このネタは、はっきりいって、大学で臨床系の論文を書いている人だけじゃなく、患者さんにまつわる研究をしている人にしか関係ないかも・・・です汗。まず、ニュースから。
患者に無断で製薬会社へ検体提供 旭川医大、部長を懲戒停職1年 産経イザ! 2008/07/23
北海道旭川市の旭川医科大病院(松野丈夫病院長)で患者に無断で検体が製薬会社などに提供されていた問題で、同大は23日、臨床検査・輸血部長を停職1年の懲戒処分にした。同部長は今後1年間、同大での授業も診察もできなくなる。
同部の技師も停職1年の処分予定だったが、今月4日に依願退職した。ほかに関与した2人については「上司の命令に従っただけだ」として懲戒に当たらない厳重注意とした。
旭川医大によると、部長は平成16年から5回にわたり、患者の同意や病院側の了解も得ずに血清など約2600検体を東京都の製薬会社4社に提供。うち約1800件は氏名や検査データなど個人情報が含まれていた。
------------------------------------------------------------------------
もはや、こういう事例については社会的にも厳しい目で見られるのです。同意があろうがなかろうが論文にしちゃえば「評価」される時代は終わりました。
実は・・・
『来年度から倫理委員会、研究者の研修が義務化されます』 (ご存知でしたか?)
このことは、患者さんにとっても、研究内容の透明性を高めるために、大変良いことです。しかし、問題は倫理委員会での審査を受ける必要があるということに考えがおよばない人たち・・・が、まだ大学にいっぱい居るということです。
------------------------------------------------------------------------
臨床研究に関する倫理指針を改定 2008年7月23日 読売新聞
厚生労働相の諮問機関・厚生科学審議会科学技術部会は23日、直属の専門委員会が検討していた
「臨床研究に関する倫理指針」の見直し案を了承した。
改定指針では、研究活動が指針に沿っているかを研究機関が自己点検するよう求め、
厚労省が立ち入り調査できるようにした。倫理委員会は開催状況 や委員会の構成について、年に1度厚労省に報告することとし、国は指針の順守状況を確認調査する。ほかに、
研究者に研究倫理を徹底させるための研修、被験 者に健康被害が出た場合の補償を義務づける。 (記事提供:読売新聞)
------------------------------------------------------------------------
この臨床研究の倫理指針については 厚生科学審議会科学技術部会臨床研究の倫理指針に関する専門委員会 第9回資料にパブリックコメントの内容と対応などの情報が公開されています。
↓ご参考までに・・・
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0710-11.html ------------------------------------------------------------------------
これを読むのは大変なので・・・僕は、専門の先生に教えてもらいましたが、実はまだ臨床試験での健康被害の補償する保険は・・・実はまだないそうです(来年春だからそのうちできてくると思いたいですが)。
したがって、臨床研究を行う大学や病院側がサポートするしかないのですが・・・保険会社もたくさん「売れる」かわからないパッケージ(保険)を作ってくれるかどうかで、結局、研究資金だけではなく、保険に加入するお金がないと臨床研究をするのが大変になります。
そういう意味で、臨床研究は厳しく倫理面、そして支援体制が必要になります。昔は製薬企業から委託研究のような形で、大学医局の入ってきていた時代があ りましたが、今はどこの製薬企業も、不明朗な寄付というのは、社会理念上、株主や会計監査でNo!となりうるので、今後も「資金」の蛇口は閉められる一方 です。
結局、研究も「ヒト、モノ、カネ」の世界で、大学の設備は何とか新しくできても、人的資源と研究資金を集められないと、地方大学は大変なことになると予想します。
もちろん、日本語でしか発表されず、ペーパーにもならない、しょーもない研究が減るのはいいことなんですがね・・・日本発の「エビデンス」というためには、質量とも豊かでないと、厳しい世界です。
→


コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く