN 2008/
親戚(しんせき)が肝臓がんの治療を受けたが、大学病院の医師に怒りと不安を感じているので、相談にのってほしいと、知人から連絡を受けた。
がんが大きいので、まず動脈を閉塞(へいそく)させて、がんを壊死(えし)させる「動脈塞栓」という治療を受けたらしい。患者は無事に退院したが、熱が下 がらず、心配になって近くのかかりつけ医に行くと、「退院が早すぎた」と言われたそうだ。それで不安になり、このまま大学病院の治療を続けていてよいかど うかアドバイスがほしいという。
肝臓がんの動脈塞栓では、壊死したがんが吸収されるときに、熱が出る。しかし、たいていは安静にするだけで解熱する。
とはいえ患者からすれば、万一のこともあるから、体調が十分に回復するまで入院させておいてほしいと思うのは当然だろう。
一方、大学病院には、専門的な治療の順番を待っている患者が大勢いるので、ただ安静のためだけにベッドを占領させておけないという事情がある。入院待ちをしている間に、がんが転移する患者もいるのだから。
こういう事情や治療の経過をきちんと説明すれば、早めの退院も納得してもらえたのではないか。
知人が怒りを感じたのは、主治医の説明に誠意が感じられなかったからだという。患者の不安や心配を、医師がもっと理解していれば、そんな印象を与えること もなかっただろう。要するに思いやりが足りないのだ。そのために必要なのは心の余裕。だが、医療崩壊でますます激務になる医師に、そのゆとりが十分持てる だろうか。(医師・作家)
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いつも医師としては「常識」ぶって新聞やマスコミが依頼するままに、書いている作家がいます。
勤務医にとって、「心の余裕」が最早求めるなんてのが、すでに「医療」について語る資格がないことを物語っています。
在院日数削減で、昔は一か月以上入院していた心筋梗塞の入院期間は2週間を平均して切りました(死ぬか生きるかの病気でさえこの状態)。
現在の病院に患者さんに十分な声をかけたり、説明するような余裕がないことは2倍の数の患者さんを医療スタッフが同じ期間に診察していることを語ります。
残念ながら、「誠意が足りない」のではなく、「時間がない」のです。入退院の患者数が二倍となり、重症患者さんばかり診察している側からすれば、医師は「機械」みたいに働くしかありません。
病院で、次から次へと入院して処置や手術を受けるような患者さんを診察していて、余裕なぞ半端なくなっているのを無視して、誠意なんて言葉を持ち出すことが「異常」である。
勤務医の数はこの間に二倍になっていません。
昭和59年、病院勤務医は10.1万人。平成17年には16.3万人。この間に進化した医療技術はおびただしい分野に広がります。
治療内容であれば、各種カテーテル手術や内視鏡手術のような低侵襲の手術(回復まで短くなり退院が速くなります)、MRIやCTといった検査機器の進化による診断までの時間短縮(ただし、患者さんは検査に追われます)。
入院中に行われる医療行為の内容の濃度が濃くなっているのです。それだけ患者さんに説明するための時間は増えていません。
ベルトコンベヤーのスピードがあがって、作業工程が増えた、でも「労働者」が増やされていない状態だったのが最近の病院です。
久坂部医師は、「勤務医は怠けて」いるばかりという論調が大好きです。だって、彼はお気楽な「物書き兼業アルバイト医師」をやって、売文家として 名を売っていますが、それなのに医療について非常に浅い知識や経験を売りにしている・・・ま、それを産経新聞も愛用しているようですが。同業者として見れ ば、マスコミを通して「勤務医を貶め、医療の信頼を低下させる元医師」・・・論外です。
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