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 医療費抑制&財政再建に一辺倒の政府は、袋小路に入っているように思います。今後は、良いサービスを提供してくれる医師や看護師、ケアワーカーの需要が伸びることは、「老人」が急増することを見ても明らかです。

 医療費増大のマイナス効果ばかり強調するマスコミの論調が目立っていますが、介護も医療もそうですが、人を幸せにする産業だと思います(寝たきり家族の介護のために、自分の仕事を投げ出してもしたいという人もみえるかもしれませんが・・・まれでしょう)。

 リソース(人、モノ、金)を投入することで、周辺に及ぼす産業育成のことを考えれば、ハコモノだけの資本投下はまったく意味がなく、人的資源の拡充と、必要な財政的な資金の投入が、正しい姿だと思います。

 最近、医療崩壊が言われますが、だいたい生じているのは、高度な医療技術を持った医療従事者をつなぎとめることができず、国際的な競合だけでなく、国内の獲得競争でも勝ち負けがはっきりしているわけです。

 不足しているリソース(人的資源)を取り合って、病院同士が体力勝負をしている。自治体病院の再編ムードが、総務省や財政当局によって演出されていますが、まさに政府主導型の負の連鎖です。
 これを断ち切る意味でも、「養成数」を増やして、輸出したり、医療分野に限らず、先進的な医療産業を育成するというのは大切な視点かと思います。もちろ ん、増やしすぎると食えなくなるというワーキングプアを作り出さないためには、ハードルを設け、「腕が悪い」医師は市場から退場させられたり、消費者を食 い物にする悪徳医師や悪質な業者は市場から排除されるべきで、そういう仕組みも整備される必要があります。

 そういう意味では、国民に医療が必要かどうか、選ばせるといいかもしれません。質のいいサービスはそれなりに高価です。イギリスのように、CT一枚とる ために何週間も待たされてもいいというのなら、それも悪くありませんが、やはりそういう国では無料の医療では我慢できずに、民間の医療機関(自由診療)が 繁盛しています。

日本国民はどっちがいいでしょうかね?

  なかのひと



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【ベンチャー応援団】医師増がもたらす経済効果
FujiSankei Business i. 2008/7/23

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 □参議院議員・鈴木寛氏

 ■雇用・消費など広範囲に波及

 私は、長年、医師不足の改善に取り組んできました。今年2月12日に、医療危機打開再建議連を超党派で結成し、150人の国会議員のご協力を得て、関係大臣への折衝を行った結果、政府は「医師は不足していない」という従来の主張を取り下げました。

 6月27日、「医学部の定員削減」を定めた97年の閣議決定を撤回し、医学部定員増をはじめいくつかの医療崩壊対策を盛り込んだ「経済財政改革の基本方針」(骨太の方針2008)を閣議決定しました。

 舛添要一厚生労働相も「偏在ではなく、不足しているとの認識に立って医師を増やす」と明言しました。

 これまで厚生労働省が医師不足を認めてこなかった背景には、財政上の理由があります。長年、政府は、医療費を削減するためには医師数を抑制しなければならないとの方針をとり続け、厚生労働省はそうした方針に従ってきましたが、今こそ、その認識と発想を転換すべきです。

 医療サービスの経済活性化効果、雇用創出効果については、既にさまざまな試算が明らかになっています。

 例えば、総務省試算の産業連関表では、「医療、保険、社会保障」産業は、伸び率が90年から2000年までの10年間で56・1%増と高く、平均の11・1%を大きく上回っています。これは全産業33分野のうち、通信・放送分野に次ぐ第2位です。

 さらに、一つの産業がいかに所得を増大させ、消費を促すかの波及効果を表す「総波及係数」というものがあります。

 2000年の医療経済研究・社会福祉協会の報告書では、「医療」(4・2635)「社会福祉」(4・2889)「保健衛生」(4・2308)「介護」(4・2332)などは、全産業平均(4・0671)を総波及効果ではるかに上回っています。

 さらに、その大部分をヒューマン・サービスによる医療は、雇用創出効果も高く、04年の医療経済研究・社会福祉協会の報告書で算出されている雇用誘発係数は、全主要産業56分野中、介護1位、社会福祉3位、保健衛生8位、医療15位とおおむね高くなっています。

 また、07年の総務省の労働力調査では、医療、福祉分野に従事する就業者数は02年と比べ100万人増加し、就業者数が1・22倍になっています。これは建設業マイナス66万人、製造業マイナス37万人をちょうど吸収する計算です。

 遠い将来の医師過剰を懸念する声もありますが、これは全く杞憂(きゆう)です。製薬会社には約2000人の医師雇用のニーズがありますし、爆発的に経済力を増やし、巨大な人口を有する新興国の富裕層は、日本の医療の安全性と高い技術力を評価しています。

 例えば今、都内の有名病院の最上層の入院棟には、インド人の入院患者が増えてきています。世界一の乳児死亡率の低さを見込んで、お産のために日本へ渡航してくる例もあります。

 ツアーを組んで外国に手術に行くメディカルツーリズムというビジネスがありますが、インド、中国、中東諸国の富裕層が、自費で、世界で最も安心できる医療を受けに、わが国へ渡航して来る可能性は大いにあります。また、日本の医師を招聘(しょうへい)したいアジアの都市も数多くあります。

 手術、検診のみならず、最先端医療機器の分野でも、日本の医療分野は国立循環器病センターの人工心臓技術をはじめ、世界に誇るべき優れたコア技術を持っています。これらをいかに具体的な事業につなげていくかは、ビジネスパーソンの双肩にかかっています。

                   ◇

【プロフィル】鈴木寛

 すずき・かん 1964年兵庫県生まれ。86年東大法卒、通産省(現経産省)入省。産業政策局、機械情報産業局などで勤務後、慶大助教授に転身。2001年参議院議員選挙に東京選挙区から民主党で立候補。当選2回。


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医療クライシス:脱「医療費亡国論」/4 経済波及効果

毎日新聞 2008/06/20

 ◇公共事業を上回る

 入れ替えたベッドを運ぶ人や、掃除用具を持った人々が忙しそうに行き交う。横浜労災病院(横浜市港北区)の地下は、患者の見えないところで人々が活発に働いている場所だった。

 薬剤部、資材室、中央監視室。同病院の地下には、病院の裏方とも言える機能が集約されている。医療機器を管理する部署では、数人が機器の点検や補修をし ている。事務用品や使い捨て医療用具を扱う資材室では、職員が各診療科で必要な備品を仕分けし、院内に配送する作業に追われていた。

 ベッド数650床の同病院では日々、約1000人もの人々が働いている。医師、看護師、薬剤師、放射線技師、事務職員……。清掃や給食調理、警備、医療 機器の補修などには、業務委託先から大勢の人が派遣されてきている。下小川豊・事務局長(59)は、理学療法士や栄養士などの職種も挙げ、「病院の中では 約30種類の専門職が働いている」と説明する。

 病院は当然ながら、患者に治療を提供する場だ。同病院は地域がん診療連携拠点病院や災害医療拠点病院に指定されるなど、県内の医療の中核を担っている。一方、地域にとっては、雇用を提供し、さまざまな物資も購入する「事業所」という側面も見逃せない。

 07年度、同病院の支出総額は164億8000万円。人件費が61億円で最も多く、薬剤費21億1000万円、カテーテルなどの診療材料費約17億円などが続く。外部の業者への業務委託費も18億2400万円に達する。

 「医療立国論」などの著書がある大村昭人・帝京大医療技術学部教授は「医療機関の存在による経済波及効果は非常に大きい。医療に関連する研究機関や産業が広がり、雇用も生み出す。そもそも、医療機関自体が、治療により労働力を再生産する場所でもある」と話す。

   ■   ■

 医療にはどの程度の経済波及効果があるのか。国の10府省庁は5年ごとに、産業各部門間の経済取引の関係をまとめた「産業連関表」を作成している。宮澤 健一・一橋大名誉教授(経済学)らは、00年の産業連関表の基礎データを基に、全産業を医療や介護をはじめ、農林水産業、公共事業、運輸など56分野に再 編成した連関表を独自に作成し、ある分野に投入した費用が他分野の生産や雇用にどれだけ波及するのかなどを分析した。

 生産増は所得増を呼び、消費につながって生産を増やすという形で経済波及効果は拡大していく。連鎖的な波及効果まで含めた「生産誘発係数」を求めたところ、医療は約4・3で、公共事業の約4・1を上回った。「4・3」とは医療に1兆円を投入すると、他分野で3・3兆円の生産を誘発することを示す数字だ。

 景気対策としての公共事業に賛成する意見がある一方で、医療費については「社会の重荷」なので少ない方がいいという考え方が一般的だが、宮澤名誉教授は指摘する。

 「医療は財政にマイナスのように言われるが、決してそうではない。公共事業を上回る経済波及効果がある」=つづく

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 ご意見、ご感想をお寄せください。ファクス(03・3212・0635)、Eメール t.shakaibu@mbx.mainichi.co.jp 〒100-8051 毎日新聞社会部「医療クライシス」係。

毎日新聞 2008年6月20日 東京朝刊

 

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